第7世代の終盤に硬派な育成論はいかがでしょう。装飾は最低限、文字は多数。とても万人受けしなさそうですが、こういった論調を好まれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
- 理想個体を想定します。
- HP/攻撃/防御/特攻/特防/素早を略称としてH/A/B/C/D/Sと表記します。
- ノーマル/電気/地面/格闘/エスパー/ゴースト/飛行/ドラゴン/フェアリーの各タイプは無/電/地/格/超/霊/飛/竜/妖という略称にて表記します。
- 性格補正をかけて努力値を252振ったものを特化と表記します。
- 各ステータスのランク変化を+1~6/-1~6と表記します。
- 荒れる原因となるようなコメントは述べられている内容が正論でも削除致します。
ABSTRACT
【背景】ヌオーは水/地面の複合タイプをもつポケモンで、特性てんねんを持つことが最大の特徴である。最近、ヌオー入りの受けループで好成績を記録した構築記事が散見されるため、実際にレート対戦にて検証を行った。本論はその経験からヌオーの運用法と注意点を考察することを目的とする。
【方法】約200戦のレート対戦を行った。ヌオーの調整はのんきH244B252D12、持ち物は食べ残し、技構成は自己再生/守る/熱湯/地震とした。パーティは輝石ラッキー、エアームド、グライオン、ミミッキュ、ボーマンダで開始したが、適宜交換した。
【結果】型や構成に寄るが、ミミッキュ、バンギラス、メタグロス、霊獣ランドロス、霊獣ボルトロスなど多くへ受け出しが可能だった。ただし、耐久が低いため受けは不安定で、HP管理には注意を要した。ギャラドス、カプコケコは安定しなかった。メガリザードンXは他との連携が必要だった。
【考察】エアームドやドヒドイデほど受け出しは安定しないものの、電気を無効化できるため受けを担える範囲は広く、選出に融通がききやすい。通常の受けループでは困難な範囲まで守備できる。ヌオーを含めた構築や運用には読みと慣れを要すが、高レートを叩き出した結果に見合う環境に刺さった1体だと思われた。
背景
ガオガエンはアシレーヌに勝てない。
ハイドロポンプで倒されてしまうからである。
これは代表的な不利対面の一例を示すものである。ガオガエン側は水技を受けるべくジュナイパーへと交替したいところだが、ここで懸念事項がある。こちらの交替を読まれて冷凍ビームをうたれると大ダメージを受けてしまうことである。
ポケモン対戦においては持ち物、技構成、パーティ編成、果てには環境やレート帯など、あらゆる要素が複雑に絡み合うため一概には言えないが、後出しという行為は常に上記のようなリスクを伴うものである。この読み合いがポケモン対戦の醍醐味であり、運ゲや択ゲなどと揶揄される所以でもある。
では、ジュナイパーではなく進化の輝石ラッキーをアシレーヌに後出しする場合はどうだろうか。
法外な特殊耐久をもつラッキーであれば、アシレーヌの水技、妖技、氷技、さらにそのZ技を受けても大したダメージは受けない。ジュナイパーと比して後出しのリスクが遥かに少ないことが分かる。卵産みで回復まで可能なラッキーをアシレーヌで突破することは困難を極めるため、アシレーヌ側は後続へと交替することを余儀なくされる。
これを俗に受けが成立すると呼ぶ。
同様にして相手のパーティ全員に受けを成立させることができれば、相手は勝ち筋を失って敗北が決定することとなる。このようなコンセプトで考案された構築が受けループである。
受けループはなるべく広い範囲の攻撃を受けられるように耐久や耐性に優れ、かつ何かしらの回復要素を含んだポケモンで構成される。よく使用されるポケモンとしてはラッキー、エアームド、ドヒドイデ、ヤドラン、グライオンなどが該当する。
これら高耐久なポケモンは得てして攻撃性能が低いため、毒や火傷、ゴツゴツメット、地球投げなどの定数ダメージを武器とすることが多い。相手のPPが枯れるまで粘ってわるあがきの自傷ダメージで突破を狙うことさえしばしば経験する。
この構築の利点はとにかく後出し時のリスクが低いことにある。グライオンはアシレーヌに勝てないが、無理に突っ張らずラッキーに引けば良い。相手がラッキーを倒すべくバシャーモに交替してきたらヤドランを後出しすれば良い。ヤドランにギルガルドを合わせて来たらグライオンに戻せば良い。このように後手を取る動きが不利に働きづらいため、ポケモン対戦にありがちな読みあいの少ない安定した戦術を取ることができる。
しかしながら昨今の対戦環境は高性能な積み技、凶悪なステータスや特性を得るメガシンカ、過去に類を見ない威力を叩き出すZ技と、とにかく火力のインフレが凄まじく、受けきれずに崩されてしまうことが多い。また、回復行為を封じる挑発、交替を制限する影踏み、耐久数値を無視する一撃技など、パーティ内には何かしらの受けループ対策が施されているものである。お世辞にも環境に刺さっているとは言い難い状況にあると言えよう。
もっとも、受けループはその性質上、勝つまでに多くのターン数を要し、とにかく時間がかかる。その時間を対戦相手に付き合わせることになるため非常にヘイトを集めやすく、陰キャ戦法などと蔑称がつく有様である。そのような構築が刺さってしまう環境も対戦ゲームとしてどうかと思うところがある。また、受けループはしっかり対策されてしまうとどう頑張っても勝てない側面があり、たまに見かけて対策の薄いところを突ける今ぐらいの使用頻度がむしろ良いのかもしれない。
少し話題が逸れたが、受けループ側もこの向かい風な環境に対抗すべく、様々な要素を取り入れている。具体的にはプテラ、フェローチェ、ゲッコウガなどの高速アタッカーをエースストッパーとして採用したり、メガヤミラミ+ヌケニンやカプブルル+ヒードラン+ドヒドイデといった並びを流用して受けの範囲を広げたり、エアームドやグライオンをアタッカーとして運用して相手の読みを出し抜くなど多岐にわたる。
さて、受けループで高レートを記録した構築記事を渉猟してみると、最近はヌオーを採用しているものが増えていることに気付く。
ヌオーはポケットモンスター金銀にて登場した水/地面の複合タイプをもつポケモンである。使い勝手の良い地震を低レベルで自力修得できるため旅パに採用した方も多いのではないだろうか。
種族値はHP、攻撃、防御は並、それ以外は平均未満といまひとつ冴えない。4倍弱点が1つ、半減以下が5つとタイプ相性は優秀である。技は自己再生、熱湯、蓄えるといった受けに必要そうなものは一通り習得可能であり、基本は耐性を生かして受けに行くこととなる。
耐久数値の心許ないヌオーの最大の特徴は、特性てんねんを持つことである。これは対戦相手の能力変化の影響を無視するものであり、積み技で火力を増強して受けループの崩しを狙うアタッカーへの対策となりうる。
本育成論はヌオー入りの受けループにてレート対戦を行い、各役割対象との戦績をまとめたものである。そこからヌオーの運用法や注意点が抽出されたため、若干の考察を加え以下に報告する。
方法
ポケットモンスターUSUMのレーティングバトル(シーズン16)の環境下、ヌオーを採用した受けループで200戦程度の対戦を行った。本育成論は初心者を対象としているため初期値のレート1500で開始した。
ヌオーの主な役割対象はひとまず以下に定めた。
ミミッキュ、ギャラドス、バンギラス、メタグロス、ランドロス、ガブリアス、カビゴン、マンムー、パルシェン、マリルリ、カプコケコ、霊獣ボルトロス、ヒートロトム、ジバコイル
ヌオーは予めフリーバトルにて試運転を経て、最も使用感の良かった以下の個体を採用した。ブログなどでもよく紹介されているシンプルな調整である。
性格のんき
努力値H244/B252/D12
実数値201-105-150-85-87-49
技自己再生/守る/地震/熱湯
もちもの食べ残し
ヌオーの役割対象は物理に偏っているため防御に性格補正をかけて努力値を振り切った。HPは202でも構わないが奇数調整だけ施し、残りを特防へ回した。地震と熱湯を採用するため下降補正は素早さを選択した。個体値はすべて31としている。
技は受けを担うため自己再生は確定。守るは偵察、草技の有無の確認、定数ダメージ稼ぎ、Z技の被害軽減、飛び膝蹴りすかし、こだわり持ちの技固定、トリルや天候のターン消費、釣り出し交換への抵抗、PPを消費させるなどを目的として採用した。残る2枠はタイプ一致最高火力の地震と火傷狙いを兼ねる熱湯とした。他の技候補としては毒毒、カウンター、まとわりつくなどが候補として挙がる。
パーティはブログを参考にしつつ、ひとまずヌオー、輝石ラッキー、ゴツメHBエアームド、毒々玉HDグライオン、専用Zミミッキュ、最速両刀ボーマンダで始めた。筆者の読みレベルや慣れもあるため、技とパーティは適宜変更することとした。
結果
慣れないパーティなこともあって、かなり迷走した。筆者は安全思考で守りに偏った立ち回りをするため、ボーマンダの使い方があまりに下手だったのが理由なのだろう。カプレヒレとフェローチェとオニゴーリにやられ、対策として毒びし/ダストシュート/黒い霧/自己再生のドヒドイデ@ドクZが誕生した。どう見ても謎ポケだが、スカーフレヒレのトリックを無効にしたりテテフやウルガモスにダストZを叩き込んだりと意外に活躍した。両刀マンダの増加を感じ、エアームドをサンダーへ交換したが、カバマンダのステルスロックが重すぎて結局戻した。
レートは最高で1880程度で、後半は1840前後をずっとうろうろしていた。
以下、各役割対象への受け出しを記載していく。
1 対ミミッキュ
受けループではエアームド、ドヒドイデ、モロバレルあたりが担当する。ミミッキュの剣舞にはそれぞれ鉄壁、黒い霧、クリアスモッグで対応可能だが、ヌオーはそれらの技に1ターンを費やす必要がない。攻撃上昇時の急所で崩されない点も安心感があった。
ミミッキュには1度も崩されなかったため受けだしは極めて安定すると考える。ただし、低レート帯では特性てんねんを忘れて剣舞を連打するミミッキュが散見され、立ち回りに余裕があったのも事実である。
以下にダメージ計算を記すが、ぽかフレ+じゃれつくで最大98%のダメージを受ける。ミミッキュのZ技がみえるまでは回復重視のHP管理をすること。
A特化じゃれつく27〜32%
A特化ぽかぼかフレンド55〜66%
A特化シャドークローZ 42〜50%
2 対メガリザードンX
他サイトのブログにリザXはラッキーとヌオーの連携で処理できたと記載があり個人的に期待していたが、なかなか苦しい戦いだった。下記ダメ計をご覧頂くと分かるが、特化げきりんは食べ残し込みでも2耐えできない。他のポケモンを捨てつつ毒を入れてなんとか対面勝ちできる程度である。
ただし、リザXの4割は陽気個体、3割はげきりんを持たない。龍技を切っているものも一定数いると予想されることから、受けの成立する個体がそれなりにいることも事実である。
尚、こちらの地震は無振りリザXに60〜72%のダメージであり、地球投げとあわせても中乱数である。ラッキーを捨てる場合は毒毒を選択するのが正解か。あるいはカウンターを搭載すると龍舞と剣舞に後出しが叶う。
A特化げきりん59〜69%
A特化ドラゴンクロー39〜47%
3 対ギャラドス
お恥ずかしいことに筆者は失念していたのだが、特性かたやぶりを持つメガギャラドスはてんねんを無視するため龍舞のランク補正が反映されてしまう。すなわち受けが成立するか否かは受けだした後の熱湯で火傷を引けるかで概ね決まり、勝てたのは3割程だった。役割対象とは言い難い数値である。
メガ進化されなければヒコウZが飛んでくるものと想定してHP管理を行った。その場合の勝率は7割程度だったが、挑発で自己再生を封じられると熱湯の火傷頼みであり、滝登りの怯みもある。詰まるところ対ギャラドスはどう転んでも運が絡むようである。
選出段階で相手の持ち物を推察し、メガ進化が濃厚であればヌオーよりメガヤドランやエアームドを優先したい。
最近は陽気ギャラドスが多いのでダメージ計算は陽気A252で記載する。
メガギャラドス滝登り31〜37%
メガギャラドスA+1滝登り46〜55%
ギャラドス滝登り27〜32%
ギャラドス飛び跳ねるZ 54〜63%
4 対バンギラス
バンギラスが嫌いな受けループ使いは地味に多いのではないだろうか。龍舞からのストーンエッジ急所ないしはイワZ、挑発、ステロ吠える、追い討ち、特殊型など様々な崩し手段を持つリスクファクターの塊である。
ヌオーはバンギラスへの受けだしは非常に安定した。龍舞の影響を受けず、岩技は半減で受けられ、砂嵐のダメージも入らない。冷凍パンチで氷漬けを引いても熱湯で溶かせる。負け筋は噛み砕くの防御ダウンだが、先に熱湯で火傷させることが多かった。
特化メガバンギラス噛み砕く36〜42%
特化バンギラス噛み砕く30〜36%
5 対メタグロス
最近はいじっぱり個体が多いようである。当初は陽気一択だったメタグロスも対戦環境が煮詰まると意外なところへ落ち着くものだが、もとより低速な受けループにとっては被ダメの増すデメリットでしかない。
草結びは事故と割り切って良いが、問題は思念の頭突き採用率の高さである。守ると自己再生で粘っているうちに怯みを引くことがあった。従って基本はエアームドやヤドランを優先するのが良いと考える。ただし、カプ・コケコと組まれているメタグロスはフィールド効果の乗った雷パンチで崩しを狙ってくるためヌオーに任せるのが良い。
ブログでは思念の試行回数を稼がれないようカウンターを採用したヌオーもみられ、対メタグロスに限らず使い勝手は良さそうだと感じた。
尚、ヌオーの地震は46〜54%のダメージで、確2をとれないことも多いので注意。
A特化思念の頭突き 42〜50%
6 対霊獣ランドロス
数値上は受けることは可能。しかし地震を等倍で受けてしまい、蜻蛉返りで一方的なダメージレースを強いられることから積極的には選出しなかった。エアームド、グライオン、ヤドランが1st choiceである。
うちおとすを採用したジメンZランドロスにはヌオーが強いと思われるが1回も当たらなかった。地震Z+地震で倒されてしまうので、Zを切らせるまではHPを高く維持するか、守るでダメージを抑える必要がある。
A特化地震41〜48%
無振り地震31〜37%
A特化蜻蛉返り19〜23%
無振り蜻蛉返り14〜17%
A特化地震Z 73〜87%
7 対霊獣ボルトロス
どうせ気合玉Zや草結びでやられるだろうと思っていたが、想像以上に活躍した。パーティにラッキーがいるためか選出されてきたのはほとんどが悪巧み持ちで、草結び持ちはスカーフかチョッキと考えた。悪巧みと電気技は無償降臨が成立し、めざパ氷もそれほど入らないため後出しはしやすかった。
草技を除くと有効打は気合玉に限られる。まずは守ると自己再生で相手の技構成をみつつ偵察し、気合玉があればPPを枯らすことから始め、気合玉が2耐えできそうなら熱湯を挟んでいく立ち回りをした。
C特化きあいだま56〜66%
C特化きあいだまZ 88〜104%
8 対カプ・コケコ
最近は草結び持ちが多いためラッキーを優先した。ただし、同時に選出できるとラッキーで毒を入れた後に電気技の受け先となって毒ダメ蓄積に貢献できる。草技の狙い先はカバルドン、マンムーであり、これらが露骨に刺さっていそうなパーティにいるコケコは草結び持ちが濃厚と判断した。
臆病C252めざ氷19〜23%
臆病C252マジカルシャイン38〜45%
9 その他
パルシェンへのダメージは地震が25〜30%、熱湯が24〜29%とほぼ同じなので熱湯を選択するのが正解である。ミズZ持ちも一定数いるので注意する。
デンジュモクは草技採用率が高いが、催眠術Zの型なら勝てる可能性があるので諦めない。
ジャラランガは特殊特化と挑発持ちは勝てないが、それ以外ならもしかしたらといったところ。まずはスケイルノイズのPPを枯らすことから始める。
特性てんねんは相手の能力ランクの変化を無視する特性だが、アシストパワーやつけあがるの威力にまでは関与しない。ブイズバトンの回答にはならないので注意。
考察
ヌオーの物理耐久はエアームドの83%、ドヒドイデの86%、メガヤドランの59%しかない。図太いHB特化輝石ラッキーにも負ける数値である。当然、火力のインフレした現環境において受けを担うに心許ないのは言うまでもない。
腹太鼓を読んでマリルリへ受け出したところ拘り鉢巻じゃれつくを受けた、呪いを読んでカビゴンに繰り出したところ専用Zを受けたなどが実際にあった失敗例である。役割超過も受けやすく、呪いミミッキュで削られた後にガブリアスの地震Zで処理されるケースがあった。
毒を受けてしまうのも受けとしては致命的である。マンムーの意表を突く毒毒や、ウツロイドのどくびしで受けが破綻したことがあった。
残念ながらエアームドやドヒドイデほど安定した受けは成立しづらいと言える。
一方、物理受けを担いつつも特定の積みアタッカーを対策できる範囲の広さは魅力である。特に電気技が無効なのがポイントで、通常の受けループでは単独で見られない組み合わせを受けることが可能である。例えば、メタグロス、リザードン、ミミッキュ、霊獣ランドロス、カプコケコといったよくありそうな並び。普通ならメタグロスとミミッキュとランドロス受けにエアームド、リザYとカプコケコに備えてラッキー、さてリザXをどうしようかと考えるところだが、ヌオーはどれにも一定の強さを持つため選出に幅を持たせることができる。
また、通常の受けループでは苦戦しがちな範囲をみることが可能である。岩技を半減してバンギラス受けが安定するのは既に述べたが、剣舞ドサイドン、剣舞テラキオン、剣舞ルガルガン、殻を破るイワパレス、殻を破るメテノ、龍舞ガチゴラス、剣舞ガオガエン、剣舞キリキザン、剣舞マニューラ、剣舞メガアブソル、鉢巻諸刃ボスゴドラ、鉢巻諸刃ラムパルドなどは単体で受けループを崩しうるポケモンである。いずれもマイナーには違いないが、すべてひっくるめると一定の遭遇率にはなる。
立ち回りにおいて重要なのはとにかくHP管理である。序盤は無理に攻めず、相手の型や技構成を偵察しながら次のサイクルに加われるだけの体力を維持しておく。必然的にターン数がかかるため、持ち物は食べ残しが回復ソースとして安定する。ただし、メタグロスを相手にしたときはゴツメが欲しくなったのと、カウンターを搭載する場合はHPを多く残すためにオボンでも良いかもしれない。
技は自己再生、守る、熱湯までは確定で、動かすなら地震の枠かと感じた。対戦中に一番欲しくなった技は毒毒、次点でカウンターだった。ただし地震を抜くとメガゲンガーやヒードランの後出しに圧力をかけづらくなると考え、最後まで技は変更しなかった。
構築はもちろん受けループに組み込むと良いが、ヌオーは草ポケモンに弱く、ナットレイ、カミツルギ、キノガッサ、ジャローダあたりに後出しされやすいためカバー出来ると良い。カプレヒレも見られるHBd襷めざ炎モロバレルなど良いかもしれない。
結語
受けループにおけるヌオーの使用感をなるべく実例を多く含めつつ報告した。
ヌオーは不安定ながらも広く浅くみられるポケモンである。受けの成立に読みや運が多く絡む点が純正受けループのコンセプトからやや逸脱するが、高レート達成の報告が増えたのは現環境に刺さった結果と言える。
これから受けループを始める方、受けループでレートが伸び悩んでいる方、あるいは受けループと関係なくとも役割対象のポケモン達にお困りの方はヌオー採用を検討してみてはいかがだろうか。
後記
ポケットモンスターサン&ムーンが発売された頃、私は受けループという構築は消えるだろうと思いました。凶悪な性能を誇るメガシンカは続投となり、高火力でデメリットのないZ技が登場し、カプコケコ達は火力もさることながらHPの大半を削る専用Zを与えられ、尖った攻撃性能と特性をもつウルトラビーストが現れ、あまりの逆風にとても受けなど成立しなさそうだったからです。
しかしながら私の予想に反して受けループは第7世代でもしぶとく生き残り、遭遇率もメタに入りづらいくらい適度に低く抑えられ、結果としては悪くない対戦環境だったと感じています。ソード&シールドではダイマックスが発表されていますが、なるべく控えめな性能であることを願います。
以上です。最後まで読んで頂きありがとうございました。ご意見、ご質問はコメント欄にて承ります。