こんにちは、14回目の投稿になる近日後悔と申します。
今回はSに厚めに振った起点作り型ユクシーについての考察となります。
起点作りユクシーの育成論は既にぴ様が投稿したものがありますが(こちらになります→育成論ORAS・XY/385)、あちらとは努力値振りが異なり、持ち物や技の考察も私の思うところとは異なるためフォークという形での投稿とさせて頂きます。
疑問、指摘等があればコメントでお願いいたします。
また、不要との声が多ければ削除致します。
前置き
・お互いに理想個体を想定しています。
・HABCDS等の略称や技名の漢字化があります。
・論中の補正とは性格補正のことです。
・本論を熟読する時間が割けないという方には「ユクシーにとってのSの重要性」の項を優先的に読むことを推奨します。ここは本論のキモとなる項であり、この部分を読んで私の考えに同意できる方はこのユクシーを使いこなせると思います。
ユクシーとは
第四世代に登場したポケモン。UMA等の愛称で知られる、所謂準伝説ポケモンの一角。耐久に優れた種族値と優秀な補助技により起点作り型として採用されることがほとんどです。今回はSに厚めに振った型の紹介になります。
採用理由
- 起点作り
ステルスロックを撒いてから欠伸を連打してダメージ蓄積と眠りの二択を迫り、こちらの後続の起点にすることができます。(この戦術を通称ステロ欠伸と呼んだりします。まんまです。)
状況によっては置き土産を選択したりすることもでき、柔軟に起点を作ることができる点は優秀です。
差別化対象は欠伸ステロが使えてある程度の耐久があるポケモンであり、具体的にはカバルドン、ラグラージ、エンペルト辺りが挙がると思いますが、自主退場技を持つのはユクシーくらいなので特に差別化には困らないでしょう。
ユクシーにとってのSの重要性
同じ役割をこなせるポケモンとの差別化も兼ねて、ユクシーの強み弱みとSについて触れておこうと思います。
ステロ欠伸にはいくつか弱点がありますがその中でも特に重要度の高いものを挙げるとすると、挑発と身代わりになると思います。これらの技は汎用性が高く、特にステロ欠伸対策というわけでなくてもしれっとパーティに仕込まれており結果として対策に用いられることが非常に多いです。これらの対策としてステロ欠伸要員は大抵攻撃技を持っています。しかしユクシーは攻撃及び特攻種族値が低く、メインウエポンも威力控えめで弱点を突き辛いサイコキネシス止まりであり、火力が足りません。前の項では、他との差別化として自主退場技を挙げましたが、冷静に考えると自主退場技も挑発や身代わりには弱く、弱点を補い実践でのリスクを減らすという観点では好ましい要素ではありません。
つまり何が言いたいかというと、差別化対象である他のステロ欠伸要員も最低限のスペックを備えており、挑発身代わり対策が出来ている以上、それができていないユクシーは他の劣化になってしまうということです。厳密にはタイプ耐性が異なる等の理由から差別化はできていなくもないのですが、そんな差はこの際些細なこととして切って捨てて良いでしょう。
ユクシーがそのスペックの割に使用率が低いのはこの辺りが原因なのではないかと思います。(もちろん厳選の面倒臭さも原因の一つだとは思いますが。)
ではどうすればよいのか。その回答がマジックコートとレッドカードであると私は考えます。
まずマジックコートは言うまでもなく挑発への対策です。ユクシーは先発起用及び欠伸ステロが読まれやすく、対策ポケモンがいればほぼ確実に先発で出てきます。つまり初手で出てくるボルトロスやファイアローは間違いなく挑発を撃ってきますし、初手で出てくるゲンガーは間違いなく催眠術か挑発を撃ってきます。これを反射することで挑発(と副産物として催眠術等)の対策ができます。
次にレッドカードですが、これは相手が初手で身代わりを張った場合に次の相手の攻撃を食らった際にレッドカードで強制退場させて身代わりを解除することで無理矢理ステロ欠伸の流れに持っていくことができます。レッドカードは相手にステロを踏ませたり相手の選出を見ることに使われることが多いと思いますが、ことユクシーに関しては身代わり対策として必須になると私は考えます。そして、耐久を増やすオボンや食べ残しを採用せずレッドカードを採用する以上、レッドカードで出てきた相手後続より先に動けたほうが当然欠伸の成功率が上がります。
結果として、レッドカードを採用するならSは高いほうが安定性が増すと言えるでしょう。これが、レッドカードを採用しなくても身代わりの対策ができてかつもともとSが高くないため2耐えするためにオボン等を採用するカバルドンやラグラージとユクシーの違いとなります。そうでなくても、後攻トンボルチェンによる欠伸からの脱出を阻止する手として退場技読み先手置き土産という選択肢も取れる以上、ユクシーのS振りは極めて有用であると結論づけます。
ここまで、他との差別化を根拠にレッドカードユクシーについて述べましたが、他に差別化を意識するなら神秘の守りを採用するという手も考えられます。こちらの後続を状態異常から守ることができる技ですが、この場合は挑発対策をメンタルハーブに任せることとなります。この場合も連続挑発による機能停止を防ぐためステロ→置き土産で退場が理想の動きとなり、こちらの2手目を確実に成功させるためには相手よりSで優っていることが重要になりますし、やはり高いSを持つことは重要だと考えます。
性格・努力値
慎重or穏やか H252B68D4S164までは確定で良いでしょう。調整先は
H…ぶっぱ。物理特殊両方の耐久が要る上に、種族値がH<B=DなのでHに振ったほうが固くなりますので全振りです。
B…補正ナシA252ガブリアスの剣舞1積み逆鱗を最高乱数以外耐え。こちらがステロを撒いている間に剣舞を積まれても次の一撃を耐えられるよう調整しておきます。ラムガブが2回以上積んできた場合は裏で対処してください。
D…補正アリC252メガリザードンYの晴れオーバーヒート耐え。これだけの特殊耐久があれば大抵は1耐えしてくれます。
S…最速70族+2です。主に最速キノガッサ抜き調整をした中速ポケモンを抜くのが目的です。
なお、努力値が22残っていますが、まずは16はBかSに振ることを推奨します。Bに振れば剣舞1積ガブの逆鱗が確定耐えになり、Sに振れば最速キノガッサ+4となり、+2や+3調整をした相手を抜けるようになり、中速ポケモンへの安定感が上がります。また同時に準速85族抜きとなり、つまり準速ヘラクロスを抜くことができます。ユクシーは先発読みされやすく、初手でメガヘラ対面させてからのミサイル針での一蹴をよく狙われますが、ヘラクロスはいじっぱりが多いため、上から置き土産で起点にする等のプレイングも可能になります。更に残りの6ですが、これはどこに振ってもあまり変わりません。叩き落すか蜻蛉返りを採用する場合や将来採用する可能性のある場合はAに振って性格を慎重にしましょう。攻撃技を採用しない場合はA以外のところに振って性格を穏やかにしておくとイカサマの被ダメージや混乱自傷のダメージの軽減になります。確定欄ではSに16振り、Aには振らず、性格は穏やかにしてあります。
持ち物
- レッドカード
基本的にこれ一択となります。相手の選出を読んだりステロを踏ませたりするのに役立ちますが、それ以上に重要なのは相手が初手みがわりを選択しても無理矢理退場させて欠伸ループに持ち込める点です。他のステロ欠伸要員に比べて火力を出しにくいユクシーにとってみがわりで対策されないことは重要であり、ユクシーの強さを引き出すためにもこれを強く推します。一撃で倒されると発動しない点には十分注意して下さい。
- メンタルハーブ
後述するマジックコートを採用しない場合はこれも候補になります。一度だけなら挑発による妨害を阻止できる点は優秀ですが、マジックコートが圧倒的に優秀なので次点の候補とさせて頂きます。
他にはオボンや食べ残し、ラム等が候補になりそうにも見えますが、どれもユクシーの癖と噛み合っておらず、ラグラージやカバルドンでやった方が良いという結論になりそうなので今回は候補外としておきます。
特性
浮遊しかありません。地面技を無効化できます。呼びやすいラムガブのメインウエポンを一つ完封できるのは何気に大きいです。
技
確定技
- ステルスロック
今回のコンセプトなので当然確定です。相手の頑丈襷潰しや耐久調整崩し等、こちらの後続の抜き性能を高めます。教え技。
- 欠伸
同じく今回のコンセプト。相手を眠らせて起点を作ります。
- 置き土産or蜻蛉返り
選択みたいな書き方をしましたが大抵の場合置き土産で良いでしょう。ステロ欠伸のループの途中でカイリューやニンフィア等、見るからにラムやカゴを持ってそうな相手が来た場合に起点を作れる他、見るからに欠伸抜け交代攻撃しに来たロトムやハッサムの上から置き土産をすることで交代を阻止して眠らせたりできます。ただし、蜻蛉返りは相手が身代わりを使っている場合でも退場できる点では置き土産より優れているため一応選択としています。
選択技
- マジックコート
挑発や催眠術を反射する技。ユクシーは型が読まれやすいため、逆に相手の補助技も読みやすいので鮮やかに反射してアドバンテージを取っていきましょう。持ち物にレッドカードを採用した場合は最後1枠はほぼこれで確定で良いと思います。教え技。
- 神秘の守り
キノコの胞子や眠り粉を防ぐ技。キノガッサは抜いているため扱いやすいですがゲンガーの催眠術はSの関係上防げません。この技の優れている点は後続のエースも状態異常から守ることが出来る点です。
- 叩き落す
相手の持ち物を落として弱体化させ、後続の助けにできる技。欠伸の前に出てきた、見るからにラムやカゴを持っていそうなカイリュー等に撃って持ち物を落として無理やり眠らせるといった動きはユクシーにしかできないので採用理由になりえます。教え技。
ダメージ計算
不特定多数の複数のポケモンの攻撃を受けるためピンポイントなポケモンのダメージ計算はしません。耐久の目安になりそうなポケモンのみしておきます。
A特化ファイアローの珠ブレイブバード 45%〜53.2% 乱二(33.2%)
A特化メガガルーラの捨て身タックル 69.2〜81.3% 確二
A252ガブリアスの剣舞逆鱗 84.6%〜100.5% 超低乱一(6.3%)
A特化バンギラスの噛み砕く 63.7%〜76.9% 確二
C特化水ロトムのハイドロポンプ 36.2%〜42.8% 確三
C特化メガリザードンYのオーバーヒート 84%〜99.4% 確二
C特化サザンドラの眼鏡悪波導 86.8%〜103.2% 低乱一(25%)
C特化ウルガモスの珠虫のさざめき 90.1%〜107.1% 中乱一(43.8%)
一致等倍や不一致抜群程度なら大抵2耐えできます。過剰火力や一致抜群でも一撃は耐えますが、持ち物次第では耐えないこともあります。サザンに一撃で倒されたとしたら確実に眼鏡なので後続の起点にしましょう。ですが、ガモスは珠でも乱一を取られるので十分注意してください。
相性の良い味方
- 各種積みエース
ユクシーが起点を作った隙に積んで抜いていけるエース。具体例は多すぎるのでここでは上げませんが大抵の積みエースとは合うでしょう。
- フェアリータイプ
このユクシーを一撃で倒す可能性のあるポケモンとして眼鏡や鉢巻を持った悪タイプのポケモンが挙げられます。具体的にはサザンドラ等になりますが、その場合、拘った悪技を起点にできるポケモンを裏に置いておくことが望ましいでしょう。
また、このユクシーはラムガブを強く呼びます。こちらがモタモタステロ欠伸をしている間に剣舞を2回積み、逆鱗を撃たれれば容易に突破され、最悪の場合全抜きコースになってしまいます。幸いにもユクシーの特性のおかげで逆鱗を強いることができますので、後続にガブリアスの逆鱗を起点にできるポケモンを置いておくことが望ましいです。
以上の条件を満たし、かつ上記の積みエースと合わせて考えるとメガクチート、メガチルタリス、マリルリ等の採用を強く勧めます。
最後に
以上で育成論は終わりです。
評価の際にはコメントを頂けると今後の役に立つと思います。
それでは育成論タイトルの焼き増しになりますがこの言葉をもって〆とさせて頂きます。
こう見えてSにも振ってるんでね…悪いが俺はお前の先を行くしー!!!