はじめに
- 今世代でもお世話になります。
- 今作から対戦を始めたという方の為に、易しめの言葉を用い、適宜解説を挟んでいます。上級者の方は破線で囲まれたエリアを読み飛ばしてください。
- 可能な限り全てのコメに対応いたしますが、規約違反コメ・挑発及びそれに乗せられたコメ等は無予告削除します。挑発は耐久ポケモンに撃ちましょう。
特長バルジーナ
- 耐久が高い
HP・防御・特防のいずれも高水準の数値を持っており、相手のアタッカーに対しての切り返しとなります。技「羽休め」を習得するので体力が減っても大丈夫です。
その反面攻撃力と素早さは低いですが、攻撃に関しては技「イカサマ」で、素早さに関しては特性「砕ける鎧」で、それぞれ補っています。
ただし、ダイマックス(以下「DM」と略します)状態のポケモンを無理やり受けられるほどの数値を持つわけではありません。丁寧に扱わないとあっさりやられてしまいます。
- 特性により素早さを高められる
砕ける鎧は「物理技を受けた時、防御が1段階下降する代わりに素早さが2段階上昇する」という効果の特性です。
これにより、「相手の物理アタッカーに後出し、高い耐久を活かして攻撃を受け、特性を発動させて次のターンに先手を取って行動する」ことが可能となります。
なお、受けを役割とするポケモンにとって防御低下は致命傷ですが、持ち物「白いハーブ」でのリセットに加え、技「鉄壁」を次のターンに先行使用して耐久を高めることで、これを解決します。
仮想敵
「バルジーナにタイプ一致弱点を突けない物理アタッカー」全般を意識します。
メジャーなポケモンを挙げますとギャラドスドリュウズドラパルトギルガルド(シールド)ゴリランダーエースバーンなどです。後続ポケモンとの連携次第ではミミッキュにも対処できる可能性があります。
各種データ
HP・攻撃・防御・特攻・特防・素早さを順に「HABCDS」と表記しています。
〇性 格:わんぱく(B↑C↓)
〇特 性:くだけるよろい
〇努力値:H252 B180 S76
〇実数値:H217 A85 B162 C* D115 S110
〇持ち物:しろいハーブ
〇技構成:[イカサマ/はねやすめ/てっぺき/@1]
- 性格について
物理攻撃技を採用するならわんぱく、しないなら混乱状態での自傷ダメージ低下の為にずぶとい(B↑A↓)を選択します。
またDM状態でイカサマを撃つことを考えるなら、攻撃技をイカサマのみとする場合でも腕白を推奨します。
- 努力値について
素早さは、砕ける鎧発動後1段階上昇最速81族ギャラドス抜きです。これにより、相手のギャラドスが竜の舞又はダイジェットを使用したとしても、追加で素早さを上げられない限り鎧発動後バルジーナが先手を取れることになります。
総合耐久を重視してHPに極振りし、余りを全て防御へ注ぎ込みました。
- 持ち物について
物理受けバルジーナといえばゴツゴツメットですが、今回は砕ける鎧のデメリットを一度だけ克服できる点・ミミッキュのDMシャドークローを受けた際に防御低下を抑えられる点を評価して白いハーブを採用しました。
威嚇に対して発動してしまうので、ギャラドスと対面して無駄に消費しないよう注意が必要です。また叩き落とすに対しては発動しません。
- 技について
メイン攻撃技であるイカサマ、受けを成立させる為の回復技である羽休め、下がった防御を補填する為の技である鉄壁、以上三つを確定とします。
残り一枠は選択肢が多いため、以下の項目でずらっと並べます。
技
- イカサマ
メインウェポンです。攻撃力を上昇させた相手(竜舞ギャラドスドラパルト)を迅速に処理する為に必要です。
竜の舞等で自身の能力を上昇させる行為を「積む」と言い、積んで相手をなぎ倒していくポケモンを「積みエース」「積みポケモン」などと言います。このバルジーナも砕ける鎧と鉄壁で能力を上げますが、相手をなぎ倒す為ではなく受ける為の上昇ですので、「積みエース」にはあたりません。ポケモン用語って難しいですよね。
イカサマのダメージ計算式は独特のものですので、ここで解説しておきます。
【想定】バルジーナ攻撃実数値X vs. 攻撃実数値Yギャラドス@命の珠
A.ギャラドスの「たきのぼり」のダメージ計算
→技威力80 x 攻撃最終実数値(Y) x タイプ一致補正1.5(水タイプ) x 持ち物補正1.3(命の珠) = <最終結果>
一般的な攻撃の場合がこれです。
この「攻撃最終実数値」とは、通常の状態での攻撃実数値(ギャラドスの場合はY)に能力変化補正をかけた数値を指します。
竜の舞や威嚇等で能力ランクに変化がある場合は直接実数値に反映されます。
今回のケースでは能力上昇は無いので攻撃最終実数値はYのままですが、例えばギャラドスの攻撃が竜の舞により1段階上昇していた場合、Yに1.5を乗算した数値が攻撃最終実数値として扱われるわけです。
さて、イカサマの効果は「計算時、イカサマの使用者ではなく相手方の"攻撃最終実数値"を参照する」。
式に表すとこういうことです。
B.バルジーナの「イカサマ」のダメージ計算
→技威力95 x 攻撃最終実数値(Y) x タイプ一致補正1.5(悪タイプ) x 持ち物補正1.0 = <最終結果>
イカサマの技説明文にある「相手の攻撃が高いほど与えるダメージが大きくなる」というのはこういうことです。
また注意して頂きたいのが、相手の「攻撃実数値」ではなく「攻撃最終実数値」を参照してダメージを算出している点。つまり、相手の攻撃ランクが上昇していれば、イカサマのダメージも多くなるわけです。逆にイカサマ使用者の攻撃ランクは参照されないので、バルジーナがギャラドスから威嚇を受けていようとイカサマのダメージは変わらない、ということになります。
イカサマの説明は以上です。
- はねやすめ
羽休めの効果に「使ったターンは飛行タイプが消滅する」というものがあります。バルジーナが羽休めを使った場合、そのターンだけバルジーナは悪単タイプとなるので、ギャラドスのストーンエッジなどで弱点を突かれません。逆にドラパルトのとんぼ返りなどは抜群になってしまうので注意が必要です。
なおバルジーナの羽休めは「タマゴ技」です。「羽休め」を覚えた別のポケモンから遺伝させなければ習得することができません。
一度羽休めを覚えたバルチャイバルチャイを作ってしまえば後は勝手に引き継がれますので、ホーホーホーホーあたりから適当に遺伝させましょう。
- てっぺき
砕ける鎧とあわせて実質1段階の上昇にはなってしまいますが、複数回使うことで相手を詰められる強力な技です。
- 候補技
上にあるものほどお勧めです。基本は上三つのどれかでいいと思われます。
とんぼがえり
相手がバルジーナを突破できないのでバルジーナを倒せるポケモンへ交代するであろうと予測できる場合に、相手の交代先を見てから自分の交代先を選ぶ為に使います。ミミッキュの特性「化けの皮」の効力を失わせつつ交代できる点も非常に優秀。
そらをとぶ
相手のDMターンを枯らす為に使います。ダイナックルやダイホロウを避けることで自身への負担を減らすことも可能。
はたきおとす
相手の妨害になる上、命の珠等を破棄させれば受けを成立させ易くできます。
ちょうはつ
相手の積み技を封じる為に使いますが、砕ける鎧発動前は遅いのでやや即効性に欠けます。
どくどく
羽休めと併せて相手を削り倒しに行けますが、特性のせいで勝手に防御が下がるのでややミスマッチな気も。
にほんばれ
雨状態の水タイプ物理アタッカーへの受けを容易にできますが、いかんせんピンポイント気味です。
各論
上の方では軽く運用に触れたのみですので、以下で数字を交えつつ各ポケモンへの立ち回りを考察していきます。
なお、ダメージ計算においては「%」を省略しています。
- vs.ギャラドスギャラドス(性格陽気/攻撃252振り/命の珠)
【ダメージ計算】
ギャラドス→バルジーナ
たきのぼり 30.4-35.9/乱数3(27.8%)
ストーンエッジ 50.2-59.9/確定2
DMたきのぼり 48.3-57.6/乱数2(91%)
DMストーンエッジ 95.8-113.8/乱数1(75%)
DM雨たきのぼり 72.3-86.1/確定2
+1イカサマ 84.2-98.8/確定2
バルジーナに交代したタイミングでギャラドス竜の舞→次のターンに先制DMストーンエッジ、又は珠DM氷の牙+霰ダメージが何もできずに倒されるパターンです。
このパターンは想定しても仕方ないので考慮しません。実戦ではギャラドスに手も足も出ないポケモンを選出しないなどして、相手の竜の舞を許さないプレイングを心掛けて回避してください。
以下ではバルジーナへのギャラドスの最高打点がDM滝登りであることを前提に話を進めます。
【立ち回り】
〇「白いハーブを消費済み」かつ「相手の持ち物が命の珠」かつ「交代際にDM滝登りを被弾した」場合
鉄壁を使っても次の攻撃を耐えません。イカサマ+珠ダメージで削り、後続の先制技で仕留める必要があります。
〇「白いハーブを消費済み」かつ「相手の持ち物が命の珠でない」かつ「交代際にDM滝登りを被弾した」場合
DM滝登り+雨状態DM滝登り連打が最大ダメージですが、これは鉄壁→羽休めで97%以上の確率(具体的には3979/4096の確率)で受かります。DMを枯らしてから鉄壁+羽休めで詰めに行きましょう。
〇「白いハーブを消費済み」かつ「交代際に竜の舞を積まれた」場合
DM滝登り被弾→鉄壁→先制羽休め→雨状態DM滝登りという流れになり、相手の持ち物次第です。
相手の持ち物が命の珠だと不利な乱数勝負ですので、珠が判明したらイカサマで削るのがベストでしょう。
火力強化が無ければ鉄壁→羽休めで2発までは受けられますが、日本晴れが無ければ3発目を受けられないので、受けきりたいのであればこちらもDMを切ってダイウォールで凌ぐ必要があります。
〇「白いハーブを消費していない」かつ「交代際にDM滝登りを被弾した」場合
鉄壁で次の珠DMストーンエッジすら余裕を持って耐えます。相手の最高打点の圏内に入らないよう羽休めを使いながら鉄壁を積み、DMを枯らして詰めましょう。
〇「白いハーブを消費していない」かつ「交代際に竜の舞を積まれた」場合
DM滝登り被弾→鉄壁→羽休め→雨状態DM滝登りという流れになりますが、相手の持ち物が珠だろうと余裕で受かります。DMを枯らして詰めてください。
- vs.ドラパルトドラパルト(性格陽気/攻撃252振り/持ち物命の珠)
【ダメージ計算】
ドラパルト→バルジーナ
ドラゴンアロー 26.7-32.2(1発分)
DMドラゴンアロー 46.5-55.7/乱数2(69.5%)
竜舞DMドラゴンアロー 70.5-83.4/確定2
バルジーナ→ドラパルト
イカサマ 119.0-141.1/確定1
DM状態に対しイカサマ 84.2-98.8/確定2
DM状態に対しDMイカサマ 79.0-93.4/確定2
【立ち回り】
バルジーナが瞬間的に最も多くダメージを受けるパターンは、交代際竜の舞→次のターンにDMを切られてからのドラゴンアロー2連です。
ギャラドスと違ってドラパルトは非常に素早いので、砕ける鎧1回では竜の舞を積んだ状態のドラパルトには先制を取られてしまいます。基本の動きである「一度攻撃を受けてから鉄壁→先行羽休めで受け」が通用しないわけです。
交代際に竜の舞を積まれないように心がけるしかありません。
DMを切られるとイカサマを耐えられてしまいます。DMを切られた場合はこちらもDMで耐久を上げてダイウォールで凌ぐか、バルジーナを時間稼ぎと割り切ってイカサマで削って後続に任せるのが賢明です。
なお、ドラゴンアローのような物理複数回攻撃を受けますと、被弾するたびに砕ける鎧が発動します。ドラゴンアロー1回で最速スカーフドラパルトを抜くことができます。
ドラパルト自体が非常にパワーの高いポケモンですので、バルジーナ単騎でDMを切らずに対応するのはどうしても困難です。が、少なくとも竜の舞以外には後出しできると考えれば、現環境での対ドラパルト性能は相対的に見れば高いと言えるでしょう。
- vs.ドリュウズドリュウズ(性格意地っ張り/攻撃252振り)
【ダメージ計算】
ドリュウズ→バルジーナ
アイアンヘッド 26.7-31.7/確定4
いわなだれ 33.1-39.6/乱数3(99.8%)
DMいわなだれ 57.1-68.2/確定2
【立ち回り】
バルジーナ交代際にドリュウズ剣舞→次のターンにDM岩雪崩、そしてバルジーナ交代際にDM岩雪崩→ドリュウズすなかき発動→バルジーナ先手を取れずDM岩雪崩で落ち、が負けパターンです。地震かアイアンヘッドに繰り出せば安全に対処できますし、そもそもバルジーナが先手を取れる状態ならば、羽休めの効果で岩雪崩も全く怖くありません。
つのドリル?知らんな
- vs.ミミッキュミミッキュ(性格意地っ張り/攻撃252振り)
【ダメージ計算】
ミミッキュ→バルジーナ
珠じゃれつく 61.2-71.8/確定2
珠DMじゃれつく 86.1-101.8/乱数1(12.5%)
DM剣舞状態に対しイカサマ 64.1-75.5/確定2
【立ち回り】
バルジーナ交代際にミミッキュ剣舞→次のターンにDMじゃれつくで何もできずにやられます。
シャドークローか影撃ちに繰り出せれば剣舞と鉄壁の積み合いとなり勝てる可能性も出てきます。やや現実的ではないように見えますが、例えばウインディなどと組めばこの動きが可能になります。
- その他ダメージ計算
ゴリランダー(意地/A252)アームハンマー 20.7-24.8/確定5
エースバーン(陽気/A252)かえんボール 32.2-38.7/乱数3(98%)
ヒヒダルマ(ガラル)(陽気/A252)つららおとし 78.3-94.0/確定2
オノノクス(陽気/A252)げきりん 38.7-45.6
ウオノラゴン(意地/A252/頑丈顎/先攻)エラがみ 64.0-76.0/確定2
ゴリランダーエースバーンらは高火力格闘技を所持しているため、羽休めのタイミングには注意が必要です(羽休めを使うと格闘抜群になるので)。
ヒヒダルマ(ガラル)は拘りスカーフ以外ならば氷柱落とし耐え→先制イカサマで削りを入れられますが、火力強化アイテムやDMの存在を考えると相手しない方がよいでしょう。
相性のいい味方
- ウインディウインディ【育成論ソードシールド/38】
威嚇と組み合わせてバルジーナの受けをより堅固にでき、バルジーナの役割対象であるギャラドスを誘いつつ万が一バルジーナが討ち漏らした場合も神速で絡め取れます。
さらにミミッキュ対面ではバルジーナが半減できるゴースト技を撃たせることができたり、逆にゴースト技にバルジーナ繰り出し→先行蜻蛉返りからウインディ再降臨→じゃれつくを半減で受けてフレアドライブで処理、というルートを取れたりもします。
ミミッキュギャラドスに隙を見せないために陽気ASベース@命の珠でフレアドライブ/神速/ワイルドボルト/攻撃技のような構成にするとよいでしょう。珠が余っていない場合は陽気HS@木炭の鬼火型なんかでもいいかもしれません。
リンクはHS木炭型です。
- ドラパルトドラパルト
バルジーナが相手のDMエースに対して時間を稼いだところに降臨させ、カウンターDMで相手を蹂躙する動きが強力です。蜻蛉返りでミミッキュの皮を剥がせるのもいいですが、じゃれつくの一貫があるので注意が必要です。
バルジーナが隙を見せるウォッシュロトムを起点にできる点も好相性。
普通に竜舞型とかでいいと思いますが、私は陽気HSベース@弱点保険でドラゴンアロー/ゴーストダイブ/不意打ち/高速移動とかいう変態型を使っています。
以上です。