はじめに
実に一年ぶりの育成論投稿です。初めまして、ぴろしきと申します。
二回目の育成論投稿となりますが、今回は環境に結構刺さっているのに意外と使われていないタチフサグマタチフサグマについて考察していきます。
なお、この育成論は、シリーズ10(ダイマックス禁止、禁伝1体のみ使用可)のレギュレーションでの使用を前提としています。予めご了承ください。
タチフサグマについて
タチフサグマタチフサグマはノーマル・あくの複合タイプで、
- 弱点はかくとう4倍、むし・フェアリー2倍
- 耐性はあく半減、ゴースト・エスパー無効
という、だいぶ癖の強いタイプとなっています。
特性はこんじょう・すてみ・まけんき(夢)があり、対戦でよく見られるのは『こんじょうかえん玉』型の物理アタッカーですね。
筆者も初めはこの型を採用していましたが、きあいのタスキを持たせた方が使い勝手が良かったので、今回はタスキ型のタチフサグマを紹介したいと思います。
採用理由
当初の採用理由は、単純に環境上位で活躍しているバドレックス(こくば)黒馬バドレックスのゴースト技・エスパー技を透かせる役割が欲しいからでした。そのため『こんじょう』を採用していたわけですが、如何せんそれだと『他ポケモン』への打点が無さすぎる!
タチフサグマで採用率の高いちょうはつやはたきおとすがポリゴン2ポリゴン2や、ザシアン対策で選出されがちなヌオーヌオーなどの受けポケモンに対して通りがいいので選出したい反面、他のアタッカーと対面した際に何の役割も果たせず、泣く泣く後退させることもしばしば。特に環境トップのザシアンザシアンやウーラオス(れんげき)ウーラオスに対しては上からインファイトを打たれて呆気なく散ってしまいます。この2体に関しては裏でランドロス(霊獣)霊獣ランドロスが睨みを利かせれば最悪何とかなりますが、一番困ったのはハチマキウオノラゴンウオノラゴンにエラガミを連打されてしまうことですね。効果いまひとつで半分以上持ってくのはやりすぎだって。
しかし、きあいのタスキを採用したことでどのポケモンに対しても最低限の仕事ができるようになり、カウンターを組み込むことで物理アタッカーと対面しても問題ない性能になりました。ポケモンHOMEで公開されているタチフサグマの使用ランキングは90位、かつきあいのタスキを採用している型は7%程度(2021/9/28時点)なので、読まれにくい型でもあると思います。
役割
基本的にははたきおとす・ちょうはつで受けポケモンの機能を停止させる、アタッカー兼サポートの役割を担います。それ以外にも、環境に多いバドレックス(こくば)黒馬バドレックスをピンポイントでしばくことも可能です。
他ポケモンとの差別化
似たような役割を持っているポケモンとして、最近だとバルジーナバルジーナがいますが、バルジーナは耐久型のポケモンのため、アタッカーも兼ねるタチフサグマとはそもそも役割対象が違います。また、バルジーナのS種族値が80なのに対し、タチフサグマは90のため、バルジーナの上からちょうはつを打つことでバルジーナの受けサイクルも崩すことができます。
また、ゾロアークゾロアークもはたきおとす・ちょうはつ・カウンターを覚え、この型と似たような動きが可能ですが、ゾロアークはあく単体のため、ゴースト技を無効化できません。バドレックス(こくば)に対してゾロアーク以上に強く出れる(裏にいるだけで牽制になる)ため、現環境ではタチフサグマに軍配が上がると判断しました。
持ち物
上記で説明している通り、きあいのタスキを採用。
特性
候補としてはこんじょう、まけんきのどちらかですが、ランドロス(霊獣)霊獣ランドロスの使用率を加味して、当記事ではまけんきを採用します。
性格・努力値
なるべく相手の上からちょうはつやはたきおとすを打てるよう、かつタチフサグマのS95を最大限生かすため、ようきにして努力値もASぶっぱにしています。もし調整するのであれば、最速ランドロス(霊獣)抜きを意識してS228に抑えて、残りをHPに振るのがいいと思います。この場合、れいとうパンチを採用しておくと、H252振ったランドロス(霊獣)なら上から(まけんき込で)確定1発が取れます(与ダメージ計算欄参照)。
技構成
〇確定
はたきおとす/ちょうはつ
受けポケモンを止めるというコンセプト上必須。
〇選択
- カウンター
物理アタッカーに対して有効。タスキを最も有効活用できる。
- インファイト
主にポリゴン2への打点。高火力のためそこそこ万能。
- でんじは
よりサポート特化する場合。スカーフカイオーガカイオーガへの対策として。
- すてゼリフ
よりサポート特化する場合。相手の火力を下げ、安全に裏のポケモンに繋げる。
- ブロッキング
相手からの攻撃を守り、且つ接触技なら防御ランクも下げられる。
- れいとうパンチ
ランドロス(霊獣)への打点。役割対象が限定的なので、優先度は低め。ランドロス(霊獣)の持ち物がスカーフの場合あまり役に立たないので、とんぼがえり→カウンターで裏から出てくるポケモンに圧をかける方が動きとしては強い。
与ダメージ計算
- はたきおとす(持ち物有)
ポリゴン2ポリゴン2(HB特化・しんかのきせき)…17.1%〜20.8%
ゴチルゼルゴチルゼル(H252)…75.7%〜91.5%(確定2発)
ネクロズマ(日食)日食ネクロズマ(H無振り)…47.0%〜55.8%(持ち物補正考慮で確定3発)
バドレックス(こくば)黒馬バドレックス(H無振り)…178.2%〜212.5%(確定1発)
- インファイト
ポリゴン2(きせき無)…43.7%〜52.0%(はたきおとす込で確定3発)
ヒヒダルマ(ガラル)ガラルヒヒダルマ(H無振り)…94.4%〜112.2%(乱数1発)
- れいとうパンチ
ランドロス(霊獣)霊獣ランドロス(H252・いかく→まけんき発動を想定)…104.0%〜122.4%(確定1発)
被ダメージ計算
かくとう技はだいたい確定1発のため記載なし。
- おくびょうメガネバドレックス(こくば)黒馬バドレックス(C252)
エナジーボール…64.4%〜76.3%(確定2発)
ドレインキッス…72.1%〜85.2%(確定2発)
- A性格補正なしランドロス(霊獣)霊獣ランドロス(A252)
じしん…55.0%〜64.4%(確定2発)
とんぼがえり…52.0%〜61.5%(確定2発)
- ようきザシアンザシアン(A252:ふとうのけん込)
きょじゅうざん…92.3%〜108.8%(乱数1発)
じゃれつく…164.4%〜195.2%(確定1発)
苦手なポケモン
どのポケモンに対してもはたきおとすで最低限の仕事はできそうですが、メインウエポンとなりうる技が基本的にあく・かくとうなので、特殊アタッカーのフェアリータイプには殆ど打点がありません。カプ・レヒレカプ・コケコカプ・テテフなどのカプ系、あとは物理アタッカーでも『ばけのかわ』を盾にしてくるミミッキュミミッキュには対面不利。最低限『ばけのかわ』を剥いで持ち物は落とせますが、A特化のじゃれつく連打で倒されてしまいます。
あと、これは立ち回りの問題にはなりますが、スカーフランドロス(霊獣)のとんぼがえりからゴーストタイプのポケモンに引かれるとタスキを潰される上カウンターも透かされてしまうので、裏のポケモンはしっかり把握しておきたいところ。
相性の良い味方
特殊型のフェアリータイプに強いほのお・はがね・どくタイプのポケモン、もしくはかくとう技を透かせるゴーストとは相性がよさそうです。また、環境に多いバドレックス(こくば)に対面だと不利なポケモンをカバーするのも良いと思います。候補としては、ギルガルド(シールド)ギルガルド、ゲンガーゲンガーなど。禁伝枠だとホウオウホウオウ、ザシアンザシアン。ムゲンダイナムゲンダイナやネクロズマ(日食)日食ネクロズマの弱点タイプを無効化できるため、この辺とも相性は良さそうです。
最後に
今回の育成論は、禁伝が蔓延る現環境でも十分に活躍できる(と思われる)タチフサグマについてでした。もし何かあればご指摘いただけると幸いです。
最後まで見ていただき、ありがとうございました!