はじめに
万人に読みやすいよう、なるべく非公式用語は避けていますが、逆にユーザー内で一般化している用語は使用しないと読みづらいと思うのである程度はご容赦ください。
みなさん、鎧の孤島、ようやく解禁されましたね!
ぼくは、「鎧の孤島」と言うタイトルを見た時ある一匹のポケモンを思い浮かべました。
それが今回投稿させていただきましたエアームドでございます!
ご存知エアームドは、第二世代で登場以降、そのぼうぎょに圧倒的に偏ったステータス、優れた耐性を武器に「役割理論の申し子」「物理受けの代名詞」と言っても過言ではない活躍をしてきました。
しかし、第8世代にてまさかのリストラ。
更に新登場した同タイプかつ耐久の高いステータスを誇るアーマーガアがトップメタに君臨すると言う惨状。
長年エアームドを使ってきた身から言わせてみれば物理受けがいない・・・エアームドはよ・・・って言いつつ解禁を待ちたかったですが、致し方なし。
つい熱くなって前置きが長くなりましたが、この育成論は憎きアーマーガアとの比較を初心者の方に向けて最大限わかりやすく明確に行った上で、第8世代もエアームドは戦っていけることをみなさまにお伝えしたく投稿させていただきます!
以下常体にて。
採用理由・差別化
エアームド最大の武器は、前項にもある「物理受け」性能の高さである。
はがね・ひこうタイプは、無効2つ、耐性8つという文句のつけようのない耐久性を持ち、弱点はほのお・でんきのみという特殊寄り気味のタイプに限られると言う物理受けとしてこの上なく優秀なタイプである。
更にエアームドのステータスは、HPこそ若干不安の残る65と低めであるが、ぼうぎょ140と飛び抜けて高い。また、扱える技を見ても「てっぺき」「はねやすめ」と物理を受けきるために欲しい技は一通り揃っている。
上記の点より、エアームドは全ポケモントップクラスの物理受け適性を持つ。
アーマーガアとの比較
さて、本論最大のテーマである物理受け型アーマーガアとの差別化を行う。
エアームド : 65-80-140-40-70-70 アーマーガア : 97-87-105-53-85-67
まず、単純なステータスの比較だが、エアームドはぼうぎょ完全特化、アーマーガアは全体が満遍なく高いことがわかる。
物理受け型で比較する上で最重要である、物理特化時の耐久を指数化する(*1)と、
『エアームド 36292アーマーガア 35260』と言う結果となり、エアームド最大の武器であるぼうぎょの差はギリギリ埋まらなかった。また、ぼうぎょが高いことにより、ボディプレスの威力が高くなる。
こうげきは7アーマーガアの方が高いが、エアームドも第8世代で少し嫌な予感はしていたが期待を裏切らずしっかりボディプレスを習得したため、1ウェポン受け特化だと実質死にステータスとなる場合も少なくない。
特殊耐久においては、アーマーガアにHPとくぼう共に大きく負けている。
ドラパルトだいもんじをはじめとする役割破壊に弱いと言うのは、エアームド登場以来の悩みである。
すばやさは、エアームドが僅かだが早い。アーマーガア抜き調整の低速アタッカーも少なくなく、ハッサムマリルリと言った先制でてっぺきを使いたいポケモンも解禁されているためこの差は大きい。
特性は、エアームドするどいめ・がんじょう・くだけるよろいアーマーガアプレッシャー・きんちょうかん・ミラーアーマーとなっており、どちらも強力な特性を有している。(*2)
アーマーガアのミラーアーマーは、ミミッキュドラパルトギルガルド(ブレード)ダイホロウによる強引な突破を許さず、ギャラドスガオガエンウインディいかくを跳ね返すという圧巻の性能。
一方エアームドのがんじょうも、ドリュウズドサイドンギャロップ(ガラル)つのドリルシザリガーキリキザンハサミギロチンなど、受けサイクルパーティ対策として手軽な一撃技を無効できる(*3)ため、噛み合わせが非常に良い。また、きあいのタスキと同様にHP満タンから1耐える効果も不意の特殊技による役割破壊に対する行動保証となり、発動しないに越したことはないが有用である。
効果が違いすぎるため、一概にどちらが強いとも言い切れない。
最後に覚える技の比較を行う。エアームドのみが覚えられる対戦で使える技は、「ステルスロック」「ふきとばし」「つるぎのまい」「がんせきふうじ」など。特に物理受け型として、受けサイクルでのダメージソースとなる「ステルスロック」、起点回避かつステルスロックと抜群の相性の良さを誇る「ふきとばし」を持つことは非常に大きい。
一方、アーマーガアの「とんぼがえり」「リフレクター」「ひかりのかべ」「おいかぜ」といったサポート力の強い技を覚えられず、受けサイクル以外のパーティだとできることの少なさが露呈される。
以上の比較をまとめると、
エアームド
『アーマーガアを上回る物理耐久だが、特殊面は大敗、物理受けに完全特化した性能』
『より高負荷なボディプレスとステルスロック、ふきとばしを扱える』
と言う点から、安定した特殊受けを採用したサイクル構築にて強さを発揮しやすい。
アーマーガア
『最低限の特殊耐久に加え、特性ミラーアーマーによる圧倒的場持ちの良さ』
『様々なサポート技を覚え、受けプラスアルファの仕事をこなす事ができる』
と言う点にて、特殊耐久と持ち前の場持ちの良さで居座れる対面性能。また、豊富な技を活かしてのサポートもできる応用性から様々なパーティに投入して物理受けとしての枠を超えた活躍をできる高い汎用性が強味と言える。
ちなみに、筆者はバルジーナの例もありどくどくを期待していたが、無事没収されて涙の雨を流したのであった。
(*1)物理耐久指数とは、HPとぼうぎょの実数値の積であり、ポケモンの耐久力の目安となる。こうげきと技の威力の積である[火力指数]を[耐久指数]で割り44を掛けて2を足す(火力指数÷耐久指数×44+2)ことで乱数1.0のダメージ割合がわかる。慣れれば試合中のダメージ計算にも応用でき、初心者の方は是非覚えておくと便利。
(*2)くだけるよろいも、剣舞や弱保アタッカー型では有用だが、本論は飽くまで物理受けとしての比較を行うため無視する。
ステータス・耐久ライン
ずぶとい or わんぱく
実数値 : 172-90〜100-211-×-90-91
基礎ポイント (252-0-252-0-0-4)
物理耐久を可能な限り引き上げたいため特化推奨。
性格は、ずぶといだとイカサマやこんらんによるダメージを軽減できる。
一方、ダイマックスするとボディプレスがダイナックルに変わる為、威力が下がってしまうと言う欠点がある。(ちなみに下降補正でもダイナックルのこうげき上昇まで加味すると一番打ちたいドリュウズへの確定数の変化はない。)
エアームドはダイナックルでこうげきが上がる効果とは相性が悪く、高負荷のボディプレスも失うこととなるが、エアームド繰り出し際に相手物理アタッカーがダイマックスを使った場合、ダイマックスで切り返してターンを枯らす動きをしないと受けきれずサイクルを破壊されるケースがあるため、ダイナックルの威力を意識するのであればわんぱく。
ただ、こうげきが下がらない性格にしたとはいえ、基本的にエアームドのダイマックスは弱い。試合の切り札であるダイマックスを枯らし目的で使って試合に勝てるかを考えてプランニングしていきたい。
一応ドリュウズなどにはダイマックスの一撃技無効を生かせる場面はある。
すばやさ調整に関しては、未だ正式にランクマッチが始まったわけではなく、統計もないため詳細なラインは付けない。しかし、エアームドの耐久を以ってしてもそこまで数字に余裕があるわけではないため、サイクル性能を重視して精々70族抜き抜きくらいまでに留めておくのが今作でもベターだと思われる。
耐久ライン
HP : 172 / ぼうぎょ : 211 / とくぼう : 90
※実数値n ポケモン名 所持アイテム ワザ名 の順で表記
てっぺきは耐久2倍
112マリルリ拘アクアブレイク→乱数2発(44.2-52.9%)
177ギャラドス珠たきのぼり→乱数3発(29.7-34.9%)
177ギャラドス珠ダイストリーム130→乱数2発(45.9-55.2%)
142ミミッキュ珠ゴーストダイブ→確定4発(25.6-32.0%)
142ミミッキュ珠ダイホロウ130→確定3発(38.4-45.3%)
142ウオノラゴンエラがみ→確定2発(56.4-66.9%)
161アイアント珠ダイサンダー120→確定2発(78.5-93.6%)
163エースバーン珠かえんボール→乱数1発(83.1-100.0%)
152パッチラゴンでんげきくちばし→確定1発(119.8-143.0%)
上から、受けが成立する相手→後出しは厳しい相手→対面からなら1発耐えられる相手→即死する相手の順で掲載。
環境トップアタッカーの珠ダイマックス技でやっと中乱数2発で倒せるという超高耐久である。
108ドラパルトだいもんじ→確定2発(59.3-69.8%)
167ドラパルト帯だいもんじ→確定1発(107.6-126.7%)
172ウォッシュロトムボルトチェンジ→乱数1発(88.4-104.8%)
172ウォッシュロトム10まんボルト→確定1発(112.8-133.7%)
一方特殊耐久は、サブウェポンのだいもんじに消し炭にされる有様。
ウォッシュロトムのボルトチェンジで当たりどころが悪ければ即死。
持ち物
ゴツゴツメット
エアームドのメインウェポンとも称されるアイテム。
接触攻撃を受けた際、相手にスリップダメージとしてはかなり大きい1/6ものダメージを与える。つまりエアームドのHPをダメージに変換できる。
これにより、接触技を扱う物理ポケモンに受け出しした際に削りが入り、ボディプレスを打つ隙のないサイクル戦でもダメージソースに困らない。
ボディプレス一本だとミミッキュドラパルトをはじめとしたゴーストタイプに打点が一切ないため採用したい。
鎧の孤島解禁前環境では、エースバーンドリュウズ等、接触攻撃をメインウェポンとしない物理アタッカーが強い環境であり、更にダイマックス技は非接触となるため以前より採用率を落としていた傾向にあった。
鎧の孤島解禁により、マリルリハッサムウーラオス(いちげき)など、接触技をメインウェポンに据えた強力なアタッカーが環境入りする事が目下直前であり、一定の評価は取り戻すと予想される。
たべのこし
ゴツゴツメットを持たせない場合の筆頭候補。
説明不要の耐久型との相性の良さはエアームドでも健在。
回復ソースをはねやすめ以外に得られるメリットは、強気にてっぺきやボディプレスを打ちに行けるなど目に見えない面でも大きい。
他には各種半減実・回復実でてっぺきを積むターンを稼いだりもできるため候補となる。
技構成
物理受け型のため、てっぺき・はねやすめは確定。
アーマーガアとの差別化の観点も含め、最大打点となるボディプレスも確定。
残り1枠が選択となるが、アイアンヘッドやドリルくちばしを搭載するのであれば、アーマーガアの方がこうげきが高く、ビルドアップ等もあるため適性がある。
サイクル重視というエアームドの特徴を十二分に活かせる技を選択したい。
てっぺき 確定
ぼうぎょ2ランクアップ(2倍)。これを搭載しないと珠ダイマックスなどで押し切られる。また、火力を上げる手段を切った物理ポケモンエースバーンウインディを弱点であってもはねやすめ連打が間に合わせる事ができる。
ボディプレスの威力も2倍。
はねやすめ 確定
高速回復技。ないと受けが成立しないため確定。
先行で使うと地面技で抜群を取られるため、カバルドンバンバドロドサイドンなど低速じしん持ちなどの前では要注意。
PPが10しかないのでポイントアップ忘れずに。
ボディプレス 確定
ぼうぎょをこうげきとして計算する相性抜群の技。
アーマーガアよりぼうぎょが35も高いため、火力が一回り高い。
一例 : 後出しされるエースバーン→アーマーガア確定3発(35.5-41.9)エアームド乱数2発(43.9-51.6%)正直ボディプレスがなかったら昆布型以外は下位互換だったかもしれない
第7世代までのエアームドになかった交代先への高負荷をかけられる技で、てっぺきの存在から悠長な積みも許さない。
ダイナックルだとこうげき参照になるため要注意。
185-80ドリュウズ→乱数1発(85.4-101.6%)
155-95エースバーン→乱数2発(43.9-51.6%)
157-130ウォッシュロトム→乱数3発(32.5-38.2%)
167-110サザンドラ→確定2発(69.5-82.6%)
ダイナックル90
185-80ドリュウズ→乱数2発(46.4-55.1%)
ステルスロック 優先度高
受けサイクルパーティなら是非とも搭載したい。
1ターンの消費で永久的なダメージソースを確保できる。
また、エアームド突破用に選出されるほのおタイプに突き刺さる。
ふきとばし 優先度高
パーティに他にステルスロックを扱えるポケモンがいるのであれば採用。
積み技を使わせない起点回避的な使い方は勿論、ステルスロックがあれば交代時に使用してダメージ稼ぎつつ有利対面持続など多種多様。
ダイマックスには無効なので注意。
ちょうはつ 優先度高
70族のすばやさを活かしてカビゴンカバルドンナットレイなど自分より遅い耐久ポケモンの回復やあくびなどを阻害できる。
また、相手の壁貼り展開やトリックルームなどをある程度妨害したり、わるだくみウォッシュロトムトゲキッスなど起点にしにくる相手に交代際に刺せば起点回避も可能。
他に「がんせきふうじ」「すなじごく」「まきびし」など有用な技はあるが、物理受け基本型では採用スペースが足りないため紹介程度に留めておく。
運用・構築
基本的な仕事は、受け切れる物理アタッカーに繰り出し、交代際にボディプレスなどで相手パーティへ負荷をかけて行くこと。特殊アタッカーを失った相手をてっぺきで詰ませること。
立ち回り上の注意点は、『相手のちょうはつ』『ゴーストタイプにゴツゴツメット以外のダメージソースがない』という点。要警戒である。
しっかり論を読んで下さった方ならお分かりの通り間違ってもがんじょうの行動保証にモノを言わせててっぺきボディプレスで全抜きを狙う型ではないので、初心者の方は特に気をつけて運用していただきたい。
初心者にありがちな鉄壁アーマーガアを積みエースと勘違いし、ウォッシュロトムの前で10まんボルト程度なら耐えられると踏んで強引にボディプレスを打つプレイング。受けサイクルを自分で破壊しているようなものである。
耐久型エアームドのダイマックスは前述の通り、基本的に相性が悪く弱い。
ボディプレスがダイナックルになりぼうぎょ参照効果がなくなり、技の半数以上をダイウォールにしてしまうためである。
基本的には受けサイクルでは、エアームドではなくダイマックスしても強いハピナスポリゴン2カビゴンバンギラスなどに切れるようにプランニングしていくべきである。
ステータスの項で少し触れたが、ダイマックスすれば一撃技を無効できるため、かたやぶりドリュウズオノノクスなどによる「がんじょう対策対策」となることは頭に入れておきたい。
カビゴンマリルリドリュウズミミッキュカバルドンヒヒダルマ(ガラル)ゴリランダーハッサムギャラドスウーラオス(いちげき)ヘラクロスバンギラスルカリオオノノクスホルード
→ランクマッチ上位+環境入りが予想される新規解禁ポケモンの中で一般的な型であれば大体後出しから受け切れるorボディプレスで打ち勝てる相手。(交代読み役割破壊技等以外)
相性の良い味方
ラッキー
最強の特殊受け。エアームドと一貫する弱点がなく、極端に物理に弱いという最大の欠点を補い合える。最早特殊版エアームド。ステルスロックを覚えるため、ふきとばしを採用して昆布戦法で荒らせる。ラキムドーは現環境でも恐らく通用する。
ハピナス
ラッキーの進化系。今作よりてんのめぐみトライアタックという犯罪技を手にし、ラッキーがどくどくを没収されたことから遂行スピードが大きく落ちたため、パワーのあるハピナスと組ませる意義は大きい。
バンギラス
弱点こそ目立つものの、特殊潰しとしてまだまだ現役。ボディプレスの習得によって、削りスピードが大幅に早くなったため、回復ソースがたべのこししか無いという最大の欠点をある程度カバーできるようになった。受けサイクルだとダイマックスを切れるポケモンが限られてくるので、そういった面でも打って付け。
カビゴン
あついしぼうならウルガモスやリザードンを止められる。ダイマックス前提のとつげきチョッキも採用可能。こうげきが高く遂行スピードが早い点、ステルスロックと相性の良いあくびを扱える点はラッキーにはない長所。
ドヒドイデ
でんきの一貫こそ作ってしまうものの、ほのおに強く、ドヒドイデの弱点を狙うエスパーじめんにはエアームドが出ていけるため相性補完は抜群。
おわりに
アーマーガアに物理耐久負けてなくてよかったとホッとしてたら、ボディプレスが結構エゲツない威力であることが判明しすぐに育成しました...^^;
まだランクマッチでは解禁されていないため、環境がどうなるか不安定ではありますが、確実に受けサイクルパーティは一定以上の流行を見せると思います!
是非、エアームドを採用してください!
これで論を終わります!