はじめに
育成論は二度目の投稿となります、うぃんと申します。
今回はガラルでまさかのリージョンフォームを手に入れたマッギョ(ガラル)マッギョを活かす道を真剣に模索してみました。
注意
- 一般的な範囲の非公式用語、略称を多用します。
- 特に記載がない限り、ポケモンは非ダイマックス状態とします。
- 特に記載がない限り、ポケモンは理想個体とします。
- ダメージ計算はポケマスさんのダメージ計算ツールを使用しています。
- 本文中でのマッギョという表記は、基本的にマッギョ(ガラル)ガラルマッギョを指すものとして扱います。
- 長くなります。
TODについての注意
本育成論はターン数をかけて相手を倒すことをコンセプトとしているため、勝ちをもぎ取るためには「TOD」(Time Over Deathの略であり、時間切れによる判定勝ちを故意に狙う戦法)を視野に入れて戦うことも要求されます。
詳しくは後述しますが、マッギョ単体というよりは相性の良い構築全体がターンを稼ぐ戦法をとりがちなためです。
構想段階ではTOD前提ではなかったものの総合時間制のシリーズ2が始まってしまい、試用段階でもTODによる判定勝ちが少なくなかったため、論に組み込むこととします。
試合の最初から積極的にTODを狙う型というわけではありませんが、試合展開に応じてTODを選択肢に入れることになりますのでご了承ください。
- TODって何?
そもそもTODをよく知らないという方向けに軽く説明しておきます。
例えばランクバトルシリーズ2では技やポケモン交代の選択時間が1回につき45秒、各トレーナーの持ち時間が最大7分、1試合を通しての総合時間が最大15分とそれぞれの制限時間が定められています。
・ターン最初の選択時間45秒を超過した場合、技欄の一番上の技が自動的に選択されます。
・ターン途中のとんぼがえり等による交代の選択時間45秒を超過した場合、交代できるポケモンの内で手持ち欄の一番上のポケモンが自動的に選択されます。
・各トレーナーの持ち時間は上記2種類の選択時間中に自分が選択を済ませるまで減っていきます。7分を超過すると自動的に負けになります。
・1試合の総合時間は行動選択時間中もポケモンの技演出中もダイマックス等の演出中も常に減り続けます。15分を超過した場合(行動選択時間中だった場合はその行動を終えてから)、判定が行われて勝敗が決まります。
・判定では、残りの手持ちポケモンの数が多い方が勝利となります。残りポケモン数が同じだった場合は、(手持ちポケモンの残りHP合計)÷(手持ちポケモンの最大HP合計)を計算し、多い方が勝利となります。
TODでは判定に勝つため、できるだけ相手より多くのポケモンを生存させること、生存数が同じならできるだけHP割合を高く保つこと、自分の持ち時間を切らさないように気を付けながらも時間を稼ぐことが求められます。
ルールの穴を突くような勝ち方になるため、TODを良く思わない人も一定数存在します。
マッギョ(ガラル)マッギョ(ガラルの姿)とは
投稿日1/10現在で他の育成論が存在しないので、まずはマッギョ(ガラル)マッギョの紹介から入ります。必要ないという方は採用理由の項目まで読み飛ばしてください。
まず、過去作でのマッギョマッギョは対戦においてはマイナーでしたが、電気・地面という固有タイプと耐久寄りの種族値を持ち、個性的な見た目も相まって独特な存在感を放ってはいました。
ガラル地方ではタイプは地面・鋼、種族値は少し物理寄りに変化したリージョンフォルムマッギョ(ガラル)として登場し、ビリリダマビリリダマ系統やタマゲタケタマゲタケ系統のような「モンボ擬態(ミミック)ポケモン」ポジションに収まりました。擬態のクオリティ落ちてきてないか?
第二鉱山でいきなりマッギョ(ガラル)マッギョに襲われ、進行度にしてはしぶとい耐久力といやらしい技で印象に残ったプレイヤーも多いのではないでしょうか。
しかしながらマッギョ(ガラル)ガラルマッギョは全体的に見れば種族値に尖った点がなく、タイプも固有ではなくなったため、個性を活かした採用(差別化)が難しいポケモンです。オンライン対戦でもほとんど出会いません。
そこで、まずはこのポケモンの個性はどこなのかという所から検討していきます。
マッギョの個性
マッギョ(ガラル)マッギョのタイプは地面・鋼です。
この複合タイプは2倍弱点が4タイプ、無効が電気と毒の2タイプ、軽減が8タイプと、半減受け出しはしやすいものの対面では弱点を突かれやすいと言えます。
そんな鋼・地面タイプを持つポケモンは、他にドリュウズドリュウズとハガネールハガネールの2匹が存在します。
物理に寄った種族値を持つマッギョ(ガラル)マッギョですが、物理火力の面ではドリュウズに、物理耐久の面ではハガネールに大きく劣ってしまいます。
後述しますが専用特性の「ぎたい」もあまり恩恵を受けられません。
そこで今回は、低いわけではない特防に厚く努力値を振ることで特殊耐久面での差別化を図りつつ、専用技トラバサミを組み込んだ独特なフルアタ構成にチョッキを着せる形で個性を引き出すことにしました。
採用理由
特殊相手にはバインド技(交代を封じながら毎ターンダメージを与える技)からの耐久で、物理相手にはカウンターによる反射で倒すor大きく削ることができます。
また、フルアタでありながら自分のこうげき能力値に依存せず相手を削れるため、努力値を耐久に回した上でチョッキを着込み、高い耐久と削り性能を両立できます。
基本的には優秀な耐性を活かして有利な特殊アタッカーを仮想敵とし、トラバサミで拘束した上でターンを稼ぎながら倒します。
トラバサミ前に交代されたとしても、後続を拘束することで次ターンの読み合いに余裕が生まれます。
交代等の読み合いをなるべく避け、避けられない場合もできるだけ有利で簡単な択にしたい、でも相手の意表も突いてみたいという私のような欲張りヨクバリスな人には特におすすめです。
優秀なバインド技まとわりつくを覚える高耐久ポケモンとしてドヒドイデやツボツボが挙げられますが、
ちょうはつに関わらずターンを稼げる潜伏技と、意表を突いて物理アタッカーを倒せるカウンター、ボルトチェンジを無効化できるタイプで差別化します。
最後に愛です。隠れやすい平たい身体、獲物を捕らえるのに特化したエグい歯、哀愁漂う足跡、間抜けな顔に反してデザインの全てが生きることへの必死さを物語っていて好き
……とまではいかなくとも、せっかくガラルのすがたを貰ったのに対戦では見向きもされないなんて不憫すぎる、と思う同志は是非使ってあげてください。
パーティ構築
残念ながらこの型は多くのパーティにそのまま組み込んで十全に戦えるというわけではありません。
そこで、相性が良いと思われるパーティ構築やその例となるポケモンをご紹介していきたいと思います。
※長くなるので、お暇でない方は先に最後まで読んで興味が持てるかどうか判断してからでもいいと思います。
その場合は点線で囲まれた部分は読み飛ばして個体値〜の項目から先をお読みください。
- どくびしパ
先発ポケモンでどくびしを撒き、後続のポケモンでそれを利用しながら戦う通称どくびしパとは相性が良いです。
理由は以下の4点です。
1.状態異常枠を使わずに耐久戦ができる
マッギョはバインド技と潜伏技を採用することで状態異常を使わずにターンとダメージを稼ぐことができます。
そのため、どくで相手の状態異常枠が埋まってしまうことが前提のどくびしと共存しつつ、相手ポケモンを削る速度を倍にできます。
交代封じはどくどくびし(どくびしを2回使って相手を猛毒にできる状態)とのシナジーも期待できます。
2.ちょうはつに強い
どくびしパには耐久ポケモンが多めに採用されるため、ちょうはつ持ちポケモンを呼びやすく、そのポケモン1体のために作戦が瓦解してしまう危険もあります。
しかし、この型は攻撃技のみの技構成なのでちょうはつはむしろ1ターンの猶予となり、気にせず仕事をこなすことが可能です。
3.どくびしが刺さらないポケモンを削れる
マッギョはどくびしが刺さらない鋼・毒・飛行の3タイプの技を半減以下に抑えられ、鋼と毒には一致地面技で弱点が突けます。
4.カウンターを決めやすい
毒によるスリップダメージを嫌い、高火力な技で少しでも早く敵を倒そうとする心理にカウンターが刺さります。
もちろん耐えきれる範囲でないとカウンターは成功しないので、相手の火力が高すぎる場合は他のポケモンに相手をしてもらいましょう。
幸いにも弱点である地面、格闘、水、炎はすべてタイプや特性で無効にできるので、他のポケモンでの受け出しは比較的しやすいです。
また、相性が良い理由というほどではありませんが、受け偏重のどくびしパではダイマックスが余るケースもありうるので、このマッギョ(ガラル)マッギョがダイマックスするという選択肢も生まれます。ダイマックスについては技考察の項目で記載します。
注意点として、とにかくターン数をかけることと毒ダメージの演出が毎ターン追加されることから、試合時間が伸びてTODが発生しやすくなります。
- どくびし要員例
どくどくびしにできないと安定回復技を持つ耐久ポケモンの突破が難しくなるため、回復技を持つポケモンを警戒する場合のみどくどくびしにするか、なにかしらの耐久ポケモン対策をしたいところです。
・デスカーンデスカーン
マッギョの弱点である格闘技を無効に出来、なおかつ高い耐久力を持つゴーストポケモン。
後述のトリックルーム要員にもなれる他、相手の先発ちょうはつを意識するならメンタルハーブを持たせてトリル、先発起点作成を意識するならこだわりトリック、汎用的な妨害を意識するならこうこうのしっぽトリックといった、柔軟な戦術が取れるのも強みです。
弱点である霊・悪タイプは高威力技が乏しいため、上記のすばやさ操作も駆使すれば安定してどくびしが撒けます。
しかし安定回復技を持たず退場技がのろいかおきみやげしかないため、どくびしを撒いた後に生きたまま後続に繋ぐことは難しいです。
・マタドガス(ガラル)ガラルマタドガス
特性のふゆうによって地面無効、格闘を1/4にできる高耐久ポケモン。S種族値60なので多くの耐久ポケモンの上からタイプ一致どくどくやちょうはつを使えるのも優秀です。
クリアスモッグやだいばくはつで起点になるのを防げますし、C無振りだいもんじでもHD特化ナットレイを確定2発にできるためナットが重くなりがちなどくびしパにマッチしています。(ちなみにアイアントにはダイスチルで落とされます)
上に同じく回復技はいたみわけくらいで、自滅技でしか退場できないものの、弱点である鋼・超タイプはマッギョが軽減できるので上手く受け出しできれば生存してサイクルに組み込めます。
※かたやぶりドリュウズには弱いので注意クロバットがいれば……
・アギルダーアギルダー
S種族値145という高速ニンジャポケモン。ランクバトルで使えるポケモンの中ではテッカニンに次いで2位のすばやさを誇り、ドラパルトの上から動けます。
相手の上から安定してどくびしを撒きつつ、アンコールやいのちがけで起点回避もできます。
今世代では毒タイプでないのにどくどくを自力習得する珍しいポケモンです。汚いなさすが忍者汚い
上手くみがわりが残せればバトンタッチで後続に繋げますが、基本的に役目を終えたらいのちがけや攻撃技で削りながら散ってもらうことになると思います。アギルダー=サンはしめやかに爆発四散!サヨナラ‼
・ドヒドイデドヒドイデ
環境にも多い代表的な高耐久ポケモン。地面弱点がかぶるものの、炎と水を半減できて相性補完はそこまで悪くありません。
なんといってもその高い耐久力と、じこさいせい+さいせいりょくの高い回復力で中火力ポケモンを受けられるため、相手が突破できるポケモンに交代するタイミングなどでどくびしを撒けます。
弱点のうち電・超タイプはマッギョで受けられるため、あと1体で地面対策さえできればサイクルを回してターンを稼ぎやすいです。
どくびし要員とする場合はねっとうのやけどが邪魔な場面もあるため、攻撃技を採用する際はベノムショックやアクアブレイクあたりが候補でしょう。
- トリックルーム
言わずと知れた鈍足ポケモンの主戦場、トリックルーム。もちろんマッギョにとっても例外なく嬉しいものです。
ターン数の限られるトリックルームの都合上、1、2ターンで勝負を決める高火力アタッカーの方が相性が良いように思われますが、マッギョはそれとは異なる点で相性がいいと言えます。
それが、潜伏技による2ターン無敵と、トリルターン稼ぎに強いという二点です。
まず、トリックルームは5ターン継続しますが、鈍足ポケモンがその最後のターンに先手で潜伏技(あなをほるやとびはねる等)を使うとその後の相手の攻撃をかわし、トリルがきれた次のターンはまた相手の技をかわしてから後手で攻撃します。
つまり実質2ターンのダイウォール+攻撃ができることになります。
トラバサミを入れてからその動きができればスリップダメージ+潜伏攻撃で相手のHPを一方的に削ることが可能です。
次にトリルターン稼ぎについてですが、トリルに依存した鈍足アタッカーは一旦トリルが切れると上から殴られてやられてしまうことも多いです。
限られたターンだけ強化するダイマックスという新要素が登場した今世代では、トリル意識ではなくてもターン稼ぎのための技が採用される可能性が増えています。
具体的には、こらえるやまもる、みがわりといった技、潜伏技、あるいは数ターン耐えればいいのでトリルを読まれたら壁貼り要員が先発に出てくるというケースも考えられます。
しかし、この型はターン数を稼ぐことが主戦法であるがゆえにそういった相手の裏をかくことができます。一度トラバサミを入れてしまえば相手がまもるを使おうともスリップダメージで削れていき、カウンターやバインド状態は壁の影響を受けずにダメージを与えられます。
(みがわりにはバインド状態を解除する効果があるため、みがわり連打には弱いです。素直に割り続けるか、後続に任せましょう。)
マッギョ(ガラル)マッギョにとってのトリルは、あったら嬉しいけど別に無くても動けるという程度のものです。
先発トリル要員・トリルアタッカー・マッギョという選出にしておいて、相手の先発ポケモンに合わせてどちらに繋ぐかを判断するとか、先発ポケモン自身がトリルを有効活用した後の余り1、2ターンのおこぼれにあずかるような運用をお勧めします。
※このマッギョのためだけに先発ポケモンでトリルを展開して即自主退場までするのはリソースの無駄遣いです。そのままドサイドンやクワガノンといったトリルエースに繋いであげた方がいい仕事をしてくれるはずです。
- トリル要員例
一応、現時点でポケ徹育成論にトリル採用型が投稿されているポケモンを優先的に選んでいるので、そちらも参考にしてみてください。
・デスカーンデスカーン
どくびし要員でも触れたため割愛。
毒を使わない場合はおにび採用でさらに物理に強くなれます。
・ドータクンドータクン
タイプ一致ジャイロボールで高火力が出せる鈍足ポケモン。地面と炎の弱点がマッギョ(ガラル)マッギョと被るものの、ふゆうなら地面を透かし、たいねつならほのおを等倍にできるため特性がバレない内は弱点を突かれにくいです。
トリックやステロといった技も覚えるため、自分で殴ることも起点を作ることもできる器用さを持ちます。
・ブリムオンブリムオン
トリル展開とトリルエースを1体でこなせる鈍足高火力ポケモン。かくとうタイプににらみをきかせつつ、隠れ特性のマジックミラーによって変化技を跳ね返せるため、ちょうはつを恐れずトリルが展開できます。
トリル後に高火力で暴れて、トリルターンを少し残してやられるというパターンが発生するとマッギョが活用できます。ダイサイコを使うと後続のマッギョが特性ぎたいでエスパータイプになってしまう点には注意してください。
・ブルンゲルブルンゲル
耐久寄りの種族値と、耐久向きな技や特性がマッチしているポケモン。今世代でトリル型は投稿されていませんが、特性ちょすいと草技もあって水タイプに強く、炎と格闘も受けられるのでマッギョとは相性が良いです。
自分で雨を降らせる水タイプのダイマックスエースを止めるのにも一役買います。
最遅でも少し早めのすばやさ実数値58ですが、おにびや回復技でしぶとく戦えるのでそこまでトリルに依存はしていません。
この他にも相性の良いポケモンは存在しますし、私の考察の及んでいないポケモンもいると思いますが、飽くまで例なのでひとまずここまでとさせていただきます。
個体値・努力値・性格
H - A - B - C - D - S
個体値 31 - 31- 31 - x - 31 - 0
努力値 252- 0 - 68 - 0 - 188 -0
性格 なまいき とくぼう↑ すばやさ↓
- 努力値調整の意図
努力値については、
物理特殊両方に一定の耐久が求められること、カウンターの最大ダメージを引き上げること、すなあらしやどくのダメージは受けないことを考慮してHは単純に極振り、
HBはA特化ドリュウズドリュウズのじしんを最高乱数以外耐える調整、
Dには残り全てを振りましたが、
HDはチョッキ込みでC特化トゲキッストゲキッスのだいもんじを確定3発(35.1〜41.6%)にできる程度には硬くなります。
(ちなみにHD特化チョッキハガネールだと45〜53.8%の乱数2発です)
概要としては、物理相手でも抜群技を1発耐えてカウンターが狙えますし、特殊は不一致抜群程度なら2回は耐えてトラバサミからの潜伏技が使えます。
C特化シャンデラシャンデラのオーバーヒートも火力アップ持ち物無しなら1発は確定で耐えると言えば硬さが伝わるでしょうか。(仮想敵ではなく単なる指標なので返しの攻撃で倒せるわけではありません。一応どくびしがあれば初手あなをほるで毒ダメージを3ターン分含めて相打ちにはできます)
ただ、ダイマックスされると炎・水技は天候を変化させる追加効果を持つため、残念ながら特殊アタッカーに対面初手ダイバーン・ダイストリームから入られると二発目は天候補正込みで受けられないと思ってください。
その場合は炎・水技を後続で受けられるよう選出しておくか、
ダイマックス読みで初手潜伏技を使うことでマッギョを犠牲にダイマックスターンを使い切らせるか、
こちらもダイマックスしてダイアースで特防を上げながら迎え撃つか、
という対処を迫られるので、どくびしとトリルやダイマックスの有無を考慮して判断してください。
相性の良い戦法の一つににトリルを挙げているので理想は最遅にしていますが、トリルを使わない場合はS個体値Vで性格しんちょうも候補に入ります。
S個体値Vで性格しんちょうだと抜けるようになるポケモンは、無振りマシェードタルップルセキタンザンコータス、最遅クワガノントリトドンヌオーバクガメスといったポケモン達です。(物理ポケモンは主にカウンターで相手をするため割愛)
特性
ぎたいしかありません。
○○フィールドに合わせてタイプが変わりますが、電気・草・超・妖タイプのダイマックス技を受けるようなポケモンではないため、相手の技で発動を狙うのは現実的ではありません。
そもそも草以外は元のタイプで耐性を持つため、防御面での恩恵は少ないと思います。
例外的に、トラバサミをダイソウゲンとして使った場合には能動的に発動させられます。ニッチな活用法ですが、技考察にて詳しく記載します。
持ち物
とつげきチョッキで確定です。
変化技が使えなくなる代わりにとくぼうを1.5倍相当にしてくれるありがたい持ち物です。
今回のコンセプトのため確定。歯に衣着せる回りくどい立ち回りができます。
物理相手はカウンター頼りなので、特殊耐久だけを重視するならオボンよりチョッキの方が優秀です。
(例えばC252眼鏡ドラパルトのだいもんじをチョッキなら最高乱数2連続以外2耐えしますが、オボン持ちだと確定2発です。)
技
- トラバサミ
- あなをほるorとびはねる
- カウンター
- 選択技枠(確定欄ではふいうち)
技考察・与ダメージ計算
参考までに、バインドやどくのスリップダメージは1/8ずつなので%に換算すると12.5%です。
- トラバサミ
草タイプ、威力35命中100の物理接触技。4〜5ターンの間、毎ターン終了時に最大HPの1/8のダメージを与え、その間相手は交代できない。
現時点ではマッギョ(ガラル)マッギョの専用技です。
命中100であることと無効にされにくい草タイプであるということから、優秀なバインド技であると言えます。
既に命中100で無効にされるポケモンがいないまとわりつくという上位互換技が存在しているため、専用技にしては影が薄い気もしますが、ガラル地方の特性そうしょく持ちはヌメルゴン系統とジジーロンだけなので十分に優秀です。
バインド状態の仕様として、みがわりを使うと解除され、ゴーストタイプだった場合やとんぼがえり等の交代技を使った場合は交代が可能です。
ねばりのかぎづめやしめつけバンドといったバインド技専用の持ち物もありますが、今回は持っていないため固定ダメージは1/8を4〜5ターンで最大5/8となります。
これだけで倒しきるのは現実的ではないので、他の攻撃技やどくびしのダメージも含めて相手ポケモンを倒すことを狙います。
仮にどくびしが撒けていれば、どく+拘束で毎ターン1/4ずつダメージが蓄積するため、
1ターン目、攻撃を耐えてトラバサミで攻撃
2ターン目、攻撃を耐えて潜伏技で身を隠す
3ターン目、攻撃をかわして潜伏技で攻撃
という流れで3/4(75%)の割合ダメージ+トラバサミと潜伏技の攻撃ダメージを与えられるため、ほぼ倒しきることができます。
どくどくびしによるもうどくでも3ターン目までの総ダメージ量はどくびしと変わらないため、トラバサミを使う前提ならどくどくびしは回復技を持つ耐久ポケモンかダイマックスでのHP上昇対策になります。
バインド中は毎ターントラバサミの演出が入るため、試合時間が伸びやすい=TODになりやすいです。一応バインド技の中では若干演出が短めではありますが
- ダイマックス技について
トラバサミは基本的にダメージに期待する技ではありませんが、水・地面タイプの4倍弱点を突く場合にはダイマックスしてからのダイソウゲンで威力90の草タイプ攻撃技として活用できます。
ダイソウゲンの追加効果でグラスフィールドを展開し、特性ぎたいで草タイプになることで、2発目からはフィールド補正1.3倍とタイプ一致補正1.5倍が合わさりさらに火力が上がります。
ダイソウゲン威力90
HB特化トリトドントリトドン 49.5〜58.7% 超高乱数2発
2発目からは 93.5〜111.9% 乱数1発(62.5%)
HB特化ヌオーヌオー 45.5〜55.4% 乱数2発
2発目からは 89.1〜106.9% 乱数1発(37.5%)
水・地面タイプについては、フィールドやオボンの実込みでもダイソウゲン2発で倒しきれます。
元のタイプでもねっとう程度なら余裕をもって耐えるので、あらかじめトラバサミでバインドしておくと逃がさず倒せます。(やけどのリスクがあるのでなるべく受けたくはありませんが)
冷凍ビームを搭載していない水タイプに対してなら攻防で有利になれますが、2倍弱点程度では耐久ポケモンを崩すほどの火力は出ません。
グラスフィールドダイソウゲンで、
HB特化ふしぎなうろこミロカロスミロカロス 32.6〜38.6% 乱数3発
H252水ロトム 66.2〜80.2% 確定2発
対面からならC特化水ロトムのハイドロポンプを(2発目はぎたいで半減)耐えきって2連ダイソウゲンで勝てますが、草タイプになった時点でボルトチェンジ等で逃げられるので安定はしません。
- あなをほるorとびはねる
1ターン目で身を隠し、2ターン目で攻撃する潜伏技。タイプ一致で命中100のあなをほると、無効タイプがなく追加効果で麻痺が狙えるとびはねるとの選択枠です。
どくびしパで運用する際はとびはねるの追加効果が機能しないことが多く、そもそもバインドのダメージだけで倒しきる想定ではないため、タイプ一致の火力と命中100の安定性を重視してあなをほるを採用しています。
あなをほる中でもじしんは当たる上に威力が2倍になるため、じしんを覚えたポケモンの前で潜ることだけはしないよう注意が必要です。物理ポケモン相手は素直にカウンターに頼りましょう。
・あなをほる
H252ジュラルドンジュラルドン 38.4〜47.4% 確定3発
H4ルカリオルカリオ 69.8〜83.5% 確定2発
H4ゲンガーゲンガー 85.2〜101.4% 最高乱数以外2発
H4サーナイトサーナイト 37.5〜44.4% 確定3発
H252ニンフィアニンフィア 26.7〜31.6% 確定4発
一致技にしては貧弱です。弱点を突ければいいダメージ源になるものの、それ以外の相手にはバインドやどくびしのダメージを絡めて戦う前提で動いた方がいいでしょう。
ダイマックスが余っている場合はダイアースにすればさらに特殊耐久を上げられますが、いくらDを上げても回復技無しで特殊アタッカーを何体も相手することは難しいため、むりやり不利対面の特殊アタッカーを突破したいときのための最終手段です。
・ダイアース威力130
H4シャンデラシャンデラ 98.5〜119.1% 最低乱数以外1発
H4インテレオンインテレオン 59.5〜70.5% 確定2発
相手がダイマックスしたとしても、C特化シャンデラのダイバーンは確定3発、C252インテレオンのダイストリームは中乱数3発なので、2ターン目の天候補正はD上昇で相殺することで競り勝てます。
相手がいのちのたま持ちだと勝てませんが、不利対面から勝機を見出す手段として覚えておいて損はないと思います。
・とびはねる
H252モスノウモスノウ 46.3〜55.3% 乱数2発(66.7%)
H4トゲキッストゲキッス 17.3〜21.1% 乱数5発
H4リザードンリザードン 22〜25.9% 乱数4発
H4サザンドラサザンドラ 17.8〜21.4% 乱数5発
あなをほるよりさらに貧弱なので、浮いているポケモンにどうしても攻撃したいときや麻痺を期待したいときに候補になります。
ダイジェットにしてもS上昇の恩恵は受けづらいため考察は割愛します。
- カウンター
物理攻撃で受けたダメージを2倍にして相手に与える反射技。格闘タイプの攻撃技扱いなので、ゴーストタイプに効かないことには注意が必要です。
この型で物理ポケモンを相手しなくてはならなくなった際、一矢報いてあわよくば返り討ちにするために確定です。
H種族値は低くないので、物理アタッカーからの有効打を反射できればたいていは倒しきれます。
また、カウンターが成功してもこちらはひんし寸前ですが、一時的ながら数的有利を作り出せるため、そこからTODの判定勝ちにもつなげやすいです。
反射技なので、被ダメージ計算のみ記載します。
A特化ドリュウズドリュウズのじしん
84.2〜100% 最高乱数以外耐え(ダイマックスされると確定1発)
A252珠オノノクスオノノクスのインファイト
85.6〜100.9% 低乱数1発(12.5%)(じしんをダイアースにされると50%の乱数1発)
A特化バンギラスバンギラスのじしん
56.4〜66.6% 確定2発
A特化鉄拳ローブシンローブシンのドレインパンチ
77.7〜92.5% 確定2発
A特化ギャラドスギャラドスのアクアテール
72.2〜86.1% 確定2発(ダイマックスされると確定1発)
A特化ごりむちゅうヒヒダルマ(ガラル)ヒヒダルマのフレアドライブ
103.7〜122.2% 確定1発
一致抜群は火力アップ要素(ダイマックスや持ち物)がなければたいてい耐え、不一致抜群なら火力アップ要素があっても耐えるかも、という程度のギリギリの耐久です。
ダイマックスされるとHP2倍なので、耐えてもカウンターで倒しきれないこともありますが、本来不利な物理アタッカーにダイマ使わせてワンチャン致命打を与えられるだけでも有用です。
ダイマックスすると威力75のダイナックルになりますが、ほぼ使い道はありません。
一度だけドヒドイデをなんとか突破しようとナックル×2からのアースを試みましたが、こうげき2段上昇ダイアースでもHB特化ドヒドイデに最高乱数以外耐えられるので、トーチカによる軽減も考えると現実的ではありません。
- 選択技枠
選択技枠です。
マッギョ(ガラル)マッギョは物理鋼技をメタルクローしか覚えないため、タイプ一致はあきらめましょう。
・ふいうち
カウンターが効かないゴーストタイプ(主に物理ドラパルト)に使ったり、カウンターで1体倒した後に後続のタスキを削ったり、定数ダメージで削り切れなかった時の最後の一押しに使ったりと役に立つ場面は多いです。本育成論での確定枠です。
H4ドラパルトドラパルト 34.1〜41.4% 確定3発(毒びし込みなら中乱数2発)
・ストーンエッジほか岩技
命中不安ですが、あなをほるが当たらずどくびしも刺さらない飛行タイプ相手には有効打になります。
ストーンエッジで
H252トゲキッストゲキッス 35〜41.6% 確定3発
H4リザードンリザードン 101.2〜122% 確定1発
・イカサマ
対面で物理アタッカーが積んでくるのを読めれば有効打になります。
・じわれ
どんな細い勝ち筋でも掴み取りたいときに。回復持ちの耐久ポケモンにも強くなれます。
被ダメージ
物理はカウンターの項目で記載したため、ここでは未記載の特殊でめぼしいものだけとします。
C252珠ドラパルトドラパルトのだいもんじ
37.5〜44.4% 確定3発
C特化サザンドラサザンドラのだいもんじ
36.1〜42.5% 確定3発
C252眼鏡サザンドラサザンドラのだいもんじ
49〜58.3% 超高乱数2発(98%)
C特化サーナイトサーナイトのきあいだま
38.8〜46.2% 確定3発
C252珠ルカリオルカリオのはどうだん
43.5〜51.8% 低乱数2発(8.5%)
C特化火ロトムのオーバーヒート
55.5〜66.6% 確定2発(Cダウン込みで2耐え)
最後に
この育成論は構想が半月前、執筆は1週間ほどかけてチマチマと書き続けたため、論の一貫性が欠けていたり、私のテンションが不安定だったりする可能性があります。特にTODについては執筆後半になって無理矢理ねじ込みました。
そういった点も含めて、ご指摘やアドバイス、ご感想などをコメントにて頂けると幸いです。
また、論中にあるようにこのマッギョ(ガラル)マッギョを組み込んだ試用パーティは1試合の時間がとても長く(平均10分超え)、思うように回数をこなせませんでした。
一応、論で述べた中だとどくびし要員にデスカーンとドヒドイデ、トリル要員に同じくデスカーンとブルンゲルはそれぞれパーティに組み込んで使ってみたところマッギョ(ガラル)マッギョはかなり思うように動けたとは思うのですが、なにせ試行回数が足りていないので使用感は信憑性が薄いと思います。
他の構築も含めて十全に試用するとなると、その間にまた月を跨いだり大きく環境が変わりかねないので、何卒ご容赦ください。
試合時間こそ伸びますが、シリーズ2特有の制限時間を意識したバトルや、マッギョとバインド技を使った戦法には新鮮で独特な楽しみがあると思うので、興味を持たれた方はぜひお試しください。