はじめに
約1ヶ月ぶりの投稿となります。よろしくお願い致します。
- HABCDS、など非公式の略語、単語等を用います。
- 論中に登場するポケモンの個体値は特に指定がなければ理想個体とします。
コンセプトと採用理由
カメックスと言えば、第8世代で新たに強力な積み技であるからをやぶるを習得したことにより、メガ進化を没収された今でも高耐久の積みアタッカーとして細々と活躍しています。
また、鎧の孤島解禁に伴いキョダイマックスをもらったことで、先行していたリザードンと同じ定数ダメージを与えられるキョダイホウゲキを手にしました。これにより襷持ちで止まりにくくなったため、アタッカー性能がさらに向上しました。
その一方、鎧の孤島解禁でキョダイ解禁だけでなく、優秀な対面操作技であるクイックターンを習得しました。これにより、サイクル戦や起点作成役としての活路が見え、新たな活躍の場を手にしたと言えます。
さらに、あまり知られてはいません(と個人的には思っている)が、優秀な流し技であるあくびを覚えることができます。よって、この2つを組み合わせることと、持ち前の耐久力の高さを活かして相手の交換に合わせて有利対面を作る対面操作役、兼物理受けをコンセプトとします。
差別化
少し前に育成論が投稿されておりますが、同じことが出来るメジャーなポケモンとしてシャワーズシャワーズがおり、差別化は必須となります。まずは型の詳細な紹介に移る前に、差別化について明記します。大きな差別化点は、3点あります。
1.物理耐久の高さ
一つは物理耐久指数の高さです。カメックス、シャワーズそれぞれのhb特化時の物理耐久指数は下記の通りです。(hbの数値は実数値)
カメックスカメックス h186×b167 = 31,062
シャワーズシャワーズ h237×b123 = 29,151
大きな差ではないように見えますが、物理耐久指数の高さから物理相手により優位に立ち回ることが可能となります。
このわずかな数値の差によるメリットの一例として、HP満タン時であれば珠エースバーンのキョダイカキュウ+ダイジェットを確定耐えできるかどうかという違いがあります。この違いにより、エースバーンのダイマックスに合わせて受け出しさせることであくびで流すムーブが可能となります。
2.てっぺき+ボディプレス
一時は最強戦術(?)とも呼ばれた有名な組み合わせですが、元のb種族値が並以上あることから、カメックスとも相性がいい戦術になります。
あくびにより特殊アタッカーを流しながら、クイックターンにより後続で有利対面を作るか、てっぺきを積むことで要塞と化すか、状況に合わせて選択することができます。
シャワーズもとけるを覚えることができますが、ボディプレスを覚えられないため攻撃技はねっとう一択になりがち(もちろん優秀な技ですが)で、相手によっては負荷をかけづらいです。
3.あくびが読まれにくいこと
正直、これに尽きます。とにかくあくびを打つことが読まれないです。
Pokémon HOMEのバトルデータ(2020年7月26日時点)によると、シーズン8におけるカメックスは採用技からほぼアタッカー型しか存在しないことが明らかです。
- 採用率Top5
1.からをやぶる 81.6%
2.れいとうビーム 46.8%
3.あくのはどう 39.7%
4.ハイドロポンプ 39.6%
5.ラスターカノン 38.3%
※以下、6〜10位も攻撃技のみ。なお、持ち物トップは白いハーブで58.3%。
上記から分かるように、まず初手に対面した相手はからをやぶるによる積み技を警戒して動いてくるため、あくびやてっぺき、クイックターンなどで有利な状況を容易に作ることが可能です。
それに対してシャワーズは、ブイズ系統があくびを覚えることがメジャーであるため、型が読まれやすいです。(あくびは64.4%で採用率1位、クイックターンは採用率35.6%で4位)
この3点をカメックスに有利な差別化点とします。
一方、シャワーズはc種族値が110あることから水特殊技による圧をかけやすいことや、ねがいごとやバトンタッチなど優秀な補助技を覚えること、特性ちょすいにより無効タイプを持てる点がカメックスより優れていると言えます。どちらも異なる強みがあります。
持ち物
回復ソースがないためたべのこし、もしくはオボンのみです。確定欄はたべのこしになります。
あくびやてっぺきにより場持ちが良くなるので、総合的な回復力で考えるとたべのこしの方が優秀です。
ただ、物理受けとしてエースバーンを強く意識するならオボンのみも一考の余地があります。珠エースバーンのダイジェットで52.6〜61.2%受けるため、オボンのみの回復込みで確定3発まで耐えられる=受け出しからあくびで受け流せるようになります。
しかし、最近は特殊型や両刀型が存在し、水物理受け対策が進んでいることや、読みを外してダイナックルから入られるとオボンのみが発動せずに落ちるため、汎用性の高さからたべのこしをオススメします。
特性・キョダイマックスの有無
確定欄はあめうけざらです。雨パに組み込むのであれば(そうなると水単パーティになるのでやらないと思いますが)、あめうけざらの方が恩恵はあります。それ以外の場合はどちらの特性も能動的に発動しづらく大差はありませんので、お好みで選んでも構いません。
キョダイマックスについては、滅多にダイマックスをしないためどちらでも構いませんが、あめうけざらの場合は雨を降らせるため通常個体を推奨します。
性格・努力値と調整
努力値振りはhb252、d4振り、性格についてはのんきorわんぱくの2択になります。確定欄はのんきとしています。
sに下降補正をかけることで、クイックターンでなるべく多くの相手に後攻を取ることができ、後続に有利な状況を作りやすくなります。
この場合、s実数値「88」となり、無振り68族と同速になります。しかし、70族の下を取ることでエアームドエアームドに先手を取られるため、ちょうはつやステルスロックを上から撒かれたりと、デメリットもあります。
なお、個体値の調整まで含めれば、最遅で無振り54族と同速(ハピナス、シザリガーなどが55族)まで下げることができますので、どこまで下げて下から動くかは割と幅広く調整可能です。
性格がわんぱくの場合、確定欄の技構成上必要のないcに下降補正をかけ、すばやさは下げない調整になります。
この場合、後攻を取れる相手は減りますが、上からてっぺきを積める相手が増えます。
具体的な相手としては、少しsに降ったバンギラスやネギガナイト、ハッサム(相手が無振りなら性格のんきでも抜ける相手ばかり)などです。
なお、厳選難易度が上がりますが、性格わんぱくでs個体値を16〜17にすることで無振り70族抜き(エアームド抜き)に調整が可能です。根気のある方にはこの調整をオススメします。
技構成
- 確定技1
クイックターン(60/ダイマックス時110)
この型のキモとなる交代技です。あくび→クイックターンの流れで使うことで、相手の交代先を見たあとで後続を着地させられるため、有利対面が作れます。威力は60なのでダメージは期待出来ません。
- 確定技2
あくび
眠りか交代かを強制する、強力な流し技です。初手出しが多いため、クイックターンで手持ちに戻って最後まで生き残ってることが多く、相手のラス1に打つことで殴り勝てる事も少なくないです。あくびループから抜けるために、ダイサンダーで突破を狙われやすいので注意。
- 選択技
上にあるほど優先度は高いです。
てっぺき
bを2段階上げる積み技。もうひとつの役割である物理受けとして必須なため、優先度は高めです。あくびと合わせることで、特殊を流して物理相手に積むことで要塞となります。
ボディプレス(80/ダイマックス時90)
受けポケと相性の良い攻撃技。てっぺきを積めればねっとうよりも火力を出せるため優先度は高めです。
これを持つことで、特殊アタッカーだと思って受けにくるラッキー、ハピナスを吹き飛ばすことができます。
ねっとう(80/ダイマックス時130)
追加効果のやけどが優秀な水特殊技。やけどさせられればより物理受けがしやすくなりますが、あくびで流せなくなるので注意。なお、ねっとうを採用する場合はc個体値もvにしましょう。
まもる
眠りを覚悟で強引に倒しに来る相手に。たべのこしによる回復も狙えたり、ダイマックスを枯らしたりと何かと優秀な技です。
ミラーコート(-/ダイマックス時100)
特殊に一矢報いたい方に。d4振りでも特殊方面もそれなりに硬いため、満タン時であれば1発耐えて反撃はできます。優先度は低め。
ダメージ計算
- 与ダメージ計算(最低限に抑えます)
クイックターン
ボディプレス(てっぺきによるb上昇は考慮しませんので、2倍、3倍と計算してください。)
b252補正ありハピナスハピナス 44.8〜53.3%(低乱数2発 33.5%)
hb特化ポリゴン2ポリゴン2 22.9〜28.1%
h4水ウーラオスウーラオス(いちげき) 23.8~28.4%
hb特化エアームドエアームド 13.9〜16.8%
無振りエースバーン(炎)エースバーン 34.1〜40.6%
被ダメージ計算
a252珠エースバーンエースバーン
とびひざげり (=ダイジェット)52.6〜61.2%
a1↑とびひざげり(=ダイジェット) 77.4〜92.4%
ダイナックル(95) 38.7〜46.2%
キョダイカキュウ(160) 31.7〜37.6%
→キョダイカキュウ+ダイジェット=84.3〜98.8%で確定耐え
a特化ゴリランダーゴリランダー(草技はグラスフィールド下)
グラススライダー 64.5〜77.4%
ドラムアタック 74.1〜88.1%
ハチマキグラススライダー 96.7〜113.9%(乱数1発81.2%)
c特化ポリゴン2ポリゴン2
c1↑ほうでん 66.6〜79.5%
アナライズほうでん 58.0〜68.8%
a特化ミミッキュミミッキュ
a2↑かげうち 22.5〜27.4%
a2↑じゃれつく 50.5〜60.2%
a2↑ダイフェアリー 73.1〜87.0%
c252メガネドラパルトドラパルト
シャドーボール 44.0〜52.1%(乱数2発14.4%)
10万ボルト 66.6〜78.4%
りゅうせいぐん 71.5〜84.4%
c252トゲキッストゲキッス
エアスラッシュ 31.1〜37.6%
ダイジェット 54.8〜64.5%
ダイソウゲン 73.1〜86.0%
a252ギャラドスギャラドス
パワーウィップ 60.2〜72.0%
ダイジェット 41.9〜50.0%
a252ウーラオスウーラオス(いちげき)
あんこくきょうだ 40.8〜48.3%
→てっぺきを積んでも貫かれるので注意。
インファイト 40.3〜47.3%
ダイサンダー(130) 58.0〜68.8%
a252はりきりパッチラゴンパッチラゴン
でんげきくちばし 141.9〜167.7%
ダイサンダー(130) 109.6〜129.0%
立ち回り
- 先発の場合
一番使いやすく、安定するのが先発です。あくび→クイックターンの展開をするだけでも容易に有利状況を作ることができます。耐久が高いため、特に物理技であればパッチラゴンの先制でんげきくちばしレベルの火力、かつ弱点でなければ一発で落とされることはほとんどなく、必ず何かしらの仕事をしてくれます。
- クッション(受け出し)の場合
耐久力の高さを活かしてクッション役としても起用できます。しかし、高速回復技を持たない(厳密にはねむるがあるが)上に、タイプ受けもあまりできないため場持ちはそこまで良くありませんので過度な期待はしないように。
物理方面であれば、持ち物やフィールド、天候補正のない一致技程度ならほぼ2耐えすることが出来るので、受け出しから流しまではこなす事ができます。
苦手な相手
- ゴリランダーゴリランダー
タイプ相性はもちろん、ハチマキグラススライダーで高乱数で落とされてしまいます。ゴリランダーは初手出しも多いポケモンなので、必ず草タイプの技を受けられるポケモンを構築に入れましょう。
- 特性ちょすい持ち
あくびで流した後にちょすい持ちを投げられるとクイックターンが無効化され、交代が出来なくなります。もう一度あくびで流せば良いですが、相手に一手猶予を与えてしまうため、こちらのリズムが崩されてしまう可能性があります。
相性のいい味方
- ウルガモスウルガモス
先発運用の場合、初手に出てきやすいゴリランダーと対面した場合の引き先として相性がいいです。また、ちょうのまいを持っているためあくびで相手を眠らせることができた場合の積みアタッカーとしても非常に活躍してくれます。
- ドリュウズドリュウズ
カメックスの苦手なパッチラゴンなどのでんきタイプに対する回答になります。ウルガモスと同様に、つるぎのまいによる積みアタッカーとして活躍できる面も好相性です。
さいごに
サポート型カメックスはいかがでしたでしょうか。補助技を多く覚えるわけではありませんが、対面操作+物理受けという役割を十分に持てることが伝わっていれば幸いです。
もし興味のある方がいらっしゃれば、カメックス軸のパーティ構築の投稿、並びにレンタルパーティの公開も検討中ですのでコメントにてお願い致します。
以上、閲覧ありがとうございました!
レンタルパーティ(8/4追記)
コメントにてレンタルパーティを使用したいとのありがたいお言葉を頂きましたので、公開致します。
パーティ構築の投稿の場ではないので、パーティ全体の説明は割愛させて頂きます。
なお、本レンタルパーティのカメックスの特性はげきりゅうとなっております。厳選甘えたのは内緒
IDは下記の通りです。
0000 0001 LJ7K B1