前置き
- 本育成論の個体は王冠の使用を想定しています。また、ダメージ計算での相手ポケモンは理想個体を想定しています。
- 非公式の単語や略称を使用します。
- ダメージ計算はトレーナー天国様のダメージ計算機SM for ポケモン サン/ムーンを使用しています。
はじめに
初めまして。釜玉派と申します。
チョッキ霊獣ボルトロスの育成論はすでに先人のもの(育成論サンムーン/480)が存在しています。
私自身、以前この調整のチョッキ霊獣ボルトロスを使用していて、使いやすい調整であったと思っています。
しかし、使っている中で火力が欲しくなり、また特殊方面への耐久が過剰気味かと感じ、火力重視の調整を施したのが本育成論となります。
正直、(育成論サンムーン/480)の育成論のコメント欄で別案として努力値配分だけ載せるだけで十分なのかもしれませんが、調整や技構成の意図を記述するとかなり長いコメントになってしまうことが予想できたため、フォークという形で新たに育成論を執筆することにしました。
採用理由
- 対電気、地面無効枠
特性の蓄電と飛行タイプにより、パーティに一貫しがちな2つのタイプを無効にできます。
チョッキを持つことで持ち物補正なしの不一致めざパ氷なら2耐えするので、電気タイプとのタイマンを制しやすくなります。
- 高いタイマン性能
電気+氷に加え、残りの2枠で攻撃範囲を広げることができます。
技のカスタマイズによって特定の並び(例:ブルルドヒドイデ)に強くなるのもポイント。
Cに多く振っているので、サブウェポンとはいえ軽視できない火力が期待できます。
調整
性格:控えめ
特性:蓄電
実数値:175-x-92-209-103-136
努力値:164-0-12-196-20-116
H:16n-1
B:A200ガブリアスの逆鱗を確定耐え
C:H183-D106ガブリアスをめざパ氷で93.6%の乱数1発
D:C211メガリザードンYの晴れ下オーバーヒートが18.8%の乱数1発
S:最速70族抜き抜き
ちなみに、S実数値を135にとどめて余った分をDに回すと、
C211メガリザYのオーバーヒートが6.3%の乱数1発になります。お好みで調整してください。
技構成
- 10万ボルト
特殊電気タイプのメインウェポンです。もちろん確定技です。
- めざめるパワー(氷)
呼ぶ地面タイプ、特にガブリアスやランドロスなど氷4倍のポケモンに刺さります。
また、霊獣ボルトロスミラーで打つ技でもあります。これも確定技です。
以下、選択技です。パーティに応じてカスタマイズしてください。
- ボルトチェンジ
対面操作を意識するなら。
- ヘドロウェーブ
- ヘドロ爆弾
どちらもカプ・コケコは確定1発、カプ・テテフは確定2発です。
乱数が微妙に変わるのはH177-D115のチョッキブルルくらいです。
追加効果の発動率をどう捉えるかですね。
- 気合玉
汎用性の高いサブウェポン。電気+氷+格闘で広い攻撃範囲となります。
- 草結び
カバルドン、マンムーにはこちらを。比較的交換が読みやすいので刺さります。
- サイコキネシス
バシャーモやフシギバナ、ヘラクロスに。
フォーク元との比較(6/4追記)
フォーク元の育成論との最大の違いが、Dに振られている努力値をHとCに回していることです。
そのように配分を変更した理由と、メリット・デメリットを説明します。
- 配分変更の理由
・めざ氷を打ちたい相手に対して乱数が絡んでしまうため
特にメガボーマンダを意識しています。竜舞時に後出しor死に出しをした場合に、フォーク元の配分では、捨て身を受けると乱数で落ちてしまう、めざ氷を打っても乱数で耐えられてしまう・・・と、乱数が絡んでしまいます。そこで、極力不安定な要素を排除するために配分変更をしています。
・環境の変化による化身ボルトのトレンドが変わったため
フォーク元では、HDオボン化身ボルトを強く意識しています。
第7世代の対戦環境における化身ボルトは、
・採用率が第6世代と比較すると低下
・悪巧み採用率が41.5%
・性格分布は臆病が62.6%、穏やかは14%
(データは2017/6/4時点のPGLより)
以上のことから、悪巧みを積んでくる化身ボルトは臆病CSである可能性が高いと考えました。
また、フォーク元の配分でも、臆病CSボルトには後出しから勝てません。
そのため、Dを下げても不便に感じることは少ないと判断しDを下げています。なお、現環境でメジャーであるカプ・コケコおよび霊獣ボルトロスからの有効打については、確定数の変化はほとんどありません。
- 配分変更によるメリット
・めざ氷に関連する確定数の変化
メジャーどころは以下のように変化しています。
・H171-D110メガボーマンダへのめざ氷が乱数1発→確定1発に
・H195-D128@突撃チョッキ霊獣ランドロスへのめざ氷が乱数2発→確定2発に
・H183-D106ガブリアスが93.6%の乱数1発に
・複数の技による突破率の変化
パターンが多いので、代表的なものを紹介します。
・H191-D115@輝石ポリゴン2に対する10万ボルト+気合玉
・H215-D136カバルドンに対するめざ氷+草結び
・物理耐久の増強
DからHに努力値を回したことで、A216メガボーマンダのA1段階上昇捨て身タックルやA200ガブリアスの逆鱗を確定耐えします。また、A156ミミッキュのA2段階上昇影打ちが高乱数2発から低乱数2発に変わります。
- 配分変更によるデメリット
・悪巧みを積む化身ボルトに勝てない
これについては、配分変更の時点で切っているので仕方ありません。
図太いHBなら勝てる可能性がありますが、その型が存在しているかは微妙なところです。
・火ロトムに対してかなり不利になる
元々不利なのですが、余計に不利になってしまいます。
Zオバヒ+めざ氷が、フォーク元の配分では5割未満の乱数1発であるのに対し、こちらの配分では、93.6%の乱数1発です。
・C232メガリザードンYのオーバーヒートは耐えない
フォーク元では93.6%で耐えますが、こちらでは耐えません。
- まとめ
フォーク元と比較すると、本育成論の配分は特殊耐久を下げ、氷4倍勢への安定性を上げたものであると言えます。どちらが優れているというよりも、パーティで苦手なところに合わせて調整していただければと思います。
ダメージ計算
- 攻撃面
10万ボルト
・H177-D151カプ・レヒレ:79%〜94.9%
・H207-D136スイクン:75.3%〜89.8%
・H171-D150メガギャラドス:84.2%〜99.4%
・H157-D163ドヒドイデ:84%〜99.3%
・H131-D125ミミッキュ:64.8%〜77.8%
めざめるパワー(氷)
・H183-D106ガブリアス:98.3%〜118%
・H171-D110メガボーマンダ:102.9%〜121.6%
・H196-D141霊獣ランドロス:69.3%〜83.6%
・H195-D128霊獣ランドロス@突撃チョッキ:53%〜63.2%
・H155-D100霊獣ボルトロス:61.9%〜73.5%
ボルトチェンジ
・H131-D125ミミッキュ:51.1%〜60.3%
・H135-D80キノガッサ:37.7%〜45.1%
ヘドロウェーブ / ヘドロ爆弾(左側:ヘドロウェーブ、右側:ヘドロ爆弾)
・H147-D95カプ・コケコ:108.9%〜128.2% / 103.4%〜122.7%
・H145-D135カプ・テテフ:77.2%〜91% / 73.1%〜86.8%
・H177-D161カプ・ブルル:106.2%〜126.5% / 101.6%〜119.7%
・H177-D115カプ・ブルル@突撃チョッキ:99.4%〜117.5% / 94.9%〜112.9%
気合玉
・H191-D115ポリゴン2@進化の輝石:58.6%〜69.1%
・H181-D162ナットレイ:65.1%〜77.3%
・H185-D80マンムー:127.5%〜150.2%
・H177-D110ジバコイル:97.1%〜115.2%
草結び
・H215-D96カバルドン:91.1%〜107.9%
・H215-D136カバルドン:65.1%〜77.2%
・H185-D80マンムー:127.5%〜150.2%
サイコキネシス
・H155-D91バシャーモ:100.6%〜118.7%
・H187-D125メガヘラクロス:60.9%〜72.7%
・H187-D140メガフシギバナ:54.5%〜65.2%
- 耐久面
物理
・A200ガブリアスの逆鱗:84%〜99.4%
・A182ガブリアスのストーンエッジ:85.7%〜101.7%(12.5%の乱数1発)
・A216メガボーマンダのA1段階上昇捨て身タックル:81.7%〜96%
・A207メガギャラドスのA1段階上昇氷の牙:94.8%〜112%(68.8%の乱数1発)
・A200マンムー@命の珠 の氷の礫:76%〜89.1%
・A188霊獣ランドロスの岩石封じ:52.5%〜62.8%
・A156ミミッキュのじゃれつく:49.7%〜58.8%(99.61%の乱数2発)
特殊
・C211メガリザードンYの晴れ下オーバーヒート:87.4%〜102.8%(18.8%の乱数1発)
・C147カプ・コケコのマジカルシャイン:24.5%〜29.7%
・C147カプ・コケコのめざめるパワー(氷):25.1%〜30.8%
・C216霊獣ボルトロスのめざめるパワー(氷):37.7%〜44.5%
・C200ジバコイル@拘り眼鏡のアナライズ込みめざめるパワー(氷):65.1%〜77.7%
・C155ゲッコウガ@命の珠 の冷凍ビーム:76%〜90.8%
・C200カプ・テテフのサイコフィールド下サイコキネシス:57.1%〜67.4%
終わりに
火力を重視した上で、チョッキを持たせてタイマン性能を上げた霊獣ボルトロスの紹介でした。
パーティで電気タイプが重い、対面操作をしてエースポケモンに繋げたい、といった場合に使ってみてはいかがでしょうか。