- 本育成論では、どのポケモンも理想個体(全個体値が31)であることを想定します。
- ポケモンの能力であるHP/攻撃/防御/特攻/特防/素早さを、H/A/B/C/D/Sと略記する場合があります。
- 「特化」とは、ある能力に努力値を252(最大)まで振った状態のことを指します。
- 「確(数字)」で、何回で落とせるかを表しています。例えば、「確1」という表記は、1回の攻撃で相手を落とすことができることを表します。
- 本育成論に関係のないコメントや、誹謗・中傷を含むコメントは削除させて頂くことがありますので、ご了承下さい。
はじめに
はじめまして、しっしーと申します。
初投稿になりますので、お手柔らかにお願い致します。
また、至らない点がございましたら、コメント欄にてご指摘の方よろしくお願い致します。
ゴロンダについて
第6世代に登場した悪格闘タイプのポケモン。
高い攻撃種族値とある程度の耐久を持っているものの、低い素早さやフェアリー環境などの強い逆風に押され、レートではあまり見かけないポケモンとなっています。
一方、第7世代への移行に伴い、「つけあがる」という技を習得しました。「つけあがる」という技は、「能力上昇1段階につき、威力が20上昇する。」という特徴を持った、威力20の悪タイプ物理技です。
今回は、この技「つけあがる」に注目し、イーブイバトン成功時のゴロンダについて考察していきたいと思います。
イーブイバトンについて
「イーブイバトン」と呼ばれる戦法について簡単に説明させて頂きます。
イーブイに専用Zクリスタル「イーブイZ」をもたせることで、技「とっておき」を専用Z技「ナインエボルブースト」として発動することができます。
「ナインエボルブースト」の効果は、「全能力(攻撃/防御/特攻/特防/素早さ)を2段階ずつ上昇させる。」という技です。これを発動したイーブイが技「バトンタッチ」を行うことで、上記の能力上昇を引き継いだポケモンに攻撃をしてもらう、という戦法になります。
この戦法「イーブイバトン」において、能力上昇を引き継ぐポケモンが、先程紹介しました技「つけあがる」を使った場合、能力上昇は合計10段階であるため、追加される威力は200、つまり威力220の悪タイプ物理技を、攻撃2段階上昇した状態で放てることになります。
もしこのイーブイバトンが成功した場合、相手3体を一掃することも難しいことではないでしょう。
なお、この育成論では、イーブイバトンを成功させることについては言及せず、あくまでイーブイがゴロンダにバトンタッチを成功させたことを前提に話を進めていきたいと思います。
イーブイバトンとゴロンダ
「イーブイバトン」と「つけあがる」の相性がよいことは、先程の節で説明した通りですが、第7世代から追加されたこの技「つけあがる」を覚えたポケモンは他にもいます。
そのポケモンは以下の通りです。
・オコリザル
・エンペルト
・ワルビアル
・ガオガエン
(進化前のポケモンは省略させて頂きます。)
これらのポケモンも、今回考察するゴロンダと同じ動きができますが、ゴロンダには、他の「つけあがる」を覚えるポケモンにはない特徴があります。
それが、ゴロンダの特性の1つである「型破り」です。
「型破り」とは、「相手の特性の影響を受けずに攻撃することができる。」という特性です。この特性によって無効化できる代表的な特性として、「化けの皮」や「頑丈」などが挙げられます。
つまり、超強力な能力上昇を得たポケモンを強引に止めてくるミミッキュや、特性「頑丈」のポケモンに臆する事なく攻撃できるという点が、今回考察するゴロンダが持つ最大の特徴です。
現環境使用率がかなり高いミミッキュの対策が可能であるだけでも、採用する価値があると考えられます。
(実際のところ、イーブイバトン特有の弱点や、対面にミミッキュがいる状態でバトンする事によるリスクなど、課題点はありますが…)
という事で、今回他の「つけあがる」を覚えるポケモンとの差別化は、特性「型破り」を持っている点によって完了している、とさせて頂きます。
特性
上記の理由により、特性は「型破り」で確定とさせて頂きます。
性格・持ち物・努力値配分
性格:陽気(Sに+補正、Cに-補正)
持ち物:ロゼルの実(効果抜群のフェアリータイプ技半減)
努力値:4-44-204-×-4-252
実数値:171-150-124-×-92-121
(以下、全能力2段階上昇時で計算)
HB
A特化ミミッキュのぽかぼかフレンドタイム+影討ちを、半減木の実込みで最高乱数2連続以外耐え
S
最速スカーフカプ・テテフ抜き
物理耐久については、イーブイがバトンタッチを行う際にミミッキュから攻撃を受ける事を想定した調整、素早さについては、バトンタッチが成功した後に上から手痛いダメージを貰わないために、最も速い型のカプ・テテフを抜ける調整にしました。
特殊耐久については、フェアリータイプの技を打たれない限り耐えることができますので、端数を振るだけに留めました。
火力面に関しては、すでに十分過ぎる程にあるのですが、念のために余りを振っています。
技構成
- 確定技
つけあがる
イーブイバトンを成功させた後のメインウェポンなので確定です。Z技に引けを取らない程の威力を放つことができます。
ドレインパンチ
タイプ一致の優秀なサブウェポン。バトンの際の被ダメージや定数ダメージによって、敵を倒す前にゴロンダが倒れてしまう状況を防ぐことができます。イーブイバトンのバトン先には敵のポケモン3体を倒すことが要求されるため、ダメージの蓄積を回復させ場持ちを良くさせることはとても重要と言えます。
- 選択技
ダストシュート
確定技の2つをどちらも半減してくるフェアリータイプへの打点です。威力は申し分ないですが、命中に不安が残ります。
他の毒タイプ物理技に「毒突き」がありますが、フェアリータイプに対しては、威力220のつけあがるの方が毒突きよりもダメージが入りますので、「毒突き」は不採用とさせて頂きます。
ビルドアップ
「つけあがる」の威力をさらに増強させることができる積み技。1回ビルドアップを使うごとに「つけあがる」の威力は40増加します。特に、場に出るだけでAを1段階下げてくる特性「威嚇」のポケモンは、ゴロンダの火力を著しく下げる天敵です。裏にそのポケモンがいる場合は、対面する前に積んでおくことで倒せなくなる事態を未然に防ぐことができます。
身代わり
ゴロンダが状態異常にさせられ、行動を制限されることを防ぐことができます。持ち物「気合いのタスキ」を持ったポケモンに技「電磁波」や「キノコの胞子」などを打たれてしまうとなす術がなくなってしまうので、その対策として身代わりは有効に働きます。
地震
ゴロンダが対処し辛いクチートへの打点です。ビルドアップとの同時採用が前提ですが、クチートを後出しされた場合でも、ビルドアップを積むことで安全にじゃれつくを耐え、返しの地震で落としきることができます。
威嚇と高火力フェアリー技をあわせもつクチートは、このゴロンダの動きをかなり制限してきますので、クチートを重く見るのであれば採用したい技です。
つっぱり・連続パンチ・ダブルチョップ
こちらも、ゴロンダ単体では対処が難しくなる「気合いのタスキ」持ちのポケモンへの対抗策です。一度行動を許しただけでも、「キノコの胞子」や「電磁波」などでゴロンダの動きを阻害されてしまうことがあるので、持ち物「気合いのタスキ」を重く見る際には、これらの連続技が効果的です。
ダメージ計算
以下のダメージ計算は、スマートフォンアプリ「ダメージ計算Z for ポケモンウルトラサンムーン」を用いて計算しています。このアプリの作成者様に感謝申し上げます。
- 与ダメージ
以下、A2段階上昇時で計算します。
ポケモン名の隣のカッコ内には、ポケモンのHBの実数値を記載しています。
「つけあがる」威力220
HB特化テッカグヤ(204-170)
107.3~%(確1)
HB特化ナットレイ(181-201)
102.7~%(確1)
H252ツンデツンデ(168-231)
95.2~113%(75%で落とせる)
HB特化カバルドン(215-187)
92.5~109.3%(56.2%で落とせる)
H252マリルリ(207-100)
89.8~105.7%(37.5%で落とせる)
HB特化輝石ポリゴン2(192-234)
83.3~98.4%
H252カプ・レヒレ(177-135)
77.9~91.5%
<威嚇によりA1段階上昇となった場合>
「つけあがる」威力200
H252霊獣ランドロス(196-110)
117.8~%(確1)
H4メガボーマンダ(171-150)
98.8~117.5%(93.7%で落とせる)
H252メガクチート(157-145)
55.4~65.6%
「ドレインパンチ」威力75
H4カミツルギ(135-151)
124.4~%(回復量77)
H252ヒードラン(198-126)
103~%(回復量99)
HB特化ブラッキー(202-178)
71.2~84.1%(回復量72~85)
HB特化ナットレイ(181-201)
70.7~83.9%(回復量64~76)
HB特化輝石ポリゴン2(192-234)
57.2~68.7%(回復量55~66)
<威嚇によりA1段階上昇となった場合>
H4メガギャラドス(171-129)
87.7~102.9%(12.5%で落とせる)
(回復量75~85)
「ダストシュート」
H252アシレーヌ(187-94)
154~%(確1)
H252マリルリ(207-100)
131.4~%(確1)
H252カプ・レヒレ(177-135)
114.1~%(確1)
HB特化カプ・レヒレ(177-183)
83.6~99.4%(確2)
「地震」
H252メガクチート(157-145)
100.6~%(確1)
HB特化クレッフィ(164-157)
89~104.8%(31.2%で落とせる)
H252盾ギルガルド(167-170)
80.2~94.6%
- 被ダメージ
(以下、BD2段階上昇時で計算)
A特化メガリザードンX逆鱗
42.1~49.7%(確3)
A特化メガバシャーモ飛び膝蹴り
80.7~95.9%
A特化メガボーマンダ捨て身タックル
84.2~99.4%
A特化メガルカリオインファイト
84.2~100.5%(6.2%で落ちる)
C特化カプ・レヒレムーンフォース
56.1~66.6%(半減木の実込み)
C特化カプ・テテフムーンフォース
67.8~81.8%(半減木の実込み)
A特化ミミッキュぽかぼかフレンドタイム
78.3~94.7%(半減木の実込み)
A特化メガクチートじゃれつく
81.8~98.2%
他にも載せた方が良いというダメージ計算がありましたら、コメント欄にて教えて頂きたく思います。
注意すべきポケモン
さて、ここまで散々ゴロンダのことを褒め倒してきましたが、残念ながら不利なポケモンが存在します。
- 技「吹き飛ばし」(カバルドンなど)
これはイーブイバトンという戦法自体の天敵と言えますが、いくら能力上昇を獲得しても、交代を強要される技を打たれてしまうと全て水の泡です。このような技を持っているポケモンを警戒する場合は、自身に対する変化技を跳ね返すことができる特性「マジックミラー」を覚えたポケモンを採用しましょう。中でもエーフィは、「つけあがる」をエスパータイプ特殊技にしたような技「アシストパワー」を覚えるため、イーブイバトンとの相性も良く、頻繁に採用されています。
・クチート
上記のダメージ計算でもお分かりの通り、クチートは威嚇でゴロンダの火力を下げてくる上に、技「じゃれつく」で致命傷を負わせられることになります。クチートを警戒する場合は、技「ビルドアップ」を採用して、クチートと対面する前にクチートを一撃で倒せるような準備をしておきましょう。ちなみに、クチートと対面する前に1回「ビルドアップ」を使うだけで、メガクチート状態の「じゃれつく」を余裕をもって(66.6~78.3%)耐えることができます。
・キノガッサ
キノガッサの持ち物は「気合いのタスキ」がほとんどで、後出しされた場合、タスキで耐えられてから技「キノコの胞子」で眠らされてしまいます。キノガッサを警戒する場合は、技「身代わり」を採用して「キノコの胞子」をスカしましょう。しかし、これを読んで技「マッハパンチ」を打たれた場合は、その後かなり不利な択を強いられることになるので、大人しく他のポケモンを選出した方がいいかもしれません。同じポケモンの紹介になりますが、エーフィは特性「マジックミラー」によって「キノコの胞子」も怖くありません。
他にも、技「黒い霧」や「呪い」、「滅びの歌」など、警戒する技はありますが、イーブイバトン自体の弱点でもあるので、パーティ全体でのカバーが必要になります。
謝辞
このゴロンダの型は、自分が思いついたものではなく、自分の友人であるMくんのミミッキュへの殺意が形になったもので、そこから自分が協力する形で努力値振り等を決めていったものです。この場を借りて、Mくんには感謝申し上げます。
最後に
いかがだったでしょうか?
この育成論をご覧いただき、少しでもイーブイバトンにおけるゴロンダの破壊力を伝えることができたら幸いに思います。
ここまでご覧頂き、ありがとうございます。
俺は止まんねぇからよぉ…お前らが止まんねぇ限り…その先に俺はいるぞぉ!だからよぉ…
(ミミッキュで)止まるんじゃねぇぞ…
追記・変更記録
・2018/06/12
ゴロンダの技の確定欄をダストシュートから毒突きに変更
毒突き・ダストシュート・ドレインパンチのダメージ計算を追記
地震が候補外になる理由を追加
一部の表記を変更、誤字訂正
・2018/06/13
ゴロンダの技の確定欄を毒突きからダストシュートに変更
毒突きのダメージ計算を削除
地震が候補外になる理由を追記
↓
地震を選択技に追加
地震のダメージ計算を追加
・2018/07/04
候補技につっぱり・連続パンチ・ダブルチョップを追加