はじめにナマコブシ
ナマコブシの基本的な運用、能力値についてはフォーク元に分かりやすくまとめてあるのでそちらを参考にされたし。
本論では第8世代における環境の変化、他のポケモンとの比較を、私がナマコブシを選ぶに至った経緯を交えて考察していこうと思う。
ナマコブシナマコブシの特徴
・相手の積み技を無効化するてんねん
・長期戦で優秀なダメージソースになるどくどく
・自身の耐久を高めつつ後続サポートもできるリフレクター、ひかりのかべ
・火力減衰、毒無効の無効化が期待できるみずびたし
・サイクル戦に強いバトンタッチ
・ちょうはつで詰まずに突破できるカウンター
他の物理受けポケモンとの比較
安定回復技を持つ物理受けポケモンの長所、短所を列挙する。
タイプ相性については省略する。
- アーマーガアアーマーガア
・積み技を受けやすいてっぺき
・受け性能を高めつつ火力も高められるビルドアップ
・自身の耐久を高めつつ後続サポも可能なリフレクター、ひかりのかべ
・サイクル戦に強いとんぼがえり
・相手の受けポケモン、積み技を崩すちょうはつ
・いかく、ダイマックスの追加効果を跳ね返すミラーアーマー
・どくどく、砂嵐無効
- バルジーナバルジーナ
・相手の受けポケモン、積み技を崩すちょうはつ(そこそこの素早さで上から撃ちやすい)
・積み技を受けやすいてっぺき
・サイクル戦に強いとんぼがえり、ふきとばし
・ぼうじんで砂嵐と霰無効、はとむねで防御低下無効、くだけるよろいで素早さ操作
・高速の役割遂行が可能なイカサマ
- サニーゴ(輝石)サニーゴ(ガラル)
・物理耐久、特殊耐久ともに高水準
・相手依存だがデバフと回復を両立できるちからをすいとる
・継続的にダメージを与えられ、サイクル戦に強いステルスロック
・積み技をリセットするくろいきり
・相手の火力を大きく削ぎ、ダメージソースにもなるおにび
- ブルンゲルブルンゲル
・ちょすいで水無効
・タイプ一致かつ火傷効果のねっとうで後続に圧力をかけやすい
・相手の火力を大きく削ぎ、ダメージソースにもなるおにび
・自身が動きやすくなるだけでなく後続サポートにもなるトリックルーム
・相手の受けポケモン、積み技を崩すちょうはつ
第8世代における環境の変化
- ダイマックス
3ターンの間継続的に技が強化される。
中途半端な数値受けは思いの外あっさり突破されることが多い。
- 自分の防御を下げられるダイホロウ
攻撃しつつ相手の防御を下げるゴーストタイプのダイマックス技。
残念ながらてんねんは自分の能力ダウンは無効にできない。
過去作ではいやなおと等の採用はほとんどなかったが、ゴースト物理というだけでこの効果を得られるため、無視できない存在となっている。
- 高い火力をさらに上げるダイサンダー、ダイソウゲンなど
電気タイプのダイサンダー、草タイプのダイソウゲンはフィールド発生効果で二発目の威力が自動的に上昇する。
中途半端な威力のサブウエポンでも十分突破の可能性が出てしまった。
現環境の物理ポケモン
以下で示すダメージ計算は
防御側:H252、B252、性格補正含
攻撃側:A252、C252
を前提とする。
攻撃側の↑は性格補正、+はランク補正を示す。
- ミミッキュミミッキュ
ナマコブシはてんねんでつるぎのまいを無効にできるため後出しが安定しやすい。
アーマーガアは後出しで剣舞ダイホロウ相手にてっぺきが間に合わないためナマコブシが最安定択になるか。
とはいえ、ダイホロウで防御を下げられ、カウンターが効かないため不安要素がないことはない。
↑ミミッキュダイホロウ(120)(珠込)→ナマコブシ:(43.2 ~ 51.2%)
↑ミミッキュ+2ダイホロウ(120)(珠込)→アーマーガア:(78 ~ 91.7%)
- ウオノラゴンウオノラゴン
エラがみが85*2*1.5(がんじょうあご)*1.5(タイプ一致)という鬼のような火力を叩き出す難敵。
アーマーガア、バルジーナ、サニーゴでは厳しいが、ナマコブシは半減で受けることが可能。
対策ということで言えば無効にできるブルンゲルに軍配が上がるか。
ウオノラゴンエラがみ→サニーゴ(ガラル):(49.1 ~ 58%)
ウオノラゴンエラがみ→ナマコブシ:(31.4 ~ 37%)
ウオノラゴンげきりん→ブルンゲル:(34.7 ~ 41%)
- ヒヒダルマヒヒダルマ(ガラル)
ごりむちゅうで高火力を誇り、サブウエポンも優秀。
メイン半減、サブ等倍に抑えられるナマコブシが安定するか。
ヒヒダルマ(ガラル)つららおとし→サニーゴ(ガラル):(34.1 ~ 40.1%)
ヒヒダルマ(ガラル)フレアドライブ→アーマーガア:(74.1 ~ 87.8%)
- ゴリランダーゴリランダー
言うまでもなくナマコブシで戦える相手ではない。
アーマーガア、バルジーナなら安定するのでそちらで。
ゴリランダーウッドハンマー→ナマコブシ:(74 ~ 88.8%)
- ナットレイナットレイ
どくどく無効、一致弱点持ち、とナマコブシと相性最悪の物理アタッカー。
アーマーガア、バルジーナはちょうはつで逆に起点にできる。
- ギャラドスギャラドス
りゅうのまいを無効にしてメインウェポンを半減できるナマコブシなら抑えることができる
・・・というのは前作までの話。
今作で役割破壊のパワーウィップを覚えてしまった。
サニーゴのちからをすいとる連打で回復が間に合い、アーマーガアやバルジーナのてっぺきはりゅうのまいを上回るので、彼らで見るのが無難か。
ギャラドスパワーウィップ→ナマコブシ:(49.3 ~ 59.2%)
ギャラドス+1ダイストリーム(130)(雨込)→サニーゴ(ガラル):(70.6 ~ 83.2%)
ギャラドス+1かみくだく→ブルンゲル:(57.9 ~ 68.5%)
- オノノクスオノノクス
てんねんでりゅうのまい無効・・・と言いたいところだがかたやぶりはてんねんを貫通する。
ナマコブシでは厳しいため、一致技を半減できるアーマーガアかハサミギロチンやちょうはつ相手でも高速で相手を落とせるバルジーナで相手をするべき。
オノノクスげきりん→バルジーナ:(36.4 ~ 43.3%)
- ドリュウズドリュウズ
すなかき型ならつるぎのまい無効のため安定して止められるが、こちらもかたやぶりがてんねんを貫通する。
メインウエポンを両方半減するアーマーガアが最安定か。
ドリュウズ+2ダイロック(130)→アーマーガア:(52.1 ~ 61.4%)
- ドラパルトドラパルト
物理型が多いとはいえ特殊型もそれなりにいるため、ナマコブシでは型次第で相手できなくもないといったところ。
やはりタイプ相性で勝るバルジーナが安定。
ドラパルトシャドーボール→ナマコブシ(37 ~ 43.8%)
まとめ
ナマコブシの強みは積み技に強く出られること、ウオノラゴンを止められることだろう。それ以外にも物理受けポケモンにもそれぞれ長所、短所があるため、パーティと相談して採用していただきたい。
しかし、「第8世代における環境の変化」で述べた通り、今作では物理受けポケモンを運用するためには逆風が非常に多い。
ダメージソースにもなるゴツゴツメット、ちょうはつ対策のメンタルハーブなど道具の候補は多いが、やはり安定した耐久向上が見込めるオボンのみが最も安定する。
というよりオボン無しで突破される場面が多すぎる。
が、裏を返せばダイマックスを使わないと突破できない相手に対して強制的にダイマックスを使わせることが期待できる。
相手のダイマックス切れを狙って自分のダイマックスポケモンを暴れさせる、といった立ち回りも求められるだろう。
本論では物理受けポケモンを幅広く考察したが、シーズン1は始まったばかりであり、パーティ構成や立ち回りにまだまだ考察の余地はあると考えている。
本論が実りある議論の叩き台になれば幸いである。