前注
- HABCDSをはじめとする略称やスラングを一部用います。これについて分かりにくすぎる箇所があればご指摘ください。
- 表現上の習慣から、次項目より常体文を用います。
- 論に直接関係のないお問い合わせ(論の展開上不要と言えるダメージ計算や、ポケ徹内のコンテンツの閲覧で解決できる知識に関する質問など)はお答えしない場合があります。
採用理由
- 特性「いたずらごころ」を活用し、確実に「リフレクター」や「ひかりのかべ」を張る。また、「でんじは」によるS操作を行い、ドラパルトドラパルトなど高速ポケモンに麻痺を残すことで後続を有利に。
- ガラル図鑑内において、両壁と麻痺によるS操作を兼ね備えており、なおかつそれを出来るだけ上から確実に行動できることを基準とした場合、見合うポケモンには他にニャオニクス♂、アブリボン、ドラパルト等がいる。これらのポケモンとの差別化を以下に述べる。
- ニャオニクス♂ニャオニクス♂は、特性「いたずらごころ」による変化技を無効化してくる悪タイプに対して、十分な威力が出る有効打を持つことができない点でオーロンゲに劣る。(尚、2019年11月現在で隠れ特性は未解禁である。)
- アブリボンアブリボンについては、麻痺を撒く技が「しびれこな」であり、この型を再現すると命中率の低い技を採用せざるを得なくなってしまうことや、元々の耐久の低さや相手の先制技に対しても不安が残ってしまうことなどから、オーロンゲのほうが優れていると考えられる。
- ドラパルトドラパルトについては、性格「ようき」でH252/B180/S76振りを施すことにより、壁込みでミミッキュの珠じゃれつくを2発耐える程度の耐久と高いSからこの型を再現することは出来るが、その場合特殊耐久においてはオーロンゲのほうが高くなる。また、「かげうち」などの先制技に対しては上を取れないことや、対ドラパルトの場面において弱い(上記調整のドラパルトはA252振りドラパルトの「ドラゴンアロー」で乱数1発になる)ことなどから、ここではオーロンゲに軍配が上がった。(尚、この両壁+麻痺の型に拘らなければドラパルトで強力に補助を行うことは可能であるため、一概にどちらが優秀とは言えない。)
持ち物
- ひかりのねんど
基本的には「リフレクター」と「ひかりのかべ」の効果を出来るだけ長く維持するためにこれを採用。これにより、多少オーロンゲが長く生き残っていた場合でも、後続に壁をより長く遺しておくこともできる。
- 【参考】レッドカード
「いたずらごころ」による先制「でんじは」で相手の先発を麻痺状態にし、そのターンの攻撃を耐えレッドカードで強制交代をさせ、出てきた2匹目に合わせた壁を張ることができる(あわよくば2匹目も麻痺させる)。
「ひかりのねんど」採用と比べると壁の持続が短くなり、万が一麻痺のしびれなどの影響でオーロンゲが長く生き残り過ぎてしまった場合に後続に壁がほとんど残らない事故が生じる可能性がある。そのため変則的な動きを求められることになるが、相手の3匹のうち最低でも1匹を麻痺にし、2匹目までを明かした上で張る壁や以降の展開を考えられるようになるという独自のメリットはある。
ダイマックスポケモンに対しては無効化されてしまうため、現環境において過信できない。
本論では基本型である「ひかりのねんど」型について述べていくものとする。
調整意図
- わんぱく H252/A36/B140/D68/S12
- 202-145-113-*-104-82
- A252ミミッキュミミッキュ(いのちのたま)の「じゃれつく」を確定耐えし、C特化サザンドラサザンドラ(こだわりメガネ)の「ラスターカノン」を確定耐えするラインまで耐久を振った調整。
- 麻痺込みで最速ミミッキュミミッキュ抜きのためS12振り、余りをAに割り振った。
- 麻痺状態のミミッキュにSで勝ることにより、「リフレクター」と「でんじは」を使ったあとで、ミミッキュの「かげうち」よりも早くもう一度だけ変化技(ここでは「ひかりのかべ」)を使うことができる。
- 悪タイプには「いたずらごころ」による先制変化技が無効化されてしまうが、特にサザンドラの場合はオーロンゲに対する最高打点である「ラスターカノン」さえ耐えてしまえば「ソウルクラッシュ」で突破することができ、相手の後続を見てから壁を張って散っていくことができる。そのため今回は特殊耐久の指標に特化サザンドラ(こだわりメガネ)を設定した。
- ただし、特化サザンドラに「ダイスチル」を打たれた場合は6割程度の乱数で落とされてしまうので、相手の構築などから後退か居座りか或いはダイマックスかをできる限り判断した上で、壁張りを優先的に遂行するよう意識する必要がある。(尚、壁張り後であれば「ダイスチル」は乱数2発(2発落ちは3割程度の確率)に抑えられる。)
技構成
- でんじは/リフレクター/ひかりのかべ/ソウルクラッシュ
- コンセプト上、「でんじは」と両壁は必須であり、また悪タイプへの有効打を持っておきたいため、この4つで確定とする。「ソウルクラッシュ」の代用として「じゃれつく」も良いが、能力ダウンの追加効果は起点作りと相性が良く、命中率的にも安定するため「ソウルクラッシュ」が堅いだろう。
運用
- 基本的に先発で繰り出し、麻痺や壁を利用した起点を作り、壁を遺して散ることで後続をサポートする。
- 主に以下の流れを意識して動かす。
- 「でんじは」を選択。麻痺させた上で相手の攻撃を耐える。
- 次の攻撃で沈むつもりで「リフレクター(orひかりのかべ)」を選択。壁を張った上で散る。この場合壁は7ターン分残される。
- まだオーロンゲが生き残っていた場合は、基本的には前のターンで張らなかったほうの壁を選択。このターンに倒されれば先に張った壁は6ターン分残される。
- もしまだ生き残っているようであれば「ソウルクラッシュ」で攻撃。もしくは残り体力と相談して交代する(このターンに交代すれば壁はまだ5ターン分残る)。
- ただし、前にも述べたように悪タイプには「いたずらごころ」の先制技は無効化されてしまうため、悪タイプとの対面では壁か「ソウルクラッシュ」を選び、最低限の起点作りor突破を図る。
- また、悪タイプ以外にも「ちょうはつ」などを持っている相手に対しては、適宜対応が必要となる。「ちょうはつ」を受ける前に一度は行動出来るはずなので、最低限の壁張りや麻痺撒きをした後で交代し、クッションや壁の再始動要員として残しておくのが無難だと思われる。
- そもそも最初の一撃を耐えるか怪しい相手に対しては壁から入り、ダメージや相手に応じて対処する。
ダメ計
- 被ダメ
- A252ミミッキュミミッキュ(いのちのたま)のじゃれつく
82.1~98.0%
- A252ミミッキュミミッキュのじゃれつく
63.3~75.2%
- A252ミミッキュミミッキュのかげうち
7.4~8.9%
- A特化ナットレイナットレイのジャイロボール
74.2~87.1%
- A特化ギルガルド(ブレード)ギルガルドのアイアンヘッド
83.1~99.0%
- A252ドラパルトドラパルトのはがねのつばさ
39.6~47.5%
- A252ドラパルトドラパルトのダイスチル(120)
68.3~81.1%
- A252ウオノラゴンウオノラゴンのエラがみ(170)
59.4~70.2%
- A252ドリュウズドリュウズのアイアンヘッド
81.1~96.0%
- C特化サザンドラサザンドラ(こだわりメガネ)のラスターカノン
84.1~99.0%
- C特化ギルガルド(ブレード)ギルガルドのラスターカノン
92.0~107.9%(乱数1発43.7%)
- C252ゲンガーゲンガーのヘドロばくだん
89.1~104.9%(乱数1発31.2%)
- 与ダメ
後続について
- ドサイドンドサイドン(2019年12月11日追記)
「でんじは」の効かないドリュウズドリュウズの「ダイスチル」や、「ばけのかわ」を残したミミッキュミミッキュの「ダイフェアリー」によって、本論で述べたようなアドバンテージを取りきることなくオーロンゲが処理されてしまうケースがある。この二匹に対して対面から強いポケモン(壁は張れているものとする)としては、「じゃくてんほけん」持ちのドサイドンが挙げられる。「ロックブラスト」の連続攻撃が、削りきれなかったミミッキュの「ばけのかわ」を壊しつつ中身にも攻撃を与えることが可能であり、また、ドリュウズの「ダイアース」を耐えて「じゃくてんほけん」を発動させることで、ダイマックスしているドリュウズでさえ「じしん」で倒すことが出来る。
本論の主旨から外れるためドサイドンの具体的な型等については述べないが、ここではHA252振りの「いじっぱり」を想定してに記載した。
もっとも、受け出しであっても「リフレクター」のターンで交代されるぶんには言うほど不利でもなく、バトン等で積まれていない限りは最低限の仕事はこなせるため、対策されるとは言っても深刻視するほどの事態ではないようにも思える。
コメントにて「壁張りオーロンゲが周知されることで、役割遂行をドリュウズやミミッキュによって最小限に抑えられてしまう。そこへの対策を添えてはどうか」というご指摘を頂いたため、上記日付で追記。
- その他、必要と思われる記述やダメージ計算があればコメントにてご指摘ください。