どうもこんにちは。むちころ犬です。
投稿もこれで9回目、今回ご紹介するのは著者が個人的にポケモン界一かわいいと信じて止まないナマコブシです。
自発的な攻撃技を一切持たないというタイトルに反した非武装の化身(かわいい)のような特徴を持つため、ソーナンスのように立ち回りに一癖二癖あるポケモンですが、独特の面白味が伝わればと思っています。
愛くるし過ぎる見た目故にいつもとは論のテイストが若干違いますが、最後までお付き合い下さい。
注…習得技の数や種族値の性質上、他の方のナマコブシの育成論と重複する部分があるかと思います。
今回考察するにあたり「いたみわけ」をコンセプトにしている育成論がなかったのでフォーク投稿とはしませんでした。予め御了承下さい。
💣ナマコ爆弾戦術って?💣
タイトルにもなっているナマコ爆弾ですが、これはナマコブシの専用特性「とびだすなかみ」の効果である、「相手の攻撃で倒された時、残っていたHP分のダメージを相手に能える」を活用した戦術です。
「いたみわけ」によって常に自身のHPと相手のHPが同じになるように立ち回り、多くの相手に1対1交換を強要します。
「とびだすなかみ」が「みがわり」貫通、無属性(ノーマルではなく設定がない)、自動発動である事から、一度HPが同値以下となった時点で後述するダイマックス以外で止めるのが非常に困難になります。 両手を広げて非武装を唱いながらも、実は腰に爆弾を巻いている最もやっかいなヤツです。
もう一つの特性である「てんねん」の存在が相手の積み技による強引な突破を多少抑制してくれる事もあり、「どくどく」と「じこさいせい」を併用すれば普通の物理受けとしても最低限機能するので、今回はこれらをいかし、1*サイクル構築、2*対面構築の両方に適正がある『物理受け+ナマコ爆弾の両立』をコンセプトとします。
1*「物理受け」や「特殊受け」などポケモン事に明確な「役割」を持たせ、役割対象に応じて交換を行いながらパーティ全体で戦う最もオーソドックスなパーティ。
2*サイクル構築とは対象的に役割を重視せず、1匹が1匹を倒す事を目標に、広範囲&高火力のポケモンで構築された並び。耐久は「きあいのタスキ」や「がんじょう」「ばけのかわ」等の行動保証アイテムや特性で補い、ターンを消費する交換を極力行わずに、手数と火力で攻める短期決戦型のパーティ。
物理受けの役目を付与する事で、「爆弾型」として見れば単なる1対1交換以上の成果を期待出来ると共に、「物理受け」として見れば突破されそうになった時に相討ちに出来うる保険があるため、一見すると「早く倒されたい爆弾型」「倒されたくない物理受け」と両コンセプトは相反するように見えますが、実のところ全く問題なく共存可能です。
採用理由と役割
前述のように基本は1対1交換を強要する💣爆弾もとい物理受けです。
サイクル構築では勿論ですが、本来交換戦を拒否する対面構築でも、初手の出し負けを強引にリセットし、広範囲に1対1交換を強要出来るため採用が可能になります。性質上明確な「受け」を用意しにくい対面構築では意外にもナマコブシは貴重な存在で、この性質からアイデンティティ自体はサイクル構築より対面構築の方が強いと言えます。
選出画面や場に出た時点では特性が割れないため、「じこさいせい」を主軸に立ち回ると相手の積み技をある程度抑制出来ます。(基本的に「いたみわけ」を使った時点で「とびだすなかみ」型である事がバレます)
相手の知識を逆手に取るため上級者には刺さりますが、そもそもナマコブシを知らない層には積み抑制効果は全く期待出来ません。
場に出すと殺伐とした対戦環境に癒しを与えてくれます。
「いたみわけ」の仕様について
持ち物や技の考察に移る前に、この論の根幹となる「いたみわけ」について、ダイマックスの登場で仕様がややこしくなったため詳しく記載します。
基本的な効果は『(自分の現HP+相手の現HP)÷2端数切り捨てを両者のHPにする』というもので、通常時は両者のHPは必ず同じになります。
ただ相手側がダイマックス状態だと『自分のHP+相手ダイマックス前のHP÷2』が自分のHP、相手側は「いたみわけ」によって増減したHPをそのままDM時の現HP から増減した数値が現HPとなります。
文章で説明すると非常に分かりにくいですね。
例えば、HP100のナマコブシとHP400(元200)のDMドサイドンで例えると、
ナマコブシのHPは(100+200)÷2で150となりますが、ドサイドンはこれによって元となる200のHPから減った50がDM状態のHP400から直接マイナスされ、400―50で350となります。現HPは勿論ですが、元のHPに換算しても175になるので両者のHPは同じにはなりません。
痛み分けとは…!?
このようにDM時に「いたみわけ」が機能不全を起こす事から、ナマコブシは対ダイマックスを苦手とする一面があります。
先のドサイドンを例に上げると、仮に次のターンにナマコブシが倒されたとしても与えるダメージは150止まり。先の「いたみわけ」と合わせても半分しか削れません。
この場合は「半分のダメージとダイマターンを2ターン削った」と割りきって試合を進めて下さい。
最も、実際は「じこさいせい」と後述する「アッキのみ」や「たべのこし」よってダイマックスが枯れるまで粘れたり、その後道連れに出来る事もそれなりにあります。
やれば出来る子なんです。
特性
とびだすなかみ
コンセプト上確定です。
「自身が倒れた時に残っていたHPと同値のダメージ」を与えます。冒頭でも触れましたが、この特性は「みがわり」や「ばけのかわ」「アイスフェイス」貫通+属性なし+自動発動、加えて特性の発動タイミングの仕様上「かたやぶり」でさえ貫けないので、一般的なアタッカーがこの特性の発動を阻止したり、また無効化する事は非常に困難です。(毒や天候などの相手が直接干渉しないダメージ、または変化技で瀕死となった場合は発動しません)
連続技に関しても1発目が当たった時点のHPを参照にするようで、「カウンター」のように最後の1発しか返せないとはならず、反射性能に関して全く隙がありません。
相手と自分のHPを同値にする「いたみわけ」とは凶悪なシナジーを発揮します。
持ち物
アッキのみorたべのけし
「たべのこし」は物理受けとして最もオーソドックスで、単純に場持ちがよくなり、また天候ダメージの相殺によって相手を「とびだすなかみ」で削りきれないリスクを軽減します。一応、数は少ないですが最大HP162以下のポケモンが「たべのこし」を持っていた場合も対応可能です。
一方「アッキのみ」はBの数値を底上げし、物理受けとしての機能上昇を狙います。この場合相手DMに対して直接受け出し、「じこさいせい」を連打する事でDMを枯らした後に交代を誘発させ、出てきた後続を道連れに爆散する動きも可能になります。
試合中何度も交換するサイクル構築なら「たべのこし」が、基本的に交換をしない対面構築なら「アッキのみ」がそれぞれ相性がいいですが、迷うようなら対物理DMに粘りやすい「アッキのみ」をおすすめします。
この論でもナマコブシの独自性(対面構築での物理受け起用)に焦点を当て、特に記載がない限り「アッキのみ」を前提とします。
木の実をモシャモシャするナマコに癒されて下さい。
性格・努力値と調整
ずぶとい
攻撃技がなく、5という絶望的なSであるためBが上昇するなら「のんき」等でもほぼ影響はありません。
一応「イカサマ」ダメージの低下を見越して「ずぶとい」としていますが、「とびだすなかみ」を踏まえるとダメージ上昇も一概にデメリットとは言えないため(それでもイカサマで削り殺される事はまずないですが)お好みでも問題ありません。
HB252余りD
Hは振りきる事で無振り87属までは「いたみわけ」なしでも確1を取られれば相討ちに出来ます。ただその筆頭であるパッチラゴンの種族値が90と惜しくも削りきれないのがマイナスポイントです。
BとDの種族値が同じであるため、「タラブのみ」を利用して特殊受けもこなせます。今回は物理重視の環境を考慮してBを優先していますが、環境次第でDを厚くする事も吝かではありません。
技構成
確定技
いたみわけ
メインウェポンです。
削りと回復を同時にこなすため、1ターンで被ダメージをリカバリーしつつ相手を「とびだすなかみ」での道連れ圏内に放り込めます。
「みがわり」とDMを考慮しなければ、基本的にはこれを1度打てば相討ちが約束されます。
(アッキ型では天候ダメージは考慮して下さい)
凶悪なのは同じような運用になる他ポケモンの「いのちがけ」と比較した時、発動が相手依存でタイムラグこそありますが、相手のHPに左右されないためより確実で、尚且つ「いたみわけ」発動時点ではこちらが何のリスクも負っていない事です。
ノーマル技ですがゴーストにも有効であるため、実質無効タイプもありません。
変化技を使ってやり過ごそうとする不届き者には、後述する「どくどく」で無理矢理動かして下さい。
じこさいせい
物理受けの役割を遂行するために必要です。
基本的に一度「いたみわけ」で相手のHPを同値にした後はこちらを優先して押すことになります。
対DMに対して粘る際にも必須です。
どくどく
物理受けとしての遂行技、かつ「いたみわけ」を見せた後動きが鈍った相手に対して行動を強制させる役目があります。
再生回復を備える耐久型ポケモンに関しては、「いたみわけ」よりも遥かに効果的です。
選択技
カウンターorミラーコート
反射技です。
発動機会はやや限定的で、『対ダイマックスに置いて相手からの攻撃で最大HPの7割以上削られる場合』のみ選択枝に入ります。
対面想定でダメージ割合が最大65%未満なら、「じこさいせい」を連打する事でダイマックスを枯らした方が展開として有利です。(HP100%−65+50−65+50−65+50=55%)
通常時ならいうまでもなく「いたみわけ」の方が低リスクで役目を果たせます。
Dが薄いこの型だと、どちらかと言えばミラーコートの方が発動機会があります。
リフレクターorひかりのかべ
味方サポート技になります。
強い技ではあるものの、基本的にあまり押す機会はありません。
みずびたし
鋼タイプに毒を入れるために採用します。
相手の一致をなくして火力を削ぐ意味もありますが、あくまで副次的な効果でそのためだけにこの技を選択する事はあまりありません。
いえき
かなりピンポイントな技ですが、「どくどく」もとびだすなかみも効かない特性マジックガードに対する唯一の対抗手段になります。
マジックガードピクシーの採用率によっては、「ミラーコート」の代わりに採用する事もあるかもしれません。
立ち回り例
基本となる動き型は2パターンあり、受け出し→「じこさいせい」→「どくどく」または、受け出し→「いたみわけ」→「じこさいせい」です。
言うまでもなく前者は物理受け重視、後者は自爆テロもとい道連れを優先する立ち回りです。
相手DMの存在から、受け出した際「じこさいせい」から入る方が序盤は安定するかと思います。
優先すべきは1対1交換、それ以上は可能であれば行うといった方向性で扱うのがベストかと思います。
与ダメージ計算
攻撃技を覚えないため、与ダメ計算はありません。
被ダメージ計算
イメージ的には通常時は特化カバルドンの0.85倍、「アッキのみ」発同時は同カバルドンの約1.25倍の固さとなります。
()内は「アッキのみ」発動時
対物理
A252ウーラオス(いちげき)
インファイト…39%〜46%(26%〜32%)
あんこくきょうだ…40%〜47%
すいりゅうれんだ…6.8%〜8% 1発あたり
A252ヒヒダルマ(ガラル)(ごりむちゅう)
つららおとし…21%〜25%(14%〜17%)
とんぼがえり…24%〜28%(16%〜19%)
ばかぢから…41%〜48%(27%〜31%)
特化ドサイドン
じしん…37%〜45%(25%〜30%)
ロックブラスト(1発あたり}…10%〜11.7%(6.2%〜8%)
特化ハッサム(テクニシャン)
バレットパンチ…11%〜13%(7%〜9%)
とんぼ返り…25%〜30%(17%〜20%)
ダブルウイング…28%〜34%(19%〜23%)
特化マリルリ(ちからもち)
じゃれつく…36%〜43%(24%〜28%)
たきのぼり…15%〜19%(11%〜13%)
特化ギルガルド(シールド)
シャドークロー…26%〜31%(17%〜21%)
インファイト…30%〜35%(20%〜24%)
特化ホルード(ちからもち)
じしん…41%〜49%(29%〜33%)
ギガインパクト…62%〜73%(41%〜49%)
ワイルドボルト…49%〜59%(35%〜41%)
特化カビゴン
のしかかり…27%〜32%(19%22%)
かみなりパンチ…32%〜38%(21%〜26%)
無振りナットレイ
パワーウィップ…49%〜59%(33%41%)
A252パッチラゴン
でんげきくちばし…148%〜176%
げきりん…52%〜63%
物理方面は相手の強化アイテムやDMを考慮しなければ「たべのこし」でもほとんど回復が間に合います。
「アッキのみ」があると、積み技のないDMに関しては「じこさいせい」連打で枯らせる場面も多くなります。
対特殊
特化FCロトム
10まんボルト …72%〜84%
オーバーヒート…26%〜31%
リーフストーム…104%〜123%
特化アシレーヌ
うたかたのアリア…20%〜24%
ムーンフォース…43%〜52%
C252サザンドラ
りゅうせいぐん…54%〜64%
あくのはどう…33%〜40%
C252ポリゴンZ(てきおうりょく)
トライアタック…47%〜56%
10まんボルト…53%〜63%
相性の良い味方
ドサイドンドサイドン
草が一貫していますが、優秀なHB種族値と「ハードロック」による強い行動保証、技範囲によりサイクル構築、対面構築両方に適正があるポケモンです。
ナマコブシが苦手とするDMパッチラゴンを抑えてくれれるため頼れる相棒になれます。
草が一貫すると書きましたが、最近流行りのカットロトムに関しては、ドサイドンに打ち込んできた「リーフストーム」に💣ナマコブシを後投げすると、相手がHP振りでも「とびだすなかみ」で道連れが可能です。これは比較的狙いやすく、かつ決まればドサイドンの高い一貫性を押し付けるチャンスが生まれます。
ファイアローファイアロー
こちらは電気が一貫していますが、「とびだすなかみ」で削りきれなかった相手に対し、先制飛行技でトドメを刺しに行けるため相性は良好です。
プレイングが非常に難しいですが、こちらはパッチラゴンの「でんげきくちばし」に💣ナマコブシを後投げ、「とびだすなかみ」で98%のHPを削った後、ファイアローの先制飛行でトドメというトリッキーな動きが一応可能です。 (上記のカットロトムに比べてパッチラゴンが対面で取れる選択肢が多いため、狙ってやるのはかなりリスキーです)
…扱い方がまるで手榴弾のようです。
あくまで爆弾としての使用例である事はご理解下さい。
このポケモンの弱点
攻撃技を持たないという性質上「ちょうはつ」で完全に機能停止します。(変化技の「いたみわけ」じゃなく攻撃技の「がむしゃら」が欲しい…モゾモゾがんばるナマコブシが見たかった)
「ダイナックル」や積み技で火力が上がったDMも、冒頭で説明したように「いたみわけ」が機能不全を起こすため苦手とします。
その他、以下の3点の内2つ以上を同時に満たすポケモンに対しては、型を問わずナマコブシは不利を取ります。
1、「毒」タイプ
2、再生回復持ちで攻撃をほぼ行わない
3、「どくどく」持ち
特に3点全てを満たすドヒドイデはナマコブシにとって天敵と言えます。
「みがわり」持ちに対する対抗策について
「みがわり」はほぼ全てのポケモンが覚えるため、所持傾向の違いはあれど、実際の対戦下ではどこから撃たれるか分かりません。
ナマコブシの「がむしゃら」に合わせるように「みがわり」を展開された場合の対処法は以下のようになります。
1、選出時、控えに音技、もしくは特性「すりぬけ」を持つポケモンを仕込んでおく。
2、「みがわり」所持傾向の高いポケモンにメタを張り、そのポケモンに完全に有利を取れるポケモンを仕込んでおく
3、HP215以下(みがわり使用時にHPが162以下になる)の場合、ナマコブシでひたすら粘り続ける。
現実的なのは1と2ですが、3も場合によっては同士討ち、もしくは時間切れを狙える事もあるので、頭の片隅に置いておくといいかもしれません。
おわりに
いかがだったでしょうか。
環境で見かける事がないナマコブシですが、少しでもその魅力に触れて貰える切っ掛けになればと思っています。
いつもと違うテイストでの紹介でしたが、お付き合い頂きありがとうございました。アラヨット( ・_・)ノΞ💣