はじめにフシギダネ
初めまして。ユクシーの育成論を書かせて頂きます。
当論では一般的な呼称を使用し、登場するポケモンは全て理想個体を想定していますことを予めご了承ください。
オボンユクシー概要ユクシー
豊富なエース補助手段と高い耐久を活かしたエースサポート役。主にメガルカリオ等のアタッカーと組み、ステロによる全抜き補佐や、相手のストッパーに対するクッションとしての役割を担います。
簡単に言うならばカバルドンとクレセリアを足して2で割った感じです。身代わりと挑発に弱いのは要注意。
役割・採用理由ピカチュウ⚡
- ステルスロック + 欠伸による起点作成
- 欠伸 + (後攻)蜻蛉帰りによる対面操作
- クッション及び各種サポート
1つずつ解説します。
- ステルスロック + 欠伸による起点作成
ステルスロックを撒いた後に欠伸を連打することで、相手に眠りとステロダメ蓄積の2択を迫り、裏の積みエースの起点作りと抜き性能の補助をすることができます。相手の選出に欠伸対策枠がいない場合は、非常に強力な戦法です。
- 欠伸 + (後攻)蜻蛉帰りによる対面操作
欠伸が相手の交代を誘発することから、相手が欠伸ループに嵌まっている最中に(後攻)蜻蛉帰りを挟むことで有利対面を作ります。特に、ステルスロックを撒かずに欠伸を連打した場合は、相手は特定の2匹を交互に出してくることが多いので、狙った対面を作りやすいです。
- クッション及び各種サポート
物理特殊共に高い耐久・少ない弱点から、安定したクッションとして使うことができます。特に、耐性を持つ地面/格闘/エスパーに対する受け出し性能は非常に高く、これらを苦手とするエースの引き先として扱いやすいです。役割対象に受け出した後は、各技を用いて味方が有利な場を作り出せます。
このように、多方面からの補助を安定した耐久から展開できるという点がユクシーの採用理由です。
※ステロ+欠伸+退場技を覚えるポケモンは複数体いますが、彼らの退場技は大爆発であり、蜻蛉帰りをした後にクッションとして自身を温存しておけるのはユクシー固有のメリットです。また、ユクシーの高耐久・役割破壊の受けにくい耐性も大きな差別化点となります。
型考察スカタンク💨
- 構成
性格 : 慎重 (or穏やか)
個体値 : (31)-(31)-(31)-xx-(31)-(8〜9)
努力値 : H252 / B148 / D108
実数値 : 182-95-169-xx-180-104
特性 : 浮遊
持ち物 : オボンの実
技構成 : ステルスロック / 欠伸 / 蜻蛉帰り / ーー
- 構成意図
ステロ+欠伸をするために2耐えできる範囲を広げたいこと、クッションとしての役割をこなすために耐久を上昇させたいこと、そもそもA , C , S振りの意義が薄いことから、耐久全振り@オボンという構成をベースとします。確定欄におけるそれぞれの構成意図は以下の通りです。
☆《H実数値182》
初手で偶発する様々なポケモンに物理・特殊問わず対応したいため、総合耐久最大の252振り。また自然の怒りや怒りの前歯でオボンの実が発動するように2n調整です。
☆《B実数値169》
以下の攻撃を目安にした調整です。
A233メガバシャーモメガバシャーモフレアドライブ
→51%〜60.9% (オボン込み2耐え)
A156ミミッキュミミッキュZシャドークロー
→80.2%〜95.6% (確定耐え)
A197メガボーマンダメガボーマンダ捨て身タックル
→51.6%〜61.5% (オボン込み2耐え)
A182ガブリアスガブリアス逆鱗
→40.1%〜47.8% (2耐え)
A187ドリュウズドリュウズ地震
→34.6%〜41.2% (オボン込み3耐え)
A172メガクチートメガクチート叩き落とす
→81.3%〜96.7% (確定耐え)
物理耐久指数は30758 (オボン非込み)。近いところにはH325-B62輝石ラッキー (30225) がいます。ダメ計から分かるように、メガバシャのフレドラ以下の攻撃であれば (オボン発動の乱数も関わりますが) 2耐えすることが可能です。
☆《D実数値180》
以下の攻撃を目安にした調整です。
C172Wロトムウォッシュロトムハイドロポンプ
→49.4%〜58.2% (最低乱数以外オボン発動2耐え)
C182カプ・テテフカプ・テテフ眼鏡シャドーボール
→50.5%〜60.4% (オボン込み2耐え)
C147カプ・コケコカプ・コケコEF10万ボルト
→34.6%〜41.2% (オボン込み3耐え)
C194サザンドラサザンドラ悪の波動
→53.8%〜63.7% (オボン込み高乱数2耐え)
C127ジャローダジャローダリーフストーム
→28.5%〜34.6% (通常リフスト+2↑リフストを高乱数耐え)
特殊耐久指数は32760 (オボン非込み)。H177-D183カプ・ブルル (32391) と近い値です。2耐えの目安は太字で示した眼鏡ミトムのハイドロポンプ。
当調整以外にも主要なラインがいくつか存在するので、細かい調整は各自でお願いします。
☆《S実数値104》
無振り85族 (カプ・レヒレクレセリアスイクン) 抜かれ調整。
後攻蜻蛉ができるか否かで動きが変わってくるため、ユクシーにとってS調整は非常に重要です。ユクシーのSラインを考えるに当たって、最遅 (実数値90) 〜 無補正無振り (実数値115) の範囲にいるポケモンを見てみると、抜かれておきたい敵と抜いておきたい敵がいることに気づきます。抜かれておきたい敵は主に
・FCロトムウォッシュロトムヒートロトム (無振り時実数値106)
・レヒレ/スイクンカプ・レヒレスイクン (無振り時実数値105)
等の、下からボルトチェンジされたくなかったり、Z技や補助技で交代先に負担をかけられたくないポケモン。逆に抜いておきたい敵は、
・メガヘラクロスメガヘラクロス (無振り時実数値95)
・メガハッサムメガハッサム (無振り時実数値95)
等の、ユクシーを一撃で仕留める可能性のあるポケモン。
どのポケモンもS調整が施されることが多いですが、前者のポケモン抜かれと後者のポケモン抜きをできるだけ高い確率で満たす数字として、レヒレスイクン抜かれの実数値104を選択しました。他候補としては無振りメガフシギバナ抜かれの実数値99 (生意気S個体値20〜21) 辺り。ヘラハッサム入りには選出を控えると割りきるのであればもっと下げるのもアリですが、ミラー意識でSに少し振ったゴーストZギルガルドに上を取られやすくなるのであまりお勧めしません。
※なお、S下降補正かつ個体値Vのときの実数値が103なので、厳選が面倒な場合は生意気SVでも問題はないです。育成論としては、机上の最適解として実数値104を提示します。
☆《技構成》
ステルスロック / 欠伸 / 蜻蛉帰りまでは確定。どの技も役割遂行に必要な技なので、抜かすことはできません。ラスト1枠に入れる技としては、第四の補助手段かつ擬似的な起点回避技となる置き土産、道具頼りの相手を半機能停止にさせる叩き落とす、役割対象への処理ルートをピンポイントで確保できるようになるサイコキネシス/冷凍パンチ等が候補です。
参考 : サイコキネシス(穏やか想定)
H155-D90メガバシャーモ → 59.3%〜70.9%
H149-D93アーゴヨン → 60.4%〜72.4%
参考 : 冷凍パンチ (※威嚇非込み)
H165-B110ランドロス(霊獣) → 53.3%〜63%
運用考察"オニゴーリ"
初手でステロ欠伸を展開するか、有利対面に後投げして展開するかが基本的な運用法です。以降は、上で解説した3つを戦況に応じて選択し、役割を遂行します。
挑発されると機能停止しやすいですが、ユクシーの持ち物採用率1位であるメンタルハーブとオボンの実とでは役割対象に大きな違いは見られず、選出画面で持ち物を決め打ちされにくいので、初手の挑発をある程度心理的に牽制できるのは長所。
苦手な敵ニャース
- ユクシーを上から一撃で倒してくる可能性のあるポケモン
- 起点にされるポケモン
ex.ウルガモスウルガモス、グライオングライオン (←冷Pで対処可能)
これらのポケモンとはできるだけ対面しないような立ち回りを心がけたいです。
味方考察ソルロック❇ルナトーン
- メガルカリオメガルカリオ
ステロや欠伸による起点作りを最大限に活用できる積みエース。メガルカリオを上から止めてくる加速/スカーフ勢(メガバシャーモランドロス(霊獣)ガブリアスドリュウズカプ・テテフカミツルギ)に対してもユクシーをクッションとして機能させやすく、ユクシーに飛んでくる悪技を利用して正義の心を発動させたりできるなど、非常に相性の良いポケモンです。
- メガゲンガーメガゲンガー
ルカリオと同じく、ユクシーの役割とシナジーが合いやすい1体です。メガ進化をしておけば、ユクシーの蜻蛉帰りから影踏みキャッチが可能なのもグッド。
- ヒードランヒードラン
初手でユクシーが展開しづらい相手に軒並み強く、サイクル適性の高いポケモン。単純に相性補完が良いため、釣り交換でユクシーの不利対面を作られた場合に投げやすいです。見た目は劣化版クレセドラン
おわりにミュウ
何とはなしに思ったことですが、オボンユクシーはHSメンタルハーブ型ユクシーありきのポケモンのように考えています。メンハ持ちが一定数いるから初手の挑発を躊躇させやすいし、HSでは耐えないからミミッキュがシャドクロZを撃ってくれる、などなど。イーブイバトンパへの高い需要から メンタルハーブ > オボンの実 という使用率ランクが覆ることはなさそうですが、オボンの実の使用率がじわじわ上がってきているのはPGLより明らかなので、オボンの実がある程度認知されるようになるとまた使い方を工夫しなければいけないポケモンだなぁと感じます。
何が言いたいかっていうと、オボンユクシーを使うなら今が使い時ですよ!!