冬休みが終わる前に書き終えたかったのですが、1日オーバー。
今回は、トリプルバトルの考察をやりたいと思っています。正確にはトリプルバトルのコンボ紹介ですね。
シングルではあまり見られないコンボとそのコンボの主体となるポケモンについて考察することで、異なったルールに対するイメージの改善と新規参入を促したいと考えています。コンボ解説なら、「通り一遍等の説明と相性のいいポケモン紹介」みたいな中途半端な育成論を書かなくてもいいという期待もあります。
- コンボの紹介
〜『輪唱』パーティについて〜
輪唱とは、威力60 命中100%のノーマル技です。
しかし、同ターン内に2回以上輪唱を使うと、2発目以降の威力は倍の120となります。
また、仕様として、「ポケモンA」の輪唱の次は「ポケモンB」の輪唱、「ポケモンC」の輪唱…と続くので、輪唱パーティを使うときは出来るだけ「速いポケモン」と「高火力のポケモン」を常に場に用意し、威力120の輪唱を高火力且つ高速で発動できるようにします。
個人的に「速いポケモン」の枠には、素早さ実数値199以上、準速スカーフシャンデラを抜く程度の素早さを実現できるポケモンが望ましいです。実際には、ほぼ全てのポケモンに先制でき、猫だましの効かないスカーフクロバット[実数値:300]や、天候と組み合わせることで素早さと火力を両立できるすいすいキングドラ[実数値:274(300)]を用いることが多いです。
「高火力のポケモン」の枠は、半強制的にポリゴンZを用います。ポリゴンZの輪唱は適応力で実質威力240となり、不一致大爆発並みの火力を振り撒く化け物となります。物理と特殊の違いは在りますが、メタグロスが毎ターン先制大爆発をするようなものと考えてもらって良いでしょう。
珠やジュエルで火力を上げると半減でもごりごり削ります。珠の場合の火力では確定で落とせないことが多いので、始動役と合わせて輪唱で落とすといったプレイングが主になります。トリックルームでのS変化や守るを使いたい場面が多いので、拘りメガネは一般的ではないです。
総括すると、1ターンの内に2回以上輪唱を使い、<S実数値300程度のポケモンの素早さ>から<C実数値205のポリゴンZの高火力>で相手を押し切り勝利することを目指すパーティであります。
- ポリゴンZの型・解説
・ポリゴンZ
- 努力値 :[252-0-4-252-0-0]
- 実数値 :[192-×-91-205-95-110]
- 特性 :適応力
- 持ち物 :命の珠
- 技 ・輪唱 ・悪波orシャドボ(雷) ・トリル ・守る
火力を出すためCに極振り、コンボの性質上Sが必要ないため残りは耐久振り。ブッパが安定かと思います。
特性は適応力。ダウンロードはトリプルでは流石に不安定。
珠は柔軟性と上げ幅が魅力。パーティのエースですので、下手に拘って動きが制限されるのは厳しいです。他との兼ね合いもあるのでほぼ確定。次点でジュエル、ラム等。
技について、コンセプトの輪唱は確定。エースのため守るも確定。
サブウエポンは輪唱を使えないときに使いますが、使用機会は限られます。
悪の波動はノーマルタイプ意識、シャドーボールはテラキコバル意識、雷は雨と組み合わせて。個体数やこの指とまれの影響から悪波有利でしたが、ドーブル弱体化でシャドボも無くは無い。トリルはミラーやトリル返しを考えて、耐久には振っているものの、こいつがトリル下で動くのは危険であり、この指とまれのサポートが必要。サブウエポンを入れても良い。
- 調整ライン
・H
191(244)…16n-1 天候ダメージ最小
189(228)…10n-1 珠ダメージ最小
・S
111(4)…端数振り
112(12)…4振りポリ乙抜き 準速60族(ブルンゲル・ユキノオー)と同速
113(20)…準速60族抜き 準速バンギと同速
114(28)…準速バンギラス抜き
124(108)…最速60族抜き 最速バンギと同速
- パーティ構成の諸注意
一般的な輪唱パーティを組むに当たって、意識すべき点は4つ。
1. 始動役を出来るだけ早くする
2. ポリゴンZを相手の攻撃から守れる構成にする
3. 半減される岩鋼、無効になる霊や防音への打点を確保する
4. トリックルーム等のS変化への対応を1~2つ持っておく
1については言わずもがな上のほうで素早さ実数値199以上と書きましたが、正直それでは不安が残る。
トリプルバトルの素早さラインは
308: 砂かき最速ドリュウズ
300: すいすい最速キングドラ スカーフクロバット 早足サンダース
283: スカーフジュカイン スカーフフーディン
282: スカーフジュカイン(めざパ炎)
280: 砂かきドリュウズ
274: すいすいキングドラ
272: すいすい最速ルンパッパ
という感じ。他のポケモンの輪唱と合わせれば、天候アタッカーを上から潰す事も可能なので出来るだけ早くしたいところ。
スカーフクロバットを始動役とするスタン構築や、雨パや砂パに組み込み、天候アタッカー(キングドラ,ドリュウズ,フローゼル)に始動役を務めさせる天候構築が多い。勿論雨パにクロバットを入れても良いですし、速ければ基本なんでも良い。
変り種ではスカーフサザンドラや早足サンダースを見かけることも出来た。
2にあるように、ポリゴンZの火力を引き立てる構築である以上ポリゴンZが早々に落ちては仕方が無い。
「猫だまし」「ワイドガード」「この指とまれ」「フェイント」「各種壁」等でポリゴンZが動きやすい環境を整える必要があります。とくに、「この指とまれ」や「エアスラッシュ」「竜巻」等で相手の動きを制限でき、ジュエル「輪唱」で第2の輪唱アタッカーとなれるトゲキッスの相方としての素質は最高峰です。
天候構築では、ポリゴンZの「輪唱」とは別の勝ち筋(天候アタッカーの制圧)を用意することでこれを満たす方法もあります。
3は当たり前ですが、重要。トリプルで使用率の高い、シャンデラ,メタグロス,ハッサム,テラキオン,コバルオン,ブルンゲル,ナットレイ,バリヤード辺りの処理を手間取らないようにしたい。
天候構築は基本的にこれらへの通りが良い技をメインで使えるので相性はいいが、砂の場合はハッサム,ブルンゲルの処理と地震が使いづらいときのメタグロス、雨の場合はブルンゲル,ナットレイの処理と低命中が懸念材料となる。
バリヤードはスキルスワップで防音を厄介なポケモンに移す場合があるので、速めに倒してしまいたい。
4について。輪唱パの強さは高速高火力であることだが、トリックルームのS逆転や、電磁波や湿原のS低下は痛い。
トリプルのトリックルーム始動役はシャンデラやブルンゲルのようなゴーストタイプ、輪唱半減のドータクンが主で、始動を妨害するのは厳しい。悪の波動などで早急に処理をするか、トリル返しなどで対策したい。モロバレルを仕込んだり、バンギラスやニョロトノに鉄球を持たせてトリル下でも動きやすくする手もある。
電磁波については神秘の守りやラムの実、荒業ではあるがこの指とまれでも何とかできる。
湿原は、始動役がスカーフジュカイン以上の素早さを有していれば比較的楽ではあるが、この指とまれ等で妨害されて思った相手を落とせないと辛い。
- サンプルパーティ
・クロバット@スカーフ
努力値:252-0-4-0-0-252 実数値:192-×-101-90-100-200
[・怒りの前歯 ・輪唱 ・とんぼ返り ・催眠術]
・ポリゴンZ@珠
努力値:252-0-4-252-0-0 実数値:192-×-91-205-95-110
[・輪唱 ・雷 ・トリル ・守る]
・トゲキッス@無ジュエル
努力値:244-0-4-252-4-4 実数値:191-×-116-189-136-101
[・輪唱 ・エアスラッシュ ・この指とまれ ・波動弾]
・ニョロトノ@鉄球
努力値:252-0-4-248-4-0 実数値:197-×-96-155-121-67
[・輪唱 ・ハイドロポンプ ・めざパ草 ・守る]
・キングドラ@水ジュエル
努力値:4-0-0-252-0-252 実数値:151-×115-161-115-137
[・輪唱 ・濁流 ・竜の波動 ・守る]
・草タイプ
最初の3匹は輪唱パのテンプレ。後ろに雨パの面子を置き、相性補完の草タイプという構成。
〜個別解説〜
・クロバット
雨輪唱は特殊に固まる傾向にあるので、クロバットはブレイブバードの物理型か、前歯で削る型の2つが考えられる。自分はスカーフ催眠を選択肢として持っていたいので後者を選んだ。物理型の場合はAに多少振るべき。
とんぼ返りは水技の火力を削ぎ、フラワーギフトで特防そのものを上げてくる晴れパ対策と、影踏み対策に入れている。エルフーンの日本晴れより遅く、シャンデラの熱風より速い絶妙なタイミングでニョロトノと交代する。
・トゲキッス
ジュエル輪唱でアタッカーとしても動ける万能ポケモン。輪唱の仕様で、時々3番目のポケモンが続けて輪唱を出すことが出来なくなるので注意。
Sは無振りになっているが、ポリゴンZを抜くぐらいに振っておくとカポエラーが抜けたり、輪唱始動役になることが出来る。
波動弾はナットレイやバンギラス意識だが、動きづらかったら守るでも良い。
・ニョロトノ
天候合戦で勝つことには普通の雨パ以上の価値があるので鉄球を持たせる。中速気味のトリパには先手で輪唱起動が出来るというメリットもある。
めざパはトリトドンやブルンゲル、呼び水等があると有効打がなくなる岩タイプ等に挿す、催眠術や滅びの歌と差し替えても良い。
・キングドラ
雨エース且つ高速輪唱役。
技はテンプレ、全体的に麻痺が厳しいので持ち物はラムでも良い。
・草枠
草タイプの枠は、草ロトム,モロバレル,ナットレイが考えられる。
草ロトムはトリトドンやブルンゲルに大きな打点となるうえ、壁を張ることも可能。氷や岩,格闘の一貫性が怖いので、壁の使い方がかぎ。
モロバレルはトリパ意識で、胞子や怒りの粉でエースをフォローする。こいつでトリトドン突破は正直厳しいです。
ナットレイはトリパよりも雨パや輪唱パといったミラー意識の色が強い。しかし格闘が一貫しやすくなるので、本当に意識したいときですかね。
どれも一長一短で、使用感やパーティに合わせて代えていってください。
- ダメージ計算
また、半減輪唱=等倍雷 等倍輪唱=抜群雷なので、ダメ計はほぼ省略しています。
●火力
205ポリゴンZ珠120輪唱≒161キングドラ雨ジュエルハイドロポンプ
ラティオスのジュエル流星群耐えのポケモンがクロバットの輪唱と合わせて落ちるぐらい
・輪唱
185-138 メタグロス 乱数2 {47.5%~56.2%}
223-151 クレセリア 確定2 {72.1%〜85.2%}
221-145 モロバレル 確定2 {75.1%〜89.5%}
177-100 ハッサム 確定2 {68.3%〜80.7%}
207-121 バンギラス(砂) 確定4 {27.5%〜32.8%}
〃 バンギラス 確定3 {40.5%〜48.3%}
197-144 ニョロトノ 乱数1 {85.7%〜101.5%}
197-120 ニョロトノ 確定1 {103%〜121.3%}
157-142 カポエラー 確定1 {109.5%〜129.2%}
155-130 ラティオス 確定1 {120.6%〜142.5%}
151-115 キングドラ 確定1 {139.7%〜165.5%}
185-85 ドリュウズ 確定2 {76.7%〜90.8%}
191-136 トゲキッス 乱数1 {92.6%〜110.4%}
218-122 トリトドン 乱数1 {90.8%〜107.3%}
266-121 ソーナンス 確定2 {75.1%〜89%}
167-100 エルフーン 確定1 {144.9%〜171.2%}
・雷
207-126 ブルンゲル 乱数1 {91.7%〜109.1%}
207-172 ブルンゲル 確定2 {67.6%〜80.1%}
・悪の波動(シャドーボール)
207-126 ブルンゲル 確定2 {62.8%〜73.9%}
167-110 シャンデラ 乱数1 {87.4%〜104.1%}
185-138 メタグロス 乱数3 {32.9%〜39.4%}
●物理
176メタグロス コメットパンチ 確定2 {56.7%〜67.7%}
〃 バレットパンチ 乱数4 {23.4%〜28.1%}
149カポエラー インファイト 確定1 {115.6%〜137.5%}
〃 猫だまし {13%〜15.6%}
200ハッサム 虫食い 確定2 {59.3%〜70.3%}
〃 バレットパンチ 確定3 {39.5%〜46.8%}
201バンギラス いわなだれ 確定3 {36.4%〜43.7%}
〃 噛み砕く・桁繰り 確定2 {53.1%〜62.5%}
181テラキオン いわなだれ 乱数2 {43.7%〜52%}
167トルネロス ジュエルアクロバット 乱数2 {44.2%〜53.1%}
205ドリュウズ ジュエル地震 確定2 {73.9%〜87.5%}
●特殊
147キングドラ 雨珠ハイドロポンプ 確定1 {106.2%〜126%}
〃 雨ジュエル濁流 確定2 {71.8%〜84.8%}
205ポリゴンZ 珠120輪唱 確定1 {131.2%〜155.7%}
216シャンデラ ジュエル熱風 確定2 {75%〜89%}
〃 晴れ珠熱風 乱数1 {97.3%〜115.6%}
〃 オーバーヒート 乱数1 {92.7%〜109.3%}
158ユキノオー ジュエル吹雪 確定2 {66.1%〜78.1%}
156ニョロトノ 熱湯 確定2 {57.8%〜68.7%}
150ブルンゲル ジュエル潮吹き 確定2 {78.1%〜92.1%}
141トゲキッス エアスラッシュ 乱数3 {32.8%〜39%}
182ラティオス 珠流星群 確定1 {103.6%〜121.8%}
●参考火力
輪唱集中で落とすときに。
・C189トゲキッス 120ジュエル輪唱
155-130 ラティオス 乱数1 {95.4%〜112.9%}
150-115 キングドラ 確定1 {112%〜132%}
183-105 ガブリアス 確定1 {100%〜118%}
192-95 ポリゴンZ 確定1 {105.2%〜123.9%}
・ 〃 120輪唱
185-85 ドリュウズ 確定3 {40.5%〜48.1%}
223-151 クレセリア 確定3 {38.1%〜45.7%}
185-138 メタグロス 乱数4 {24.8%〜29.7%}
・C90 クロバット 60輪唱
185-85 ドリュウズ {6.4%〜7.5%}
197-144 ニョロトノ {7.6%〜9.1%}
191-136 トゲキッス {8.3%〜9.9%}
ここまで読んでいただきありがとうございます。これで今回の考察を終わります。
育成論は単体考察が前提ですが、そんな事言ってたらシングル以外の考察が書けないので、こういう育成論の書き方をしてみました。
トリプルのコンボパーティを中心ポケモンから広げていくメリットはダメージ計算の充実だと思うので、希望があったら遠慮なくコメントください。