電磁波の弱体化によるヤドランの型の変化
唐突な話ではあるが、受けループでのメガヤドランの役割について触れる際、電磁波についての話題はどうしても避けられないであろう。
前世代でのテンプレ構成は{電磁波/熱湯/鉄壁/怠ける}であった。
電磁波の命中が90となり、さらに麻痺でのSダウンが1/4から1/2になってしまったことにより、S30族で無振り実数値50のメガヤドランは特に弱体化したといえよう。
4振って51にすれば前世代までは最速130族(200)まで抜けていたのに今では麻痺させて抜ける相手は無振り80族止まりとなってしまった。
これによってメガヤドランの調整・技構成の変化を余儀なくされてしまった。
そもそも受けループとは
特殊アタッカー・物理アタッカーに対してそれぞれの役割を持てるポケモンで受け回す構築。
基本的に、耐久が高く回復ソースに恵まれるポケモンで回すことになる。
例)ラッキー・ハピナス・ヤドラン・エアームド・ドヒドイデ・グライオン・バンギラス・フシギバナ・モロバレル・ピクシー等
相手側にこちらのポケモンの突破手段を無くし、詰みに追い込むことを目的とする。
「いかに負けないようにするか」という受け身な考えを第一に持った構築である。
長所と短所
長所
読みの負担が少ない
有利対面を維持し続けることさえできれば読みは最小限で済む。
数値で受けているので急所を食らってもなんとかなることが多い。
未対策では突破が困難
ラッキーの自然回復やグライオンのポイヒ、ドヒドイデやバナ・ムドーなどそもそも毒が入らないポケモンも多いのでクレセやポリ2対策に入れられやすい毒で詰むようなことも少ない。
短所
積みポケモンに弱い
マリルリやオニゴーリなどに特に弱くなりがち、マンダやウルガ等も重くなりやすい。
たとえいくら特殊に強いラッキーといえど、悪巧み格闘Zレボルトにはやられてしまう。
一撃技に弱い
零度を撃ってくるキュウコンやドリルを撃ってくるドリュウズ、地割れを撃ってくるマンムーなどで崩されかねない
話が本題から離れているのでヤドランの話に。
役割
物理受けを担う。
「物理版ラッキー」の異名で呼ばれることもあるほど物理方面に信頼が置ける。
剣舞や腹太鼓マリルリへの後出しほどでなければ耐久は追いつく。
毒に対しての抵抗がアロマセラピーなどしか無いのが弱味。
メガストーンを持っている理由であるが「耐久の底上げ」が第一の理由である。
例えば意地マンダの捨て身はメガ無しでは確2をとられてしまったりと、物理受け全般を任せるには心許ない。
ラッキーは輝石、グライオンは毒玉、エアームドはゴツメとメガする枠も空きやすいのでヤドランはすんなりとメガ採用が決まるであろう。
特性
再生力で確定。
仮にメガゲンやメガバナとの同時選出になってメガをしなくも腐りづらい良特性。
また、クッションとしてメガせずに回すという策もとれる。
これを採用しない理由がない。
性格・努力値
図太いは確定。
調整案は3つ。
- H244-B252-D12振り
- H244-B188-C52-D12-S4振り
- H244-B164-D100振り
1つ目はいわゆるB特化。
本論ではこの1つ目の調整で話を進める。
<ダメージ計算>
鉢巻ガブ 逆鱗→36.3%〜43.2%
陽気ガブ 逆鱗→24.3%〜28.8%
意地メガリザX 逆鱗→34.3%〜40.7%
意地マンダ 捨て身→34.3%〜40.7%
意地ガルーラ 捨て身→25.8%〜31.3%+5.9%〜7.4%
意地ドリュウズ Z地震→40.7%〜48.2%
意地ミミッキュ 持ち物無しシャドクロ→24.8%〜29.8%
意地ミミッキュ 無限暗夜(シャドクロ)→48.7%〜57.7%
腹太鼓後マリルリ じゃれ→88.5%〜104.9%(5/16)
陽気メガギャラ 噛み砕く→36.8%〜44.7%
意地バシャ はたき→18.9%〜22.8%
2つ目は炎技採用時の調整。
大文字でメガルカリオを確1
メガルカリオの悪巧み気合玉確定耐え
3つ目はD方面に対する耐久を少し確保した調整。
控えめメガリザYのソラビを4/16の乱数1程度にした型。
判別がつかないリザードンとの対面で電磁波を安定択にするための調整であった。
これ以上Bは削れないというギリギリのラインでもある。
昔ながらの調整であるが電磁波の採用をしないためSに振る必要性が薄い。
しかし、意地メガボーマンダのすてみタックルに非メガで後出しをした時、57%〜67.5%+39.7%〜47.1%で落ちてしまう可能性が出てきてしまうなど物理方面に少しの不安を残す。
技構成
熱湯/鉄壁/怠ける/@1
熱湯
メインウェポン。C130族というだけあって結構な火力を持つ。
相手のAを半減できることのメリットは大きい。
火傷ダメが弱体化したとはいえ火傷を引ければ良いダメージソースに。
無振りマンムー→111.3%〜132.9%
無振りガブ→43.1%〜51.3%
無振りコケコ→60%〜71%
無振りウルガ→83.7%〜98.7%
無振りドリュウズ→87.5%〜103.7%(4/16)
鉄壁
ORASの教え技。
主に積みアタッカーに対する対抗策。
急所に当たらないという安心感からの防御の積みはまさに鉄壁。
必須。
怠ける
サイクルを回すため・物理を受け切るためには必須。
最後の1枠について
毒々・冷凍ビーム・あくび・電磁波・大文字などが候補に上がるであろう。
毒々
ダメージソースの補助。そしてミミッキュに対しての対抗策。
毒を入れて後ろのグライオン等でまもみがをして皮を剥がさずに倒すこともできる。
トレースポリゴン2にはラッキー発の毒では自然回復を活用されてしまうため有効だといえる。
冷凍ビーム
情けないことにHに84以上振ったメガマンダの身代わりを熱湯は1発で壊せないため採用価値はなくはない。
H252振りメガマンダまで確1。
ピンポイント採用というべきか。
あくび
流しの役割を強く意識したもの。
ステロを活用する受けループであれば採用する価値は高くなる。
電磁波
ゲンガーやリザードンの上からグライオンが殴れるようになれるといったくらいしか書くことがない。
麻痺バグでの行動ターンの増加も見込める。
前世代であればリザXの上から鉄壁を積めるようになり剣舞リザでも受けきれたのだが…
大文字
メガルカリオを意識した技でありナットレイハッサムへの牽制ができるようになる。
以上です。不足点があれば書き足します