こんにちは、pqです。
前回の水ウーラオス(れんげき)に続き20回目の投稿になります。
間違っている点や不自然な部分があれば、遠慮なくコメントで教えていただけるとうれしいです。
この育成論は、クロバットについての育成論になります。
注意
- 略称として、「性格補正+努力値252振り」→特化、それ以外は振っている努力値の値で示します(例えば、陽気で攻撃に努力値を252振っているガブリアスの場合「A252ガブリアス」と表記)。
- その他、三値やA(=攻撃)、確定で一発で倒せる=確一、ダイマックス=DMなどの一般的に分かると思われる略称を用います。
- 一部の技や特性は漢字で表記します。
- ダメージ計算には、ポケマネ(アプリ)を使用しています。
- ダメ計などは、基本的に個体値は31(最高)とします。
- 似たような役割を持たせている育成論が以前に上がっていますが、技や差別化等異なる点もあるので新しく投稿させていただいています。フォーク等が必要そうであれば、その旨もコメントしていただければと思います。
- 投稿するのがかなり久しぶりなので、温かい目で見て頂けると嬉しいです。
クロバットクロバットについて
クロバットは、第一世代で登場したゴルバットに追加された進化系のポケモンです。130族に入る高いSを持ち、サブウェポンとしては熱風など、補助技としては黒い霧や追い風など、比較的優秀な技を覚え、特性すりぬけを持っていたりと、優秀な点が目立つポケモンではあります。一方で、アタッカーにするには心許ないAとC、高速ポケらしい耐久の低さといった欠点もあり、現在(2021/10/14時点)使用率圏外になっています。
本論では、サポートメインの型にしつつ、先発運用に加えてクッション的な運用も視野に入れた型になります(詳しくは後述する役割や差別化にて)。
役割
- 追い風・毒々をメインとしたサポート…追い風によって後続の中速帯のポケモンのサポートをしたり、主にトリトドンヌオーポリゴン2に対して必中で毒々を入れられるので、これらに弱いアタッカーを採用している場合には特に有効です。
- 積んだ相手への対策…技「くろいきり」を採用して、襷で行動保証を得つつ確実に能力値をリセットします。剣盾では、ニトロチャージ等だけでなくDM技でも能力値が上がるので、挑発ではなく黒い霧にすることのメリットがあると思います。ただ、先発で起用する場合は変化技も防げる挑発の方に分がありそうです。本論の場合は、先発での運用のみを想定しているわけではなく、受けポケに対しては毒々をうてるので、今回は黒い霧の方を採用しています(詳しくは立ち回りで後述)。
差別化
上記の役割から、少なくとも「どくどく・おいかぜ」の2つは入れたい技なので(黒い霧は一段優先度を落としているので省略、詳しくは技構成の項で後述)、この技を覚えられることを条件とすると、クロバット以外にはバルジーナがいます。
しかし、バルジーナに対しては、毒タイプであることによる毒々の使い勝手の違いとS種族値の差で差別化可能です。
(個別での差別化の記載が必要そうなのがいましたらコメントの方でお願いします)
持ち物
確定欄はきあいのタスキです。
素の耐久が低いので、行動回数を確保するための持ち物としてこれを確定欄にしています。襷を盾に行動した後も、持ち前の高いSで追加の攻撃・サポートも可能です。
他の候補としては、半減実と食べ残しがありそうです。前者は、天候やステロで襷がつぶれる状況でもある程度運用できるようになり、後者は、受けポケに毒々を入れた後にそのまま居座って相手できる可能性が高くなるという長所がありそうです。(連続技を全弾半減にできれば半減実の有用性ももう少しあったのですが)
特性
確定欄はすりぬけです。
隠れ特性で、相手の壁や身代わりを貫通して技を放てるという特性です。役割の一つである受けポケへの毒々をするに当たって、身代わりで防がれないのは優秀です。特に、2021/10/16現在、ポリゴン2は10%、トリトドンは26.3%と、毒々の役割対象が持っている場合が一定以上見受けられるので、すりぬけの方が推奨されると思います。
一方で、通常特性の方の精神力も、猫だましで襷を潰された上に怯んで役割が遂行できないという事態を防げる点は優秀です。しかし、シングルでは特に、DMに怯みが効かないこともあって猫だましはそこまで採用されないため、よほど気にしない限りはすりぬけの方に分がありそうです。一応、剣盾から威嚇無効が追加された点は、A>Cの種族値配分に合っているとは思います。
(コメントも参考にして修正、ありがとうございます!)
性格・努力値
- 性格
確定欄はようきです。
襷で行動保証があるとは言え、Sが高ければ次のターン行動できるか否かに関わってくるので、耐久が必要ないこともあってSに補正をかけています。攻撃技が特殊なら臆病、特殊技に加えてとんぼ返りも入れる場合はせっかちも候補です。
- 努力値
努力値:H0, A252, B0, C0, D4, S252
実数値:H160, A127, B100, (C75~90), D101, S200
いわゆるASぶっぱです。
端数の4はダウンロード対策にDに入れていますが、Hが偶数なのが気になる方は、AかSを削ってH,B,Dに4,4,12と振っても良いでしょう。
特殊技を使う場合、陽気以外にした上で、C168振り以上でギガドレでH252トリトドン確二、C252振りで熱風でH252エアームド確二になります。
また耐久に振る場合、H,Dに116,4と振ると、16n-1(実数値175)にした上で、ポリゴン2の図太いC12振り(H244B252の余り想定)のアナライズ冷ビをステロで襷がなくなっていても耐えられます(少々限定的ではありますが、調整する場合の目安として)。
技構成
優先度が高い順に、★の数で記載していきます("★★★★★"~"★"の5段階)。あくまで目安としての段階付けなので、パーティーによって有用性は変わります。
技候補と共に、役割対象への与ダメージも載せときます。環境に多いポケモンやその調整まで考えて記載すると長くなってしまって見づらくなるので、主要なもののみ記載します。DM運用は想定していないのでDM技のダメ計は記載しません。また、相手は非DM想定なので、相手DM時に関しては適宜ダメージを半分にして下さい。
(不足しているものがあったらコメントにてお願いします)
おいかぜ [★★★★★]
サポート技その1。
後続のポケモン、主に、ダイジェットが使えないポケモンやウオノラゴン等の特に相性が良いポケモンに対するサポート技です。
どくどく [★★★★★]
サポート技その2。
アタッカーを受けに来るポケモンや、居座って追い風ターンを稼ごうとする相手に対してうてる技です。また、自身が毒タイプなので一方的にうつことができる上に必中になります。トリトドンヌオーポリゴン2バルジーナ等のポケモンに有効ですが、ドヒドイデナットレイには使えないです(一応ナットレイに対しては熱風で対応することもできます)。
くろいきり [★★★★]
サポート技その3。
差別化理由でもあり、積んでくる相手や積んだ相手への後出し時も考えて確定と言いたいところですが、先発運用を重視した場合、他にも有用な技を覚えるので、上記の二つより一段優先度は落としています。この技があると、DM技等で能力値を上げた相手に後出しして処理しやすくするのも役割に入れられるようになります。ちなみに、急所ランクは戻らないので、キョダイカイリキーやスナイパーインテレオンなんかに対しては別で対抗する必要があります。
ブレイブバード・エアスラッシュ [★★★★]
タイプ一致の攻撃技。
反動があるものの威力・命中共に安定しているブレバ、威力・命中共にブレバに劣るものの高いSから怯みの効果が期待できるエアスラといった感じです。確定欄では精神力でないため威嚇も受けますが、反動による追い風後の自主退場に使える点は優秀なので、それを踏まえて確定欄はブレバにしています。受けポケに毒を入れた後に継戦して連発したい場合は、怯み効果も加味してエアスラに分があります。
与ダメ
※ブレバ・エアスラの順で記載します。エアスラのダメ計は補正なしC252振りです。
無振りウーラオス(いちげき):92.6~109.7%、65.1~76.6%
H252ゴリランダー:85.0~101.4%、49.3~58.0%
無振りエースバーン(等倍想定):65.8~77.4%、31.0~36.8%
無振りカイオーガ:50.3~60.0%、16.0~19.4%
無振りムゲンダイナ:39.1~46.5%、18.6~22.3%
H244ポリゴン2(エアスラのみ):14.1~17.3%
H252トリトドン(エアスラのみ):20.6~24.8%
どろぼう [★★★★]
相手の持ち物を奪う攻撃技。(コメントより追記)
こちらの持ち物がない状態でしか効果は出ませんが、襷耐え後を想定すれば効果を発揮するのも不可能ではありません。特定の相手への打点としてはバドレックス(こくば)に対してくらいですが、持ち物を奪える効果自体が単純に強力ですし、挑発対策で攻撃技を入れておく側面もあるので採用の余地はあります。
同じエスパー・ゴーストへの打点としては嚙み砕くやシャドボもありますが、前者は火力がより高くても耐久が低めのバドレックス(こくば)も確一にできない、後者はA>Cのクロバットでは泥棒より威力不足なため候補外とします。
与ダメ
無振りバドレックス(こくば):75.4~89.1%(嚙み砕く:98.3~116.6%)
無振りドラパルト:41.7~50.3%
H252ヤドキング(ガラル):32.7~38.6%
HBポリゴン2:7.9~9.4%
ねっぷう [★★★★]
受けポケのうちナットレイエアームド等にうてる炎タイプの技。
毒が入らない鋼タイプに弱点をつける技です。ただ、火力は高くなく、4倍弱点のナットレイも確一にはできないので、弱保も考えると2倍弱点程度の鋼タイプのアタッカー相手にうつのは気をつけた方が良いかもしれないです。
与ダメ
※補正なしC252振りとして計算
H252ナットレイ:61.9~75.1%
H252エアームド:50.0~59.3%
H252ゴリランダー:41.5~49.3%
とんぼがえり [★★★★]
交代技。
後攻とんぼのような使い方はできませんが、ダメージを与えつつ交代できるのはやはり強力です。相手の襷つぶし+後々のクッションor死に出しでの追い風展開、といった感じでの採用になります。
ダメ計は省略。
ギガドレイン [★★★]
与ダメ
※補正なしC252振りとして計算
H252トリトドン:55.0~66.1%
H252ヌオー:71.3~85.1%
H252ラグラージ:54.1~63.8%
H252ウォッシュロトム:30.6~36.9%
無振りカイオーガ:21.7~26.3%
いやなおと [★★★]
サポート技その4。
相手のBを2段階下げます。アタッカー運用がメインでないこのクロバットはそこまで大きな恩恵は得られませんが、後続の物理アタッカーへのサポートになります。音技であるため、特性すりぬけでなくても身代わりを貫通します。
きりばらい [★★★]
サポート技その5。
相手の回避率を下げると共にステロやフィールド等を解除する技。ステロ除去による後続補助や、催眠術等を採用している味方がいる場合にはその命中率アップとして利用できます。
さいみんじゅつ [★★★]
サポート技その6。
命中60ながら相手を眠り状態にする強力な技です。眠らせても自分で突破できるほどの火力はないのであくまでもサポート技としての運用になりそうです。また、同じ状態異常技の毒々や、後続に残すターンを多くしたい追い風とは若干アンチシナジーなこともあり、少し優先度低めにしています。
あやしいひかり [★★★]
サポート技その7。
混乱という不確定要素のあるサポートではありますが、襷で耐えた後にさらに妨害したい場合に。催眠術と同様に、後続につなげるターンを多めに残したい追い風とは若干アンチシナジーですが、状態異常と重複できるので、毒々や他の味方の状態異常技と重ねて使用できます。
ちょうはつ [★★★]
サポート技その8。
先発運用を特に重視する場合には黒い霧より有効になる場面は多いと思います。相手の壁貼りやステロ、積み技を事前に防ぐことができ、クロバット自身のSの高さとも合っています。しかし、壁やステロは霧払いで、積み技は黒い霧で、耐久型相手には毒々でも十分ではあるので、ここでは少し優先度は低めにしています。
ベノムトラップ [★★]
サポート技その9。
相手が毒状態時限定ですが、A,C,Sを1段階ずつ下げる技です。効果は強力で毒々必中ともマッチしていますが、状況が限定的すぎるところは否めないので、優先度は低めです。
そらをとぶ [★★]
ターン稼ぎのできる攻撃技。飛行技ではありますが、別枠。
ダメージ重視ならブレバやエアスラの方が優秀ですが、こちらは、相手がDMしている場合にターン稼ぎをするための技という位置づけになります。今回、技スペースの問題で、同じ攻撃技でも、ブレバや熱風等、他が優先されると思うので、優先度は低めにしています。
くろいまなざし [★]
毒を入れた低火力ポケモンの交代を封じて倒しきるための技。羽休めもできないため、弱点を突くサブウェポンを持っている相手には悠長にしていられず、うてる相手は限られてきますが、後続のアタッカーが不利なポケモンを確実に処理できれば有利に運んでいけます。
この技を採用する場合には、食べ残し持ちにして身代わりを採用するのも面白いかもしれません。
他にも候補となる技はいくつかありますが、ここでは割愛させていただきます。
被ダメ
環境に多いポケモンを中心に記載しますが、こいつとのダメ計も必要なんじゃないか、というのがあればコメントにてお願いします。
今回は低耐久を襷で補う型なので、ギリギリ耐えられるかどうかのものに留めます。
物理
A252球エースバーン
DM飛び跳ねる100.6~119.4%
特化ドラパルト
ドラゴンアロー(1発):33.8~40.0%
A252鉢巻水ウーラオス(れんげき)
水流連打(1発):37.5~45.0%
A特化最遅ナットレイ
ジャイロ:84.4~100.0%
特化バンギラス
ロックブラスト(1発):37.5~45.0%
A252フェローチェ
トリプルアクセル:106.3~126.3%
特殊
C12アナライズポリゴン2
冷ビ:70.0~82.5%
無振りトリトドン(>ヌオー)
熱湯:31.9~38.1%
特化ウォッシュロトム
10万:108.8~128.8%
立ち回り
先発あるいは能力の上がった相手への死に出しで運用します。
先発の場合は、追い風→ブレバで退場して追い風ターンを残す、能力上昇中の相手への死に出しの場合は、追い風→黒い霧(相手のSが上がっておらずこちらの方が早ければ黒い霧→追い風)で後続につなげます。シンプルではありますが、この動きが基本になります。
これに加えて、後続のアタッカーが苦手な受けポケがいる場合には、毒々を入れるサポートも役割としてあるので、先発運用時にそのまま退場してしまって良いかどうかは選出時に考えておく必要があります。
また、上記以外の細かい立ち回りについては、採用しているサブウェポン・補助技の違いによって変わってくるので全て詳しくは書かず割愛させていただきます。逆に、事前に、一緒のパーティーに入るアタッカーに必要なサポートがどんなものかを把握した上で技構成を考えておくことが大事になります(例えば、催眠術や頑丈持ちが後続にいる場合には他の技より霧払いを優先して採用しておく等)。
苦手なポケモン
- 連続技持ち…連続技としてよく見る、つららばりやロクブラは弱点技なので耐えるように努力値を割くのも難しいです。加えて、ダイジェットでSが上がっているダブルウイング持ちや、トリプルアクセル持ちのフェローチェなどに対しては、上から連続技をうたれて何もできないことも考えられるので、黒い霧+追い風で切り返したい場合でも、違う対応策が必要になってきそうです。
- トリル…追い風が無駄になってしまうのでその可能性があるパーティーが相手の場合は、選出を控える必要もあるかもしれません(前述の霧払い等のような別のサポートがあれば選出しても役割を果たせるかもしれませんが)。
- 毒が入らないポケモン…ドヒドイデや熱風不採用時のナットレイエアームドなどは、受けポケに毒を入れる役割もできず追い風の効果も薄いため、後続の相性の良いポケモンに一任することになります。
相性の良い味方
- 中速帯のアタッカー…ウオノラゴンやヒヒダルマ(ガラル)、水・悪ウーラオス(れんげき)等の、追い風を生かせるアタッカーがコンセプト上好相性です。タイプ的な相性も加味すれば、禁伝ありのシリーズではディアルガがクロバットの弱点を全て半減以下に抑えられ相性が良いと言えそうです。
- 対毒・鋼タイプポケ…毒々が入らない相手に対抗できるポケモンです。一応、熱風で鋼タイプに対する有効打を持つことはできますが、メタグロスや、現シリーズではネクロズマ(日食)等に下手にうつと弱保発動も考えられるので、有利な味方に任せるのが一番無難ではあります。候補のタイプとしては、地面タイプであればクロバットの弱点の電気・岩も含めて有利で、炎タイプであれば上に挙げたナットレイエアームド等に有利になります。具体的にはガブリアスランドロス(化身)エースバーン等が該当すると思います。
- 苦手な連続技持ちへの対抗策…上記のポケモンでは対応が難しいフェローチェやダブルウイング持ちのカイリューボーマンダなどに対抗するためのポケモンです。フェローチェに良く採用される技(毒突き以外)に強く上記ポケモンの飛行技以外に強めな水・フェアリー複合(カプ・レヒレマリルリアシレーヌ)、対フェローチェの点では心許ないですが耐久が高くダブルウイング持ちへの有効打があるポリゴン2クレセリアなども候補です。
他に、相性が良いポケモンについてご意見あれば、ぜひお願いします。
おわりに
ここまで、ご覧いただきありがとうございました。
追い風サポーターのクロバットの論でしたが、中途半端なところは否めないという感じではあります。例えば、同じ追い風サポーターにオンバーンがいますが、こちらは特性お見通しもあり、先発で出した時のサポート力が高いポケモンです。
一方でクロバットは、毒々はあるけど自分で受けポケを倒しきるのは大変、先発で使える霧払い等はあるけど相手に負荷をかけるのはあまり得意でないといった、特定の場面への適性に特化していないようなところがあります。なので最低限の役割はこなせるけど、複数匹を削ったり試合を決したりという劇的な活躍はできないところがあると思います。
しかし、できること自体の幅は広いので、採用できるパーティー自体は多いかなと思います。この論がクロバットを育ててみたい人の参考になれば幸いです。