今回は第5世代では使用率が減ってしまった眼鏡ラティオスの育成論を補完したいと思います。
前置き
-ラティオスについて-
第3世代(ルビサファ)においてラティアスと共に準伝説ポケモンとして登場しました。
ラティオス・ラティアス兄妹として戦闘能力・容姿ともに高い人気を誇るポケモンです。
現対戦環境でも高い使用率を誇り、苦戦を強いられた方も多いのではないでしょうか。
アニメではTV放送の方でもタクトの手持ちとして登場しましたね。
“心の雫”という専用道具がありますが、使う機会に恵まれないので影は薄いです。
というのも特攻・特防1.5倍という高性能すぎる道具ですから当たり前ではありますが…。
サブウェイの駅員さんの話からその存在が気になりますが、おそらく改造対策だと思われます。
”謎の水晶”の配布があったばかりですしね。
来年の秋ごろにはルビサファのリメイクがあれば”心の雫”の配布があるかもしれませんが、やはりまだまだ先のお話です。
-第4世代のラティオス-
前世代のラティオスを振りかえってみます。
前世代の第4世代では特殊ATの頂点に君臨するほどの高い能力を誇っていました。
現在でもそうですが、前世代でも使用率は非常に高いものでした。
第4世代ではやはり眼鏡型としての運用が多かったように思います。
それはそもそもラティオスの眼鏡龍星群を受けに出られるポケが非常に少なく、龍星群の撃ち逃げで十分機能していたからです。
またDSソフトの方では追い打ちバグが存在したため、天候パで使うラティオスには追い打ちが使えず、対処が非常に難しいポケモンでした。
その強さ故に対策されすぎているポケモンでもありましたが…。
小回りの利く珠がいないわけではありません。
ソーナンスに毒を盛れたり、ハッサムにめざパ炎を当てられたりできましたしね。
とはいえ眼鏡ラティオスの最盛期は間違いなく第4世代でした。
-第5世代のラティオス-
現世代ではラティオスの天敵ともいうべきポケモンが現れました。
ナットレイです。
メインの龍星群を半減し、サブの雷や波乗りさえも半減してしまう耐性を持っています。
もちろんその受け性能はラティオスに止まらず、広範囲のポケモンを受けることができます。
また、奇跡の石の出現により頭角を現したのがポリゴン2です。
受けポケの中でも火力が高い水準であり、物理・特殊両方の硬さも併せ持つ鉄壁です。
この2匹の使用率は非常に高く、現在での格闘ポケのインフレの元凶となっています。
第5世代ではこの2匹の存在によってラティオスの眼鏡龍星群は比較的容易に受けられるようになりました。
このために火力重視の眼鏡は衰退し、止まりにくさ重視の珠が主流となりました。
これが現在のラティオスを取り巻く状況です。
-第5世代で眼鏡ラティオス-
現第5世代では上記の通り珠が主流となっています。
では第5世代の眼鏡ラティオスについてちょっと考えてみることにします。
現在で眼鏡ラティオスをPTに採用する理由があるとすれば何でしょうか?
それはやはり火力です。
眼鏡ラティオスは火力を重視した型で、眼鏡龍星群は現環境でも間違いなくトップクラスの特殊火力を誇ります。
並大抵の耐久ではまず耐えきれません。
その火力の高さ故に対策もされているわけですが、それは仕方のないことですね。
しかし前述の通り眼鏡龍星群は比較的受けやすくなったため、かつてほどの使いやすさはありません。
そこで眼鏡ラティオスを使うに当たって最も意識したいのが相手のラティオス受けをどう処理するかということです。
この課題をクリアできれば眼鏡ラティオスを暴走させられます。
第4世代でいう大爆発やめざパ炎を持ったゲンガーのような感じです。
このような間接役割破壊のポケモンをPTに入れて、ラティオスを動かしやすくする必要があります。
その他ラティオスの苦手なポケモンを選出させづらいようにPTを組んでみるといった工夫が必要ですね。
その他珠ラティオスと比べたときの眼鏡ラティオスの長所を挙げてみます。
- 長持ちする
- 珠ラティオス意識の調整を崩すことができる
1は珠と身代わりの併用に比べるとやはり長持ちしますから、これはこれで1つのメリットと言えそうです。
63では短期決戦を十分に狙えるので身代わりと珠を両立することによるデメリットを補うことはできますから、それほど大きな長所とは言えませんけどね。
2はそれなりに大事な点です。
雨パの台頭や眼鏡ラティオスによって特殊耐久をこれらに合わせて調整することも多いですが、珠意識の調整がなされているケースがあります。
このようなケースの場合では居座ってきた相手に致命打を負わせることができ、相手のPTを崩壊にまでおいやることができます。
ラティオスの珠龍星群確2調整(サンダー)と珠龍星群確3調整(ポリゴン2)への眼鏡龍星群のダメージ計算です。
サンダー H252 D20 96.4%〜114.2% 乱1(81.3%)
ポリゴン2 H244 D20 1発目64.3%〜75.9% 2発目31.9%〜38.2% 乱2(90.2%)
(※ポリゴン2への確定数の確立は若干間違いがあるかもしれません)
残念ながら確1・2をとることはできませんが、高乱1・2をとれます。
いやはやさすがは眼鏡龍星群ですね。
対策を怠るとこのように高い特殊耐久を持たせたポケモンでさえももっていかれてしまいます。
だからこそ眼鏡ラティオスの火力は馬鹿にできないのです。
以上で前置きを終わり、育成論に入っていきます。
注意書き
この育成論内では、HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さのことをそれぞれ、H、A、B、C、D、Sという風に表記します。
例 H4= HPに4振る
また、この育成論はLv50戦を想定しています。
技の説明欄には、技名< タイプ / 威力 / 命中率 / PP > <火力指数>の表記をいたします。火力指数の計算式は↓の通りです。
<火力指数>=<威力>×<攻撃or特攻>×<道具補正>(×<タイプ一致補正>)
あらかじめご了承ください。
性格と努力値配分
おくびょう H4 C252 S252 +2振り
無難に最速の特攻全振りで余りをHPに。
最速にできるので同じ110族との撃ち合いには50%で抜くことが期待でき、
めざパ炎ラティオスとの撃ち合いにも競り勝てます。
持ち物
- こだわりメガネ
もともと撃ち逃げスタイルの龍星群とは相性がいいのが特徴です。
技構成
< りゅうせいぐん / なみのり / かみなり / りゅうのはどう >
ほとんどこれで確定だと思われます。
確定技
- りゅうせいぐん< 龍 / 140 / 90 / 5 > <57330>
火力指数は55000を上回ります。
並大抵の耐久では受けきることはできません。
- なみのり< 水 / 95 / 100 / 15 > <25935>
誘う鋼に一貫し、バンギラスに2倍をとれます。
珠ではピンポイントであっても確実にそのポケを倒せる技が入るのに対し、眼鏡では技固定のデメリットがあるため優先されるのは一貫性です。
- かみなり< 電 / 120 / 70 / 5 > <32760>
麻痺率3割は魅力的ですね。
火力か、割り切った安定さか、という2択になります。
命中安定の波乗りを確定にしていますし、威力の高いこちらを確定にしました。
雨パメタにもなります。
- りゅうのはどう< 龍 / 90 / 100 / 10 > <36855>
命中100デメリット無しと意外と重宝する技です。
最近は先制技持ちが多いこととラティオスへのマークが厳しいことがあるので終盤で活躍できる場面は少ないと思われますが、それでも持っておいて損はありません。
技候補
ほとんど確定技で十分ですが、お好みでどうぞ。
- 10まんボルト< 電 / 95 / 100 / 15 > <25935>
今作から技マシンがなくならない仕様になったので雷と10万の選択が楽になりましたね。
雷との違いは麻痺率もありますが、やはり確定数の違いですね。
雷の方が確定数上は断然有利ですが、命中率を考慮すると違いは一部に限られます。
(例:H252エンペルト 雷=確1 10万ボルト=低乱1)
相手に与えるプレッシャーはやはり雷の方が大きく、雷を確定にしました。
しかし、10万ボルトにいい点がないというわけではなく、安定したダメージなら10万ボルトが有利です。
割り切った安定さを求めるならこちらを選ぶといったところでしょうか。
- サイコキネシス< 超 / 90 / 100 / 10 > <36855>
龍の波動の方が半減されるタイプが少ないので、基本的には龍の波動を推奨します。
格闘との撃ち合いには滅法強くなりますが、やはり龍星群で十分かも。
- どくどく< 毒 / - / 90 / 10 >
ハピナスとソーナンスがそれほど多いわけではないので積極的にオススメですとは言えませんね。
- トリック< 超 / - / 100 / 10 >
ただ、拘り眼鏡を渡すとこちらの決定力が大幅に減ってしまいますし、それならトリックを撃つより龍星群等を撃った方がいいような気がします。
前世代の教え技です。
戦術考察
繰り出す対象
半減技読みで出て行くのが基本となります。
眼鏡ラティオスは相手により多く負担をかけて勝ち筋を得る型です。
積極的に出て行ってください。
誘うポケモン
ナットレイ、ハッサム、シュバルゴ、バンギラス、ポリゴン2などなど。
実戦での立ち回り等
一度場に出れば、その火力を十分に発揮してください。
基本行動は龍星群です。
状況に応じて10万ボルト(雷)や波乗りを撃ってください。
いかに相手のパにより多く負担をかけられるかが鍵となります。
選出時の注意
撃ち逃げがスタイルの眼鏡ラティオスは追い打ちに非常に弱いです。
そのため、見せ合いの時点で相手の手持ちに下記のポケモンがいないかどうかをきちんと確認しておく必要があります。
- 主な追い打ち持ち
バンギラス
メタグロス
シュバルゴ
上記のポケモンは最大の仮想敵をラティオスに合わせていることがほとんどです。
珠が主流の現在でも眼鏡に合わせて調整していることも多いですから、これらのポケモンがいるときはラティオスの選出を控えた方が無難です。
相手の手持ちにナットレイがいる場合も選出を控えた方が無難です。
ラティオス単体では処理できず、後続で十分に処理できる場合など特別な理由がない限り選出は控えたいところ。
相性のいい味方
- ラティオス受け潰し
不意をつくといえばやはりめざめるパワーですね。
ハッサム・ナットレイ・シュバルゴはめざパ炎で不意をつく形で崩すのがベストです。
ハッサム・シュバルゴは主にゴースト・エスパー・草タイプのポケモンで誘いやすく、
ナットレイは主に電気・水・草タイプのポケモンで誘いやすいです。
共通する草タイプのポケモンにめざパ炎で対処できるといい感じですね。
バンギラスはめざパ闘でしょうか。
こちらにガブリアスがいると相手も選出しにくくなりますが、1つのPTにラティオスとガブリアスを両立するとエース格が氷に弱いといった穴ができるのが難点です。
組み込むなら砂に強い襷ガブリアスでしょうか。
もちろんこれは机上論での話ですから、
これらのポケモンで必ず不意をつけるとは限りません。
必ずこれらのめざめるパワーを使えるポケモンをPTに入れる必要はありませんが、いると便利ぐらいの感覚です。
- 相性補完のいいポケモン
先制技持ちは必須です。
また、ラティオスを選出しない場合でも相手が上記のポケモンを選出してきます。
なので、上記のポケモンを処理できる格闘タイプのポケモンはやはり1匹欲しいところですね。
続いて個別に相性補完のいいポケモンを挙げてみます。
- ハッサム
- ジバコイル
- ヒードラン
- ポリゴン2
受けることができる範囲も広いですし、オススメです。
最後に・・・
眼鏡ラティオスもまだまだやれるのではないかと思います。
第5世代になり、眼鏡ラティオスというよりはラティオス自体に対して風当たりが強くなってきましたが、それでも対策を怠ると酷い目にあわされます。
ボックスで眠っているめざパが炎ではないラティオスの活躍の場はまだまだ失われていません。
育成論は以上です。
誤字脱字・内容の漏れ・ご質問があれば、コメントにてお願いします。
今回は調整点とされやすいラティオスだったのでダメージ計算をほとんど載せていません。
追加するべきダメージ計算があればコメントにて具体的な相手を明記の上助言をしていただければ幸いです。
最後まで拙い育成論にお付き合いいただきありがとうございました。
★Special Thanks★
mk48さん
風の谷の名無しさん