前提
- 本育成論では種族値、能力値、個体値においてHABCDSという略称を使用することがあります。
- 特に指定が無い限り、個体値は全て31として計算しています。
- 低評価をくださる場合、改善点をいただけると有り難く思います。
- 敬語と敬語ではない文体が入り混じることがあります。
レベル50のポケモンを投稿するのは二度目です。ダブルだと初投稿です。私事ですが、美少年というユーザーがいたのでこれはと思い寝かしていた育成論をたたき起こした経緯があります
ラティアスとは
80-80-90-110-130-110、という非常に綺麗な種族値を持つ、第三世代の準伝説ポケモン。これに限らず、三世代のポケモンは種族値が綺麗なポケモンが多いですね。
つがいのラティオスと比べると、防御寄りなステータスをしているのがわかります。実際硬いです。
ただ、タイプがドラゴン/エスパーなので弱点がそこそこ多く、メジャーどころも揃っているため数値からくる印象よりも早く倒れる、というイメージを持っていると思います。
対戦で見かける場合の多くの役割は早いSから追い風をすること、カポエラーやテラキオンに対して一致で弱点をつけるポケモンという辺りでしょうか。メガシンカする場合も、ほぼ無駄のない能力の上り方をするのでつよそう。
今回は、ダブルバトルにおいての詰め筋としてラティアスを運用することを考えます。
詰める、とは
人によって意見が分かれると思いますが、本論では実質的に勝ちを確定させることを指すことにします。
このラティアスで言うと、自己再生による回復が間に合う場合です。
採用理由
- 自己再生とミラータイプによる強固な詰め筋を展開できる。
- 色がかわいい
他のミラータイプ持ちとの差別化点
ラティアスにしか興味がない方は読み飛ばしてもかまいません
まずは、ミラータイプを覚えるポケモンについて。
ミラータイプを覚えるポケモンは、最終進化形に限定すると9匹で、内一匹がミュウなので実質8匹です。内訳が、
ドククラゲ、ゲンガー、スターミー、オムスター、ドーブル、ポワルン、ラティアス、マッギョ
という8匹。これらの内、総合耐久が最も高いポケモンはラティアスです。ざっくりと他のポケモンの特徴も見ていきましょう。
ドククラゲ
長所
- 特殊耐久が高い
- クリアボディなので能力を下げられず、居座りやすい
- 耐性が多く、繰り出しやすい
短所
- 再生技に乏しく、回復が遅い
- 火力が低いのでTODされる可能性がある
- 技範囲に乏しい
ゲンガー
長所
- 速くて火力がある
- 滅びの歌が更に強力な詰め筋になる
- 黒いヘドロを持てる
- 耐性が多く、繰り出しやすい
- 浮遊なので無効属性が多い
短所
- すぐ死ぬ
- 火力がそもそも高いので詰めるより殴った方が早い
- 襷が持てない
- 再生技がない
メガゲンガー
長所
- 圧倒的に火力が高い
- かげふみにより強烈なロックを仕掛けられる
- すごく速いので、先制ミラータイプで即死を防げたりすることが多い
短所
- メガ枠を使う
- 技スペースが厳しく、有用な補助技を入れずらくなる
- 再生技がない
ミラータイプを使うメガゲンガー自体は有用だと思います。
スターミー
長所
- 速い
- 自然回復なため、状態異常に強い
- 技範囲が広い
短所
- すぐ死ぬ
- 再生技はあるにはあるが、回復が追い付かない場合が多い
オムスター
長所
- B方面に硬い
- 火力がある
- すいすいによって速く動ける
短所
- 雨状態でなければ遅い
- 再生技がない
- 詰めるというよりは、エース的な運用をしたい場合が多い
ドーブル
長所
- 有りすぎて書けない
短所
- ミラータイプをしている暇がない
ポワルン
長所
- てんきやにより、独特の動きができる
短所
- 種族値が低い
マッギョ
長所
- HPが高い
- 静電気なので触れられ難い
- 地割れが強力な詰め筋になる
短所
- 遅い
- 火力が低いので地割れを当てる必要がある
こんなところでしょうか。以上を踏まえた上でラティアスの長所、短所を確認しましょう。
ラティアス
長所
- 自己再生を覚える
- 高耐久ポケモンであり、そこそこの速さを有している
- 火力はないこともない
- 浮遊なので、鋼や電気タイプになった時に弱点が一つ消える
短所
- 鋼タイプに打てる技が目覚炎しかないので、素早さを落とさざるを得ない
- 挑発がそこそこ飛んできやすい
- 叩き落とすを打たれやすい
ざっとこんなもん。特性が浮遊という点が非常に重要です。ゲンガーは耐久が低かったので浮遊とか関係なしに倒されることがまま有りますがラティアスの場合は弱点さえ突かれなければ倒されることはないです。なので、弱点を消せる浮遊という特性は、ミラータイプを使う場合にとても強力な特性になります。
叩き落とすが撃たれやすかったり挑発が飛んでくるのは少し向かい風で、特に叩き落とすをされやすいのは食べ残しによる回復ソースを失うので厳しいことになる。
ここまで読んでラティアス以外のポケモンに魅力を感じた方は、それはそれで良いと思いますので、是非そのポケモンを育成していただきたいですね。
身の回り
ここまで書いてようやくラティアスの身の回りタイム。
- 性格
臆病で一択。ミラータイプは先制で打ってこそ強い技なので、速くなければ意味がないです。というか、速さを求めずにミラータイプするならマッギョでいい。
- 特性
浮遊しかない。
- 持ち物
食べ残し
確定欄。他に持たせたいものもあまりなく、詰ませ性能や居座ることを考えると食べ残しが最適だと思います。
アッキのみ
殴られた時にBが一段階上がる木の実。対ガルーラ性能が高まるかもしれない。
他に思いつかなかった。
- 努力値と個体値
個体値はめざ炎個体である31-0-31-30-31-30としています。
努力値の確定欄は252-0-52-0-4-200となっています。
H…ぶっぱ
S…最速メガガルーラを抜くついでにガブリアスまで抜ける実数値170
BD…あまり
HPについては16n+1等の調整をするのもよいですが、自己再生を考えるとできるだけ高い方がいいです。
なお、めざ炎を必要としないと考えて6Vで採用するのならば、努力値はHSぶっぱがベターだと思います。
ミラータイプをできるだけ速く打ちたいなら此方にしましょう。
コメント欄より、目覚めるパワー地面を採用する場合の個体値は31-0-31-30-30-31となるので、最速での運用が可能。対鋼をめざ地で見るのならばこちらでもいいです。
技構成
- 確定技
ミラータイプ
詰め筋になる技。鋼タイプになる瞬間が一番強いなぁと感じる。
具体的な使用法は、相手のナットレイに向かってミラータイプを打つことでナットレイからの打点を無に帰したり、悪タイプに向かって打つことで悪技やゴースト技を受けたり、フェアリーになることでドラゴン技を無効にしたりと様々。
特に電気フェアリーに化けた時が一番強かった。どっちだ
自己再生
ミラータイプと合わせることで様々な相手を受けきることができる。
終盤の詰め性能に長けた技であり、これが先制で打てる高耐久ポケモンは強い。
- 選択技
めざめるパワー(炎)
確定欄その1.というかほぼ確定。鋼タイプを迎撃するために必要な技。
これがあるとないとでは宿り木を持っているナットレイに勝てるか勝てないかまで変わってくる。(ラティアスの隣に宿り木を打たれると永遠に回復される)
他の四倍弱点辺りに打つかもしれない。
めざめるパワー(地面)
コメント欄より。めざ炎より地面が好みの方はこちらでも可能。
最速にできるので、厳選難度的にはこちらが下です。
地面にする明確なメリットはヒードランの処理速度が早まること。
この技でもナットレイには勝てます。が、TODに注意。
サイコキネシス
確定欄その2.ミラータイプを打つ前だとタイプ一致の火力技になる。
特防を下げる効果も、何度も打つことを考えると非常に有用。
ただし、この二つの技構成の場合、対ヒードランが少し苦しくなる可能性があることに注意。
10万ボルト
めざ炎を打てない水に打ったり、単純に威力が高いため採用される技。
麻痺の追加効果も自己再生を使う上では強力である。
隣にデデンネを置いてミラータイプをする、というような構築の場合はサイコキネシスより優先度が上。
冷凍ビーム
ドラゴンに打つ技。ただし、他の技と比べて追加効果があまり戦術とマッチしていない。
パーティ単位でドラゴンが重い場合は採用されるかもしれない。そもそもそんなパーティにラティアスは入るのだろうか…。
その他の技は範囲が狭かったりPPが少なかったり威力が足りなかったりなので割愛。
こういう、居座って何度も同じ技を打つというタイプのポケモンの場合は、たとえ10%でも追加効果が期待できるので、追加効果のある技を選択するのがベターでしょう。
因みに、このラティアスに守るを入れている余裕はありません。守るよりも自己再生をした方が回復量は多く、ミラータイプと併せて縛りを解除できる場面も多いので守るは不必要だと判断しました。
どうしてもという方は自己再生を切って守るでいいと思います。(その場合、メガゲンガーの劣化にならないように注意する必要がある)
ダメージ計算について
ミラータイプで相手の攻撃を半減して受ける、という前提のため不要だと判断しています。(メガガルーラの捨て身については後述)
また、此方からの攻撃についても不必要だと判断しています。理由としては、相手が死ぬまで打てばいいからです。
苦手な相手
ギルガルド
「相手の鋼タイプは鋼タイプになることで打点を消してめざ炎で倒す」というスタンスを取っているのですが、ギルガルドはそこらへんを全部無視してシャドーボールでラティアスを倒しに来るので天敵です。
パーティ単位でギルガルドに厚くしておく必要があるでしょう。
メガガルーラ
ギルガルドに比べるとマシですが、しっかり鋼タイプになれなかった場合が少し辛い。特に、鋼ゴーストになった場合は不意打ちが弱点のままなので立ち回りに気を付ける必要があります。
陽気ガルーラの親子愛捨て身タックルのダメージは84〜100、割合にして5〜6割なので、一応対面なら自己再生連打で勝てますが普通に考えると隣が狙われるので極力メガガルーラは他のポケモンで倒しておきたいところ。意地だと無理。
その他は凄く苦手というポケモンは殆どいません。
実際の立ち回り
基本的にラティアスは後発で出します。
先発にはガルーラやニンフィア、ドーブル等のできるだけ火力が高いポケモンを置いて、初手から暴れてもらい、後ろから出てきたポケモンをラティアスのミラータイプと自己再生で詰めるというのが立ち回りです。
相手が3匹以上のポケモンを残していた場合も、焦らず鋼タイプに向かってミラータイプを打つことで、非常に多くの耐性を有することができ(更に浮遊で地面無効)、集中されても自己再生で耐えきることができる、などデコイとしても性能も高いポケモンです。ギルガルドが残っていた場合はなんかキングシールドしてこない読みでめざ炎を当てましょう。それでもダメなら心を入れ替える。
選出画面の段階で、「ラティアスで詰める」ことができるポケモンが何匹いるかを把握することが非常に重要ですので、ラティアスが無理そうな場合は大人しく選出しないことをお勧めします。
採用したいパーティの特徴
- 全体的にヒードランやナットレイが重い
- 地面耐性が薄い
- 詰め筋を作り出したい
- 高耐久ポケモンがいない
採用理由にならない場合
- 追い風要員がほしい
- 火力を追い求めている
- トリパだ
- 相手の鋼にやたら強い
- 重力パだ
- ギルガルドに打点がない
この辺りの事情がある場合はミラータイプを搭載するラティアス、ではなく他のラティアスなりファイアローなりそういうポケモンを採用するのがいいと思います。
おわり
以上で本育成論を終了します。
意表を突ける、という言葉はあまり好きではないですがラティアスにはそれがしっくりくる表現だと思います。実際、相手のヒードランはラティアスに詰められるなんて想像しないでしょう。不純な動機で始めた割に結構時間がかかってしまいました