14回目の投稿となります、E@3DSです。前回のHDミトムでは高評価ありがとうございます。コメントもまだ募集していますのでよろしくお願いします。
今回は個人的に優秀なステロ撒きと思っているテラキオンの育成論を書きたいと思います。以前同じようなものが書かれており、内容も優秀なものがありましたが消えているので補完という意味も込めて進めていきます。
おことわり
この育成論ではHP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをHABCDSという略称で呼び、また能力値の性格補正については上昇補正を↑、下降補正を↓で表します。また、ポケモン名等についても、略称を用いることがあります。ダメージ計算は、基本的に『EVERY』を用いて行っています。また、ことわりのない限り理想個体を想定しています。
テラキオンとは
第5世代に登場した岩・格闘という攻撃面では優秀、防御面では特異な固有タイプを持つ準伝説ポケモンです。アタッカーとして見ると、高速アタッカーでありながら受けループ崩しが得意という特徴を持つ反面、バレパン・マッパ・アクジェといったメジャーな先制技に縛られてしまうというややクセのある性能を持っています。
第6世代ではメガガルーラという新たな仮想敵を獲得しつつ、ファイアローに縛られない格闘というこれまた特殊な性質を持ちますが、ギルガルド・マリルリ・クレセリア等に簡単に受けられてしまうという欠点もあるため、使用率はそれほど高くなく一線級のポケモンではありません。
ステロ撒き性能を説明するための前置き
この項では、テラキオンのステロ要員としてのスペックの高さを説明していくための準備を行います。まず、これから紹介するテラキオンの構成を簡単に書いておきます。このテラキオンの使う4つの技の完成され具合が素晴らしく、また構成をあらかじめ頭においておいた方がここから始まる議論が理解しやすくなると思うので、とりあえず下に示します。
- ステロ撒きテラキオン
テラキオン@襷 正義の心
陽気AS
インファイト/岩石封じ/ステルスロック/挑発(or吠える)
次に、以下の内容の目次的な意味でポケモンXY(第六世代)・対戦考察まとめwiki様からの引用で申し訳ないですが、ステロ要員に求められる要素を書きます。以下の4点を満たしているほどステロ要員としての素質が高いといえます。
- 挑発のもらいにくさ(orもらう前に撒けるか)
- 相手による起点化を阻止すること(相手に展開されにくいこと)
- 後続のエースの起点作り性能(後続が展開しやすいこと)
- 対メガガルーラ性能
この4つ全てを1つの項にまとめると煩雑になりそうですので、1つ1つバラにして次項から書いていきます。
挑発のもらいにくさ(orもらう前に撒けるか)
テラキオンは最初の方で説明した通り、本来アタッカーとしても優秀なポケモンです。よって挑発をもらいにくいと言えます。しかし、先発で出すとさすがにばれるのでは?と思われる方もいるかもしれません。その場合でも問題ありません。テラキオンはSが108もあるのでガブ抜きあたりに設定されているゴツメアロー等に挑発される前にステロを撒くことができます。さらにステロを撒いた後も格闘・岩という補完のとれた攻撃範囲によりギルガルド等一部ポケモン以外には等倍以上で技を入れることができるので、撃ち合ったり、高いSから相手の先発に大きな削りを入れることができます。
また、上から挑発を入れることのできるポケモンの代表として襷化身ボルトがいます。このテラキオンは相手選出にこいつがいる場合に選出してしまっても腐ることがありません。初手から2連岩石封じによりボルト側が挑発→10万or電磁波と行動しようが、10万→10万or電磁波と行動しようが、岩石封じでSを下げることでとりあえず倒すことにより、抜きエースの脅威となる電磁波テロを未然に防ぐことができます。襷なので気合玉持ちでも問題ありません。ただし注意していただきたいのは、ボルトロスを倒した後に電磁波で足を奪われていることが多いので、ステロを撒くのは厳しくなる可能性が高いということです。そのため後続にはステロ依存でない積みエースも一体加えておくことをオススメします。こうすることで、ボルトロスを選出してこなければステロ依存エースで抜く、選出されればステロ依存無しエースで抜くという2つの勝ち筋を確保することができます。
相手による起点化を阻止すること(相手に展開されにくいこと)
テラキオンはS108から挑発をうつことができます。そのためステロ展開(ガブ・ランドロス・カバルドン・ラグラージ)、小さくなる展開(ピクシーには挑発がないとこちらの決定力展開前に詰まされやすい)、糞鍵(挑発を打てば特性によりこちらの火力が上がるイカサマを打たざるを得ない)その他火力・素早さの上がる積み技展開を阻止しつつステロを撒いていくことができます。ステロ展開や小さくなる展開にはテラキオンの苦手な相手が多いですが、Sは勝っているので最低限の仕事はできると思います。さらに、岩石封じのおかげでニトチャのような挑発の効かない積み技にも対応することができます。よってXYが謎なリザードンと初手対面した時は岩石封じを打つことが安定行動となります。唯一、壁展開はテラキオンよりもSの高い相手(アグノム、ライコウ等)が多く1枚壁は許すので他で見た方が良いでしょう。
ちなみに吠えるでもある程度展開阻止ができますが、ステロ・電磁波を阻止できず、下手に使うと上から挑発をされステロも撒けなくなってしまうのが痛いです。その代わり、不意に積まれてしまった場合でも対応できたり、ステロとのシナジーが高くなるといったメリットもあります。
後続のエースの起点作り性能(後続が展開しやすいこと)
一見すると、カバルドンやラグラージのように欠伸等を覚えないので、完全な起点を作ることはできません。しかしこの点においてもテラキオンはなかなか優秀です。まず、技を見てみると、状況次第で岩石封じと挑発が起点づくり技になります。岩石封じはSを下げることができるので、後続に相手に先制してビルドや瞑想を積ませたり(アロー、ブシン、スイクン等)、安定してみがまもする(スイクン、オーロット)のを助けることができます。挑発は電磁波を防ぐことができるので、ラムのみでないS上昇系の抜きエースに安心して積み技を使わせることができます。
次に、耐性面からの起点作りを見てみたいと思います。テラキオンは無・毒・岩・虫・炎・悪とそこそこ多い耐性を持っています。そのため特に、メガガルーラ・メガリザXY・バンギラス・サザンドラ・アロー等、多くの決定力の高いポケモンを流すor処理することができ、これらを起点にすることができないタイプの積みエースにとっては非常に大きな助けとなります。また、初手対面した珠バシャorメガバシャに対しても技の関係でインファを打っておけば勝てるので場合によっては役に立ちます。また岩・格闘というはっきりとした技範囲をもっているので、誘うポケモンもギルガルド・クレセリア・マリルリと分かりやすく、これらを起点にできるポケモンを後発に仕込むことで、よりテラキオンを活かすことができます。
対メガガルーラ性能
なぜ対メガガルーラがステロ要員に求められるかというと、襷を頑丈を無視してきたり、グロパンを積んできたり、捨て身+不意打ちで積む暇をくれないので厄介ということです。テラキオンはインファイトで弱点を突くことができ、ノーマル技を半減し、先制技の不意打ちに至っては半減+特性でA2↑アップと非常に強くメガガルーラをメタることができます。しかし、裏にいることの多いクレセリアに受けられてしまうので対メガガルーラということはできないのではないかと思われる方もいるかもしれませんがむしろ好都合です。その場合は挑発+ステロと展開することで、後続を低火力の補助技を使えないポケモンと対面させることができ、完璧な起点作りができるので全く問題にはなりません。
同じように一致インファにより対メガガルーラをできるステロ撒きとしてはゴウカザルとコバルオンがいます。このポケモン達とはインファの火力で十分に差別化できます。3体のうち第2位の火力を持つゴウカザルはH4メガガルーラを高乱数1にするのが限界です。対して、テラキオンはH252メガガルーラまで高乱数1にすることができます。この火力は意地ガルが陽気ガルとほぼ同数存在する現環境においては魅力的です。最速80族抜き〜最速90族を抜けない程度のSラインのポケモンを使っているとよく分かりますが、しばしば先手をとれます。つまりAぶっぱ+S調整+残り耐久のようにある程度耐久に振った個体が多いということです。よってゴウカザル・コバルオンでは流しに期待しなければならないので相手依存ですが、テラキオンならば順当にインファをうつことであわよくばメガガルを処理することができます。
以上4つの項目より、テラキオンはステロ撒きとして十分な素質を持っていることがご理解いただけたかと思います。
性格
できるだけ先手でステロを撒きたいこと、メガガルを上から確実に叩きたいことを考えると、陽気で確定です。
特性
正義の心で確定です。悪タイプの技を受けるたびにAが一段階上がります。発動機会はあまり多くありませんが、メガガル不意打ち+後発の技で倒せると勘違いした相手を分からせたり、完璧ではありませんがある程度の対クレッフィ性能をつけることができます。
持ち物
半減も多いですが、弱点も多いので襷で確定です。襷により上から一撃で倒してくる相手にも岩石封じで削り+ステロと展開することができます。
努力値
A252 D4 S252
ASぶっぱです。H252メガガルを意識するとAは切れず、またできるだけ上からステロを撒きたいのでSも切れません。耐久は襷に任すので問題ないでしょう。襷で総合耐久を意識する意味がないので、余りはダウンロード対策でDにふることを推奨します。後で紹介するBVはH4のままになってしまっているので注意してください
技構成
- 確定技
インファイト
一致威力180の格闘技。メガガル・ポリ2等への強力な打点となる他、Sが高いので等倍相手を大きく削るのにも活用できるので切る理由がありません。BDダウンも問題なし。
岩石封じ
おなじみのS操作技。テラキオンは一致で打つことができるのでそれなりの火力にはなります。この技のおかげでゲンガー・スカガブ等に削り+ステロの両方を入れることができ、ボルトロスやゲッコウガとのタイマンにも強くなれます。
ステルスロック
コンセプトなので確定。後続決定力の補佐です。
- 選択起点回避技。
挑発
場を整えている間に相手に隙を与えるのを防ぐための技。Sの高さを活かして、相手にステロを撒かせないという他のステロ撒きとの差別化にもつながり、電磁波も防げるので基本的にはこちらを推奨。
吠える
ステロとのシナジーを重視するならばこちら。相手のステロ・電磁波を阻止できないので若干使いにくいです。
ダメ計
- 与ダメ
ステロ+削りがメインなため少なめにします。
- インファイト
H252メガガルーラ 96.22%-114.15%
具体的には81.25%の高乱数1です。
HB特化ポリゴン2 54.16%-65.62%
B4ガブリアス 57.92%-68.85%
H252B1↓のメガバシャ 99.46%-117.11%
H228クレッフィへのA1↑インファ 102.48%-121.11%
- 岩石封じ
H4ボルトロス 89.03%-105.8%
H4ゲッコウガ 47.29%-56.75%
H252B188アロー 116.75%-138.37%
初手岩石封じで動いていきたい相手です。
H252メガゲンガー 36.52%-43.71%
B4ガブリアス 14.75%-17.48%
削れ具合の目安。Sを下げるので岩石封じ+ステロという動き。
先発ガブの場合ややリスキーですが、スカーフに目を瞑ってステロ+インファで大きく削るのもあり。
- 被ダメ
重要なのは襷潰し程度のダメージを受けた後、引いて温存した時だと思うので、半減相手を中心に計算しておきます。
- 物理方面
A特化メガガル捨て身 36.14%-42.77%/17.46%-21.08%
A特化メガバンギ噛み砕く 28.91%-34.33%
A特化鉢巻きアローブレバ 81.32%-96.38%
不一致イカサマ 17.46%-21.08%
- 特殊方面
C特化眼鏡サザン悪波 35.54%-42.16%
C特化メガリザYオーバーヒート 68.67%-81.32%
C4クレセサイキネ 54.21%-65.06%
無振りでも並程度の耐久はあるので、襷が潰れた程度なら温存も選択肢に入れることができます。クレセリアからのDダウンサイキネ+ゴツメでは落ちてしまいますが、メガガルと組まれている場合はほぼ初手電磁波だったので問題ないでしょう。
運用
ステロ撒きなので、よほどのことがない限りは先発で出します。相手がこちらよりも速ければ岩石封じ→ステロ、遅ければステロ→一番威力の出る技で相手全体を削りこむのが基本的な動きです。『相手による起点化を阻止すること』の項で説明したような相手と対面した場合はとりあえず挑発を打ってみてください。ただし、マンムー・マリルリ等こちらへの有効打+先制技持ちに対してはインファなりステロなり引くなりした方が無難です。メガガルーラ・ボルトロスと対面した時は実戦では割と攻めてくることもあるため、それぞれに対する有効打を打つべきです。
また基本的には使い捨てで問題ないですが、半減が6つもあるポケモンなので、相手が襷を読んで蜻蛉等で削りにきた場合はステロだけ撒いて一旦引くことも考えるとより良い動きができます。メガガルーラ・リザY・バンギを誘いやすいパーティならば積極的にこの動きをすると良いでしょう。
相性の良い味方
ハッサム(メガor珠)
苦手な炎タイプをテラキオンにより、引かせることによりハッサムが積む隙を作ります。炎タイプを引かせたことをより活かすため、A特化メガ以上の火力+石火採用を推奨します。こうすると、リザードン入りに非常に強くなれ、鬼火羽休めメガリザX以外ならステロ+1舞石火で確定にできます。さらにガブ・カイリューの逆鱗固定を誘いやすいパーティならば、2舞石火+ステロでたいていのメガバシャを確定にできるというのも利用できます。
メガリザX
相性補完はそこまで良くありませんが、高いSからの挑発でメガ前なら1/2も入ってしまうステロと電磁波を防ぎつつ降臨させることができるので使いやすいです。
スイクン
テラキオンはギルガルドが非常に苦手なため、落とされた後に起点にしていける点が非常に強力です。眠カゴ、みがまものどちらでも相性は良いですが、テラキオンの技とのシナジーを大切にしたいならばHSみがまもです。岩石封じのS下げで先手身代わりを張れるようにしたり、挑発で補助技を封じ身代わりor瞑想の択を無くすことができます。
参考バトルビデオ
KUZW-WWWW-WWWA-3H8G
ステロ+メガガル性能。ハッサムで展開する前に終わってしまっているのが絵的に残念ですが。テラキオンに不意打ちするとこうなるんで気をつけましょうね。
最後に
いかがでしたでしょうか。先に投稿された襷ゴウカザルのような猛火オバヒやがむしゃらのような派手な削りはできませんが、さらに高いメガガル性能、一致岩石封じ、地味にある耐久・耐性により渋い仕事をしてくれることと思います。
評価・コメントをよろしくお願いします。
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