- 指定がない限りお互いに6Vであるとします。
- HP/攻撃/防御/特攻/特防/素早はH/A/B/C/D/Sという略称を用います。また、タイプのノーマル/電気/地面/格闘/エスパー/ゴースト/飛行/ドラゴン/フェアリーは無/電/地/格/超/霊/飛/竜/妖という略称を用います。
- 特化とは、そのステータスに上方補正のかかる性格で、努力値を限界まで振った事を示します。
今回の型について
いか鉄です。今回はキリキザンを投稿します。
キリキザンの型といえば、次の2つが有名かと思います。
- 珠剣舞アタッカー型(or襷orラム)
- 襷メタルバースト型
特性はいずれも負けん気が当たり前ですね。
今回は電磁波、ステルスロックを使い、後続の起点作りと火力サポートを行う型を紹介します。
こんな型もあり得るんだなぁ、程度に読んで頂ければ幸いです。正直差別化が厳しい・・・
電磁波ステロを両立できるポケモンは、同じ悪or鋼だけでもバンギ、ナット、ボスゴドラなど多数存在しますが、キリキザンには下記の特徴があります。
- アタッカー型が有名であることから、型バレするまで挑発を受けにくい。
- S70族と中速域であり、上から行動できる範囲が広い。
- 特性:精神力により怯みによる襷つぶしを受けない。
- 多くの連続技を半減するため、襷を無視されにくい。
- (バンギと比べて)弱点が少なく、後続と一貫しにくい。
またマンダキザンやリザキザンなど、積みリレーの後続として有名であり、それらと相性補完に優れるため、無理なく偽装構築を組むことが出来、相手のミスリーディングを誘いやすいです。
特性
特性は、どれも一長一短ですが、サポート要員として、バンギラスとの差別化をもっとも強く図れるのは精神力だと思います。
精神力
怯まない。それだけの特性ですが、襷持ちにとって最悪の猫だまし持ちが相手のパーティにいても、それを恐れずに先発することができます。PGLによれば99%以上負けん気なので、まず考慮されません。メガガルーラ以外の猫だまし使いはレートでメジャーであるとは言い難いですが、中堅クラスにミミロップやマニューラ、コジョンドなどがおり、それらがいるパーティに対して、強気に先発を選択できるため、あって困らない特性です。
なお、精神力とステルスロックが両立できるのはキリキザン系列だけです。
負けん気
相手の効果で能力ランクが低下するたび、Aランクを2段階上昇させます。
この特性のおかげで、見せ合いでの選出圧力が強いのが特徴です。
今回はサポートメインなので確定欄は精神力ですが、不意打ちを採用する場合などはこちらが生きる場面もあるでしょう。
特に電磁波の効かない威嚇持ちのランドロスにはどの型でも不利ですが、負けん気であればステロを撒いた上で、そこそこの負担をかけておくことができます。
プレッシャー(コメント欄より)
夢特性。効果よりも、相手のプレッシャーや砂おこし、トレース、威嚇などとの発動順により、相手の型をある程度推測でき、最適行動を選びやすくなります。自分から負けん気で無いことを露呈しに行くわけなので、挑発を受けやすくなる、威嚇持ちを後出しされやすくなる、メガライボルトがメガ進化するなどの弊害が発生すると思われます。
持ち物
気合の襷
行動回数を保証してくれるアイテム。
耐久に振って他のアイテムを持たせたところで、格闘技や特殊炎技は耐えられないので確定。
努力値、性格
性格:陽気
努力値:4-252-0-0-0-252
実数値:141-177-120-*-90-134
耐久は襷頼りになってしまいますが、B種族値と特性、メジャーな連続技である氷柱針、ロックブラスト、種マシンガン、ダブルチョップ等を軒並み半減できる耐性のおかげで、メガガルーラと準速メガヘラクロス以外の前であれば、必ず1回行動できます。
今回は準速70族付近をS調整先にしているポケモンに先制するためと、岩石封じでライコウを抜くために陽気にしています。
技
- 確定技
ステルスロック
コンセプトなので確定。相手の襷・頑丈つぶしと、エースの火力補助を行います。初心者には強さがわかりにくい強技の一つ。
電磁波
キリキザンの電磁波自体がほぼ警戒されません。不意打ちが有名なため、身代わりを誘いやすいので立ち回りに注意。
- 優先選択技
岩石封じ
電磁波の効かない高速の電気・地面タイプ、ラムの実持ちにS逆転を狙う他、起点防止に役立ちます。
特に岩石封じ+叩き落すでH252ボルトロスに確定が取れ、相手の調整によってはおぼんの実を発動させずに突破も可能となる点は優秀です。
また先発でメガリザYやファイアローに打てる機会もあり、見られる範囲がかなり広がるので、できれば採用したいです。
(ローキックは半減・無効化されやすいことから候補外ですが、火力高く命中安定であり、身代わりライコウの身代わりを高乱数破壊できたり、キリキザンミラーに強くなったりするので、環境によっては一考の余地がある。。。かもしれません。)
- 選択技(個人的に優先順位の高い順)
叩き落す
安定した火力の出る技。さらに相手の持ち物を落とせます。
サポート優先なので、相手が拘りと読めた場合は、あえて持ち物を落とさずに後続の起点にする選択肢があることをお忘れなく。
不意打ち
一致先制技。無振りラティオス程度なら確1です。先制技持ちに1発入れておきたい場面に役に立つ他、襷が潰れて生き残ってしまった場合に捨てない理由になります。負けん気が発動すれば、かなりの負担をかけることができるようになります。
挑発
相手のステロ展開を止めるなど、使いたい場面も多いです。
アイアンヘッド
この型での優先度は低いですが、型バレした後はフェアリーの起点になりやすいので一応。また天敵マンムーへの有効打になりますが、性格補正をかけないと一方的に負ける可能性が高いです。
イカサマ
精神力の場合、Aダウンしても火力の出るイカサマは選択肢になります。起点防止に。一致イカサマの火力は流石。
メタルバースト
役割放棄気味ですが、相手のメガ枠と1:1交換できれば御の字。Sに振ってしまっているので使いにくいです。
ダメージ計算
- 与ダメ
<岩石封じ>
H252ボルトロス 48.3%〜56.9%(乱2:90.6%)
B4メガリザードンX 40.5%〜48.3%
H252ファイアロー 97.2%〜114.5%(乱1:75%)
H220B4ライコウ 21.7%〜25.9%(身代わり破壊率:31.3%)
<叩き落す(持ち物所持)>
H252盾ギルガルド 69.4%〜82.6%
B4メガゲンガー 97.7%〜115.5%(乱1:75%)
H252ボルトロス 58%〜68.2%
<不意打ち>
B4ラティオス 101.9%〜121.2%
H4メガガルーラ 37%〜43.6%
<アイアンヘッド>
H252ニンフィア 93%〜110.8%(乱1:62.5%)
B4マンムー 85.4%〜101.6%(乱1:12.5%)
<イカサマ>
H4A252メガガルーラ 43.6%〜51.9%
- 被ダメ
<ファイアロー>
特化鉢巻 蜻蛉返り 34.7%〜41.1%
特化鉢巻 ブレイブバード 43.9%〜51.7%(乱2:14.8%)
<ボルトロス>
C252珠 10万V 92.1%〜108.5%(乱1:50%)
運用
基本先発で出し、相手に応じて行動します。
基本的に、Sが勝っていればステロ→電磁波or叩き落す。S負けしていれば電磁波or岩石封じ→ステロと行動します。
一回の行動がほぼ確約されていますので、試合の展開を意識して最優先でやるべき仕事をさせるようにしましょう。
下記幾つか先発で当たりやすい面々への対処方をまとめます。
- ミミロップ、マニューラ、コジョンド等
精神力型のコンセプトである、猫だまし+格闘技使いに対面しても電磁波を入れられることが生きる対面です。マニューラはけたぐり→礫の可能性もありますが、襷警戒、というよりは思考停止気味に猫だましから入ってくることが多いです。
- ボルトロス、ライコウ、ライボルト
電磁波よりも岩石封じが有効な相手には、岩石封じから入ります。S逆転したら、相手のパーティに合わせて優先度の高い行動をしていけばOKです。ボルチェンされても後続に岩石が入ります。例外的にライコウはHS身代わり瞑想型だと、岩石封じでは身代わりが低確率破壊のため、叩き落すを打ったほうが良いです。負けん気のあるキリキザンを前に、ライボルトがメガ進化してくる可能性は低いですが、メガライボルトは岩石では抜けないので一応警戒が必要です。
- ファイアロー
想定される型が多いですが、全て岩石封じから入ることで対処していきます。
蜻蛉返り→後続に岩石封じが入るので、高確率で次の行動ができます。ステロを撒いて去ったアローへ負担をかけます。
鬼火→相手のHPが半分ほど削れるので、相手は高確率で羽休めでねばってきます。そこに電磁波を入れて、後続での処理を楽にした上でステロを撒きましょう。
フレアドライブなど→落とせます。後続には起点防止のため電磁波や岩石封じを打ちます。
- ガブリアス、キノガッサ
こちらからは何もできません。負けん気のおかげで岩石封じを打たれにくいことから、高確率で地面/格闘技、補助技を使用してくるので、ガブリアスであれば岩石封じ→ステロで捨てるか、ステロの優先度が低ければエルフーン等を選出しておき、引いてアンコールで起点にします。
引いたとしても、襷が残っている状態であれば、電磁波による全抜き阻止などの仕事が可能です。
- マンムー、カイリュー等
弱点技+先制技相手だと1回しか行動できません。電磁波も効かない(カイリューもラム持ちが多い)ため、非常に難しい対面です。この対面が想定されるなら選出を変えたほうが無難です。カイリューのマルスケさえ潰せればステロ撒きしなくても後続で全抜きが狙えそうなら、カイリューには起点防止を兼ねて岩石封じから入ってもいいです。
相性のいい味方
- 積み技持ちエース
地炎格耐性がある積みエース(メガリザードンX、メガボーマンダ、メガチルタリス、カイリュー、ギャラドスなど)の起点作りを担当します。電磁波と相性の良い身代わりor回復技を持たせるのも一考です。ガルーラからの引き先にもなる身代わりゲンガーなんかもいいです。
- エルフーン
そこそこ相性補完に優れ、ヤドみが戦術が電磁波ステロと相性が良好な他、先制アンコールの存在によりキリキザンが起点にされた場合の予防になります。アローが少々重くなるので、キリキザンは岩石封じ必須。鬼火や耐久に振られている可能性を考慮すると厳しいので、他にもアローを受けられるポケモンは入れましょう。
- ラグラージ、カバルドン
ここまでするかどうかはパーティとの相談になりますが、先発を偽装できます。相手の先発にジャローダや草結びボルトロスなどを呼び、キリキザンで崩していくことができます。またキリキザンが対面不利なガルーラやランドロス、マンムー等の先発に圧力をかけてくれます。
実際には、ラグマンダキザンから始まり、ラグラージの技スペがきついことからステロが抜けそうになって思いついた型だったりします。
なお、見せ合い時にエルフーンやカバルドン・ラグラージがいれば、猫騙しをある程度牽制することができるため、特性負けん気を選んだとしても、(相手依存ですが)猫騙しを受ける機会は減らせるとも考えられます。
余談〜メガガルーラに勝つために〜
確定欄では、猫だまし使い筆頭たるメガガルーラには地震ないしグロウパンチで即死するため何もできません。しかしキリキザンは、見た目に似合わない高いB種族値を持っています。すなわち↓のような型が可能です。
腕白 H148 B236 余り124@気合の襷
電磁波/ステルスロック/イカサマ/(選択)
HBを特化メガガルーラの地震超高乱数耐えまで振ることで、(特殊でない)メガガルーラを前に電磁波を打ち込むことができる調整です。グロウパンチも耐え、A+2状態のメガガルーラであればイカサマで落すor大きく削ることが可能です。メガヘラのミサイル針も耐えます。
しかしながらグロウ不意打ちは耐えなかったり、ASを削っているために電気タイプを前にして出来ることが減っていたりと、イマイチです。
結論としては、耐久に振るならバンギラスを使ったほうがいいですね。
最後に
いかがだったでしょうか?
精神力キリキザンの育成論はどこを探しても見つからなかったので、使っている人は皆無だと思われますが、これを期に着目してもらえたら嬉しいです。
ご意見、ご感想、お待ちしています。