どうも、最近ダブルの論が増えてきて嬉しいファイドです。
フォーク元が折角このサイト初の悪z型なのに論として納得いかないので自分で1から書き直します。こいつ今月だけで3つ目
- 指定のない限りすべてのポケモンは理想個体とする
- HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをそれぞれHABCDSと表記
- ポケモン名やタイプ、持ち物等に一部略称を使用
- ダメ計にはトレーナー天国様のものを使用
- 蛇足の項は読み飛ばし推奨
はじめに
強いアタッカーの条件とはなんだろうか。高い火力や素早さ、広い技範囲、優秀な特性などはすぐに思いつくだろう。他にも環境への刺さり具合や相性の良い並びなど様々な要素が絡んでくる。
そんな中でも異彩を放つポケモンがいる。フェローチェである。極端なまでに高速紙耐久なステータス、馬鹿みたいな等倍範囲と壊れ特性を持つ最高峰のアタッカーである。しかしこいつには痛すぎる弱点が存在する。ギルガルド(シールド)に手も足も出ないのである。
だがそれもSM時代の話。今回はフェローチェがUSUMで新たに習得したイカサマを用いた型を考察する。
この型の強み
- 特性が発動しやすくなる
これはz持ちビースト全てに共通するが、瞬間火力を上げることで特性ビーストブーストの発動を容易にし、結果的に抜き性能の向上が図れる。
- メジャーな鋼のほとんどに打点を持てる
悪z型のメリットはこれに尽きる。
フェローチェ自体の強みは他の論で散々語られているため省略するが、氷+格闘で広い範囲をみることができる上にメインウェポンを無効・半減してくる相手に対しても負担をかけていけるようになる。具体的には、
抜群をとれるギルガルド(シールド)メガメタグロス
膝読み守るへの処置としてテッカグヤ
また鋼以外ではミミッキュメガゲンガーカプ・テテフあたりが追加で役割を持てる。
と、ここで疑問を抱いた方もいるだろう。
実はフェローチェのイカサマzは、高乱数とはいえH252ギルガルド(シールド)を確定で落とせないのである。これでは一見役割を満たせていないように思える。
しかしこの型の真価は「相手を倒す」ことではなく、「より多くの相手に負担をかける」ことにある。悪zを採用することで本来のスイーパーとしての性能だけでなく役割対象外への強烈な崩しが行える。要するに、ギルガルド(シールド)やその他鋼を苦手とするエース、すなわちカプ・テテフの一貫を作ることができるのである。
またこれはあくまで付加的なものであるが、現環境で依然として猛威を振るうカバルドンメガボーマンダギルガルド(シールド)の並びのそれぞれに対して打点を持てる。
ちなみに似たような技範囲と特徴を持つポケモンにマニューラがいるが、Sの違い、火力、特性等により明らかに劣っているといえる。
採用理由
ここまでの内容より、
- 闘+氷の広い範囲とS、特性によるスイーパー(従来と同じ)
- 大多数の鋼への役割集中
以上の理由で採用が可能である。
持ち物
悪zで確定
ちなみに地面zでも似たようなことはできるが火力が足りない
技構成
- 確定技
イカサマ
仮想敵(悪z)ギルガルド(シールド)メガメタグロスミミッキュカプ・テテフ
今回のコンセプト、悪zの元になる技
素で打つことはほぼないが一応PF下で舞ったミミッキュに刺せないこともない
冷B、飛び膝蹴り
「本来の役割を損なわないこと」が役割破壊型の基本であるため確定
とくに膝は鋼への役割集中のために必須
詳しくは他の論を読んでほしい
- 選択技
とんぼ返り
不利対面で逃げられる。ミミッキュの皮を剥がして逃走する動きは有名。
ドリルライナー
仮想敵カプ・コケコメガゲンガーギルガルド(シールド)アーゴヨン
格闘半減地面抜群勢に打つ
毒突き
仮想敵 フェアリー
+1でもH252カプ・レヒレを落とせないのでドリルライナーで十分な気がする
身代わり
なんかフォーク元で揉めてた技
キンシ透かしやターン稼ぎに
詳しくはこの論の最後の項で解説するが、選択技のうちライナーと身代わりはどちらか一方のみで十分であると考える。また、役割外に強引に技を通すというコンセプト上とんぼ返りの重要度もあまり高くない。
調整
やんちゃ
努力値 H4/A252/B4/C4/S244
実数値 H147/A207/B58/C158/D51/S202
H 奇数、膝外し2耐え
A 火力が足りないのでぶっぱ
B 余り
C 余り
S 最速130族抜き抜き
物理特殊両方使うため、またAにブーストをかけるために耐久に下降、Aに上昇補正をかける。先制技意識でDダウン。変化量がたったの6ww
Bに振ることでBに厚いギルガルド(シールド)の+2影うちの乱数が、Cに振ることでHDグライやチョッキランドへの乱数が動く。ただしSはもうひとつ上げるとミラー対策、最速+1メガバンギラス、準速150族抜きになる。その場合はH4は残しBCをSに回すのが良いだろう。筆者は244振りの方が好きだがここはお好みで。
相性の良い味方、構築
前述の通りカプ・テテフとのシナジーが圧倒的である。ほぼ確定といっても過言ではない。
相性補完がよくPFで先制技を潰せる上に本来苦手な相手を跳ね返すことができる。
カプ・テテフの型としては抜き性能が高いスカーフ型か対面性能意識のメガネ型がベスト。
また悪zを持つとはいえ場合によってはギルガルド(シールド)に対する引き先が必要である。相手に不利な択を増やすためにもカビゴンかポリゴン2は必須級であろう。
さらに、若干足りない火力を誤魔化すステロ要員等もオススメする。
運用方法
基本は初手に出す。有利対面であれば素直に攻撃して負担をかけていく。ガルド入りだった場合受けだしてくる場合もあるがこいつ自身の耐久が低すぎるため交換読みは若干危険。
またステロを巻いておくことで抜きエース的な動きもできる。スイーパーと役割集中、二つの役割を相手によって使い分けられるのがこの型の最大の特徴と言えるだろう。
ダメージ計算
それぞれダメージの目安として分かりやすいもののみを記載する。これ以外は適宜推測、計算して頂きたい。
性格補正込み252振りを"特化"と表記
- 与ダメ
zイカサマ
H252ギルガルド(シールド) 95.8〜113.7%、高乱1
メガメタグロス 103.2〜122.5%、確1
カプ・テテフ 98.6〜116.5%、超高乱1
H4ミミッキュ 103.8〜122.9%、確1
冷B
H244ランドロス(霊獣) 110.7〜131.2%、確1
(D実数値134以上で確2)
H4メガボーマンダ 114.6〜135.6%、確1
H212D132振り 87.3〜103.5%、低乱1
(↑調整先多すぎるので代表して夢咲楓さんのやつで計算)
H252カバルドン 54.8〜64.2%、確2
H20アーゴヨン 76.8〜91.3%、確2
ガブリアス 111.4〜133.3%、確1
H188D180ヤチェ 40.5〜48.3%
構築記事を漁った中で一番硬かった調整
ヤチェガブは相手の振り方にもよるがほぼ五分であり、ステロを優先してくるなら倒せるが岩封×2は微妙
H212D特化グライオン 88.1〜106.2%、中乱1
飛び膝蹴り
H4メガギャラドス(威嚇込み)92.3〜109.9%、中乱1
HB特化ポリゴン2 69.1%〜81.6%、確2
HB特化ナットレイ 83.9%〜99.4%、確2
H252メガガルーラ 119.8%〜141.5%、確1
H252テッカグヤ 60.7%〜72%、確2
- 被ダメ
無振りギルガルド(シールド)影うち 45.5%〜53.7%、中乱2
特化メガメタグロスバレパン 74.1%〜88.4%、確2
無振り+1ポリゴン2冷B 84.3%〜100%、超低乱1
特化ランドロス(霊獣)地震 71.4%〜83.6%、確2
無振りガブリアス岩封 40.1%〜47.6%、確3
(60振りまで確定3)
C252珠ゲッコウガ手裏剣 23.8%〜29.2%、4発目で乱数
特化メガボーマンダ捨て身 819%〜965.9%
選択技について(めっちゃ長いので注意)
フォーク元は何故か悪zの説明を飛ばして身代わりについて述べていたが、本当に有用なのだろうか。ポイントを整理してみよう。
まず長所としては、
- 相手の交代に合わせるとアド
- 状態異常、威嚇耐性
- トリル等へのターン稼ぎ
- ガルドのキンシをすかせる
などなかなか強みがあるように見える。だが筆者としてはこれ自体ははあくまで机上論だと考える。
1は高速アタッカーに共通する誤魔化し策としてアリだが、2はそもそも対面で相手が搦め手を使ってくることはほぼない。なぜならどれだけ火力が低いポケモンでもフェローチェ相手なら普通に殴った方が早いからである。耐久ポケの中で殴るより搦め手の方がダメージが通るような奴はツボツボくらいだろう。また威嚇に関しては現環境の主な威嚇持ちはメガボーマンダランドロス(霊獣)メガギャラドスメガクチート辺りだが、マンダランドには特殊技の冷Bを打つことができこれはフェローチェの強みでもある。またギャラはダメ計にもあるが威嚇込みで乱数、クチートはそもそも相性が悪い。
3は「相手トリル自分身代わり→身代わり連打」という動きができるがこれで相手が倒せるわけではなくむしろ自分が先制圏内に入ってしまう。
そして肝心の4だが、ギルガルド(シールド)対面で初手身代わりはかなり危険な選択だと考える。基本的にガルドフェローチェ対面はガルドが圧倒的に有利であり、キンシをするメリットはさほどないからである。もし仮に相手が珠A特化なら1度身代わりを打つと影うち圏内に入ってしまう。こちらの身代わりに攻撃を合わせられると次のターンに何もできずに落とされてしまう恐れがあるのである。
また悪zにキンシを合わせられたとしても、キンシ込み悪z+ドリルライナー+特化テテフのサイキネで殆どのガルドが確定で落ちる。つまり身代わりの代わりにドリルライナーを採用すれば、ガルドへの役割集中の役目を果たしつつそのまま技範囲が大きく広がるのである。+1状態なら130族抜きを生かしてカプ・コケコメガゲンガーを縛れるのはかなり強い。
しかしここで大きな問題が生じる。弱保ガルドの存在である。相手のガルドがもし弱保型であれば、悪zの可能性もなくはないフェロ対面でキンシが最安定択となる。キンシ+弱保発動影うちで無振りであっても中乱数で処理されるのである。この場合は相手のキンシに身代わりを合わせ次のターンに悪zで落とす方が良い。
と思いきやここでもう一つ問題がある。弱保ガルドはHA/Cぶっぱの個体のみならず大きく耐久に振った型も少なからず存在する。要するにキンシを透かしても悪zを耐えられることがあるのである。だがこれ自体は役割集中を起こせている上、影うちにテテフを合わせやすいので大したことはない。重要なのはこれらの多彩な型を正確に判断するのは不可能なのだということである。そのため結局は弱保ガルドをどれだけ重く見るか というのをそれぞれの感覚や環境、構築と相談して選択してほしい。ただしフォーク元のように他の技を差し置いて確定技になることは絶対にない。前述の通りドリルライナーとの二者択一でありよっぽどのことがない限りトンボも同じ枠である。
<蛇足>
弱保ガルドの回避策として、型が判明していない初ターンはまずガルド受けに交代するのが良いだろう。1サイクル回すうちにPFを展開できたりもするためかなり有利に戦うことができる。また悪zで弱保が発動した次のターンは高確率で影うちがとんでくる。この場合もテテフもしくは裏のノーマルに引くことで対処できるがここは完全に択である。
ちなみに弱保の採用率は5/23現在18%ほど、対してフェローチェの悪z採用率は9.7%である。この数字が高いか低いかは判断しかねるがガルド側としても特にテテフ+フェロの並びを見たら悪zを頭の片隅に置いておくといいだろう。
最後に
今回はどうしても文字ばっかりで見づらくなってしまいかなり反省している。
ところで筆者の初投稿の論を読んだことがある方はいるだろうか?この論で筆者はガルドを目の敵にしながらガルドに全く歯が立たないポケモンを考察し、「ガルドをボコる」とかいう捨て台詞を吐いてしまっている。しかし今回である意味で伏線を回収したといえる。(自分で言っては終いだが)悪zフェローチェでより多くのガルドを狩ってくれれば幸いである。
宣伝↓
育成論サンムーン/1817