はじめに
3回目の投稿になります。わにと申します。何卒よろしくお願いします。
以下の内容に必ず目を通してください。
- 指定のない限りすべてのポケモンは理想個体を想定します
- HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをH、A、B、C、D、Sの略称で表記します
- ポケモンの名前やタイプ表記、技名、道具名等に一部略称を用います
- ダメージ計算はトレーナー天国様のツールをもとに計算しています
- ご質問、ご指摘はコメントにて受け付けます
- 育成論に関係のないコメント、無益だと判断したコメントは予告なく削除します
- 更新内容
※5月1日(月)運用方法&立ち回りの項目を追加、相性の良い構築を追加
※5月3日(水)論を大幅に修正、調整しました。
それでは早速考察に移ります。
ナットレイとは
五世代で登場した草鋼という恵まれたタイプ耐性と耐久種族値を持つポケモン。
その耐性と耐久値の高さから主に対水電妖枠を担い、サイクル構築の補完として採用されます。中でも食べ残しを持ち、宿り木やステロによってジワジワ相手を削っていく「宿守型」が一般的です。また鉢巻を持たせてジャイロボールの圧倒的火力でサイクルを崩壊させる「鉢巻型」も存在します。
今回はそんなナットレイの型の中ではちょっと珍しい「のろい型」を考察していきます。
採用理由&差別化
他の型のナットレイと同じく、主に対水電妖を担うサイクルパーツとしての採用になります。これについては特に差別化は必要ないでしょう。水電妖の他にも7つの耐性を持ち、唯一同じ耐性をもつカミツルギとは耐久値に大きな差があります。。そして、他のナットレイにはないこの型の特徴として、1:ナットレイミラーに強い、2:詰め、崩し性能の高さ、3:対催眠枠を担える、4:嵌め戦術に対抗できる、というメリットがあります。
- 1その言葉の通りナットレイに強いナットレイであること。ナットレイを使っていると度々起こるのがナットレイ同士の不毛な対面。お互い宿り木やステロダメの蓄積を嫌がって引くことが出来ないためお互い有効打点のない泥試合が勃発します。しかし、この型は鈍いを積むことで一方的に火力と耐久を高めることができるため、そんな不毛な対面を切り崩すことができます。(6積ジャイロでHB特化ナットレイが残飯回復込超高乱数2発)また、相手のナットレイのために炎技持ちを選出する必要がほぼなくなるため選出の際1枠余裕ができます。
- 2相手の甘えた居座りや低火力相手の前で鈍いを積むことで、裏から出てくるポケモンへの負担を増やし、崩しの起点にしていくことが出来ます。また、眠るを採用することにより、等倍物理技での強引な突破(A特化霊獣ランドロスの地震連打など)を許さず、サイクル終盤での詰め性能が大きく向上しています。しかし、努力値配分を見てもらえば分かる通り耐久に特化しているわけではないので、過信は禁物です。
- 3もともと草タイプで粉系の技(キノコの胞子や眠り粉)を無効にできるため催眠対策として有用ですが、この型ではカゴの実を持たせているため、その他の催眠技(催眠術や欠伸など)に対しても耐性を持つことができます。特に最近流行りつつあるカバルドン展開のパーティ(カバの欠伸から祟り目ゲンガ―などを展開するパーティ)などに対して強気に立ちまわることができます。加えて眠るを採用しているので、火傷などの他の状態異常にも強いことは大きなメリットです。
- 4草技にタネマシンガンを採用することで鈍いと合わせて本来ナットレイが苦手とする身代わりを主軸とした嵌め戦術に対して対抗手段を得ることができます。具体的にはレパルガッサ、ジャロゴーリ、ポイヒグライなど。ジャロゴーリ、ポイヒグライに対しては明確な解答とまではいきませんが何も出来ないという最悪の状況を回避でき、レパルガッサに対しては強力な駒となります。また、ミミッキュに対して最低でも化けの皮剥がしと襷潰しまで遂行できる点も優秀です。
以上の4点と先に挙げた耐性耐久をもって採用理由および差別化を完了します。
要約すると、通常のナットレイの役割に加え、対ナットレイ枠、詰めや崩しの軸、催眠や嵌め戦術へのケアが欲しい場合に採用が考えられます。
ただ、一般的な宿守ナットレイのような粘り強さや宿り木によるサイクル補助能力は落ちているため耐久を過信しすぎないことが大切です。
持ち物
- カゴの実
眠り状態から一度だけ回復できるアイテム。対催眠枠としての採用、眠るとのシナジーを考えてこの持ち物でほぼ確定。
- ラムの実
全ての状態異常から一度だけ回復できるアイテム。こちらでも大きな問題はないが、眠り以外の状態異常でも消費してしまうため、自ら眠りたいときに既に消費してしまっている可能性があります。しかし氷や麻痺から即時回復できるため行動不能になるリスクを軽減できるメリットもあります。
特性
- 鉄の棘
接触技主体の相手に負荷を掛けられる良特性。確定欄はこちら。
- 危険予知
弱点技の有無を確認できるため事故を減らせます。
前作から目覚めるパワーにも対応するようになったようです。(未確認)
性格&努力値
- 性格
勇敢
仮想敵への確定数を確保しつつ、ジャイロボールの威力を極力上げるため、S下降補正の勇敢で確定です。
- 努力値
H204A236B36D28(余り4)
- 実数値
H175A158B157C※D140S22
- 調整意図
H:16n−1
A:H135B100メガゲンガ―をジャイロボールで確1
B:余り
HD:C155ゲッコウガ@珠の冷凍ビーム2耐え
S:最遅(個体値0+下降補正)
※こだわりが無ければHAぶっぱ余りBDでも問題ありません。
技構成
- ジャイロボール
鈍いとのシナジーがあり、高速低耐久ポケモン、妖への打点として欠かすことの出来ない技。Aに振っているため積まなくてもそれなりに良い火力が出ます。
威力計算式は(25×相手の素早さ÷自分の素早さ)+1です。
- タネマシンガン
非接触、命中安定の連続技。水への遂行技であり身代わり持ちやミミッキュ等に対して有効。レパルガッサなどの嵌め戦術に対して対抗手段を得ます。パワーウィップに比べカバルドン@フィラへの遂行が遅くなりますが、ステロから入ってくるカバルドンには鈍い→種マ→種マで起点になることなくよほど運が悪くなければ突破できるため採用理由が広がるこちらを推奨。
- のろい
コンセプト上必須。闇雲に使用しないことが大切です。
- ねむる
唯一の回復手段。宿り木だと回復が間に合わないため一度の回復量が最も多いこの技を採用。状態異常耐性と詰め性能を得ると同時にダメージレースに勝つために必要な枠です。
以上4つの技全て外す理由がない為、候補技はありません。
ダメージ計算
論が煩雑になるのを防ぐためダメ計の追加は基本的にしません。
記載のないものは各自計算してください。
- 被ダメージ
A200ガブリアスの地震
41.7〜49.7%(確定3)
A197メガボーマンダの恩返し
49.7〜59.8%(乱数2/99.6%)
※対面から鈍いで受けが成立するギリギリのライン:火力指数36051
(≒A200テクニキノガッサのマッハパンチ)
A156(ランク+2)ミミッキュのZシャドークロー
90.8〜106.8%(乱数1/43.8%)
C222メガゲンガ―の気合い玉
82.2〜97.1%(確定2)
C200カプ・テテフの目覚めるパワー炎
75.4〜89.1%(確定2)
C155ゲッコウガ@珠の冷凍ビーム
42.2〜49.7%(確定2)
- 与ダメージ
ジャイロボール
H183B116ガブリアス
62.8〜74.3%(確定2)
※Aランク+1で68.8%の乱数1
H135B100メガゲンガ―
100.0〜117.7%(確定1)
H161B85ウルガモス
48.4〜57.7%(乱数2/94.1%)
H181B201ナットレイ
54.1〜64%(確定2)
※こちらAランク+6、Sランク−6
タネマシンガン
H215B152カバルドン
1発当たり14.8〜17.6%
※Aランク+2で1発当たり27.9〜33.4%の確定2
H177B183カプ・レヒレ
1発当たり14.6〜18%
※Aランク+2で1発当たり28.2〜33.8(確定2)
H161B100ミミッキュ
1発当たり14.9〜17.3%
※Aランク+2で1発当たり27.9〜33.5%(確定2)
H177B145グライオン
1発当たり9〜10.7%
※Aランク+4で1発当たり25.9〜31%(確定2)
運用方法&立ち回り
役割対象となるカプ系をはじめとした妖タイプや水タイプがいる場合、またナットレイやカバルドン+ゲンガー構築などのメタ対象に選出していきます。また、選出の段階でナットレイを詰め筋にできるか(=ナットレイを大切に扱えば勝てるか、どのポケモンを起点にできるか等)どうかを見極め、試合の流れを考えます。
基本的に役割対象に繰り出して攻撃し負荷をかけサイクルを回します。ダメ計を見てもらえば分かりますが積まなくてもなかなかいい火力が出ます。隙を見て鈍いを積み、裏への負荷を増やして一貫をつくっていくと良いでしょう。
メタ対象であるカバルドンやゲンガ―と上手く初手対面できればそのまま試合の流れを引き寄せることができ、また、相手のナットレイやクレセリアなどは格好の起点にできるのでチャンスが来たら積極的に鈍いを積んでいきます。
残飯宿守型ほど長くサイクルに参加できるわけではないので、出し惜しみせず眠れるときにしっかり眠り、体力を維持することがポイントです。逆に相手に与える負担は残飯宿守型をはるかに凌ぐので、受ける姿勢ではなく攻める姿勢で立ち回ります。
。サイクルの中で無闇に積むのはNGです。要塞化して受け切ることだけが目的ではありません。相手の次の動きを読み、積むメリットとデメリットを天秤に掛けて慎重に行動を選択してください。実際鈍いを積める機会はそう多くありません。奥の手として「ここぞ!」という場面で使用することが大切です。
相性の良い味方&構築
- アシレーヌ
タイプ相性が素晴らしくナットレイが苦手な炎、格闘タイプに大きな圧力をかけることができます。相手のサイクルを早期に崩壊させやすい眼鏡かアシレーヌZをおすすめします。相手のナットレイを呼び込む点でも好相性。
- ウツロイド
ナットレイが呼ぶリザードン(特にY)やウルガモスに強いコマ。ニトチャや蝶舞を積まれてもケア出来るようスカーフがおすすめです。
- メガボーマンダ
ナットレイ、アシレーヌとの相性が抜群。威嚇によるサイクル補助、炎に対するケアができ、高い素早さから終盤の抜きも期待できるポケモンです。
- メガリザードンX
鬼火によるサイクル補助と相性補完がナットレイととても相性が良いです。
サイクルに長く参加できる鬼羽型がおすすめです。
- メガゲンガ―
ナットレイの障壁となるポケモンをキャッチして道連れにすることでナットレイの詰め性能をサポートできる。鬼火やトリックルームによるシナジーもあります。
- 雨パ&砂パ
相手のナットレイを呼び込み、かつパーティ内に炎枠を採用しづらいことからこの型のナットレイと相性が良いです。
※コメント欄よりご指摘いただきました。い様ありがとうございます
最後に
いかがだったでしょうか。一般的な宿守型のような粘り強さはありませんが、対ナットレイ、物理への詰め筋、崩し、対催眠、対身代わり戦術という違うベクトルの強さを持っており、環境や構築次第ではしっかり活躍できる力を持っていると思います。
実は少し前に同じ型が投稿されていたのですが、厳しい指摘が多く寄せられたせいか削除されてしまったことが非常に残念で、今回補完として投稿に踏み切りました。
とはいえまだまだ考察が甘い部分も多いと思いますので是非コメントにてご指摘ください。最後までご高覧いただきありがとうございました。