✳最初に
本育成論は、ビークインを採用することを前提に差別化も考慮して活躍方法を考察したものです。
そのため、本育成論にて「使うなら〇〇で良い」といったコメントはお控え頂けると幸いです。
- 本育成論では、対戦に関する一般的な用語及び略語を使用します。また性格補正有り252振りを「特化」、性格補正無し252振りを「極振り」と表記します。
- ダメージ計算には、ポケマス様のツールを使用しています。
✳第8世代のビークインについて
ビークインは耐久寄りのステータスをしており、第7世代以前では特性プレッシャーを活かしたPP枯らし型や、有利な相手を「まとわりつく」でキャッチして「ぼうぎょしれい」を積んでいく耐久型が主流でした。
しかし第8世代から「はねやすめ」が過去作限定に「かいふくしれい」に至っては技ごと削除(専用技なのに…)の憂き目に遭いました。
回復技が「ねむる」だけになった他「まとわりつく」も過去作限定となり相手をキャッチして積んだりPPを枯らしたりが出来ず、耐久型での運用は大変厳しくなりました。
第8世代でビークインを運用するなら、今までとは違う役割を持たせる必要があるでしょう。
次の項ではビークインの運用方法について考察していきます。
✳ビークインの役割考察
- 起点作り型
ビークインは第7世代まで「おいかぜ」「みちづれ」「がむしゃら」を両立できる唯一の(ドーブルを除く)ポケモンであり、先発からの起点作り型も一定数存在しました。
しかし第8世代で「おいかぜ」「がむしゃら」は過去作限定に「みちづれ」はダイマックスに無効という仕様のせいで使いづらくなってしまいました。
代わりに、新しく獲得した技に「どくびし」があります。今作から習得者が減った「どくどく」と合わせて毒をばら撒く起点作り型はどうでしょうか?
剣盾環境で「どくびし」「どくどく」「みちづれ」を両立できるポケモンは他にマタドガス系統とハリーセンです。
ハリーセンは特性いかく、マタドガス系統は「おにび」で物理に強く、4倍弱点もありません。
加えて「くろいきり」「じばく」「おきみやげ」など起点作り型にとって有用な技を揃えています。
ビークインは補助技も少なく、これらのライバルを押しのけて採用価値を見出すのは難しいでしょう。
ではアタッカーとしての道を考えてみましょう。
- アタッカー
ビークインは攻撃性能を上げる積み技を持ちませんが、タイプ一致で放てる「とどめばり」があります。
エルフーンなどの「おいかぜ・がむしゃら」から繋ぐ物理エースはどうでしょうか?
ビークインは素早さの種族値が40と低く(ドサイドンと一緒)最速+「おいかぜ」でも最速ドラパルトを抜けません。ダイジェットでSを上げる手もありますが、最速にしてもダイジェット一回では最速85族抜きが限界です。
加えて、剣盾環境で「とどめばり」を覚えるポケモンはビークインより攻撃と素早さが高いものがほとんどです。
そのため、素早さを上げて上から殴るよりは、低い素早さが活きる「トリックルーム」のサポートから繋ぐトリルエースとして運用するのが良さそうです。
しかし、トリル下の物理アタッカーにはシュバルゴという強力なライバルがいます。
ビークインより20低い素早さと55高い攻撃に加え「とどめばり」も覚え技範囲も優秀とビークインに付け入る隙を与えません。
物理アタッカーが厳しいなら、残された道は特殊アタッカーです。むしタイプでトリル下の特殊アタッカーを考えた時、ライバルになりそうなのは高い特攻を持つクワガノンです。
ビークインは習得者が少ない「パワージェム」を覚える他、ダイアシッドのベース技「ヘドロばくだん」やゴースト打点の「たたりめ」を習得します。これらの技をクワガノンは覚えません。
代わりにクワガノンは各種電気技に加え「ラスターカノン」「エナジーボール」の他、ダイアースのベース技「マッドショット」を覚えます。
特攻種族値の差はあるといえクワガノンでは弱点を付けないドラパルトやヒートロトムに打点を持つビークインは下位互換になり得ないと言えるでしょう。
そのため、筆者は差別化も考慮した上で「トリル下の特殊アタッカー」が今作ビークインの強みを活かした運用方法であると考えます。
✳特性
隠れ(夢)特性の「きんちょうかん」を選択。「プレッシャー」よりアタッカー向きの特性。きのみを発動を防ぐことが出来ます。
✳持ち物
足りない火力を少しでも上げるため「いのちのたま」を選択。
弱点の多さを活かした「じゃくてんほけん」も良さそうですが、4倍弱点を有するためハイリスクハイリターン。お好みで選択して下さい。
✳性格と努力値
性格は特攻↑と素早さ↓の「れいせい」を選択。
努力値は火力を出すため特攻に極振り、ダイマックス時の耐久力強化のためHPに極振りしています。
余った分は先制技も考慮して防御に振っています。
✳技構成
- むしのさざめき
タイプ一致技。「みがわり」貫通。半減されることも多いがあくタイプやくさタイプに刺さる。
- ヘドロばくだん
ダイアシッドにすることで特攻↑。フェアリータイプへの打点としても。
- パワージェム
習得者の少ない特殊岩技。ほのおタイプやひこうタイプへの打点。
- たたりめ
ゴーストタイプへの打点。シャドーボールは覚えない。
※タイプ一致の「エアスラッシュ」はダイジェットで素早さ↑のためアンチシナジー。
✳ダメージ計算
- 与ダメ
※ 通常時のダメージ/ダイマックス時のダメージ
・ダイワーム(むしのさざめき)
→H4振りサザンドラサザンドラ
確定1発(150%〜177.9%)/確定2発(75%〜88.9%)
→H4振りカットロトムカットロトム
確定1発(173%〜206.3%)/低乱数1発(86.5%〜103.1%)
・ダイロック(パワージェム)
→H4振りギャラドスギャラドス
中乱数1発(91.2%〜108.1%)/中乱数2発(45.6%〜54%)
→H4振りヒートロトムヒートロトム
確定1発(115.8%〜138%)/確定2発(57.9%〜69%)
→H4振りエースバーンエースバーン
確定1発(125%〜148%)/確定2発(62.5%〜74%)
→H4振りトゲキッストゲキッス
低乱数1発(85.7%〜101.8%)/低乱数2発(42.8%〜50.9%)
・ダイホロウ(たたりめ)
→H4振りドラパルトドラパルト
確定1発(109.1%〜129.8%)/確定2発(54.5%〜64.9%)
→H252振りブリムオンブリムオン
低乱数1発(85.3%〜101.2%)/低乱数2発(42.6%〜50.6%)
- 被ダメ
※ ダイマックス時のダメージです
・極振りドラパルトドラパルトのダイバーン(だいもんじ)
→確定3発(37.2%〜44%)
・極振りドリュウズドリュウズのダイロック(いわなだれ)
→確定2発(83.6%〜99%)
・極振りトゲキッストゲキッスのダイジェット(エアスラッシュ)
→確定2発(58.1%〜69.4%)
・こだわりメガネ持ち特化ヒートロトムヒートロトムのオーバーヒート
→低乱数1発(87%〜103.3%)
✳最後に
拙い文章ではありましたが、ここまで本育成論を見て下さりありがとうございます。
実際に運用してみたところ、所謂「厨ポケ」には遠く及ばないものの、決して戦えなくはないという結論に至りました(あくまで筆者の感想です)。
ステルスロック等のサポートがあると、より活躍させやすくなると思います。
正直なところ、筆者自身「これ差別化出来ているのかな?」「差別化出来ていたとしても強いのかな?」と頭を悩ませております。
しかし「弱い」の一言で切ってしまうには惜しいポケモンであると筆者は思っています。
本育成論を見て、もしビークインというポケモンに興味を持って頂けたなら幸いです。
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。