ネクロズマ(日食)- ポケモン育成論サンムーン

はじめに

閲覧ありがとうございます。
ここには素晴らしい育成論が集まりただただ感服するばかりです。
今回も前回のルナアーラに引き続いて、まだあまり考察されていない禁止伝説戦を考察していこうと思います。
レーティング向けと比べると需要は低いようですが、最後までお付き合いいただけると幸いです。

日食ネクロズマの特徴

• 全ポケモン中トップクラスの鋼物理火力

日食ネクロズマの攻撃種族値は157。これはカミツルギに次いで鋼タイプ二位である。
また、威力100の専用技メテオドライブを持ち、その結果、火力はカミツルギにも勝る。
ここで、H4ゼルネアスを確定一発にできるポケモンはこの日食ネクロズマ、ソルガレオ、メガメタグロス、威力150のジャイロボールを放てる鋼タイプと大きく限られる。

• ウルトラネクロズマウルトラネクロズマの存在

ネクロズマはウルトラネクロZを持たせることで任意のタイミングでウルトラネクロズマに変身が可能である。
ここで、日食ネクロズマとウルトラネクロズマのタイプ相性を見てみよう。

・日食ネクロズマ
２倍：地面、ゴースト、炎、悪
半減以下：ノーマル、飛行、毒、岩、鋼、草、エスパー、氷、ドラゴン、フェアリー

・ウルトラネクロズマ
２倍：虫、ゴースト、氷、ドラゴン、悪、フェアリー
半減以下：格闘、炎、水、草、電気、エスパー

見ての通り、炎、ドラゴン、氷、フェアリーの相性が反転する形になる。
さらにウルトラネクロズマの素早さは129。
ゴースト、悪は一貫するものの、日食ネクロズマとウルトラネクロズマ両方に対応できるポケモンは大きく限られる。

ガブリアスガブリアスを例に挙げて考えてみよう。
ガブリアスの一致技には逆鱗、地震がある。
逆鱗はウルトラネクロズマに抜群だが、日食ネクロズマには半減である。
一方、地震は日食ネクロズマには抜群だが、ウルトラネクロズマに対して確定一発を取ることはできない。
また、ガブリアスの素早さはウルトラネクロズマに劣っているうえ、タイプ一致でガブリアスに抜群技を入れることもできる。
よって、ガブリアスは一見タイプ相性的に有利には見えるが、日食ネクロズマに突っ張るのは非常に危険であると言える。

このように、相手に「ウルトラネクロズマに変身するかもしれない」と思わせることで危険な択を迫らせること、本来苦手な炎地面技を牽制すること、交代を強制させることが期待できる。
これはソルガレオには無い明確な利点である。

• トリックルーム

本論でウルトラネクロズマではなく日食ネクロズマを採用する最大の理由がこれである。
トリックルームの利点としては以下が挙げられる。

・高速アタッカー相手にも継続的に先手を取れるようになるので読みのリスクが小さい。
・かそく、からをやぶる、ジオコントロールなどの素早さ操作に強い。
・後続の鈍足アタッカーが動きやすい。
・相手交代でも腐りにくい。

ウルトラネクロズマの素早さ129は高水準であるとはいえ、襷を持たせられず先制技も無いため、襷龍舞メガレックウザメガレックウザなどの積みアタッカーに抜かれてしまい、総崩れになることも少なくない。
相手はまず高速アタッカーであることを警戒するため、トリックルームは警戒されづらい。
特に、タイプ相性的にも、一度積まれると手が付けられないことに定評のあるジオコンゼルネアスゼルネアスを襷を使わず止めることができるのは大きい。
「ウルトラネクロズマの存在」の項で述べたとおり、高度な読みが要求されるが、仮に読み外れてネクロズマが倒されたとしても、後続で対処しやすくなる。

• 特性「プリズムアーマー」

効果抜群の技を0.75倍にする。
これによってウルトラネクロズマ以上の耐久を得ることができ、悪、ゴーストに対してもZ技で反撃の芽が生まれる。
ダメージ計算は後述する。

採用理由

• ミミッキュミミッキュ、カプ・テテフカプ・テテフ、ゼルネアスゼルネアスをはじめとしたフェアリー対策
• トリックルーム始動役
• 高火力Z技による崩し

能力値

特化サンシャインスマッシャーでアルセウスが中乱数であるため火力をこれ以上削ることはできない。
また、トリックルームを使うため、Sに割くメリットはほぼ無い。
よって、HA252残りBとする。
耐久調整は思いつき次第、随時追記していく。
性格の候補はいじっぱりかゆうかんとなる。
ゆうかんかつ個体値0の場合、種族値53と同等になる。
つまり、いじっぱりにするかゆうかんにするかで、77から53までトリックルーム有で抜けるか、トリックルーム無で抜けるかに差が出る。
代表的なものとしてはバンギラス、キノガッサ、ギルガルドが挙げられる。
基本的にはトリックルーム下で動きやすいゆうかん推奨だが、常にトリックルーム下で戦えるというわけではなく、どちらが有効かは状況によりけりなので、（厳選難易度的にも）好みで選んで問題ない。

技

• トリックルーム

採用理由は前述のとおり。
確定。

• メテオドライブ

日食ネクロズマの採用理由であるため確定。
ばけのかわ、マルチスケイルなど特性無視（ファントムガード除く）効果もおいしい。

• フォトンゲイザー

メテオドライブに並ぶ最高火力。

• じしん

鋼、エスパーが通らない鋼に抜群で相性補完に優れる。

• ストーンエッジ

ホウオウなどの飛行タイプに。
じしんと違ってリザードン相手にも撃てる。

• げきりん

行動不能のデメリットが痛いが、強力なドラゴン対策。
Zクリスタルと組み合わせればデメリットも踏み倒せる。

• ねっぷう

4倍やテッカグヤに。
技スぺ、火力的にも不安なので裏で見るのが無難か。

• ステルスロック、リフレクター、ひかりのかべ、みがわり、あさのひざし、つきのひかり

流し性能が高く、成功すれば心強いが、トリックルームと共に展開する余裕があるかどうかは微妙。

• つるぎのまい

トリックルームのターン制限が短いため、さらにターンを重ねるとなると抜き性能は期待しづらい。
また、エスパー＋鋼の一貫性もそれほど高くはない。

持ち物

本論では、相手の考えを逆手にとってトリックルームを貼るということがコンセプトなので、奇襲性、崩し性能を重視したZ技を考察する。

• ソルガレオZ

威力200のサンシャインスマッシャー。
最高火力。

• エスパーZ

てんこがすめつぼうのひかり（ウルトラネクロZ）はZ技を放つ前に変身が発動してしまうのでNG。
威力180のマキシマムサイブレイカー。
サンシャインスマッシャーより威力で劣るものの、鋼技より通りは良い。

• ジメンZ

威力180のライジングランドオーバー。
鋼タイプ対策。
ゲンシグラードン相手に確定は取れないが、崩しとしては十分。

• ドラゴンZ

威力190のアルティメットドラゴンバーン。
げきりんの行動不能が気になる場合に。

与ダメージ計算

• メテオドライブ

H4ゼルネアスゼルネアス　110.8%〜131.6%
H252メガユキノオーメガユキノオー　104.5%〜124.8%
H252バンギラスバンギラス　96.6%〜114%　乱数1発 (75%)
H4ダークライダークライ　80.8%〜95.2%
H4ルギアルギア（マルチスケイル無効）　47.8%〜56.5%　乱数2発 (86.7%)

• フォトンゲイザー

H4メガバシャーモメガバシャーモ　165.3%〜196.1%
H252ドヒドイデドヒドイデ　96.8%〜114.6%　乱数1発 (75%)

• じしん

H252ゲンシグラードンゲンシグラードン　46.3%〜55%　乱数2発 (61.3%)
H252ツンデツンデツンデツンデ　90.4%〜107.1%　乱数1発 (43.8%)
H4ドリュウズドリュウズ　115%〜136.5%

• ストーンエッジ

H252ホウオウホウオウ　148.3%〜174.6%

• げきりん

H4パルキアパルキア　103.6%〜122.8%
H4メガレックウザメガレックウザ　95.5%〜113.3%　乱数1発 (75%)

• ねっぷう

H252メガハッサムメガハッサム　101.6%〜119.7%
H252テッカグヤテッカグヤ　44.1%〜51.9%　乱数2発 (10.9%)

• サンシャインスマッシャー

H4イベルタルイベルタル　111.3%〜131.1%
H4アルセウスアルセウス　93.8%〜110.7%　乱数1発 (62.5%)
H4霊獣ランドロス（威嚇込）ランドロス(霊獣)　94.5%〜111.5%　乱数1発 (68.8%)
H4ルナアーラルナアーラ（ファントムガード込）　55.3%〜66.1%

• マキシマムサイブレイカー

H4ゲンシカイオーガゲンシカイオーガ　119.8%〜141.4%
H4ゼクロムゼクロム　94.3%〜111.3%　乱数1発 (62.5%)

• ライジングランドオーバー

H252ギルガルドギルガルド(シールド)　108.9%〜129.3%
H252ソルガレオソルガレオ　100%〜118%
H252ディアルガディアルガ　 107.2%〜126.5%
H252ゲンシグラードンゲンシグラードン　83%〜98.5%

• アルティメットドランゴンバーン

H252オリジンギラティナギラティナ(オリジン)　105.8%〜125.2%

被ダメージ計算

すべてプリズムアーマー込

マーシャドーマーシャドー　しちせいだっこんたい　97.5%〜115.1%　乱数1発 (87.5%)
↑メガリザードンXメガリザードンX（爪込）　フレアドライブ　88.2%〜104.4%　乱数1発 (31.3%)
↑ゲンシグラードンゲンシグラードン　だんがいのつるぎ　86.7%〜101.9%　乱数1発 (18.8%)
ルナアーラルナアーラ　シャドーレイ　82.3%〜97%
イベルタルイベルタル（ダークオーラ込）　イカサマ　81.3%〜97%
ダークライダークライ（眼鏡）　あくのはどう　72.5%〜85.7%
アルセウスアルセウス（＋２珠）　じしん　84.3%〜99.5%
↑ゼルネアスゼルネアス（＋２）きあいだま　 69.1%〜81.3%

相性の良い味方

• バンギラスバンギラス

悪、ゴースト対策。
砂嵐で特殊耐久が厚いので汎用性も高く、トリックルームとの相性もいい。

• ホウオウホウオウ

地面技を透かせる他、鋼への打点に。
再生力とせいなるほのおでサイクル戦にも強い。

• ゲンシグラードンゲンシグラードン

炎、鋼タイプ対策の他、高火力でゴリ押してくるカイオーガのストッパーにも。
トリックルームとの相性も悪くない。

おわりに

いかがでしょうか。
アルセウスやカイオーガのように派手な活躍はできないものの、なかなか面白い動きをしてくれます。
この育成論を読んでネクロズマの、ひいては伝説戦の魅力を少しでも感じていただければ幸いです。
伝説戦はレーティングとは一味違ったバトルになり、何よりパッケージを飾った思い入れのあるポケモンたちが使えるのが楽しいので、フリーバトルや友達同士の対戦で是非プレイしていただければと思います。