バタフリー- ポケモン育成論ソードシールド

初代のシナリオ序盤から手に入るキャタピーの最終進化系の虫ポケモンです。
アニメの主人公であるサトシが使っていたポケモンであり、別れの回が有名なポケモンであったり、今回キョダイマックスするポケモンに選ばれたりとなかなか特徴の多いポケモンですね。
バトルにおいては特性ふくがんを活かしたねむりごなを軸にしたポケモンで、昔から戦法はまさに害悪その物です。

虫技を媒体にしたバタフリー専用のキョダイマックス技、相手のポケモンを毒か麻痺か眠りのいずれかにするという追加効果があります。
後述しますが、この子は既に強い使い方が確立しており、1/3でしか狙いの状態異常が引けない技より命中97%の催眠だ！と大抵の人は思う事でしょう。実際シングルではキョダイコワクをするよりねむりごなでハメる方が確実に強いです。
しかし、ダブルバトルの場合相手二体ともに状態異常をばら撒くとなるため全く別の話です。
キョダイコワク一発で5/9の確率で相手のポケモンの内１匹は寝ますし、麻痺も影響力は高く大抵の場合状態異常そのものでバトル中に１匹は致命傷を負わせられます。
問題なのはこの技の追加効果が３種類からランダムに決定されるという部分、これらのどれを引いても強く立ち回れるような構築でないとやはり安定しません。

ここで登場するのがたたりめという技、どの状態異常を引こうとたたりめは火力が倍になります。
さらにゴースト半減のあくタイプにはキョダイコワクが抜群で入るので非常に一貫性も高いです。打点的にめんどくさいのはノーマルとファイヤー(ガラル)ぐらい。
とにかくキョダイコワクで状態異常をばら撒いてレイスポス辺りのたたりめを押し付けまくるという動き方は単純に強く、運次第ではとてつもない理不尽ゲーを引き起こします。
筆者本人としてはキョダイコワクを使う場合、たたりめは構築にパワーを出すためには必須だと考えています。

ちなみに毒は影響力が低めですが、スリップダメージとしては大きい部類なので弱い訳ではないです。主にウーラオス(いちげき)の襷が潰れるのが大きいですね。
麻痺か眠りを引けないと勝てないというような場面はやはり存在しますが、理想的には引けたのが毒でも大丈夫なように立ち回りましょう。

オマケにこのバタフリーというポケモンはタイプ一致のダイジェット使い。ダイマックスが切れたら97%当たるねむりごなを高速で押し付けるというオマケ付き。
難点はバタフリーのペラペラの耐久と高くもない素早さ。まぁ97%当たる催眠技を有していると考えるとS70は速いんですが…

• キョダイコワクの仕様について補足

相手が複数の場合状態異常はそれぞれにおいてランダムに決定される
要は毎回相手２匹に同じ状態異常をばら撒く訳ではないです。
無効化される状態異常が選択される事もある
電気タイプに麻痺が選ばれたり毒タイプに毒が選ばれたりする事もあります。
くさタイプやマジックミラーにも通る
相手のねむりごな読みのくさタイプ引きなんてただの爆アド案件。虫技は通りこそ悪いものの無効化出来るのはヌケニンしかいないので止める手立てが想像以上に少ないです。基本的にダイウォールで止めない限り使ってしまえば状態異常はばら撒かれます。

私がテンプレとしている動かし方はこちら

1. このゆびとまれ(いかりのこな)持ちと一緒に先発
2. このゆびとまれ(いかりのこな)でその内このゆびとまれ持ちが退場
3. たたりめアタッカーを降臨レイスポス
4. ダイマックスが切れてからはねむりごなとたたりめで破壊

これに沿う必要はありませんが少なくとも自分としてはこれが扱いやすいです。バタフリーがあっさり落ちるような展開の仕方でなければ良いのでねこだまし持ちゴリランダートゲデマルライチュウ等もあり得ます。
これを軸に色んな展開の仕方や相性の良い味方を考察してくれればと思います。

• 努力値と性格

おくびょうCS252B4(orD4)。
低耐久な代わりに一手の影響力がでかいこの子にSは命なので最速。
状態異常を撒いて動きを止めている間にしっかり火力を押し付けていかないとせっかくもらった行動回数が無駄になってしまうので、Cも振り切って構わないです。基本的にCSぶっぱが安定。
余りは一応HPを奇数にするためにH以外が良いでしょう。

• 持ち物

きあいのタスキ…ダイマックスをしない選択肢を取りやすくなり、そもそもダイマックスをしても一撃で落とされかねない柔らかさなのでバタフリーに渡せるのであればこれが無難。
こだわりスカーフ…これも非ダイマックス時に強いアイテム。
主にこの２つ。完全にダイマックスを切るケースしか想定しないなら半減実や火力強化もありですね。

• 特性

ふくがん…構築が広くなるのはこれ。ダイマックスが終わった後も強く立ち回れるのが最大のメリット。
いろめがね…虫技は半減されやすいのでこちらもあり。ダイマックス中の動きがより強いのはこちら。

• 技構成

確定技
かふんだんご(むしのさざめき)…今回はこれを取り上げた論なので確定。
威力は同じ。構築と好みで選びましょう。
準確定技
ぼうふう(エアスラッシュ)…ダイジェットの媒体。基本的には切る理由がないです。
選択技
ねむりごな…たたりめを使う事を前提としているので97%の催眠技は頼もしいです。いろめがねなら切るのも良し。
いかりのこな…ダイマックスが切れた後レイスポスを保護する際にも使えたり非ダイマで使う事も考慮に入れやすく便利。
まもる…雑に強い技、ダイマックスが切れた後もかなり狙われやすいです。

バタフリー自体の構成は至ってシンプル。
記載していない技はノーチャンとは言いませんが優先度は低め。

• レイスポスレイスポス

たたりめアタッカー。むしろこの子を使わないとパワー不足も良いところなのでほぼ必須。一回いなないてしまえば以降は凄まじい火力が出ます。

• ゴリランダーゴリランダー

ねこだましでターン稼ぎが出来つつフィールド張り替えも出来、そしてカプ・レヒレカプ・コケコレジエレキに強いです。

• ライチュウライチュウ

ねこだまし、ひらいしん、エレキネットの３つでしっかりサポート。

• ピッピピッピ

このゆびとまれ持ち、やはり一番横を保護する能力が高いのはこのポケモン。

レジエレキカプ・コケコカプ・レヒレファイヤー(ガラル)辺りが重くなってくるのでその辺りに強いポケモンが欲しくなって来ます。
トリックルームもめんどくさいので何かしら対処するルートを用意したいところ。まぁこれはバタフリーを軸にする構築に限った話でもないですが。

投稿されていないので補完しておきます。
と言ってもあまり語る事はなく非常に単純。

おくびょうCS252
ふくがん
きあいのタスキorこだわりスカーフ
攻撃技
自由枠
いかりのこな
ねむりごな

こんな感じ。
最速S70以下を催眠、いかりのこなで攻撃を吸収、かふんだんごで味方の回復も出来るというそこそこのアイデンティティを持つポケモンです。
味方のダイジェットやダイアタックと相性が良く、上からねむりごなをばら撒き易いのがモロバレルにない強み。
カミツルギゴリランダーのようなくさタイプのポケモンの攻撃を吸えない、カプ・レヒレの流行等向かい風は強く、採用率は100位にも入らないぐらいですね。
しかし剣盾初期はそこそこいたのでこの型が基本として浸透しています。

ここでキョダイバタフリーの話へ戻しますが、筆者個人の体験としてはピッピと並べて出すような、仕掛ける側からしたら露骨だと感じるような並びでもほとんど警戒された事がありません。
何なら後ろからねむりごな読みでカミツルギゴリランダーなんかが出て来たりしますし、ねこだましも割と頻繁に飛んで来ます。この奇襲性の高さがあるからと言って構築やプレイングを変えていく必要もあまりないのですが、強みの一つではありますね。

被ダメージ
C252レジエレキエレキネットダブル補正80.0〜94.8%
C極カプ・レヒレムーンフォース 64.4〜76.2%
A極メタグロス130ダイスチル 156.2〜185.1%
A極ランドロス(霊獣)いわなだれ ダブル補正 192.5〜228.1% (ダイマックス時68.2%の乱数１発)
→ダイマックス前提だとB84振りで耐えます。襷を使わない場合の目安に。

ダイマックスすれば案外耐えます。ダブル補正の弱点技ぐらいなら何とかなる事もあったりしますが、単体技で弱点を突かれようものならダイマックスしていようと一撃で飛ばされると思った方が良いです。
与ダメージ
キョダイコワク(130)
無振りレジエレキ96.7〜114.1%(75.0%)
H252メタグロス50.2〜59.8%
H252ゴリランダー113.0〜133.3%
H252クレセリア61.6〜74.0%
無振りれんげきウーラオス(いちげき)74.2〜88.0%
ダイジェット(140)
無振りレイスポス64.0〜76.0%
H252カプ・レヒレ42.9〜50.8%

案外入りますね、ってぐらいですね。
状態異常をばら撒くついでに出せる火力としては十分。