戦術紹介
- スカーフトリック
こだわりスカーフをトリックする事で耐久型の機能を停止させます。
四世代から使われている昔ながらの戦術ですが、六世代からトリック出来ないメガストーン持ちが増えたことにより使いにくくなりました。
トリック不発によってメガポケ相手に1ターンの隙を見せることになるので、交代からそれらが出てきた場合のデメリットが大変深刻です。
- 特性「かげふみ」による安定強化
上記の欠点を解消するのが特性「かげふみ」です。
相手の交換を禁止することで、トリック発動ターンにメガストーン持ちに交代されるリスクを排除出来るので、相手を逃がすことなくこだわりスカーフを押し付けることが出来ます。
また、基本的な立ち回りとして相手の場のポケモンを見た上でゴチルゼルを後出しする形になるので、ゴチルゼル交代成立の時点で相手にかげふみ回避の手段がなければスカーフトリックが確定します。
この特性によって戦術の成功率がかなり高くなります。
- 技「いちゃもん」「ねむる」による削り
スカーフトリック成立後に「いちゃもん」を打つことで2ターンに1回、相手にわるあがきを強制させます。
わるあがきによる自滅ダメージは固定の為、相手の耐久力がどれだけ高くても問答無用で削っていける点が優秀です。
いちゃもん後は相手が自滅するまで「ねむる」で耐え続けます。
わるあがきによるこちらのダメージは微少の為ほとんどの局面で回復が間に合い、かつ耐久型に多いどくどくに対しても耐性があります。
相手の削りを「いちゃもん」に完全に依存する形になるので特攻に努力値を振る必要は一切なく、役割遂行の為に耐久面に全振りできるのもポイントとなります。
特性「かげふみ」によって交代を縛っているので相手に逃げる手段はありません。
立ち回り
- 相手の受けポケモンに対して後出し。
- スカーフトリック+いちゃもん+眠る
以降、2パターンに分岐
A.相手が落ちるまで「ねむる」で攻撃を受け続ける。
相手を落とした後は出てくる奴にゴチルゼルを倒してもらい、こちらの控えの無償降臨を狙う。
B.相手が落ちる直前に控えのエースを繰り出し、積みの起点にする。
控えのゴチルゼルは死に出しさせたいポケモンがいるときにタイミングを計ってクッションさせる。
どちらが良いかは完全に状況次第ですが、どちらもやることはほぼ変わりません。
また、型の性質上、戦術の成功率は相手のポケモンによって左右されます。
重要なのは誰に対して繰り出すかの判断のみと言っても過言ではなく、ここの判断さえ間違えなければまず活躍してくれます。
差別化
特性「かげふみ」+スカーフトリックを可能とするのはゴチム一族のみ。
ステータス一覧
性格:おだやか
特性:かげふみ
道具:こだわりスカーフ
努力値:H236 D60 S180
C4振りスイクンの熱湯3発+火傷2発耐えを確保
Sはスカーフ込み最速グライオン抜き調整
確定技
- トリック
- いちゃもん
レアケースですがこだわり系の相手に素撃ちが有効です。
耐久突破後、こだわっている相手から1発耐える必要はあるものの、1度打てるだけでかなり試合を有利に運べます。
選択技
- サイコキネシス
わるあがきで自滅していく相手の後押しとして使います。
速攻ATに対しては弱点をついても確定1発は取れない為、トリックを諦めて殴りにかかるのはごく一部の状況に限られます。
無振ゲンガー ⇒乱数1発(89.7%〜107.3%)
H252スイクン ⇒乱数4発(20.7%〜25.1%)
- イカサマ
耐久を突破した後は棒立ちのゴチルゼルが残ります。
起点にされるリスクが高い為、積んで来る相手の牽制技として使います。
H252グロパン陽気メガガルーラ ⇒乱数1発(96%〜113.7%)
H252剣舞いじっぱりファイアロー ⇒確定2発(62.1%〜73.5%)
- ミラーコート
トリックで特殊技を縛った場合に手っ取り早く処理するために使います。
最近ではゴチルゼル自体トリックのイメージが強いからか、相手がそのまま殴ってくるケースも多く、奇襲性が高いです。
そのため本来受けきれない相手の役割破壊の一種としての運用も可能です。
C252メガゲンガー(シャドボ) ⇒確定耐えの上、確定1発
- ねむる
最大で相手の攻撃技とわるあがきダメージを受けることになるので、唯一の回復手段として使用。この技の存在により、どくどくに耐性がある点が優秀。
- でんじは
スキスワクレセリアに繰り出す場合のメタ技
スキスワで逃げた先の相手のアタッカーに対して麻痺を入れることで機能停止に追い込むことが出来ます。ただしガブリアスも一定数呼ぶので相手のPTや並びをしっかりと把握しておく必要があります。
- トリックルーム
控えにメガクチート等がいる場合は強力なサポートになります。
トリックいちゃもんである程度削った後、トリックルーム→交代で起点作り。
- ちょうはつ
耐久突破後に出てくる相手に対する牽制技
スカーフトリックで縛った際に相手の選択が補助技であれば、わるあがきのみのダメージで落とせる為、ほぼ無償に近い形で突破が可能です。
- あまえる
耐久突破後に出てくる積み技持ちの物理や鈍足物理ATの相手に対する牽制技
仮想としてはイカサマの通りが悪い剣舞クチートや、鉢巻ナットレイなど。
仮想敵
基本特殊寄りの耐久相手なら繰り出せます。
耐久と言っても数が多いので、ここでは一部のみ記載。
- C4振りスイクン
わるあがき⇒乱数10発(8.5%〜10.2%)
ねっとう⇒乱数5発(18.8%〜22.8%)
ねっとうが急所に当たっても火傷してもどくどく撃ってきても相手に出来ます。
ほえる持ちは交代読みから撃たれない限りスカーフトリック自体は出来るので、結果としては悪くありません。
- C252振りひかえめポリゴン2
わるあがき⇒乱数10発(9.1%〜10.8%)
トライアタック⇒乱数3発(29.7%〜36%)
イカサマ⇒乱数5発(19.4%〜24%)
状況によっては交代読みで攻撃技を当てられると苦しい為、じこさいせいやどくどく読みで繰り出すのがベターです。
強化アイテム持ちもトリックで効果を消せる上、何より厄介な自己再生を関係なく倒せる点が強いです(PP切れるまで待てばok)。
- C4振りピクシー
わるあがき⇒乱数9発(11.8%〜14.1%)
ムーンフォース⇒乱数4発(23.7%〜27.6%)
瞑想+ムーンフォース⇒乱数3発(34.4%〜41.2%)
トリックが当たれば何されても安定。
ちなみにわるあがきの自滅ダメージはマジックガードを貫通します。
スカーフトリックのデメリット
特性「かげふみ」による安定強化を図っていますが、当然効果のない相手も一定数存在します。
とはいえ、立ち回りの性質上こちらの後出しから動きがスタートするので、繰り出していく相手に気を使えばそれほど困ることはありません。
1.特性「かげふみ」から逃げられる
霊タイプ全般/とんぼがえり/ボルトチェンジ/バトンタッチ/いやしのねがい/きれいなぬけがら など
2.トリックが通用しないか、効果が薄い
対応メガストーン持ち全般/マジックミラー/相手のちょうはつ/相手のこだわり系/とつげきチョッキ など
3.強制交代技
ほえる/ふきとばし/レッドカード など
TODによる勝ち筋
かげふみによる交代禁止、スカーフトリック、ねむるの存在から高いハメ性能を持つので、状況によってはTOD勝利を狙えます。
狙って出来る戦術ではありませんが、中盤以降で自然にTODによる勝利が狙える局面もあります。長期戦では意識しておくだけで違います。また、来る状況に備えて技のPPはMAXにしておきます。
相性の良い味方
積み技持ちまたは耐性の多いアタッカー全般
例)メガミミロップ、メガボーマンダ、拘りサザンドラ など
特性「かげふみ」とスカーフトリックによって相手の行動が100%読めるので、起点にできるポケモンを控えとすることでアドバンテージを稼ぐことができます。
特に素早さ上昇関係の積み技持ちとの相性は良好。ゴチルゼルで耐久を落としても相手の控えのエースによって、こちらのエースが素早さの関係上縛られている場合でも、積み技の使用機会を設けることができるので全抜きのサポートになります。
サイクル戦でアドバンテージを稼ぎ出せるアタッカー全般
例)ファイアロー、ハッサム など
蜻蛉ルチェンの類似とも言える立ち回りです。相手の交代に合わせてとんぼがえりを撃ち、そのまま出てくる相手の耐久に合わせてゴチルゼルを繰り出すことで一方的に有利な展開を仕掛けることが可能です。
まとめ(使用感)
誰に繰り出すにしてもやることはほとんど変わらない為、画期的な動きが出来るわけではありません。良くも悪くも安定しています。
仕事が出来る相手と出来ない相手がはっきりとしている為、繰り出していく相手に注意すれば十分な活躍をしてくれます。
また、見せ合いルールの場合は選出の段階での判断が極めて重要です。
明らかに刺さっている場合とそうでない場合は選出の判断に迷うことはありません。
問題なのは微妙なPTが相手のときで、この場合選出するかしないか、選出するなら誰と組み合わせていくかの判断がかなり難しいこともあります。
(ある意味、この型のゴチルゼルの醍醐味はこの部分にあるかもしれません。)
環境を支配するような強力なポケモンではないものの
決して弱くはないので、活躍させてあげられることも十分可能です。