わにと申します。5回目の投稿です。よろしくお願いします。
以下の内容に必ず目を通してください。
- 指定のない限りすべてのポケモンは理想個体を想定します
- HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをH、A、B、C、D、Sの略称で表記します
- ポケモン名やタイプ表記、道具名などに一部略称を用います
- ダメージ計算はトレーナー天国様のツールをもとに計算しています
- ご質問、ご指摘はコメントにて受け付けます
- 育成論に関係のないコメント、無益だと判断したコメントは予告なく削除します
それでは考察に移ります。
ランクルスについて
第五世代で登場したぷにぷに細胞。
適度な耐久と火力を持ち、技範囲も広いためトリルアタッカーとしての運用がメジャーですが、火力インフレの波に押され、現在は使用率は高くない中堅ポケモン。単純なアタッカーとしての性能は相対的に弱体化しましたが、定数ダメをシャットアウトするマジックガードという特性が非常に強力で、一度パターンに入ると抜け出すのが困難な嵌め戦術(宿り木+身代わり、毒毒+守るなど)に対抗できるため、使い方次第でまだまだ活躍できるポケモンだと思います。
今回はそんなランクルスにエスパーZを持たせ、嵌め戦術を崩せる型を考察したいと思います。
採用理由・差別化
- 特性マジックガードによって、通常ダメージ以外の全てのダメージ(拘束技、天候、ステロ、火傷、毒、宿り木、呪いなど)を無効にでき、嵌め戦術への耐性がとても高い。
- 未来予知を覚え、未来予知+Z未来予知による守るを無視した強引な削りが可能。
- 鈍足のおかげで未来予知+通常攻撃で、守る+身代わり戦術を崩しやすい。
- 特性マジックガードで未来予知を覚えるポケモン(フーディン、シンボラー)の中で火力、耐久指数が最高。=役割対象への繰り出し及び居座りが可能であり、最低限の対面性能があり腐りにくい。
以上の条件を満たせるのはランクルスのみのため差別化は省略。未来予知の仕様については後述します。
具体的な仮想敵はナットレイ、テッカグヤ、グライオン(ギロチン以外)メガフシギバナ、ドヒドイデ、カプ・ブルル(鉢巻、Z以外)ヒードラン(眼鏡、Z以外)、スイクン(吠える以外)、サンダー、クレセリア、ポリゴン2、ソーナンスなど。対面ならバシャーモ、メガゲンガー(催眠以外)などにも殴り勝てます。これらを呼び込みやすい構築の補完として採用することになります。
未来予知による、守る+身代わり崩しについて
まず未来予知の仕様をざっくり説明します。
- 技を選択したターンから数えて2ターン後のターン終了時にダメージ判定がある。(残飯、ポイヒ回復の前)
- 守る(見切り、キンシ、ニドガ、トーチカ)で防ぐことはできない。
- タイプ相性、持ち物、フィールド、壁、ランク補正(命中、回避も含む)の影響を受ける。ランク補正はダメージ判定時の使用者の補正を参照する。
- 使用者が交代や瀕死で場から離れても発動する。
- 未来予知のダメージで相手を倒しても道連れが発動しない。
覚えておきたい仕様はこれぐらいです。
特に大切なのが守るで無効にされないことです。
この仕様を使えば、守る+身代わりを繰り返す相手に対し、以下の立ち回りをすることで崩すことができます。
【相手/自分】
- 守る/未来予知
- 身代わり/通常攻撃(身代わり破壊)
- 守るor身代わり/エスパーZ(守る貫通or身代わり破壊)
- ターン終了時に未来予知により本体にダメージ
これが今回の型の大きなポイントです。
この動きを取るためには相手の身代わりを後攻で壊す必要があるので、ランクルスの鈍足が生きるというわけです。また、未来予知のダメージでは道連れが発動しないという仕様のおかげで未来予知連打でソーナンスを無償突破出来たりします。
持ち物
- エスパーZ
未来予知を基に威力190のマキシマムサイブレイカーを放て、メガフシギバナ、ドヒドイデを一撃で吹き飛ばせます。瞑想と併用することで削り性能、崩し性能が大幅に上昇するためオススメ。
- アッキの実
物理方面を強く意識する場合はこちらも有用なアイテム。確定欄の努力値振りでアッキ発動後A特化カグヤのヘビボンを確定3に抑え込め、詰め性能も向上します。
特性
採用理由からマジックガードで確定。
性格・調整
- 性格
控えめ
必要最低限の耐久は性格補正無しで実現できるため、補正をかけた際に最も上昇幅の大きいCに補正をかけます。確定欄より耐久ラインを上げる場合は、図太い、穏やかも一考。
- 努力値
H252B124C12D76S44
- 実数値
H217A63B111C161D115S56
- 調整意図
HB:A189バシャーモのZフレドラ耐え
C:余り(一応HD特化メガフシギバナをZ未来予知で高乱数1)
HD:C205ウルガモスのさざめき耐え(B<D)
S:無振りドヒドイデ抜き
最低限の対面性能を確保するためHBDベース。ASメガガルーラに毛が生えた程度の耐久と言えばダメージ感覚が掴みやすいでしょうか。
Sはドヒドイデを意識しており、黒い霧で積みをリセットされる前に行動できるよう調整しました。BDの乱数を甘えてCに回すなど、これをベースに各自調整していただければ幸いです。
一応、耐久に特化した場合の調整例を挙げておきます。
調整例1
性格:図太い
努力値:H204B252C4D4S44
実数値:H211A63B139C146D106S56
A156ミミッキュのZシャドークロー超高乱数耐え(93.7%)
A168テッカグヤのベビーボンバー確3
調整例2
性格:穏やか
努力値:H204B4C4D252S44
実数値:H211A63B96C146D150S56
Dランク+1でC222ギルガルドのZシャドーボール超高乱数耐え(93.7%)
Cランク+1でH167D72ギルガルドをZ未来予知で高乱数1(87.5%)
何を重く見るのかによって各自調整をお願いします。良い調整ラインがあればぜひご教授下さい。
技構成
- 確定技
未来予知
この型のキモ。守る+身代わり戦術を崩したり、マキシマムサイブレイカーの基となる重要な技。
サイコショック
威力命中安定の癖のないメインウエポン。
ダメージ計算時に相手のBを参照するため瞑想合戦にも強くなります。
瞑想
特殊中火力や耐久ポケを起点にしていきます。
瞑想+Z未来予知で強力な崩し性能を得ます。
自己再生
安定した回復ソース。
瞑想を積んでからの居座り、サイクル性能の維持を考えると外せません。
確定技で4枠埋まる為、候補技はありませんが、どうしても悪タイプに打点を持ちたい場合は気合い玉の採用も視野に入ります。
ダメージ計算
論が煩雑になるのを防ぐためダメ計の追加は基本的にしません。
記載のないものは各自計算してください。
- 与ダメ
未来予知
H177D139グライオン
44.6〜53.1% 乱2(27.7%)
H177D161カプ・ブルル
37.8〜45.7% 確3
H204D121テッカグヤ
22〜26.4% 乱4
H181D168ナットレイ
18.2〜21.5% 乱5
Z未来予知(マキシマムサイブレイカー)
H181D121メガガルーラ
79.5〜93.3% 確2
H153D105メガリザードンX
107.8〜127.4% 確1
サイコショック
H204B123テッカグヤ
14.7〜17.6% 乱6
瞑想2積みで身代わり確定破壊
瞑想6積みで57.8〜68.1%(残飯回復込み確2)
H207B183スイクン
19.3〜23.1% 乱5
瞑想3積みで48.3〜57% 乱2(89.1%)
H177B145グライオン
28.8〜34.4% 乱3(4.4%)
- 被ダメ
C205ウルガモスの虫のさざめき
83.8〜99.5% 確2
C222メガゲンガ―のシャドーボール
80.1〜94.9% 確2
C174テッカグヤのラスターカノン
31.7〜37.7% 乱3(91.8%)
C151ヒードランのマグマストーム
34.5〜40.5% 確3
C191メガフシギバナのヘドロ爆弾
38.7〜46% 確3
A189バシャ―モのZフレアドライブ
84.3〜99.5% 確2
A200カプ・ブルルのウッドハンマー(GF)
84.3〜99.5% 確2
A160ナットレイ@鉢巻の叩き落とす
72.8〜86.6% 確2
A115グライオンの地震
26.7〜32.2% 確4
A168テッカグヤのヘビ―ボンバー
47〜55.7% 乱2 (77.3%)
立ち回り
役割対象に繰り出し、身代わりから入られたら瞑想→未来予知→攻撃で崩し、殴られたらダメージ量から判断し回復か瞑想を選択、相手の交代や様子見守るが濃厚なら未来予知、エスパーZで倒せそうなら臆せずブッパ、というように状況に応じて対処します。
その他の立ち回りとして、対面の相手を倒すタイミングをわざと1ターン遅らせ、未来予知を使っておくことで、後続に負荷をかけることができます。
毒や宿り木を気にせず投げれるのは本当に頼もしいのですが、鈍足耐久の弱点である急所崩れには要注意。状況を見極めてエスパーZで早めに勝負を決めに行きましょう。悪タイプに全く打点が無い点にも注意してください。
では、具体的に悪タイプどう注意するの?という話ですが、
まず、ランクルスを組み込む構築に悪タイプに有利なポケモン(妖、闘タイプ、その他数値受け)がいること、そして悪タイプ入りのパーティにはランクルスを選出しないことが望ましいです。どうしても選出する必要がある場合は、悪タイプに強い味方と選出し、サイクルの中で積極的に悪タイプ交代読み未来予知を仕掛けていきます。交代読み未来予知→味方(ポケモンAとします)に交代、という立ち回りをすることで、相手は大人しくAに役割遂行されるか、後続で未来予知+Aの攻撃を受けるという択を迫られます。このようにサイクルの中で攻撃を先送りにすることで有利な択を作ることができるのも未来予知の面白いところですね。
相性の良い味方
- メガハガネール
ナットレイ、テッカグヤ、グライオンを呼び込みます。ランクルスが心許ないB方面の耐久に優れ、ランクルスの天敵であるバンギラスにかなり強い点も好相性。
- メガボーマンダ
テッカグヤを呼び込み、威嚇によるランクルスのサポート、ランクルスが苦手なウルガモスへのケアもできます。
- ウルガモス
ドヒドイデ、ヒードランを呼び込みます。ランクルスの詰め性能を向上させることができる鬼羽型がオススメです。
- カプ・テテフ
相性補完はいまいちですが、ランクルスが苦手とする悪タイプに高い打点があり、サイコフィールドで未来予知の火力を底上げできます。ナットレイやテッカグヤを呼び込むのもポイント。
最後に
ここまでご覧いただき誠にありがとうございました。
採用理由が若干ピンポイント気味ですが、毒毒や宿り木に怯えなくてよいのでストレスなく対戦することが出来るのもこの型の利点だと思います。
特に前シーズンで地震毒毒守る身代わりのグライオンやエアスラ宿り木守るパージのテッカグヤに苦しめられたこともあり、何か対策になるポケモンはいないかと考え、今シーズンこの型で試験的に潜ってみたところ使用感が悪くなかったため投稿させていただきました。
この育成論を読んでランクルスの可能性に少しでも興味を持っていただければ幸いです。
更新履歴:
6/23 努力値振りの最適化およびダメ計修正
6/24 調整案追加
6/25 未来予知の説明を追加
6/26 立ち回りを追加