- 全編において常体を用い、また敬称を略す。
最初に
- この型は怠けアイアントと組ませることが大前提である。
- 先に怠けアイアントの論も投稿してある(育成論サンムーン/739)。2体いないと成立しない型である関係上、2つで1つの論として評価願いたい。
- この論は、怠けアイアントの論を既に読んでいると仮定して進めていく。まだ怠けアイアントの論を読んでいないという場合は、手間をかけるが読んできて頂きたい。
- 害悪戦術のため、害悪戦術を許容できない人、切断される覚悟の無い人にはおすすめできない。
- 多少調べれば分かる程度の略称、用語を用いる。また、性格補正あり252振りを「特化」、性格補正なし252振りを「ぶっぱ」と呼称する。
- ダメ計についてはトレーナー天国のツールを使用した。
差別化
影踏み持ちはゴチルゼル以外に(メガ)ゲンガーとソーナンスがいるが、ゴチルアントを成立させられるのはゴチルゼルのみである。
ミラコカウンターしか攻撃手段の無いソーナンスがゴチルアントを使えないのは言うまでもないだろう。
相手の交代を完全に封じるためには場に出た時点から特性が影踏みである必要がある。そのため、メガシンカしないと影踏みにならないゲンガーはこの戦法には向かない。
よって、残るのはゴチルゼルのみである。
性格・努力値
この型のゴチルゼルのステータスのうち、努力値振りでカバーすべきは火力と物理耐久である。6段階上昇があったとしても所詮C種族値95。出来れば多めに振っておきたい。瞑想でカバーできない物理耐久もある程度確保しておかないと抜き性能が結果的に下がってしまう。ここでは一致抜群の中でも威力の高いものの代表格として「バンギラスの特化噛み砕くを少し余裕を持って耐えるぐらいの耐久」を目標としよう。
特殊耐久は瞑想6積みでかなり硬くなること、素早さは種族値65なので振ったところで抜けるポケモンも少ないうえ回す余裕もあまりなさそうなことから露骨にカバーする必要は無いと判断した。
これらを踏まえたうえで筆者が出した結論が控えめH252B140C116という調整である。ついでに特殊耐久も上げられることからHPは特化し、バンギラスの噛み砕く+砂嵐ダメを確定で耐えるぐらいまでBに割いた。余りは全てCに振ったが、偶然にもHD特化砂嵐下バンギラスをC6段階上昇めざ闘で丁度確定1発に出来るようになった。(別にバンギラスピンポイントの調整ではなく、抜群技の代表としてバンギラスを上げた結果意図せずにこうなっただけだということをご理解頂きたい)
特性
ゴチルアントを成立させるためには影踏みでなければならない。
持ち物
食べ残しとエスパーZの選択となる。
食べ残しは耐久重視の持ち物である。交代する訳にはいかないこの型と相性がいい。守るで食べ残しの回復稼ぎということも出来る。丁度いいことにH252で実数値が16n+1になるため、そういう意味でも相性がいい。
対するエスパーZは突破力重視である。C6段階上昇ZサイキネでH252ハピナスが確定で落ちると言われるとその火力のえげつなさが分かるだろう。半減でも尚ナットレイがHD特化しないと確定で耐えられないレベルである。
確定欄には筆者が現在使用しているエスパーZを据えておくが、各々の好みで選んで貰いたい。
技構成
ゴチルアントの根幹を担う技である、瞑想と守るは確定。
他2技は基本的には攻撃技になる。但し1ウェポンも完全に無しではない。確定欄は瞑想/守る/サイキネ/めざ闘 としておく。
以下、他2枠の候補技を列挙する。
- サイコキネシス、サイコショック
タイプ一致のメインウェポン。基本的にはサイキネだが、ラッキーハピナスをより重く見るならショックになる。1ウェポン構成でなければ確定でいいだろう。逆に1ウェポン構成の場合はこの技を採用してはならない。悪タイプが出てきただけで止まってしまう。レベル技。
- 目覚めるパワー格闘
超技を半減以下にしてくる悪・鋼への打点となる。ヤミラミとミカルゲへの打点が完全になくなるが、そもそも個体数が少ないので当たったら事故である。めざ闘はH奇他偶、A奇他偶、B奇他偶、HA奇他偶、全て偶 で出る。今作では厳選が逆に大変かもしれない。筆者はHがVの片親にパワーベルト、性格だけ合わせたVのないもう片親にかわらずのいしを持たせて預かり屋に入れ、後で王冠を使った。技マシン。
- 悪の波動
無効化されることがなく、また超と霊への打点になる。1ウェポンの場合は最有力候補。その場合は持ち物をアクZにするのもいいだろう。技マシン。
- シャドーボール
悪の波動と範囲は近いが、こちらの方が半減以下にされるタイプが少ない。だが無効化はされるため1ウェポンの時は採用できない。技マシン。
- シグナルビーム
めざパ以外で唯一の悪に抜群を取る手段。ついでに超にも抜群をとれる。気合い玉は覚えない。ORASの教え技。
- 影分身
害悪度合いを極める場合はこの技。採用する場合は、守るのPPを最大にすることと切断される覚悟をより強固にすることを忘れないように。技マシン。
- 挑発
相手の補助技を封じる。だがこの技をやっている時間があるなら殴った方がいいと筆者は思う。技マシン。
ゴチルゼルの立ち回り
アイアントの仲間作りによって相手の特性が怠けになっているという前提で話を進める。
1.瞑想←→守るのループで相手の攻撃を防ぎつつ積む。
2.攻撃←→守るのループで相手の攻撃を防ぎつつ倒す。
3.2体目以降は普通に戦って倒しにかかる。
1のとき、瞑想と守るの順番を間違えないようにすること。順番を間違えるとやらなくてもいい時に2連守るをするはめになったり、本来食らわないはずのダメージを負ったりしてしまう。普通は瞑想が先である。
ダメ計
アイアント論の方では本当に少ししか載せなかったが、こちらはアタッカーであるため、PGLランキング上位のポケモンたちについてのダメ計を少し多めに記載する。
- 与ダメ
全てC6段階上昇で計算している。
サイキネ
→H4ガブリアス
150%〜176.6% 確定1発
→H4メガガルーラ
113.6%〜134.4% 確定1発
→H252テッカグヤ
58.8%〜69.1% 確定2発
→H4カプ・テテフ
73.2%〜86.3% 確定2発
→H252ギルガルド盾
50.8%〜60.4% 確定2発
→H252ハピナス
51.6%〜61.3% 確定2発
Zサイキネ
→H252ハピナス
100.5%〜118.5% 確定1発
→HD特化ナットレイ
84.3%〜99.4% 確定2発
ショック
→HB特化奇石ラッキー
77.5%〜91.5% 確定2発
めざ闘
→HD特化バンギラス(砂嵐下)
100.4%〜119.8% 確定1発
→HD特化ナットレイ
94.6%〜112% 乱数1発 (68.8%)
→H4メガメタグロス
64.1%〜75.6% 確定2発
悪波、シャドボ
→H252ギルガルド盾
122.1%〜143.7% 確定1発
→H252クレセリア
101.3%〜119.8% 確定1発
→H252メガメタグロス
141.1%〜166.8% 確定1発
シグナルビーム
→H252ベトベトンア種
63.6%〜75% 確定2発
- 被ダメ
特殊攻撃についてはD6段階上昇で計算している。
ガブリアスのぶっぱ地震
44%〜52.5% 乱数2発 (18%)
メガリザードンXの特化フレアドライブ
75.1%〜88.7% 確定2発
メガボーマンダの特化すてみタックル
74.5%〜88.1% 確定2発
バンギラスの特化噛み砕く
77.9%〜92.6% 確定2発
ミミッキュの特化シャドークロー
54.2%〜64.4% 確定2発
上同かげうち
30.5%〜37.2% 乱数3発 (52.7%)
メガハッサムの特化蜻蛉返り
75.7%〜89.2% 確定2発
カプ・コケコのぶっぱZ10万ボルト(エレキフィールド下)
23.7%〜28.8% 乱数4発
カプ・テテフの特化眼鏡シャドーボール
20.3%〜24.8% 確定5発
ゲッコウガのぶっぱ珠悪の波動
22%〜26.5% 乱数4発
ウルガモスの特化1段階上昇むしのさざめき
35%〜41.8% 確定3発
ギルガルド(剣)の特化Zシャドーボール
45.1%〜54.2% 乱数2発 (30.9%)
これだけあれば恐らく大丈夫だと思われるが、もし不足があれば各自で補完して貰いたい。
ゴチルアントの弱点
ここでは、アイアントが起点を作れるかどうか以前の問題であるものを記載する。尚、基本的にはゴチルアントの弱点≒影踏みから脱出できる相手となる。
- ゴーストタイプ・綺麗な脱け殻持ち
ゴーストタイプには影踏みや黒い眼差しでの交代不可状態が効かないという基礎ステータスが存在する。そのためゴチルゼルを出したところであっさりと逃げられてしまう。同様の効果を付与する持ち物・綺麗な脱け殻持ちも同様である。尚、1体倒した後に来た場合は何ら問題はない。
- バトンタッチ・吠える・吹き飛ばし
この3技のうちどれかを持っていた場合、影踏みからの脱出を許してしまう。守るも無意味のため、こちらからはどうすることもできない。因みにゴチルゼルはORASの教え技でマジックコートを覚えるが、吠える・吹き飛ばしを打ってくる相手が怠けにした相手の場合は本末転倒になる。
また、大爆発、癒しの願い、三日月の舞、守るに合わせた跳び膝蹴り&跳び蹴りの自滅でも影踏みから脱出される。(情報提供:スピー他2名)但しこの4つは同時に相手が瀕死になるので、結果オーライといった感じである。そのため弱点とは言えないだろう。
ゴチルアントの3体目
筆者の使用感としては、ゴチルゼルは少なくとも2体、悪くても1と3/4体は持って行ってくれる。となるとラスト1枠に向いているのは、1対1に強いポケモンとなる。
以下、相性の良さそうなポケモンを少しだけ上げる。
- 襷キノガッサ
胞子種ガンマッパでタイマンには滅法強い。だがやっぱりゴーストに微妙に弱いのが難点か。
- 道連れ搭載メガゲンガー
筆者が使用しているポケモン。高い素早さから相手を一気に仕留めにかかり、危なくなったら道連れで力強くで持っていく。道連れ成功時に控えにアイアントが残っていればそれで勝利である。
- メガボーマンダ
こちらは力で強引に捩じ伏せる手段である。アイアントで再び怠けを撒けていれば余程のことが無い限り負けないだろう。
また、メガジュペッタが悪戯心挑発から強制道連れなんていうのも相性が良さそうである。
余談〜超回避毒殺型〜
ここではこの論を執筆している最中に思いついたゴチルゼルの別型を紹介する。運用していない机上論のため、こういうのもありかもな、ぐらいの感覚で見て頂きたい。
図太いHB特化余りS@光の粉
影分身/守る/毒毒/○○
耐久を上げる代わりに相手の攻撃を徹底的に回避し、守るも挟みながら毒殺する型である。Cはほぼ使わないので、低いBのカバーのためHB特化し余りをSに振る。技のラスト1枠は回復手段の眠るか毒の効かない毒と鋼への打点になるめざ地、吠える対策のマジックコートの中から選択になるだろう。裏に毒と鋼に強い地面タイプを据えておきたい。ドリュウズになるだろうか。
コメントについて
この論のコメント欄では、この論に書かれた事についてのコメントのみ受け付ける。もうー方の論について書き込まれている場合は対応しかねるので、ご了承願いたい。この論では書き込まれていないがもうー方の論に書き込まれている、という事もあるため、手間をかけるがきっちり全文読んでからコメントを願いたい。尚、感想コメントについてはどちらの論でも気軽に書き込んで貰って構わない。
編集後記
如何だっただろうか。初投稿でいきなり論を2つセットで出すという蛮行をした訳だが、ゴチルアントの強さを分かってくれる人が一人でもいてくれると幸いである。そしてあわよくば、環境に蔓延して対策されたくないので使わないで欲しい。ここまで弱点を含めて長々と書いておいて今更ではあるが
因みに、ここまでこの戦法を「ゴチルアント」と呼んで来たが、筆者個人としては「アイアルゼル」の方が語呂が良くて好きである。