この育成論ではHABCDSなどの略称を用います。
ダメージ計算はトレーナー天国様のツールを使わせていただきました。
クワガノンについて
そのカッコいい見た目にみあったCと、全くみあわないSを持つ、むし・でんきタイプのポケモンです。アタッカー構築ではその低すぎるSゆえにどうしても相手の攻撃を受けて返す構築になり、先制技もないことから1:1交換止まりになりがち。総じて使い勝手の悪いマイナーポケモンという認識であると思います。しかし、格闘と鋼を半減し、特性により地面無効というまるでサンダーのような耐性から、物理受けにしてはどうだろうと検討したところ思いのほか使い勝手のいいサイクル要員になりました。耐久に特化したため火力不足ですが、クワガノンで倒すのではなくあくまでパーティーの潤滑油として相手に負荷をかけ最終的に後攻ボルチェンでエースを無償降臨させる運用を行います。
- 追記
この運用は『受け』というより『クッション』であるというご指摘をいただきました。『クッション』について詳しくはこちらのヌメルゴンの育成論(育成論ORAS・XY/1734)をご覧ください。
調整
性格:ずぶとい
個体値:HBCD31 A奇数 S30 めざ氷
努力値:H244 B252 C14
H:奇数調整
B:極振り
C:余り
性格はコンセプト通り物理受けにするためずぶとい確定。後攻ボルチェンを意識して、のんきも考えられるが、グソクムシャに関しては上をとった方が有利なため今回はずぶといで考察する。
HBの努力値は、耐久値がかなりギリギリなため調整の余地がほとんどない。
主な仮想敵とダメージ計算
いじっぱりメガギャラドスA227 竜の舞
たきのぼり+1舞 99〜117 54%〜63.9% 確定2発
アクアテール+1舞 111〜132 60.6%〜72.1% 確定2発
じしん+1舞 82〜97 44.8%〜53% 乱数2発 (30.5%) かたやぶり
ようきガブリアスA182
げきりん 79〜94 43.1%〜51.3% 乱数2発 (6.3%)
ほのおのきば 58〜70 31.6%〜38.2% 乱数3発 (92.5%)
ほのおのきばZ 106〜126 57.9%〜68.8%
ストーンエッジ 90〜106 49.1%〜57.9% 乱数2発 (95.3%)
いじっぱりメガメタグロスA216
コメットパンチ 46〜54 25.1%〜29.5% 確定4発
しねんのずつき 82〜97 44.8%〜53% 乱数2発 (26.2%)
ストーンエッジ 104〜124 56.8%〜67.7% 確定2発
持ち物:ゴツゴツメット
物理アタッカーに負荷をかける。じしん無効のため接触技を誘いやすい。最悪、はねやすめ連打だけでもダメージを与えられる。Z技は一部を除き基本非接触なので発動しない。
技
- 確定技
ボルトチェンジ
サイクル要員として必須の技。鈍足なので、基本後攻で撃つことでエースを無償降臨。
役割対象であるギャラドスや鋼物理アタッカーに通りがよく負荷をかけられる。倒せるとは言ってない。
めざめるパワー 氷
電気技を受けにきたガブリアスへの遂行技。一撃ではなく、めざ氷とゴツメのダメージ2回で倒せる計算。ボーマンダに対しては、はねやすめされるとダメージが減る。
はねやすめ
サイクルを維持するための回復技。クワガノンはアタッカーのイメージが強いので読まれにくい。鈍足なので発動タイミングがシビア。あまりクワガノンを残すことにこだわるとボルチェンのタイミングを逃すため、味方の負担につながるので多用は禁物。
- 選択技
マッドショット
ジバコイルなどの同じ電気タイプやRガラガラに対して。クワガノンとサンダーとの違いとして、氷が弱点でなく電気を半減できる点がある。これにより一部の電気タイプに対して強気になれる。メガギャラドスにうつことでSダウンを狙い、後続で倒しやすくもなる。
でんじは
竜舞したギャラドスやボーマンダにうち、後続で倒す用。一見優秀だが、交代読みであればボルチェンでサイクルを優先すべきなのでクワガノンではうつ機会があまりない。地面タイプやRガラガラをよぶので、無効にされがち。
ハザミギロチン
サンダーとの差別化。きまれば強いが、外れると負荷も何もないので交代読みでも安定択とはいえない。やはりRガラガラに無効なのも痛い。
どくどく
ポリゴン2やミロカロスなどの高耐久再生もちに。
クワガノンは電気タイプなので水タイプはとくに負荷をかけたい相手ではあるが、ミロカロスなどの高耐久水に対しては火力不足なため。
エナジーボール
トリトドン、ランターン、マンムーなどに
トリトドンとランターンは役割対象ではない、どくどくの方が優先度は高い。
マンムーは基本接触技を持たないうえ、岩技もちが多くステルスロックを撒かれたりするので他のポケモンで対処するべき。
電気技(10まんボルト、かみなり)
交代したくないとき、威力がほしいとき。
むしのさざめき
タイプ一致技。等倍さざめき>2倍めざ氷
環境にいる草・超・悪はほとんど複合タイプで等倍になってしまうため優先度は低い。
音波なのでみがわりを貫通する。役割を意識するなら、みがわりは破壊したほうが後続のためになる。
エレキネット 未解禁
※とんぼがえりは覚えません
運用
地面や格闘、鋼技に対して繰り出し、ゴツメとボルチェンで負荷をかけながらサイクルを回していきます。
- 対ギャラドス
対面であればまず交代するので交代先にボルチェン、もしくはガブ読みでめざ氷またはRガラガラ読みでマッドショットをうちます。
受け出し時に竜舞された場合は、マッドショットやでんじはを当てて後続で処理することになります。クワガノンの前で舞うことはまずなく、ほぼ確実にメガ進化するのでSの上昇を抑えつつタイプを限定でき処理しやすくなります。自分はメガルカリオでギャラドスを誘い、クワガノンに交代、以上の流れで再びメガルカリオを繰り出すという形が多いです。後続がスカーフなどでギャラを抜けるなら、ボルチェンでもいいと思います。
- 対ガブリアス
相手のじしんに無償降臨したり、こちらのボルチェンを無効にされたりで対面することが多いです。理想の流れとしては、ガブのげきりんを2耐えしてめざ氷を当てたあと、はねやすめをして回復しつつゴツメで倒すことができます。最近はテッカグヤ対策で、炎Zもちのガブも多いです。その場合でも一撃で落とされることはないので、先にはねやすめをすることで立て直すことができます。しかし、スカーフの場合は交代されるのではねやすめが安定というわけでもありません。エッジの場合も不利なので、自分はガブをみたらめざ氷をうつようにしています。
相性のいい味方
エース
- メガルカリオ
ガブリアス、ウツロイド、メガメタグロスなどを上から叩ける素早さが優秀。また、バレパンや礫など多くの先制技が半減であるため、ハッサムの処理なども安定する。
ギャラドスを呼ぶため上記の流れになりやすい。
また地面が弱点かつ岩に耐性が強いためクワガノンと交代した際に無償降臨が成立しやすい。格闘に対しても同様。しかし炎の一貫性があるため、他のポケモンで補う必要がある。
サイクル相方
- ベトベトン
特防が高いので、物理をクワガノンに、特殊をベトベトンに任せるといったサイクルが組める。
地面が弱点かつ物理技主体なため、ルカリオ同様じしんやギャラドスを誘う。またメインウェポンであるはたきおとすによって、持ち物を確認できる機会がある。そのためガブリアスのZ技の有無と、スカーフであった場合ストーンエッジの搭載率が高くなることからクワガノンの立ち回りも変化する。
クワガノンの弱点を補完できていないため数値受けする機会が多く、再生力も低いポケモンなのでなるべくボルチェンによる無償降臨を意識する。
与ダメ
- ボルトチェンジ
ギャラドスH201D120
220〜264 109.4%〜131.3% 確定1発
メガギャラドスH201D150
90〜108 44.7%〜53.7% 乱数2発 (23.4%)
メガメタグロスH155D130
51〜61 32.9%〜39.3% 乱数3発 (99.83%)
メガハッサムH177D120
55〜66 31%〜37.2% 乱数3発 (74.1%)
メガルカリオH145D91
73〜87 50.3%〜60% 確定2発
グソクムシャH181D110
120〜144 66.2%〜79.5% 確定2発
- めざめるパワー氷
ガブリアスH183D105
144〜172 78.6%〜93.9% 確定2発
メガボーマンダH201D110
140〜168 69.6%〜83.5% 確定2発
- マッドショット
RガラガラH167D100
70〜84 41.9%〜50.2% 乱数2発 (0.39%)
ジバコイルH177D110
128〜152 72.3%〜85.8% 確定2発
被ダメ
いじっぱりメガハッサムA222
バレットパンチ 24〜29 13.1%〜15.8% 乱数7発
とんぼがえり 57〜67 31.1%〜36.6% 乱数3発 (63.9%)
どろぼう 49〜58 26.7%〜31.6% 確定4発
ようきメガルカリオA197
インファイト 57〜68 31.1%〜37.1% 乱数3発 (79%)
バレットパンチ 20〜24 10.9%〜13.1% 乱数8発
ストーンエッジ 96〜114 52.4%〜62.2% 確定2発
いじっぱりグソクムシャA194 いのちのたま
であいがしら 83〜99 45.3%〜54% 乱数2発 (39.1%)
アクアブレイク 78〜94 42.6%〜51.3% 乱数2発 (3.5%)
ふいうち 44〜52 24%〜28.4% 乱数4発
いじっぱりメガボーマンダA216
すてみタックル 112〜133 61.2%〜72.6% 確定2発
すてみタックル+1舞 169〜199 92.3%〜108.7% 乱数1発 (56.3%)
いじっぱりRガラガラA145 ふといほね
フレアドライブ 254〜300 138.7%〜163.9% 確定1発
ひかえめジバコイルC200
10まんボルト 54〜63 29.5%〜34.4% 乱数3発 (7.4%)
最後に
この育成論はめざ氷を確定欄としています。めざ氷の個体値としては奇偶偶奇奇奇の組み合わせが有名ですが、クワガノンはあまりSをきにしないのとBが最大にできるので奇奇奇奇奇偶の組み合わせで紹介しています。実際Aが奇数でSが偶数なら30でなくても問題ないでしょう。こちらの方が厳選難度も下がるし、わざわざクワガノンのために王冠を使う人もまれでしょうし。初心者でめざパを使ったことがない人にとってもハードルが低いと思います。電気・氷の相性補完はとても優秀でめざ氷が必須な電気タイプは多いので、めざパ入門もかねてクワガノンを作ってみてはいかがでしょうか。