はじめに
- この育成論は、シングル見せ合い63ルールでの運用を前提としたものです。
- HP/攻撃/防御/特攻/特防/素早はH/A/B/C/D/Sという略称を用います。
- お互いのポケモンは理想個体であることを前提としています。
コンセプト
高い耐久力と独特の技、タイプ相性を活かし、現環境トップメタであるメガガルーラを、スキルスワップと鬼火を駆使して機能停止させる事が目的です。
また、メガガルーラだけでなく、トップクラスの物理アタッカーであるメガへラクロスを止めることもできます。
受けとして名高いクレセリアと比べ、グロウパンチで積まれない点、メガへラクロスに強い点が強みとなっています。また、受けポケモンでありながら無限グライオンにも強い点も魅力のひとつです。
わざ
確定技
- スキルスワップ
この型の肝です。現環境では優秀な特性がそのまま強みとなっているポケモンが多いため、特性を奪うことにより攻撃力を減らすことができます。メガガルーラのおやこあい、マリルリのちからもち、メガへラクロスのスキルリンクなどがその例です。
スキルスワップは身代わりを貫通するので、一定数存在する身代わり持ちメガガルーラにも問答無用で刺さります。また、無限戦術でハメてくるポイズンヒールグライオンからも身代わりを貫通して特性を奪い、こちらは毒で回復、あちらは毒で削られていくという状況にもできます。
その他、はやてのつばさや厚い脂肪を奪って後続で処理しやすくしたりすることもでき、現環境において非常に有用な技だと言えます。
- 鬼火
火傷にさせて物理ダメージを抑えます。スキルスワップで特性を奪い、その上で火傷状態にすることにより、相手は完全にアタッカーとしての機能が停止します。
また、スキルスワップで特性を奪っても、交換されて再度場に出てきた時は、元の特性に戻ってしまいますが、火傷状態はそのような事がないため、効果が長く、味方にも有用な点でこの技は確定となります。
もう一つ重要な点として、サマヨール自体には攻撃力がないため、火傷のスリップダメージは貴重なダメージソースにもなることが挙げられます。
- いたみわけ
受けポケモンでありながら、サマヨールにはまともな回復技がありません。体力を回復させる技はいたみわけか眠るの二択となりますが、カゴの実を持てないため、ほぼいたみわけ一択と言っていいでしょう。
サマヨールのHは非常に低く、いたみわけでの回復量は相対的に大きくなりがちです。相手が交換してきても、交換先に負担をかけることができます。
また、多少不利な相手(ギルガルドなど)と対面しても、いたみわけ連打で相手を削ることができるため、選出した際に腐りにくくなる点も優秀です。
選択技
- ちきゅうなげ
主な役割対象であるメガガルーラへの最高打点です。スキルスワップでおやこあいを奪い、地球投げを打つことで50ダメージが2回、合計100ダメージを与えます。相手がAS振りのメガガルーラならば身代わりを破壊した上で本体にも50ダメージを与えることができる強力な技です。(身代わりガルーラは205調整が多く、身代わりを割れない事が判明、通りすがりさんありがとうございました)だいたい2、3回投げればメガガルーラを突破でき、死に出しで出てきた相手にも打てる場合が多いです。
この技を採用する際の一番の問題点は、第三世代での教え技である為入手が難しいことです。厳選も相当な根気がいりますが、その強さは折り紙つきです。
その他の問題点としては、三世代から連れてくる都合上、特性がプレッシャーに固定されてしまうことや、カロスマークが付かないことがあげられます。メガガルーラピンポでの採用ではなく、物理受けとしての範囲を広げるならば特性はお見通し一択なので、ご自分のPTと相談してみてください。-ナイトヘッド
こちらも固定ダメージ技ですが、ゴーストタイプの技であるため、目の前のメガガルーラに負担をかけることができません。
しかし、身代わりの無いメガガルーラならばスキルスワップしてからの鬼火といたみわけで突破、もしくは交換させることができるため、後続に通すことはできます。また、マリルリやメガへラクロスにはナイトヘッドでも問題無く通るため、地球投げを持った個体を用意できなかった際はこちらを採用すると良いでしょう。
その他、おやこあいを持った状態でギルガルドやゲンガーと対面した際のダメージソースとしても使用できる点、特性をお見通しにできる点で地球投げと大きな差別化ができています。
- まとわりつく
役割対象を逃がさず、確実に仕留めるための拘束技です。スキルスワップをした次のターンに役割対象が逃げることも多く、必ず決まるとは限りませんが、うまくキャッチできれば確実に仕事をこなすことができます。拘束ダメージも処理速度を上げるのに一役買ってくれる、かなり有用な技です。
- かなしばり
主にメガガルーラのかみくだくを縛ります。かみくだくを連打されてBダウンを引いてしまうと突破される可能性もあるので、できるだけ早く縛りたいところです。
かみくだくを縛られたメガガルーラは、引く可能性が高いです。かみくだかれて減った体力を、いたみわけで回復しましょう。交換で出てきた相手にも負担をかけられます。
- のろい
苦手とする身代わり持ちへの牽制、流し技。身代わりに痛み分けが入らず回復が出来なくなるために短命となりますが、身代わりをはって積んでくる相手を流せるため、起点にされにくくなります。
- おきみやげ
積みアタッカーなどから起点にされないようにするための自滅技。起点にしようとしてきた相手を、逆に後続の起点にできます。
(のろいと置き土産はテリーさんのご指摘により追加させて頂きました。ご指摘ありがとうございました。)
調整等
性格が図太いである理由は、物理耐性が必要なことと、物理技を持たないこの型では、Aの数値が必要ないためです。必要以上にAが高いと、混乱での自ダメージや、イカサマを撃たれた際のダメージが増えてしまいます。Aに下降補正をかけ、できれば個体値も0であることが理想です。
持ち物は進化の輝石で確定です。これを持たせないのであれば、ヨノワールでよくなってしまいます。
進化の輝石がないと著しく弱体化するため、流行りのはたき落とすには注意が必要です。
とくせいは、地球投げを持たない場合、おみとおし一択です。理由は、スキルスワップで特性を入れ替えた際に、相手からおみとおしをされますが、こちらはサマヨールであり、進化の輝石を持っていることがはじめからバレているため、実質デメリットが無いからです。また、メガガルーラ以外の物理アタッカーの鉢巻やたまを確認し、立ち回りを安定させることができるため強力な特性であるといえます。
地球投げを搭載する場合はプレッシャー固定となります。あきらめましょう。
努力値はHに220、Bに252、残りをDに振ります。
この調整でHは実数値が16n-1の143となり、補正あり全振りメガガルーラの親子愛かみくだくが超低乱数2(0.39%)となります。
いじっぱりAぶっぱメガガルーラの噛み砕く採用率が上がってきたら、Hに全振りすることをオススメします。
ダメージ計算
補正あり全振りメガガルーラの親子愛かみくだく→41.9%~50.3%
親子愛無し→27.9%~33.5%
親子愛有り火傷→22.3%~26.5%
親子愛無し火傷→15.3%~18.1%
親子愛有り地震→25.8%~31.4%
補正あり全振りマリルリのちからもちじゃれつく→27.2%~32.1%
補正あり全振りメガへラクロスのスキルリンクロックブラスト→31.4%~38.4%
補正あり全振りメガハッサムのテクニシャンどろぼう→36.3%~43.3%
補正なし全振りメガリザードンXのかたいツメげきりん→37.7%~47.7%
補正あり全振りギャラドスのたきのぼり→20.9%~25.1%
A1段階上昇→31.4%~37.7%
補正あり全振りメガギャラドスのたきのぼり→23.7%~29.3%
A1段階上昇→35.6%~42.6%
補正あり全振りファイアローの鉢巻ブレイブバード→35.6%~41.9%
補正なし全振りメガカイロスのスカイスキン恩返し→36.3%~44.0%
補正なし全振りガブリアスの鉢巻げきりん→44.0%~52.4%(乱2 16%)
補正あり全振りギルガルドのシャドーボール→60.1%~72.7%
運用
基本はメガガルーラに後出し、できれば交換読みで対面させます。後出しからでもほとんどの場合、地震や岩雪崩、稀に身代わりを選択してくるので、いたみわけで回復しつつスキルスワップや鬼火を入れていけば勝てますが、いじっぱりAぶっぱメガガルーラに交換読み噛み砕くを撃たれた時だけは話が違ってきます。
(身代わりと噛み砕くを両立したガルーラに交代際身代わりをはられる、後出しする際に交換読み肝っ玉グロウパンチをされるなどでも仕事が遂行できなくなります。ご意見を下さった皆さん、ご指摘ありがとうございました)
- 交換読み噛み砕くを撃たれた場合、いたみわけを選択します。次の噛み砕くをギリギリで耐えるので、相手が補正ありHAぶっぱの場合回復して体力が110ほどになるはずです。
- 次に鬼火を選択、また噛み砕くをくらい、火傷をいれます。この時点で体力は40ほどになっているはずです。
- 次のターンはいたみわけを選択し、噛み砕くを喰らいます。火傷時の親子愛噛み砕くは、最大で38のダメージです。ギリギリで耐えたところで回復することができます。おそらくまた40強まで回復するでしょう。地球投げがあれば落とせるラインなので、次に地球投げを選択して勝ちです。
- 地球投げがない場合、もう一度いたみわけをして噛み砕くを喰らい、20強まで回復します。
- 次のターンの噛み砕くをくらい、サマヨールは落ちます。しかし今までの痛み分けと火傷ダメで、メガガルーラも同時に落ちるはずです。机上論ですが1:1交換で、役割を遂行することができました。
もちろん急所やBダウン、鬼火の命中率などの不確定要素もあり、不利なやり取りになります。しかし落とされた場合でもほとんどの場合、相手のメガガルーラに大きな負担をかけることができているので、後続の先制技などで回収が可能です。また、このやり取りを少しでも有利に運ぶためにサマヨールのHに全振りすることや、鬼火を入れた時点で交換してしまうというのも有力な選択肢となります。
ただ、現状いじっぱりメガガルーラが噛み砕くを搭載し、なおかつ交換読みで当ててくるという状況になることは稀と言えます。ほとんどのメガガルーラには後出しが安定し、最悪の状況でも勝ちの目を残すことができるため、このサマヨールはメガガルーラ対策になり得ると言えます。
その他、後出しでも安定する相手は、メガへラクロスと無限グライオンです。スキスワ、鬼火、痛み分けを使って守りを固めつつ削っていきます。
ダメージ計算に載せたポケモン達(ギルガルドを除く)にも状況次第で後出しが可能で、スキルスワップも刺さりますが、積み技、はたき落とすには注意を払う必要があります。
後出しでなく交換読みで繰り出して対面させたり、他のポケモンで予め火傷を入れておくなどすると、役割遂行が非常に容易になるため、できるだけ狙っていくとよいでしょう。
対面からなら仕事のできる相手も増えます。
味方にオススメのポケモン
- 呼ぶ特殊ATポケに後出しの効くポケモン
ガルーラやヘラなど、強力な物理アタッカーをほぼノーリスクで流すことのできるサマヨールは、特殊ATを誘いやすいです。見せ合いの段階でそれらのポケモンは来やすくなることを把握しておき、できれば交換読み交換、そうでなくとも後出しのある程度効くポケモンがいると良いでしょう。
特に呼び寄せるのはゲンガー、ギルガルド、サザンドラ、ゲッコウガなどの、サマヨに一致抜群を取れるポケモンや、ウルガモスやライコウなどの積み技のある特殊ATです。積みポケモンで無ければサマヨで一度居座り、痛み分けで削ると、次のターンに相手は技をもう一度撃ってきやすく、後出しが容易になります。
ちなみにガルーラにサマヨを後出ししたあと、裏にギルガルドがいそうであれば、鬼火が安定択となります。こちらからノーマルや悪ポケモンを出しやすくなります。
・メガガルーラ
言わずと知れたトップメタ。シャドーボール読みで無償降臨させることが可能。
・カビゴン
こちらもシャドーボール読みで。免疫にすればサマヨが呼ぶ毒々持ちに強くなり、厚い脂肪にすればシャンデラやウルガモスに強くなる。
・メガギャラドス
有利対面では積むことも可能。
・バンギラス
気合玉や聖剣には注意が必要だが、ライコウに強い。
・ワルビアル
チョッキ前提となるが、シャドーボールを受けてタイプ一致地震をうてる。霊やライコウに強い上、呼ぶクレセドランも見れる。
その他
- 3闘(コバルオン、ビリジ、テラキ)
メガガルーラから噛み砕くを受けた場合、交換で出して正義の心を発動させることができます。その他サマヨールの苦手な悪タイプを狩ることができるので、相性のいい控えだと言えます。コバルオンはサマヨールによくとんでくる毒々も無効化でき、ビリジオンは帯を持つか鬼火を入れれば腹太鼓マリルリをさばけます。テラキオンは悪のほか、鬼火の入らない炎タイプに強いです。
- バルジーナ、ピクシー
サマヨールの苦手な積みアタッカー対策です。どちらも悪タイプを半減でき、サマヨールで鬼火を入れていればお互いに固くなることができます。バルジーナはゴーストも半減でき、サマヨールの苦手なギルガルドなどと戦えます。ピクシーは積んでくる竜やサザン、場合によってはローブシンも見ることができます。
最後に
初めての育成論投稿で、不備があるかと思いますので、その際はご指摘ください。
閲覧ありがとうございました。