はじめに
- お互いに理想個体であるとします。
- 広く知られている略称を用います。
- 物理受けとしての採用を想定しています
採用理由
現在のポケモン剣盾の対戦環境で多く採用されている物理アタッカー、主にミミッキュドラパルトドリュウズバンギラスウインディなどを基本後出しから受けることができ、詰ませの起点にすることで受けからの勝ち筋を作りたい。
物理受けヌオーについて
今回の育成論ではヌオーの強い点、弱い点、構成の大まかな流れに沿って書いていきます。物理受けとしてしばしば採用されるHBに厚く努力値を振ったてんねんヌオーには、以下のような理由が挙げられます。
ヌオーのここが強い
- 特性「てんねん」
ヌオーが物理受けとして採用される理由の大部分は「てんねん」という特性を持つことです。「てんねん」は相手の能力ランクの変化の影響を受けない、というもので、ミミッキュのつるぎのまいによるA2段階上昇、ダイナックルによるA1段階上昇、アーマーガアのてっぺきによるB2段階上昇、特殊アタッカーポケモンのわるだくみによるC2段階上昇をすべて無効化することができるため、ヌオーのHPを半分削ることができず、からめてを持たないポケモンを詰ませることができます。また、現在の対戦環境で流行っている弱点保険による能力ランク上昇も無効化できます。
- 「どくどく」をおぼえる
ポケモン剣盾以前ではほとんどのポケモンが「どくどく」という技をおぼえることができました。しかし今作ではこの技をおぼえることができるポケモンはわずか41体にまで減り、そのうちの多くがどくタイプのポケモンとなっています。これによって耐久ポケモンを削る手段、また耐久ポケモンのダメージソースが限られました。一方ヌオーはその逆風を受けず、どくどくをおぼえることができます。これによって相手のポケモンへの削りをいれてサイクルを有利に回すことができるようになり、相手を詰ませる際のダメージソースとなり得ます。
- 詰ませ性能
上記の理由に加えて「たくわえる」と「じこさいせい」をおぼえることによりヌオー自身が積んで、相手のポケモンを詰ませるという動きができるので、受けからの勝ち筋を作ることが出来ます。これにより採用理由で挙げた以外の受けることのできないポケモン、例えば積まずとも非常に高い火力を持つヒヒダルマ(ガラル)や、特殊アタッカーをも相手にすることができます。
- 優秀な耐性
ヌオーは「みず・じめん」という優秀な耐性を持っていて、これにより弱点がくさタイプの4倍弱点のみとなります。またほのお・はがねを半減できるみずタイプと、でんきタイプを無効化できるじめんタイプにより、役割破壊のために炎技と10万ボルトを採用している両刀ドラパルト、アイアンヘッドによる怯みを狙うドリュウズ、テンプレ技構成のアイアントに対しても強くでることができます。
ヌオーのここが弱い
- ダイホロウ、ダイアークへの受け
ダイマックス技であるダイホロウ(ゴーストタイプ)、ダイアーク(あくタイプ)はヌオーに対して等倍で入り、こちらの能力ランクが下がるので「てんねん」には対応していないことになります。また、元の技よりも威力が上がるため耐久数値が決して高くはないヌオーに対して大きなダメージが入ります。加えて特に役割対象であるミミッキュドラパルトはダイホロウを使ってくることが多々あります。採用理由にも「基本後出しから受ける」とある通り後出しからダイホロウを受けきることは困難であるため、いかに相手のダイマックスを凌ぐかがヌオーを使う際の立ち回りの大きな考慮点になります。今述べたことは確実にヌオー単体での弱い点であることは間違いないです、しかし逆に言うと相手がヌオーを突破するためにダイマックスを切るという選択をさせることができます。つまり相手がダイマックスを切ってこちらのダイマックスが残っている状況を作り出せるので裏のポケモンを通しやすくパーティ単位で考えるとプラスになることも多くありました。
- 非常に高い火力を持つポケモンへの受け
等倍でも積まずにヌオーに対して確定2発をとれる高火力ポケモン、主にヒヒダルマ(ガラル)ウオノラゴンシザリガーなどに対しては受けを成立させることができません。これらのポケモンはたくわえるを積んで受けきれるかどうかというポケモンですので基本後ろのポケモンに引きます。
- どくどく持ちでどくどくを無効にするポケモン
- ちょうはつもちのポケモン
この育成論のヌオーはちょうはつを打たれるとねっとうしか技を打てなくなります。しかし、ヌオーにちょうはつを打ってくるポケモンの大部分はアーマーガアであり、てっぺきやビルドアップを積んでボディプレスをしてくる動きを無効化でき、ねっとうでやけどを引くことができるので絶対的に不利というわけではありません。
構成
努力値:252-×-252-0-4-0
実数値:202-×-150-85-85-44
特性:てんねん
持ち物:たべのこし
採用技:ねっとう/どくどく/たくわえる/じこさいせい
構成理由
- 努力値
通称HB252ぶっぱです。採用理由が物理受けであること、元々の耐久数値が決して高くないことから物理耐久に振り切りました。
- 特性
採用理由によりてんねんで確定です。ちょすいも有用な特性ではありますが、同タイプで同じようなみずタイプの技を無効化する特性を持つトリトドンの方が全体的に数値が高く使いやすいかと思われます。
- 持ち物
なるべく確定2発耐えの範囲を広げるため、たべのこしを採用しています。持ち物はオボンの実等の回復木の実でも良いかと思われます。パーティで他のポケモンにたべのこしを持たせたかったり、瞬間的な回復を取りたいなら回復木の実がいいでしょうし、今回はたくわえるで長ターン居座ることも想定しているのでたべのこしを採用しました。
- 採用技
採用理由により確定です。
- 性格
採用理由によりB補正のかかるずぶといで確定です。のんきでもいいですが、Sを下げる理由が思いつかないのと、環境でしばしば見かけるカビゴンの上をとれるということでずぶといの方が良いかと思われます。
被ダメージ
各役割対象から打たれる頻度の多い技を優先的にダメージ計算を載せました。下記の被ダメージ計算にある通りたべのこし込みで役割対象のダイマックス技まで確定2発耐えします。またダイホロウでヌオーのB一段階↓時や、ヌオーのBD一段階↑時の通常時役割対象外の被ダメージ計算も載せておきます。
特化ミミッキュの命の珠じゃれつく:34.6~41%
特化ミミッキュの命の珠シャドークロー:25.2~29.7%
特化ミミッキュの命の珠ダイホロウ:41~49%
ヌオーB一段階↓時の特化ミミッキュの命の珠ダイホロウ:61.8~73.2%
特化ドラパルトのドラゴンアロー:35.6~42.5%
特化ドラパルトのダイホロウ:42~50.4%
ヌオーB一段階↓時の特化ドラパルトのダイホロウ:62.8~74.7%
無振りドラパルトの晴れ下ダイバーン:35.1~41.5%
A252ドリュウズのじしん:34.5~41.5%
A252ドリュウズのダイアース:46~53.9%
特化バンギラスのかみくだく:30.1~36.1%
特化バンギラスのダイアーク:49.5~58.4%
特化ヒヒダルマ(ガラル)のつららおとし:50.4~59.4%
ヌオーB一段階↑時の特化ヒヒダルマ(ガラル)のつららおとし:33.1~40%
C252サザンドラのあくのはどう:46.5~55.4%
ヌオーD一段階↑時のC252サザンドラのあくのはどう:31.6~37.6%
特化ウォッシュロトムのハイドロポンプ:62.3~73.2%
ヌオーD一段階↑時の特化ウォッシュロトムのハイドロポンプ:41.5~49.5%
与ダメージ
悲しい火力なのでやけどを入れること、削り、ドリュウズへの抜群技を目的としています。そのためのダメージ計算だけ載せておきます。
無振りドリュウズへのねっとう:49.5~59.4%
無振りドリュウズへのダイストリーム:81~95.1%
H252アーマーガアへのねっとう:18~21.9%
無振りパルシェンへのダイストリーム:38~45.2%
相性のいい味方
- パッチラゴンパッチラゴン
とつげきチョッキを持たせることによってヌオーの苦手なロトム系統にかなり強くでれます。ヌオーとのサイクルを回す中で有利対面を作って、たとえ半減であろうが後ろから出てくるポケモンを大きく削る火力を持っているのでサイクルを有利に進められます。
- HDドヒドイデドヒドイデ
HDに振ることによって特殊ポケモンに特性「さいせいりょく」を駆使して無理やりつっぱってどくどくを入れることができます。またH振りだけでヌオーの受けきれない特化ヒヒダルマ(ガラル)やウオノラゴンの攻撃を難なく耐えてくれます。加えて先ほどヌオーの弱い点として挙げたミミッキュのダイホロウに対しても、ヌオーでじこさいせい→ドヒドイデに引く→トーチカでダイマックスを切らしたあとにヌオーを再び繰り出すという動きで受けきることが出来ます。
- ニンフィアニンフィア
受けポケモンという性質上、みがわりに弱いです。今作では主におにびたたりめ持ちドラパルトやわるだくみ持ちサザンドラがみがわりでヌオーを起点にしてくることが多いです。そこに抜群をとれてみがわりを貫通できるニンフィアとの相性が非常に良かったです。
さいごに
ここまで育成論を拝見していただきありがとうございました。ヌオーは他のポケモンとサイクルを組んで真価を発揮するポケモンなので受け構築でなくともピンでパーティに入れることもできます。さいごに、ドラパルトは特殊型も多いので対面では初手じこさいせいで様子見することをおススメします。上記のトップメタポケモンたちに困っている方にはぜひ使っていただきたいです。