はじめに(そして諸注意)
- はじめましての方ははじめまして。
そうでない方もはじめまして。 - この論に出てくるポケモンは全て理想個体を想定しています
- ダメージ計算はトレーナー天国様とポケソル様のものを使用させていただきました
- 一般的であり、調べればわかる程度の漢字表記、略語等を使用します
- その他不備や質問等ございましたら、コメントの方でお願いします
ガラルヒヒダルマについて
- ヒヒダルマ(ガラルのすがた・ゴリラモード):氷タイプ 特性:ごりむちゅう・ダルマモード
- 種族値:105-140-55-30-55-95 合計480
- ヒヒダルマ(ガラルのすがた・ダルマモード):氷・炎タイプ 特性ダルマモード
- 種族値:105-160-55-30-55-135 合計540
ガラルの舞台では比較的高めの合計種族値に加え、Aがかなり高い、Sも高めでC30と非常に無駄のない配分効率になっています。
耐久に関してはどちらのモードでも変わらず。中の下から下の上程度。弱点を突かれると簡単に落ちてしまう程度の耐久です。
ガラルの姿の専用特性「ごりむちゅう」は、一つの技しか選択できなくなる代わりにAが1.5倍になるという「拘りハチマキ」のような効果を持っています。A種族値の高いヒヒダルマとは相性が良く、高火力アタッカーとして名を馳せています。前作までポケモンバトルをやっていた人に対しては、テテフのサイキネ≒ごりむちゅうつららおとしと言えばわかりやすいでしょうか。
またデメリットを共有できる拘りスカーフの使用に足るSも持ち合わせているため、スカーフを巻いたエースアタッカーとして良く採用されています。しかし、拘り系アイテムと同じくダイマックス中は技の打ち分けができるが1.5倍補正も無くなるという悲しい仕様を持っています。ごりむちゅうヒヒダルマはダイマックスしないことが前提の立ち回りになることでしょう。
対してもう一つのヒヒダルマ専用特性であるダルマモード。体力が半分以下になるとダルマモードへとフォルムチェンジする特性です。こちらは前作では(ダルマモードがゴリラモードと非常にアンマッチなため)見向きもされませんでした。しかし、今作ではダルマモードがゴリラモードと同じくAS高めの物理アタッカー適正が高いものへと変貌を遂げました。A160S135は特性が無いことを加味しても物理アタッカーとして破格で、合計種族値もランクマッチで使える全ポケモン中10位タイ。更に炎タイプが追加されるので、高火力技のフレアドライブを一致で打てるようになっています。何より技を打ち分けできるという相対的メリットを手に入れました。
デメリットとしては耐久がそこまで高くないのでそもそもダルマモードになれる機会が少ないこと、ダルマモードになっても結局ごりむちゅうスカーフヒヒダルマの方がAS共に高いことでしょうか。ただのASアタッカーだとごりむちゅうの下位互換になります。
以上の特徴からヒヒダルマは
- スカーフを巻いたエースアタッカー(ごりむちゅうの場合)
- 技範囲を生かしてなんやかんやできる物理アタッカー(ダルマモードの場合)
としてよく採用されています。
なんやかんやについては今後の開拓次第だと思いますが、今回面白いなんやかんやを思いついたのでなんやかんやする型を投稿します。
型のコンセプト
- コンセプト1:対面性能高め。ダイマックスを切れば大体の相手に勝てる構成にする。
巷ではバンギラスに弱点保険を持たせ、一撃受けてから返り討ちにする型は流行っていますが、似たようなコンセプトです。
スカーフを持ってそうなポケモン(ドリュウズドリュウズやホルードホルード、ロトムロトム等)がこちらの裏に多い場合にダイマックスして突っ込んでくるドラパルトドラパルト、ダイマックスすればつらら落としを耐え、返しのダイバーンやダイスチルで返り討ちにできるサザンドラサザンドラ等に(大体)勝てるよう調整しました。
双方ダイマックス前提ですが環境上位のアタッカーポケモンとの対面有利不利はこんな感じ。
- ドラパルトドラパルト
ドラパルトがASの場合リリバの実込みでダイスチル2耐え、ダイバーン2耐え、ダイドラグーン2耐え。
リリバの実の場合CSでダイドラグーンから入ってくるか、耐久振り弱点保険型がダイドラグーン・ダイスチルから入ってきた場合のみ負け。
溶けない氷の場合ダイスチルから入られると負け。
- ミミッキュミミッキュ
陽気珠ダイフェアリー(じゃれつく+影打ち)を最高乱数切りで耐え、ダルマモードダイバーンで確定1発。
ダイフェアリー最高乱数か剣舞→ダイウォール→ダイフェアリー→ダイウォール→影打ちと動かれた場合のみ負け。相手依存だが大体勝てる。
- ギャラドスギャラドス
威嚇なら負け。自信過剰なら超低乱数引かない限り勝ち。引いても相打ち。
陽気ダイストリーム、ダイジェットを2耐え、ダイバーン確定耐え。
威嚇が無ければダイアイスで高乱数2発(最低乱数2回でも霰4回で確定)。
- サザンドラサザンドラ
ダイスチル・ダイバーン・眼鏡文字確定耐え。返しのダイアイスで確定2発。溶けない氷採用で相手無振りならダイアイスで確定。
リリバの実の場合臆病サザンのダイスチルなら2耐えするが、控えめサザンのダイスチルは大体4割程でこちらが落ちるので天に祈ろう。
一発目が高乱数ならダイウォールしてダイマックスターンと霰ダメージを稼ぐのも良し。
- ドリュウズドリュウズ
ダイスチルから入られるとこちら不利な乱数次第。こちらは襷だった時のディスアドが激しいのでダイアイスを打たないといけない。
リリバの実+高乱数か溶けない氷+低乱数ならダルマモード発動で勝ち。
基本的に上からフレドラでワンパンのはずなので突っ込んでこないでほしい(懇願)。
経験論だが突っ込んでくるのは大体襷でダイマックスは使用してこない印象。
- トゲキッストゲキッス
ダイバーン確定耐え。ダイアイスで確2。。溶けない氷採用で相手無振りならダイアイスで確定。
相手耐久振りやこちらリリバの実採用でダイジェットから入られると負け。相手依存で安定しない。
- ギルガルド(シールド)ギルガルド
襷なら勝てない。身代わり→地震と動いてキンシの有無を確認する(この時点で襷インファならこちらが落ちる)。
襷持ちでアイヘやラスカノを打ってきた場合はミリで耐えるので影打ち読みで引くのも有り。
キンシ持ちの場合は襷ではないので身代わり2回→ダイバーンで処理可能。
いずれにしても相手の型依存。
- バンギラスバンギラス
基本勝てないが、スカーフ格闘技があるのに引かないバンギはただのヤンキーなので知らない。
身代わりで様子見が安定。
- ロトムロトム
火でも水でも基本相手にダイマックスを切られると勝てない。
相手がダイマックスできないのであれば水ロトム相手には勝てる。
- ウインディウインディ
無☆理
いかがでしょうか?(弱保ドラパルト絶滅して)
基本相当タイプ相性が不利でなければダイマックス以外には一方的に勝てます。
一部相手依存の部分もありますが、負けてもお互いにダイマックス消費&裏の先制技圏内まで削れるので大きなディスアドにはなりにくいです。
勝っても負けても大体ダイマックスを消費した11交換になるので、裏に襷ポケモンやスカーフ持ち、ミミッキュ等を入れれば後の戦いを有利に進めることができます。
高火力故に相手が引こうとしても受け出しが難しく広く戦えるので、炎のいないパーティ相手には初手出しが安定します。
- コンセプト2:身代わり+広い技範囲で受けループを崩す
今作の受け回し構築の多くに採用されているドヒドイデドヒドイデ、ナットレイナットレイ、アーマーガアアーマーガア、サニーゴ(ガラル)サニーゴを、身代わり込みで全員破壊できます。
ドヒドイデ・サニーゴの技を身代わりが耐え、ナットレイとアーマーガアはフレドラ警戒で交代することが多いため、一旦身代わりで様子見するのが安定となります。受けルにいる相手で突破できないのはヌオーヌオーくらいです(ダイアイスで確2のため蓄えるをされなければ一応突破可能)。ダイマックスを切らずに受けルを突破できる駒というのはごりむちゅうのヒヒダルマにはできない芸当ですね。
ちなみに某動画で腹太鼓する型がありますが別に腹太鼓しなくても破壊できるので技範囲を広げましょう。
- 以上二つのコンセプトから、対面構築に入れる駒として採用できます。アイテムの競合がほぼ無いのも利点です。
余談1:一致ダイアイスが強いって話
今作のダイマックス技はタイプによって様々な効果を持っていますが、その中でもダイアイスはかなり強い部類に入るのではないかと考えています。
・強み1:高火力必中氷って時点で強い
氷タイプ技は抜群4、半減4と抜群も半減も多いタイプですが、環境上位にいるポケモンには等倍以上で入ることが多いという特徴を持っています。鋼タイプは地面・草・飛行と複合であれば等倍であり、氷タイプは環境に少ないため、半減するには炎タイプか水タイプを出すしかない、という構築も多いです。氷タイプ技は岩技、悪技と並んで通りの良いタイプとしてかなり上位だと言えるでしょう。
・強み2:霰で火力補助&襷貫通ができる
ダイアイスは霰を降らせる効果があります。霰は氷タイプと防塵のポケモン、防塵ゴーグル持ちのポケモン以外全てのポケモンに毎ターン最大HPの1/16ダメージが入ります。火力の上乗せ率は1.5倍になるダイバーンやダイストリームに劣りますが、晴れや雨と違って打ったターンすぐにダメージが入る点とダイウォールでもダメージが入る点が優秀です。固いポケモンで後出ししても定数ダメージが上乗せされるので、元の火力によらない火力補助という点も優秀です。
・強み3:霰を無効にできるポケモンがほとんどいない
定数ダメージが入る天候へ変えるのは砂嵐を起こすダイロックも同じですが、霰は無効にできるタイプが氷タイプしかありません。環境にいる氷タイプは砂嵐無効の地面・岩・鋼ポケモンと比べて見かける回数が少ないです。
以上の強みから、一致で打つメインウェポンとして攻撃面ではかなり強い性能をしています。不一致で打つ場合霰が痛すぎるのであまり強くはありませんが。
余談2:ダルマモードの仕様について
前作からあるこの特性ですが、あまり仕様が知られていないと思うのでここでいくつか注意すべき点を挙げます。
・注意点1:ダルマモードになるのはターンの終わり
上からダメージを受けて体力が半分以下になってもギルガルドみたいにすぐにフォルムチェンジするわけではありません。ヨワシと一緒ですね。
実戦で意識することはあまりありませんが、ダルマモードに可能性を感じて机上論で考察する際には気を付けましょう(一敗)。
・注意点2:手持ちに戻るとゴリラに戻る
恐らく実戦で多くの方が経験することになる問題です。死に出しの場合、ダルマになるのは出してから1ターン経過した後になります。高速アタッカーとして温存しようとしたら遅いゴリラに戻っていて負け筋に・・・なんてことがあり得ます。受け出しすればそのターンの終わりにダルマモードになりますが、体力半分以下のヒヒダルマを受け出しさせるのは非常にリスキーです。
更に重要なことが一つ。ゴリラモードのヒヒダルマは氷単タイプのため、鬼火や熱湯に後出しすると普通に火傷になります。どんなに体力が半分以下でもサニーゴに後出しするのは無理です(一敗)。
以上2点の注意点をしっかり覚えつつ、よきダルマライフをお過ごしください。
型詳細
- 特性 :ダルマモード
- 持ち物:リリバの実 or 溶けない氷
- 性格 :意地っ張り(A↑C↓)
- 努力値:[H188][A196][B 20][C - ][D 20][S 84]
- 実数値:[H204][A203][B 78][C - ][D 78][S126](ゴリラモード)
- 実数値:[H204][A225][B 78][C - ][D 78][S166](ダルマモード)
HP:身代わりがナイトヘッド耐え、身代わり2回でダルマモードへ
A :余り
B :ミミッキュの珠ダイフェアリー最高乱数切り耐え
D :ゴリラモードの身代わりが無振りドヒドイデの熱湯最高乱数切り耐え
S :ダルマモードで最速サザンドラ抜き
- 持ち物について
持ち物の候補はダイスチルでBを上げてくる相手に強くなれるリリバの実か、メインウェポンの火力を底上げできる溶けない氷から選択です。以下利点と欠点。
〇リリバの実の利点
・ASドラパルトのダイスチルを2耐えできる
・臆病や耐久振りサザンドラのダイスチルを2耐えできる
・襷ドリュウズと対面し、相手がダイマックスしてこなかった場合に多くのHPを残して一方的に突破できる
・一匹突破して多少削れた状態でも、サブウェポンの鋼技程度なら一発耐えてくれる
〇リリバの実の欠点
・ダイスチル相手に乱数によっては耐えすぎて上手くダルマモードになれず、S逆転できずに倒される可能性がある
・ダルマモードになると意味がなくなる
〇溶けない氷の利点
・サニーゴをつらら落とし2回+ダイアイスで確定(身代わりが1回でよくなる)
・無振りダイマックスサザンドラやトゲキッスをダイアイスで確定
〇溶けない氷の欠点
・ASドラパルトにダイスチルを打たれると勝てない
・不意の鋼技が痛い(ナットレイがダイマックスして強引にフレドラを耐えてきた時等)
トゲキッスは耐久振りも多く、サザンドラは乱数ではこちらが有利なこと、突っ込んでくるASドラパルトに”わからせる”ために確定欄はリリバの実としています。
技構成
構成内容:つらら落とし/フレアドライブ/地震/身代わり
全てコンセプト順守のために確定です。
地震はギルガルドとドヒドイデにしか打ちませんが、ドヒドイデを突破できなくなることが痛すぎるので選択技は無し。唯一候補として上がりそうなのは「地ならし」くらいですが、ダイマックスせずに打ち合うこと自体が少なく、ダイジェットでSを上げてくるポケモンはほぼ地ならしでSが下がらないのでダメです。
ダメ計
- 与ダメ(相手通常時のダメージ。ダイマックス相手には割合を半分にしてください)
- ゴリラモード
- ゴリラモードダイアイス(威力130):右は溶けない氷持ちの場合
※備考:霰ダメージは6.25%です。
無振りドラパルト:192.6〜228.2%(確定1発):229.4〜272.3%(確定1発)
無振りドラパルト(B+1):128.8〜152.1%(確定1発):155.8〜184%(確定1発)
無振りサザンドラ:161.6〜191.6%(確定1発):194〜229.9%(確定1発)
無振りサザンドラ(B+1):108.9〜129.3%(確定1発):130.5〜154.4%(確定1発)
無振りトゲキッス:161.2〜191.2%(確定1発):195〜229.9%(確定1発)
無振りドリュウズ:100.5〜118.9%(確定1発):120.5〜142.7%(確定1発)
無振りギャラドス:88.8〜104.7%(乱数1発):105.8〜125.2%(確定1発)
HB特化奇石サニーゴ:35.9〜43.1%(確定3発):43.1〜50.8%(乱数2発)
- つらら落とし(威力85):右は溶けない氷持ちの場合
HB特化奇石サニーゴ:23.9〜28.7%(乱数4発):28.7〜34.1%(乱数3発)
- ゴリラモードダイバーン(威力140)
HB特化アーマーガア:60.4〜72.1%(確定2発)
- ゴリラモードフレアドライブ(威力120)
HB特化ナットレイ:101.6〜121.5%(確定1発)
- ゴリラモード地震(威力100)
H振りギルガルド(ブレード):161.4〜191.1%(確定1発)
HB特化ドヒドイデ:43.3〜52.2%(乱数2発)
- ダルマモード
- ダルマモードダイアイス(威力130):右は溶けない氷持ちの場合
無振りサザンドラ:180.8〜213.1%(確定1発):215.5〜255%(確定1発)
無振りサザンドラ(B+1):122.1〜143.7%(確定1発):143.7〜170%(確定1発)
- ダルマモードダイバーン(威力140)
H振りギルガルド(シールド):132.9〜158%(確定1発)
- ダルマモードダイアース(威力130)
HB特化ドヒドイデ:63.6〜75.1%(確定2発)
- ダルマモード地震(威力100)
HB特化ドヒドイデ:49.6〜58.5%(乱数2発)
※備考:炎技以外ダルマモードはゴリラモードの約1.1倍強の火力になります。炎技は1.65倍。
- 被ダメ(こちら通常時のダメージ。ダイマックスの時のダメージは割合を半分にしてください。リリバの実発動時は更に半分)
Aぶっぱドラパルトのダイドラグーン(威力130):79.4〜94.1%(確定2発)
Aぶっぱドラパルトのダイスチル(威力120):98〜115.6%(乱数1発)
C無振りドラパルトのダイバーン(威力140):79.4〜94.1%(確定2発)
C特化サザンドラのダイスチル(威力130):119.6〜141.1%(確定1発)
C特化サザンドラのダイスチル(威力140):128.4〜151.9%(確定1発)
Aぶっぱミミッキュの珠ダイフェアリー(威力130):85.7〜101.4%(乱数1発)
Aぶっぱギャラドスのダイストリーム(威力130):81.3〜96%(確定2発)
A特化ギルガルドのアイアンヘッド(威力80):120.5〜142.1%(確定1発)
C無振りドヒドイデの熱湯(威力80):20.5〜25%(乱数4発)
A無振りナットレイのダイスチル(威力130):105.8〜124.5%(確定1発)
A無振りアーマーガアのアイアンヘッド(威力80):61.7〜73.5%(確定2発)
終わりに
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
通常モードのことを便宜上ゴリラモードと呼びましたが、スカーフヒヒダルマがゴリラそのものなのでこれでいいと思ってます。
よかったら皆さんもダルマゴリラのなんやかんやを考えてみてください。技いっぱい覚えるのでとても楽しいですよ。