こんにちは、近日後悔と申します。
今回考察するのは相手のステルスロック展開を阻止するメガアブソルとなります。
疑問、指摘等があればコメントでお願いいたします。
また、不要との声が多ければ削除致します。
前置き
・お互いに理想個体を想定しています。
・HABCDS等の略称や技名の漢字化があります。
アブソルとは
第三世代に登場したポケモン。カッコ良くて強そうな見た目の割には微妙なSと紙耐久、そして火力不足が災いして使用率は高くありませんでしたね。
六世代でまさかのメガシンカを獲得し、「強特性マジックミラーによって鬼火や電磁波を無効化どころか反射さえしつつ高火力先制技であるふいうちをタイプ一致で撃てるA150」という厨ポケの香りすら漂う個性を得ましたが、実際はメガシンカしてもこれっぽっちも上がらなかった紙耐久のせいでやはり使用率は高くありません。
今回はそんなメガアブソルを使ったステロ阻止型の考察をしたいと思います。
採用理由
- マジックミラーによる相手のステルスロックの阻止。
こちらのリザードンやファイアロー、ウルガモスの被害を抑えたり、襷や頑丈、マルチスケイルを守ったり耐久調整を崩されにくくします。
運用方法の説明をすると、彼我のパーティを見比べて相手が初手ステロ持ちを持ってくる可能性が高いと判断した場合に先発でステロ持ちと対面させて相手のステロを阻止しつつアドを取っていくのが理想的な展開になります。
アブソルは通常メガシンカして剣の舞を積み相手を上からなぎ倒していく型が多いため、アブソルと相対している時に引いて隙を作ることをためらわせやすく、また相手が引いたら引いたで相手後続の戦力を削ぎやすい叩き落すを高火力で撃つことができます。
結果として初手でステロ撒きと対面できればステロ撒きを確実に処理してステロを阻止するか相手後続への負荷をかけることができ、試合の主導権を握りやすいと言えるでしょう。
一方で相手がステロを撒いてこなさそうな場合は満足な活躍ができない可能性が高いのは欠点といえるでしょう。ですので基本的にパーティにはもう1体メガ枠を設けることを推奨します。
・対受けループ
受けループに採用されやすいラッキーやグライオン、技構成によってはメガヤドランに優位に立てるので技構成によっては受けループの対策として使えます。ただし、バンギラスやメガフシギバナに対しては不利なためこいつ1体で受けループを制するのは不可能なのであくまで副次的な採用理由として受け取って頂きたいです。
性格・努力値
- パターン1
むじゃき H20A116B180C36S156
各調整ラインは
H:Lv50での実数値が16n-1かつ6n-1である143になります。ナットレイやガブ、ゴツメカバを殴ることも多いのでゴツメや鉄の刺ダメージを最小にしておきます。また、先発でカバルドンと相対して相手が引いた場合等は砂嵐下で戦うことになるので一応砂ダメ率最小調整はしておいたほうが無難かと。
A:叩き落す+不意打ちでB4マンムーを確殺。メガシンカ後のSはマンムーに勝っているため相手の氷の礫の上から不意打ちで倒すことができます。
B:A252ガブリアスの逆鱗耐え。この程度の耐久があればついでにA252ガブリアスの地震+鮫肌×1や無振りカバの地震+ゴツメダメ×1+砂ダメ×1、無振りナットのジャイロボール+鉄の刺等いろいろ耐えてくれます。
C:冷凍ビームでD4ガブリアスを93.8%の高乱一。因みにCにあと16振れば確一になるのですがステロガブは高確率で襷なのでどうせ一撃では倒せませんし努力値も足りないのでこれで十分でしょう。
S:メガシンカ後に最速ガブリアス抜き。
となります。こちらを確定欄としていますし後述のダメージ計算もこちらで行っています。
- パターン2
むじゃき H116A116B116C4S156
こちらは対受けループの役割を重視した調整案となります。各調整ラインは
H:Lv50での実数値が6n-1である155になります。ナットレイやガブ、ゴツメカバを殴ることも多いのでゴツメや鉄の刺ダメージを最小にしておきます。
A:叩き落す+不意打ちでB4マンムーを確殺。メガシンカ後のSはマンムーに勝っているため相手の氷の礫の上から不意打ちで倒すことができます。
B:A252ガブリアスの逆鱗耐え。この程度の耐久があればついでにA252ガブリアスの地震+鮫肌×1や無振りカバの地震+ゴツメダメ×1+砂ダメ×1、無振りナットのジャイロボール+鉄の刺等いろいろ耐えてくれます。
C:冷凍ビームでD4ガブリアスを75%の高乱一。
S:メガシンカ後に最速ガブリアス抜き。
となります。パターン1との違いはH実数値が上がったことによりラッキーの地球投げを1発多く耐えることができる点ですね。受けループに採用されやすいラッキーに強くなります。それ以外にもHが上がったことにより特殊耐久も僅かながら上がっています。逆に欠点はH実数値が16n-1でないため砂嵐の被ダメ率が若干上がっている点とCを削っているためガブリアスへの冷凍ビームの乱数がやや下に動いてしまっている点ですね。ただしそもそもステロガブリアスは襷持ちが多い等一撃で倒さなければならない状況は少ないのでそこまで大きいリスクでもないでしょう。
差別化
ステロを撒いてくるポケモンをざっと挙げると
アグノム、エアームド、エンペルト、カバルドン、ガブリアス、テラキオン、ドンファン、ナットレイ、バンギラス、ボスゴドラ、マンムー、ユクシー、ラグラージ、ラッキー、ランドロス
辺りでしょう。もちろんこれが全てではありませんが全部挙げてもキリがないのでこの辺で留めておきます。やや私の主観が入っていますが、レートで見かけうるポケモンでステロの搭載率が高いポケモンを挙げたつもりです。特に太字のポケモンはパーティ採用率が高く、さらにステロ搭載率も高いため、最低限こいつらを相手取ることができることが必須です。
- 挑発持ち
挑発を覚えるポケモンはステロを撒かれる前に挑発でステロを阻止できますが、メガアブソルは相手の方が速くても阻止できる点や、火力が高く挑発読みで殴ってくる可能性のあるガブリアスやランドロス、マンムー相手に安定行動を取り易い点が差別化であると言えるでしょう。
また、採用個体は多くないとはいえメンタルハーブで防御されないのもポイントです。因みに挑発ではなくマジックコート持ちもステロ阻止ができますが大体同様の差別化が出来る上搭載個体が少ないので軽く触れておく程度にしておきます。
- ネイティオ、エーフィ
メガアブソルと同様マジックミラー持ちですが、相手にかけることができる負担がまるで違います。メガアブソルは一貫性が高く相手が交換しても刺さりやすい叩き落すやガブランドに刺さる冷凍ビームが使えて火力も高いので差別化には困らないでしょう。
- メガヤミラミ
アブソルと同じくメガシンカすることで特性はマジックミラーになります。単体スペックだけ見るとヤミラミ>アブソルに見えますが、そもそもメガヤミラミの強みは普段はメガシンカせずに特性による先制鬼火や先制瞑想で高耐久を維持しつつ毒々や挑発が来そうなタイミングでメガシンカして反射することにあります。
初手からメガシンカして積極的に相手を殴っていくことを考えると火力で勝るアブソルの方がヤミラミより適任であると言えるでしょう。
- トリック、アンコール持ち
トリックやアンコール持ちは相手のステロを読んで撃つことでアドバンテージを得ることができますがステロ撒きを許しているという点ではアブソルとは役割が異なります。また、挑発持ちとの差別化で挙げた点も一部適用できるでしょう。
持ち物
今回はメガアブソルの育成論ですのでアブソルナイト一択です。
特性
- プレッシャ→マジックミラー
メガシンカ前の特性は、剣舞エース型のアブソルなら悪技に後出しして火力を上げることができる正義の心が有用ですがこのアブソルは先発起用で即メガシンカするので発動機会がありません。
一方プレッシャーは発動順により相手の素早さを察することができるため少ないながら有用な場合もありますのでこちらでよいでしょう。
そしてメガシンカ後はマジックミラーになり、こちらに飛んできた補助技を反射します。
技
確定技
- 叩き落す
通りの良い安定したタイプ一致のメインウエポン。相手が引いた場合でも刺さりやすいですし確定で。教え技。
- 不意打ち
優秀な先制技。襷耐えした相手にトドメを刺したり、ステロ撒きを倒した後に出てきた相手後続への最後っ屁として撃ちます。タイプ一致であることと高いA種族値のおかげで最後っ屁にしては悪くない火力が出ますし、特に襷マンムーを倒すために必須なので確定で。
- 冷凍ビーム
ガブリアスやランドロスを倒すために確定で。勝てないとはいえカバルドンを削ってこちらの後続圏内に入れるのにも有用。
選択技
- 火炎放射/大文字(情報提供:オルサ様)
ナットレイに撃つ他、エアームド辺りの遂行速度が上がります。また、これを採用することで本来のステロ撒きに加えて害悪型のクレッフィに競り勝つことが出来るようになります。確定数が変わることは少ないので火炎放射を推奨します。確定欄はこれで。
- 守る/見切り
ガブリアスやランドロスとの対面で使う技。S逆転や様子見に使えます。後述しますが慎重なプレイングをする方なら使用場面はそこそこ多いです。因みに守ると見切りは効果が同じですが守るの方がPPが多いので特殊な事情がない限り守るを採用しましょう。個人的は名前の響きがカッコイイので見切りを推します。
- 馬鹿力
主にバンギラス、テラキオン辺りに。どちらもそこまで多くなく、バンギは竜舞アタッカーであることも多いため対策優先度はそこまで高くありません。今後環境が変われば優先度が上がる可能性もあるかと。あと馬鹿力を搭載するとメガルカリオに起点にされなくなります(大文字だと耐久無振りメガルカリオが低乱一)。教え技。
- 剣の舞(情報提供:オルサ様)
悪が一貫するパーティ相手なら一度積めば無双できる可能性がある他、事前に積むことができればメガヤドランに対して強くなれます。元々このメガアブソルは対ラキグライ性能が高く、それと合わせるとそれなりに高い対受けループ性能を確保できる点は優秀かと。ただし、元々のステロ阻止のコンセプトとは合わない点や受けループに組み込まれやすいメガフシギバナに勝てないことからあくまで選択肢の一つとして見ていただければ幸いです。
- 悪の波動・10万ボルト
同じくメガヤドランに刺さる技。対メガヤドラン性能を高めて受けループにも役割を持たせたい場合の候補技。剣の舞はヤドランと相対する前にグライオンやラッキーの前で積んでおく必要があるのに対しこちらは対面からでも突破できる目があります。(H252D4メガヤドランに対し10万で7割程度の乱二、悪波動で確二、相手C無振りメガヤドランの熱湯でこちら確二)
対メガヤドランだけなら悪の波動が最も優秀ですがこれを採用すると悪技を3本も両立することになり汎用性が下がりますのでそれを避けたい場合は10万ボルトを採用しましょう。なおバークアウトは最後っ屁には優秀なのですがメガヤドラン相手に低乱二という体たらくなので候補外とします。
想定される立ち回り
代表的な仮想敵と相対した場合の立ち回りとダメージ計算をしておきます。
因みにダメージ計算はトレーナー天国様のものをお借りしました。
- VSガブリアス
→D4ガブリアスに冷凍ビーム 98.3%〜118% 高乱一(93.8%)
←A252ガブリアスの逆鱗 83.9%〜99.3% 確二
初手冷凍ビームで勝てます。相手が襷でもこちらは相手の一撃を耐えることができ、メガシンカ後はSも抜いているため次ターンもう一度冷凍ビームでガブを処理できます。
相手が襷でかつ岩石封じから入ってきた場合は次ターン不意打ちで突破できますし特に問題ないでしょう。
なお初手守るから入れば相手が襷でなかった場合無償突破できる可能性がありますが逃げられるリスクもあります。相手パーティをよく見て決めるとよいでしょう。なお相手ガブリアスがメガシンカしてきた場合負けます ですがメガガブなんて滅多にいませんし何よりメガシンカしてまでステロ撒いてくるガブリアスとか逆に見てみたいです
- VSマンムー
→B4マンムーに叩き落す 55.1%〜64.8%
→B4マンムーに不意打ち 45.4%〜53.5% 叩き+不意打ちで確殺
←A252マンムーの地震 69.9%〜82.5% 確二
←A252マンムーの珠地震 90.9%〜106.9% 中乱一(43.8%)
襷マンムーなら叩き落す+不意打ちで勝てます。メガシンカ後はSも抜いているので次ターンの氷の礫を食らう前に不意打ちが決まります。
なお相手が珠だった場合こちらが中乱数で落とされますが、この場合も初手で守るを選択すれば次ターン攻撃を受ける前に叩き落すで珠を落とし上記のパターンで勝るのでまもるを採用するなら選択肢の一つとして頭に入れておいてください。
- VSランドロス
→H4霊ランドロスに冷凍ビーム 116.3%〜138.1% 確一
←A特化霊ランドの地震 82.5%〜98.6% 確二
メガシンカすればスカーフ以外のランドロスは抜いているので勝てそうに見えますがスカーフでとんぼ返りを選択された場合こちらは倒れないとはいえ重傷を負い、相手には逃げられます。
ステロを撒きに来るランドロスは大抵襷やゴツメだと思いますがスカーフランドも先発起用されやすく読み違えることも多いので一応初手で守るを選択して相手の出方を伺うのもアリでしょう。
- VSカバルドン
→D特化カバルドンに叩き落す 34.8%〜40.9%
→D特化カバルドンに冷凍ビーム 32.5%〜39%
→B特化カバルドンに叩き落す 25.5%〜30.6%
→B特化カバルドンに冷凍ビーム 47.4%〜56.7%
←A無振りカバルドンの地震 51%〜60.8% ゴツメ×1+砂ダメ×1込み耐え
結論から言うと勝てませんが初手は叩き落すから入って下さい。相手がこちらのマジックミラーを忘れて補助技を撃って無駄行動する等のハプニングがなければ叩き落す+冷凍ビームを撃った時点でこちらが先に倒れます。
ですが相手はゴツメやオボンを失った状態で7割程度削れており、十分こちらの後続圏内といえるので起点作りは阻止できていますし十分かと。
因みに、何かの拍子でカバルドンに勝ってしまい、かつこちらが馬鹿力を搭載していないと相手が判断した場合、このアブソルはカバルドンの相方として有名なメガルカリオに起点にされますので、ギリギリ勝てないが後続で起点阻止できるというこの関係は理想的であると私は考えています。
- VSラグラージ
→B特化ラグラージに叩き落す 31.8%〜37.6%
→H252ラグラージに冷凍ビーム 21.2%〜25.1%
←A無振りラグラージの地震 50.3%〜59.4% 確二
←C無振りラグラージの波乗り 52.4%〜61.5% 確二
これもまた勝てませんが同様に叩き落すから入って下さい。やはり相手の持ち物を落とした上で5、6割のダメージが入るので後続に手負いのラグラージを倒せる駒を用意しておいて下さい。
- VSナットレイ
→H252ナットレイに大文字 95%〜112.7% 中乱一(62.5%)
→H252ナットレイに火炎放射 77.3%〜92.8% 確二
→H252ナットレイに叩き落す 37%〜44.7%
→H252ナットレイに馬鹿力 61.8%〜72.9%
←A無振りナットレイのジャイロボール 65.7%〜78.3% 鉄の刺ダメ×1込み耐え ゴツメダメも込みなら乱数
炎技を搭載していればまず勝てます。炎技を採用しない場合だと持ち物を落とすので精一杯というところでしょう。
- VSその他ステロ撒き勢
エアームドやラッキー等の低火力ポケ相手なら補助技が効かないのでどうとでもなりますしダメージ計算は省きます。ただし特殊耐久はもともとの紙耐久に加えて性格で下降補正をかけているため脆いので注意してください。
・参考被ダメ
←C252アグノムの大文字 71.3%〜83.9% 確二
←C特化エンペルトのハイドロポンプ 107.6%〜127.9% 確一
- VSクレッフィ
→D特化クレッフィに大文字 47.5%〜56% 相手食べ残し込で乱二
→D特化クレッフィに火炎放射 39%〜46.3% 相手食べ残し込みで確三
←クレッフィ(でなくても同じだが)のイカサマ 33.5%〜39.8% 確三
ステロは撒けませんしコンセプトの役割対象ではないのですが炎技を採用した場合は勝てるので一応シミュレートしておきました。Sで勝っていることもあり普通に押し勝てますね。自慢の補助技を完封してドヤ顔してやりましょう。
相性の良い味方
- リザードン/ファイロー/ウルガモス
要はステロで体力が半分持っていかれるポケモン達。相手のステロを誘います。特にリザードンはメガシンカ先が読めず、とりあえずステロ撒いて何とかするというパーティも少なくないためステロ撒きを(特にガブリアス)を呼びやすいです。
- キノガッサ/マンムー
襷を持つことで高い対面性能を誇ります。ステロを撒かれない環境でこそその真価を発揮するでしょう。特にキノガッサはアブソルで削りきれないラグラージに対して抜群を取れるためアブソルのケアという点でも優秀です。
- カイリュー
ステロを防ぐことでマルチスケイルを保護できます。ただしアブソルと合わせてフェアリーが一貫するのでそこは後続でケアすべきでしょう。
他にもいるようであれば追記します。
最後に
以上で育成論は終わりです。
評価の際にはコメントを頂けると今後の役に立つと思います。
因みに本育成論は投稿直後はコメントを会員のみに限定しておりましたが、やはり様々な方の意見を聞きたいので、非会員のコメントを解禁しました。
それでは育成論タイトルの焼き増しになりますがこの言葉をもって〆とさせて頂きます。
ステロを撒こうなんて…そんな甘い考えは……捨てろ!!!