先日、クチートナイトがサンムーンでようやく解禁されました。
そこで新しくクチート軸に入りそうなポケモンを探していたところ、アローラナッシーがクチートと非常に相性がよく、今までクチート軸が抱えがちだった欠点の一部を解消出来る可能性を感じ、考察することとしました。
はじめに
- 初投稿ですので、読みにくい点や配慮の足りない点など多数見受けられるかもしれませんが、その際はコメントにてご教授願えればと思います。
- S2現在ほとんど見かけないこのポケモンが何故クチート軸と相性が良いかという部分を詳しく説明する必要がある関係上、非常に文章が長いです。
- このポケモンはまだまだ研究途中の新ポケモンです。 積極的な意見の交流がしたい為どんどんコメントしていってもらえるとありがたいです。
- また、今回考察するアローラナッシーはクチート軸に入れることを前提としています。 もっと汎用性の高い使い方でも十分可能性を感じるポケモンではありますが、弱点の多さなどの欠点故、補完となるポケモンが非常に重要なポケモンであるとも思い、クチート軸限定の考察をするに至りました。
何故アローラナッシーなのか
S45と遅く両刀種族値、耐久種族値も並レベルで、何より氷やドラゴン、フェアリーといったメジャーなタイプを含め弱点が合計6個もあるアローラナッシー
一見すると対して強くなさそうなこのポケモンですが、アローラナッシーには他の草タイプにはない、かつ強力なアイデンティティが豊富なポケモンです
クチートというポケモンはS50と遅い為、キノガッサ対面でキノコの胞子を打たれることが多く、引き先としてジャローダやキノガッサといった草枠をパーティーに1匹は入れておきたいポケモンでした。
しかし草+クチートの選出だと炎の一貫が強く、特にヒードランに対しては草もクチートも対面で勝つのは非常に難しく、ヒードランが重くなりがちでした。
しかし、これらの解決するのが困難だったクチート軸の欠点が、アローラナッシーを組み込むことによって解決する可能性があるのです。
- 補足・過去のPGLから見るクチート軸
ORASの最終シーズンであるS17のクチートと一緒に手持ちに入れられているポケモンTOP10を見るとジャローダとキノガッサが上位7位と8位にランクインしています。
この2匹を同時に構築に入れるという事はほぼなく、草枠としての評が分かれていてもこの2匹が上位10匹にランクインするということは、それだけクチート軸に草枠が重要であるということになります。
という訳でアローラナッシーがクチート軸の草枠としてどう強いのかという部分ですが、ここからは長いので先に要点をまとめちゃいます
アローラナッシーは
- クチート軸に必要な対草、対ガッサ性能の高い草タイプ
- 草枠を入れることで更に重くなりがちな炎タイプのポケモンに最低限以上の役割を持てたり(浮いてるリザードンとかは厳しいので別途でステロ撒けるといいかも)ギルガルドなど今までの草枠が勝てなかった相手に勝てる
- クチートとの相性補完に優れる
- 草枠でありながらトリックルームを貼れ、自身も火力があるのでトリルを貼った直後から相手に上から付加をかけることも爆発による退場もできる
といった今までにないポテンシャルを秘めたポケモンです。
鈍足氷4倍と一見使いにくそうですが詳しく考察してみましょう
非常に高い対草性能
前述の通りクチート軸に採用される草タイプの一番の採用理由は大抵キノガッサに対する引き先です
他にもジャローダやナットレイなどはクチートに炎の牙を搭載しない限り止まりやすく、草タイプが重くなりがちでした
アローラナッシーは草1/4 粉技無効 そしてなにより草タイプでありながら火炎放射やサイコキネシスといった草タイプやその複合タイプに抜群をとれる技を覚え、キノガッサやナットレイからは有効打が一切ないのに対しC125から放たれる火炎放射などで大幅に圧力をかけることが出来、クチート軸に入れる草タイプとしての役割遂行力は抜群に高いです。
*同じ炎4倍のハッサムは上からの一致抜群蜻蛉で逃げるのでトリル下でないと相手に出来ないので注意
この型では採用していませんが、今までの草タイプではどうしようもなかったメガフシギバナでさえエスパーZを持たせマキシマムサイブレイカーを打てば致命傷を与えることも可能です。
炎等倍 ヒードランに対面で勝つことが出来る草タイプ
アローラナッシー最大の採用理由で、この個体が勇敢個体である理由がこれです
S2現在レーティングではヒードランの数はそこまで多くはないですが、クチート解禁後大きく数を増やすと思われます。
タイプにドラゴンが付いたことにより草タイプでありながら炎弱点ではないという珍しく、かつ非常に強力なアイデンティティを有しているアローラナッシー
耐久無振りでヒードランの特化マグマストームも定数ダメ込みで確定で耐え、Hに164振ることでも眼鏡火炎放射やオーバーヒートといった高火力技も確定で耐えるといった草タイプとは思えない耐久を持ち、Aが105もある為Aに補正をかけ196振ることで地震でH252ヒードランを確定で倒すことが出来ます。
勿論この地震の火力はバシャーモなどにも大きくダメージが入り、耐久に振っていなかったり、珠ダメやステロダメがあればバシャーモなども対面で殴り勝つことが出来、万が一耐えられたとしても同じくクチート軸で活躍が期待されているミミッキュのかげうち程度の低い火力で縛ることが出来るほどまで削りきれる為、草枠でありながら炎タイプに最低限以上の役割を持てるという画期的な性能をしています。
メガリザードンYやウルガモスなど地震が抜群で入らないポケモンは岩が4倍な為別のポケモンのステルスロックと合わせて使えばアローラナッシーのダメージ補強にも繋がり、かなり相性はいいと思います。
このようにクチート軸の草枠本来の役割遂行力も高く、かつ今まで弱点であったヒードランなどに対面では負けないと、これだけの要素でも十分クチートと相性が良いと言え、今までのクチート軸にない新しい可能性を持ったポケモンとして考えられます。
強力な相性補完
弱点が非常に多いという欠点を持つアローラナッシーですが、クチートはアローラナッシーの持つ弱点全てに半減以上の耐性を持ち、逆にアローラナッシーもクチートの弱点である地面半減 草タイプでありながら炎等倍と、単純な相性補完だけをみても相性がいいです
おみとおしによる情報アドバンテージ
弱点が多く鈍足というピーキーな性能をしたアローラナッシーですが、特性お見通しにより相手のポケモンが持つ道具を知ることが出来、奇襲や事故を未然に防ぎやすい為サイクルを回しやすくなります
トリックルームなどの豊富なサポート技
トリックルーム下のクチートは非常に強力なことで有名ですが、アローラナッシーもトリックルームを覚えることが出来ます
あくまでメインの役目は草対策の補完であり、毎試合選出するようなタイプのポケモンではないと思うが、補完役でもトリルを貼れるというのが面白いです
メインのトリル始動役が倒れてしまった後もう一度トリルを貼り換えたり、メインのトリル始動役が選出しずらいパーティーでもトリル展開が出来るという強力な強みを持ちながら草枠としても十分な性能な為、トリルを貼らない、トリルに頼らない選出での運用など柔軟な選択も取ることが出来ます。
またアローラナッシー自体の火力や技範囲も優秀で自身でトリルを展開した後トリルアタッカーとして運用することも、別のトリル始動役が展開したトリルを上手く活用することも出来、試運転してみた所純粋にトリックルーム要員としてのポテンシャルも高いという印象でした。
この型では採用していませんが、両壁や大爆発などのトリル以外のクチートサポートや自主退場技など強力な選択肢も豊富です。
耐性面などからメインのトリル始動役としては高い素質を持つとは言い難いかもしれませんが、前述の草枠としての兼用でサブのトリル始動が出来る点と、広い技範囲とA105C125という攻撃的な種族値によりトリルが展開された直後からアタッカーとして運用出来るというのがアローラナッシーならではの非常に大きな利点です
他のトリックルーム要員との比較
個人的にトリル要員はアローラナッシー以外にも複数入れた方がいいと思っているが、パーティーに複数トリル要員を採用するにしても使い分けていくために他のトリル要員との比較は重要だろうと思い記載
取り敢えずクチート軸で採用されやすいメジャーなトリル要員のみと比較します。
- クレセリア
高耐久高種族値の地面無効 とはいえ火力インフレに押され気味か ガブリアスやガルーラといったポケモンに比較的強めで何より三日月の舞によりクチートの体力や火傷を回復させることが出来る
クチートが苦手とするバシャーモに強いが火力は無く起点にされやすい
- ポリゴン2
クレセリアほどの耐久はないが火力がそれなりにあり、技範囲もそこそこ広い
ダウンロードでCが上がれば非常に強力だがダウンロード対策をされていることが多く、相手のポケモンがHD寄りだと弱点を付けたとしても火力不足に陥りやすく、自主退場技もない為トリル展開後に時間稼ぎをされやすい。バシャーモにかなり弱い
- ミミッキュ
圧倒的な行動保証性能を持った化けの皮と、擬似的な自主退場技である呪いを持ったポケモン
鬼火や先制技も打てたりと割と器用だが本人のSがトリル始動としてはかなり速くトリル展開後上を取られる可能性がある
火力はそこまでないが持ち物が輝石固定なポリ2と比べ自由度が高い
- アローラナッシー
弱点が多く耐久も高くない為襷や半減実がないと下手すればトリックルームすら貼れないが、貼った後は広い技範囲からのA105 C125 S45というトリルアタッカーと化す。自主退場技持ち
草だがバシャやドランに決して弱くはない(強いというわけでもないが)
相手が先制技持ちだとトリル展開後消耗したHPを上から殴られトリル展開以外の仕事が出来ず退場することとなったり、襷の場合はステロや砂ダメで襷が剥がれてから上から落とされれば最悪トリルすら貼れず落とされるのでそういった相手に対してはトリル展開要員としての選出は控えるべきだろう
努力値 仮想敵に対してのダメージ計算
勇敢 H252 A238 D20
バシャーモの珠オバヒ確定耐え
余りA
S個体値14~29(最遅ガルド抜かれ 無振りメガヤドラン抜き)
与ダメ
アローラナッシーのA238地震
H252ヒードラン 103%〜123.2%
回数: 確定1発
耐久無振りバシャーモ 92.9%〜109.6%
回数: 乱数1発 (56.3%)
H252バシャーモ 77%〜90.9%
回数: 確定2発
耐久無振りカプ・コケコ 85.5%〜100.6%
回数: 最低乱数1発
H252ブレードフォルムギルガルド 109.0%〜129.3%
回数:確定1発
C無振り無補正リーフストーム
H252カバルドン 108.8%〜128.3%
回数: 確定1発
H252メガヤドラン 104.9%〜124.7%
回数: 確定1発
H252カプ・レヒレ 81.3%〜96%
回数: 確定2発
Cに少し振ることでキノガッサを火炎放射で確定で倒すことが出来ますが、キノガッサは襷を持っている可能性が高いことから調整の目安にすべきではない上、キノガッサやナットレイなどからの向こうからの有効打はない為C無振りとしています。
少しでもバシャーモなどに圧力をかけたい為Aに多く振っています
また、Cに振ることでリーフストームの火力を上げカプ・レヒレなどの耐久水に対する打点が高くなりますが、C無振りでも後続の先制技圏内までは入る為個人的にはHAがいいと思っています
被ダメ
ヒードランの特化眼鏡火炎放射
H252 D20アローラナッシー 75.3%〜89%
回数: 確定2発
C252カプ・コケコのデンキZ+マジカルシャイン
H252 D20アローラナッシー 83.6%〜99.1%
C252珠カプ・コケコのマジカルシャイン
H252 D20アローラナッシー 85.7%〜101.5%
回数: 乱数1発 (6.3%)
特化珠バシャーモのフレアドライブ
H252D20アローラナッシー 79.2%〜93.6%
回数:確定2発
特化珠バシャーモのオーバーヒート
H252 D20アローラナッシー 84%〜99.2%
回数:確定2発
技候補
- 地震...炎タイプなどへの打点 確定枠
- 火炎放射...草タイプなどへの打点 確定枠
- トリックルーム...あくまでサブのトリル始動要員として採用していたが、思った以上に使いやすかった。自身もトリルエースとして運用可能なのでトリルターンを有効に使え、柔軟に立ち回れる
- リーフストーム…水やカバなどへの打点 ジャローダと違いCダウンがネックなのでウッドハンマーと選択
- ウッドハンマー…反動が痛く、何より打ちたい相手にHBベースが主流のポケモンが多く、思ったより火力が出ない。一応反動がトリル後の自主退場の手助けになる
- サイコキネシス…対メガバナ 打つならエスパーZで
- 流星群…採用するなら持ち物を襷にし対竜性能を高めるといいと思う
- 光の壁 リフレクター…Sが遅いので壁を貼るターンのダメージは半減されない
- 大爆発…自主退場技 あったほうがいいとは思うがわざわざ退場しなくても弱点で倒れやすかったり、クチートとの相性補完の良さから後投げもしやすく、普通に殴っても強いと感じ今回は未採用。 トリル展開後にテテフを爆殺出来るなど威力にも優れている
- 眠り粉...命中75で相手を眠らせるZトリックルームを使えばA105C125のS45族がトリル下高速で動きつつ命中100%の眠り粉で相手を眠らせる。可能性は非常に感じるが今回は未採用
持ち物
- ヤチェの実
水タイプの氷技やバシャなどの不意のめざめるパワー氷を耐えることで、相手に安定して地震やリフストの火力を押し付けたり、トリックルームを貼る隙を作ったりと行動保障の取りやすさは襷ほどではないにせよ優秀であり、貴重な襷をナッシーに持たせる必要がないことから今回はヤチェを採用しています
- 気合の襷
ヤチェの実の上位互換に近い性能を持つ
これによりマリルリやアシレーヌなど高火力のフェアリー技を持つ水タイプにも勝てるようになり、元々見れる相手でなくとも強引にトリックルームを貼り強引に地震やリーフストームで圧力をかけて退場という事も出来、襷枠が空けられそうならばこちらを推奨
その場合努力値をACベースに変更
襷潰し効果もあるマグマストームを耐久無振りでも定数ダメ込みで耐えるという長所がここでも活きる
- エスパーZ
Cに特化しZサイコキネシスを打つことでH252メガフシギバナを8割以上の確率で1撃で倒すことが出来る
ゆめくいならH252メガフシギバナ確定1発だがHDで耐えられた場合有効打がなくなるか
Zトリックルームを使えばトリル下高速で動くポケモンが命中100%の眠り粉を打つことになる
対ヒードラン性能や行動保証力は落ちるがフシギバナが重いと感じた場合や確定催眠に興味がある人は
結局強いの? 他の草枠の利点と差別化点
ここまでアローラナッシーの長所ばかりを述べてきましたが、本当に採用価値のあるポケモンなのか、利点欠点を6世代環境でクチート軸の草枠としてメジャーだったキノガッサやジャローダとざっくり簡単に比較してみましょう
アローラナッシー
利点
- 草枠最大の目的である対草性能が群を抜いて高く炎タイプに対して最低限以上の役割を持てる
- トリックルーム等の充実したサポート
- 炎技や竜技、地面技などの広い技範囲
- 特にヒードランやギルガルドなど今までの草枠が対処出来なかったポケモンに対処出来る
- 自身も第二のトリルエースとして運用可能なスペック
欠点
- S45と遅く上を取れることが少ない為行動できる回数が限られる
- 本来草枠が見れる相手の、氷技を持つ水タイプに襷かヤチェを持たない限り強くなれない
- クチートの耐性によって補完がしやすいとはいえ弱点が多い
- 特に氷4倍とドラゴン フェアリー2倍がネックでクチート以外でも構築単位で厚く見る必要がある
キノガッサ
利点
- キノコの胞子の存在
- 襷の行動保証により1回は相手を眠らせることが出来る
- 岩石封じのS操作が出来なくもない
- テクニシャン補正のかかった高威力の岩技を使える
- マッハパンチによってガルーラのHPを約半分削れる
- 水タイプに強い
欠点
- S操作手段が岩石封じと他2匹と比べより対面向きでクチートサポートには適さない
- ジャローダなど他の草タイプに勝てず、対草性能は高くはない
- 炎タイプに弱い
- 耐久が低い 襷枠を奪いがちになってしまう
ジャローダ
利点
- 対ガッサ性能が高い
- S113からのリフレクターにより物理耐久が高く、対ガルーラ ガブリアス性能が高い
- 蛇睨みによるS操作が出来る
- 受けループに強め
- 水タイプに強い
欠点
- 炎タイプに滅法弱い
- 技範囲が狭い
- 1体にしか効果のない麻痺はトリルと比べるとクチートサポートとしての使い勝手は悪い
- 更に今作の麻痺の仕様変更によって麻痺によるS操作が1/2になってしまった
他の草枠と比較した時特に他の草枠がナッシーより勝っていると個人的に感じた点は、対ガブ性能、対受けル性能、Sの速さ辺りでしょうか。
リフレクによる受けで弱点を突いてこないガブなどの物理をリフストの起点にしたり、胞子とタネガンによる対面からなら強引にガブを突破できるが、ナッシーの場合ドラゴンを見る場合流星群にワザスぺを割く必要がある。またSの遅さも仇となることが多々あり、他にも対受けル性能の低さなどがジャロガッサと比べると無視できない欠点であると感じました
とはいえガルーラ全盛期の頃の草枠ということで対ガルーラ性能が重視されていたり、麻痺の仕様変更や、フィールドの効果により麻痺や眠りなどの通りの悪化などで元の強みが生かしづらくなっており、何より他の草枠が対処することが困難だった相手に勝てる可能性が高いという唯一無二の長所もやはり強く、アローラナッシーが他2匹の草枠と比較しても劣らない、十分強いポケモンであると思っています
最後に
単体スペックはいまいちパッとしなさそうなアローラナッシーですが、クチートと組ませることを前提として作られたポケモンなんじゃないかと思うほど6世代クチートの弱点を上手い具合に補え、他の草枠がこなしていた仕事も遂行できるだけのスペックがあるのが伝わったでしょうか
採用しなければガッサで詰むが、入れると炎がどうしても重くなってしまう草枠という本来クチート軸の弱点となりやすい枠の中でクチートの苦手な炎や地面に対抗できトリル展開も出来るというのはやはり可能性を非常に感じる。
今でこそマイナーレベルのポケモンだがクチートが解禁されれば化ける可能性が十二分にあるポケモンだと信じています。
まだS3が始まってすらなく、アローラナッシー含め7世代クチート軸の強さは未知数と言えますが、スペックは間違いなくあるポケモンですので今から今後の活躍が楽しみです