11回目の投稿になります、E@3DSとポケモンです。先日のヤドランでは高評価&たくさんのブクマありがとうございます。
今回はスカーフヒードランの育成論を書きたいと思います。11回も投稿しておきながら、拘りアイテム主体の育成論は今回が初めてです。ヒードランの扱いが苦手な方々には是非読んでいただきたく、また使っていただきたい内容になっていると思います。それではまた文章は長いと思いますがお付き合い願います。
おことわり
この育成論ではHP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをHABCDSという略称で呼び、また能力値の性格補正については上昇補正を↑、下降補正を↓で表します。。また、ポケモン名等についても、略称を用いることがあります。ダメージ計算は、『EVERY』を用いて行っています。また、ことわりのない限り理想個体を想定しています。
ヒードランとは
第4世代に登場した、火山のほら穴に生息し、壁や天井を這いまわるゴキブリポケモンです。何かとネタにされますが、れっきとした準伝説ポケモンです。
第6世代では、大文字・オバヒの弱体化や悪・ゴーストが等倍になったというデメリットもありますが、依然として耐性がクセがあるものの優秀なポケモンで、特にフェアリー1/4耐性を持つ唯一のポケモンで、最近ではかなりの使用率を誇るポケモンになっています。さすが、ゴキブリだけあって環境への生命力が高いですね。
このポケモンは食べ残し毒みが(+守る)、眼鏡型、風船型、ステロ吠える等が主ですが、今回はそれらの次点の持ち物であるスカーフを持たせたものを紹介したいと思います。
スカーフ型の利点その1〜役割破壊への対応〜
ノーマル・飛行・毒・虫・鋼・草・超・氷・竜・フェアリー+特性で炎の11タイプにも耐性を持つため、そこからC130からの眼鏡オバヒによる高火力な負担だけでなく、毒々やステロによる緩め手を入れるという全く異なる展開も可能なため、ヒードランは相手にすると非常に厄介なポケモンです。しかし、最大の欠点があります。それは地面4倍弱点と格闘2倍弱点です。これらはサブウェポンに採用されやすいタイプの技であるので、何もできずに倒されるということが起こりやすく、ヒードランの耐性頼みであったために試合自体が負け濃厚なパターンになるということが多々あります。
最も典型的な例は役割対象と考えられる対メガリザードンYかと思います。例えば、眼鏡ヒードランの原始の力で倒すことを予定してメガリザードンYに後出ししたとします。この時、炎技に出すことができても、相手が控え目でこちらがCS眼鏡の場合、気合い玉orめざ地でちょうど確一を取られ返り討ちに遭います。また、HC眼鏡であっても、臆病エアスラ+めざ地で高乱数1を取られてしまいます(筆者も実際使ったことがあり、かなりのヒードランメタになると感じた)。後者の場合は、風船持ちでも対応することができません。
一方、スカーフの場合、交代時に役割破壊技をもらわない限り、確実に上から原始の力で攻撃することができます。欠点としては原始の力でメガリザードンYを確一にできない等眼鏡を捨てたことによる火力不足が否めないことです。しかし、考えてみてください。眼鏡では役割破壊技がなければ相手を処理できますが、役割破壊技持ちに対しては全くの被害を相手に加えることなく終わります。一方で、スカーフの場合は役割破壊技無しの相手には原始の力を2発撃てば済むことですし、役割破壊持ちに対しても少なくとも80%以上削ることができるので、後発のポケモンが先制持ちかS101以上だがHPが多く残ったメガリザに十分な有効打の無いポケモンにより、メガリザ+その後発に潜む役割対象である相手の両方を倒して試合を終了させることができます。
以上より、スカーフを持たせる第一の意義は、上から叩くことにより炎・フェアリー等への遂行またはそれに近い負担を確実にするということです。ぶっちゃけてしまえば、ガブにスカーフを持たせて、電気・炎に安定させるのと同じです。具体的にスカーフにより確実にHPを削り取れるようになった相手として、メガリザードンY・ヒードラン(大地の力)・シャンデラ(めざ地)・メガサーナイト(S振りめざ地・気合い玉)・トゲキッス(S甘えてる場合、スカーフ波動弾)・パルシェン(印・水技)等がいると思います。
スカーフ型の利点その2〜役割範囲の拡大・奇襲性〜
Sが上昇したことにより、炎技が刺さるにも関わらず、後出ししてもそのまま上から叩かれてしまうポケモンに勝つことができます。具体的には、半減・無効・死に出しを前提としますが、メガカイロス・物理メガルカリオ(対面なら特殊も可)・マニューラ等が挙げられます。これらポケモンはいずれも抜き性能が高いので、ストッパーとしてスカーフヒードランが非常に役立ち、奇襲性も高いです。
また、ヒードランはS77と元の素早さが微妙なため、スカーフを持たせることにより新たに抜きされるようになるポケモンが格段に増え、上から炎等倍相手にオバヒで殴っているだけでも非常に強力です。スカーフで抜けるようになり、かつこちらからの有効打のあるポケモンを並べてみると、メガライボルト・(メガ)ゲンガー・ライコウ・ボルトロス・テラキオン・メガガルーラ・火ロトム・マンムー・意地スカーフ霊獣ランドがいます。どのように役立つかをいくつか掻い摘んで説明しますと、まず、メガライボルトや意地スカーフ霊獣ランドは初手蜻蛉ルチェンが安定なので、オバヒを打って大きく削っておくことにより、役割遂行に必要なHPを消失させ、奇襲&大きなアドを取ることができます。こちらのHPも削られていますが、ヒードランは半減や1/4である程度の残りHPでも役割を遂行しやすく、4倍の地震等で頓死するパターンの方が多いため、多少のHP損失はそれほど気にならないので、アドを取れているといえると思います(眼鏡でもCSがかなりいるのはたぶんこれが一つの理由)。テラキオン・メガガルーラ・マンムーはいずれも対面からはこちらの火力の低さや襷のため勝てませんが、交代合戦となった場合、スカーフは途中までばれませんので相手がそのまま攻めればサイクル崩壊かもと思ってヒードランに攻めてきたところを、オバヒ・ラスカノで返り討ちし、奇襲&相手サイクルの崩壊を起こすことができます。
以上より、スカーフを持たせる第二の意義は上から叩けることにより、本来役割対象でないポケモンやSが高く抜けない相手に想定外の負担を与えサイクル崩壊に繋げたり、ストッパーとなることができるということです。このことは、スカーフ持ち全般に言えることかもしれませんが、ヒードランはその中でも特にサイクル戦を誘発させやすく、単純に終盤に高いSから全抜きを狙うというよりも、中盤で突然高いSを発揮して削れた1体を確実に倒しにいくという意味合いの方が強いです。
性格
基本的には、KPが高いメガゲンガーを始めとし、メガライボルト、マニューラや、耐久調整のためSを甘えていることの多い意地霊獣スカーフランドロス、役割対象でもあるスカーフキッスをほぼ確実に抜き去ることのできる、臆病が推奨されます。ただし、スカーフキッスは最速個体もいるので絶対的な保証はありません。控え目にするとオバヒでH252ギルガルドが中高乱数1から確1に、H252サンダーがCダウン込確2になりますが、この2体から展開していきたいのであれば眼鏡ドランを採用した方が良い気がします。ちなみに、控え目の場合、最速123族(オンバーン、122族がゲッコウガ)まで抜くことができます。
特性
もらい火しかないのでこれで確定です。「しかない」と言いましたが、炎無効の鋼枠としてヒードランを成り立たせる重要な特性です。
持ち物
スカーフ型なのでスカーフで確定です。
努力値
努力値
H4 C252 S252↑
単純なCSぶっぱです。C252なのは、ギルガルドやH252ファイアロー等へのダメージがぎりぎりなためです。S252↑なのは少しSを切ってもメガライボルトやメガゲンガーは抜けますが、できる限りスカーフランド等のSに甘えたスカーフ勢を抜きやすいように中途半端な調整はせずにぶっぱにしています。余りは総合耐久意識のHかダウンロード意識のDに振ると良いでしょう。
技構成
- 確定技
オーバーヒート
Cダウンが少し痛いですが、ヒードランの中で最も威力の高い炎技です。ギルガルドへのダメージや交代された時の負担が大きいこと、命中が高いことを考えると大文字よりも優先度が高いと思います。
ラスターカノン
フェアリーへの遂行技として確定。マニューラ、テラキオンあたりにも有効です。
原始の力
浮いている炎への遂行技として確定。大地の力だけでは環境で多く用いられているファイアロー、リザードンYに加え、火ロトムに刺さりません。火への遂行を重視した型なので、ダメージの方が重要なため、岩石封じは候補になりません。また、メガリザYをストーンエッジなら確一にできますが、ゴツメアロー等の羽休め持ちに安定せず、火ロトムへのダメージも小さいので候補外です。岩なだれも同様の理由で候補外です。また、確実に役割対象を削りとるのがこの型なため命中的にも原始の力が推奨されます。
- 選択技
ヒードランミラーに強いことも売りなので、基本的には大地の力でいいと思いますが、竜の波動や他の炎技も一応候補になります。ネタで虫食いとか入れないでね
大地の力
少しヒードランピンポイント気味ですが、ミラーが意識されることの多いポケモンなので優先度は一番高いです。スカーフなので風船さえ潰しておけば一番ヒードランミラーに強い型と言えます。その他のメリットとして、H252シャンデラを確2にしたり、瞑想ライコウに起点にされないといったことがあります。
竜の波動
ガブリアスやサザンドラへの打点。交換読みが要求される上、スカーフが怖いので、運用には注意を要します。めざ氷でもガブが低乱1なので、こっちでいいと思います。
大文字、火炎放射、噴煙、マグスト
Cダウンの無い炎技として。大文字は連射が可能なので、終盤に抜くというシンプルなスカーフ持ちとしての運用がしやすいですが、連射前提なので外しに注意。火炎放射は外すことなく確実に落としたい時、噴煙は追加効果への期待、マグストは拘束と半減相手でも削りたい場合ということになります。
ダメ計
- 与ダメ
すべて性格臆病で計算しています。
- オーバーヒート
無振りメガライボルト 93.1%-109.65%
H252メガゲンガー 70.05%-82.63%
H252ランドロス 68.87%-81.12%
臆病にしたことで安定してぬけるようになった連中。並耐久程度の相手ならば、オバヒのCダウンがあってもそのまま倒せることがわかります。
H252ギルガルド 94.61%-112.57%(75%の中高乱1)
H252メガヘラクロス 115.5%-135.82%
割とぎりぎりですが、遂行先への火力も足りています。できればギルガルドに対してはスリップダメージが欲しいところですが。
無振りメガリザードンY 72.54%-85.62%(もらい火・日照り時)
もらい火+日照りが発動した場合は、後続への負担も考えて原始の力よりもこっちを打ったほうが安定でしょう。
H4ボルトロス 87.09%-102.58%
H4ゲンガー 104.44%-122.96%
H4メガガルーラ 61.32%-72.92%
H252サンダー 61.42%-73.09%
H252メガフシギバナ 52.4%-62.03%
メガバナへの性能は眼鏡と比べて格段に落ちます。役割破壊技として地震を打ってくることがありますが、CSやhCsメガネでも大抵は抜き去ることができます。
- ラスターカノン
H252メガサーナイト 61.71%-73.14%
H252ニンフィア 54.45%-65.34%
H252トゲキッス 63.54%-76.04%
確2レベルの火力ですが、先ほども説明したように確実に1発は殴れるのがスカーフの利点です。
H252メガゲンガー 43.11%-50.89%
火力不足なので対面ではオバヒを打つようにしてください。
H4マニューラ 108.21%-128.76%
H4テラキオン 91.01%-107.78%
H4マンムー 110.75%-132.25%
D4ガブリアス 42.62%-50.81%
ガブは確2にできないので、間違えて攻めてしまわないように注意。
- 原始の力
無振りメガリザードンY 81.04%-96.73%
H252ファイアロー 99.45%-118.91%
H4火ロトム 52.38%-61.9%
- 大地の力
H252ヒードラン 101.01%-119.19%
H252シャンデラ 67.06%-80.23%
H252ライコウ 52.79%-62.94%
対面から瞑想を連打されても、食べ残し2回回復込確3にでき、Cに少し振った3積み十万が低乱数1程度なので、起点にされず倒せます。
- 竜の波動
D4ガブリアス 61.2%-72.13%
D4サザンドラ 63.47%-75.44%
- 被ダメ
- 物理方面
A特化鉢巻きファイアローブレバ 35.32%-41.31%
3耐えできないので、できれば原始の力を打ちたいところ。ステロ警戒で捨てたり他の方なら挑発しようとして居座るケースも多いため割と決まります。
A2↑A252メガルカリオ神速 28.14%-33.53%
A252↑メガガルーラ不意打ち 28.14%-33.53%/13.77%-16.76%
A特化鉢巻きカイリュー逆鱗 49.1%-58.08%
大抵の場合はH振りの必要性を感じないのですが、鉢巻き物理竜に対して極端に弱くなるという欠点があります。
A252マニューラけたぐり 74.25%-88.62%
A252テラキオンインファ 116.16%-137.72%
A252メガカイロス地震 148.5%-177.24%
一致格闘、不一致地震で沈むイメージです。メガバナの地震くらいは一回耐えますが。
- 特殊方面
C252↑メガリザY気合玉 100.59%-119.76%
C252メガサナめざ地 93.41%-112.57%
こうゆう役割破壊勢に一発は入れようというのが今回のコンセプトです。
C252↑メガネニンフィアハイボ 20.95%-24.55%
C252メガリザYエアスラ 21.55%-25.14%
C252メガライボルトボルチェン 34.73%-41.91%
C4メガゲンガーシャドボ 48.5%-57.48%
C252↑火ロトム10万 41.91%-50.29%
C252トゲキッス波動弾 50.29%-59.88%
運用・構築
CS振りですが、1/4耐性も多いので他のヒードラン同様積極的に後出しして運用してもらって構いません。また同様の理由で、対面では一撃で倒されそうにないならば積極的にオバヒをぶっぱしても問題ないでしょう。説明したように、スカーフのおかげで役割対象への遂行を確実にできますが、狩り残してしまうことも多いので、ヒードランと相性の良い先制持ちをパーティに一体組み込むようにしましょう。
役割遂行するだけでも強いですが、奇襲を成功させやすくすることでより強さを引き出すことができます。例えば、パーティの最高速度がガブリアスであるように見せかけておけば、相手は初手でそれよりSが高いため安定しそうな、メガライボルト・ゲンガー・マニューラ等を出してきやすくなるので、初手でスカーフヒードランを使うことで相手のHP管理を誤らすことができます。その他、サイクル中に突然上から殴って倒すことも重要なので、サイクルを回しやすいように相性補完を怠らないという基本も忘れないようにしてください。このような奇襲によるアドを試合中に一度でも取れればかなり有利になります。
また、オバヒをぶっぱすることが多く、それ以外の技の威力も低いので、起点になった時のケアを考えておくことも大事です。
相性の良い味方
メガユキノオー
かなりオススメ。弱点として格闘が一貫しますが、ヒードランの苦手な地面・水をメガユキノオーが、メガユキノオーの苦手な飛行・毒・虫・炎・鋼をヒードランが受けることができます。さらに臆病・控え目のどちらを選択したとしても不足気味なヒードランの火力を間接的に補うことができ、ヒードランの狩り残しを氷の礫で処理することができます。そのため、礫の威力の上がる物理型が優先されると思います。
メガヘラクロス
格闘が一貫せず、どちらかの弱点でもう一方が半減できないのが水のみな上、それに対してもタネガンである程度対処が可能なため、相性補完としてはメガユキノオーの上を行っています。欠点は範囲を優先しないとメガヘラの良さが出ないので先制技のフェイントを採用しにくくまた威力も低いこと、鉢巻き物理竜に弱いことが挙げられます。もう一枠で補ったり、トリルからのメガヘラ暴走を駆使したいところ。
もちろん、この前紹介した珠ヤドランと組んでも使いやすいです。なお、他のドランと違い火力も器用さもないため、エルフドランやクレセドランのドランとして運用するといまいちになると思います。
参考バトルビデオ
L9MW-WWWW-WWW9-2H2N
まずは、役割遂行関連のBVから。メガリザードンYの気合玉が外れています(ほんとは絵的に当たって欲しかった)が、当たって即死していたとしても、スカーフで上から叩いたことでメガリザYをメガユキノオーの礫圏内にできていることが分かると思います。なお、後続がよく分からず、もらい火も発動したのでオバヒ打ってます。
2ZEW-WWWW-WWW9-2H3G
次は奇襲。ゲンガーを上から潰した。そんだけ。一撃だったので耐久振りの甘いヘドロゲンガーか何かだったんでしょうか。むしろ、育成論には直接関係ありませんが、その後の腹太鼓マリルリのケアの方が少し変わっていて面白いかもしれません。
最後に
いかがでしたでしょうか。眼鏡型を愛用している方からすると火力は残念すぎると思いますが、スカーフにも良さがあることが伝わったでしょうか。冒頭でも述べたように、今まで毒みがとか眼鏡とか色々使ってきたけど、どれも地震等で頓死して使いこなせなかったという方(それが私)には是非一度試していただきたいです。めざ地という名の殺虫剤よりも早いゴキブリを味わってみてください。評価・コメントをどしどしお待ちしております。
これまでに投稿した育成論
【受けループの参謀】メガジュペッタ 育成論ORAS・XY/53
【ランチャー=波動!?】メガカメックス基本型 育成論ORAS・XY/138
【パンチで】根性チョッキブシン【突撃】 育成論ORAS・XY/197
【晴れパの遊撃士】サンパワーエレザード 育成論ORAS・XY/291
【サイクル&抜き】HS身代わりメガギャラドス育成論ORAS・XY/399
【背中】チョッキドサイドン【イケメン】 育成論ORAS・XY/433
【キモクはナイ水御三家】ステロあくびエンペルト 育成論ORAS・XY/525
【種族値の暴力】剣舞メガガブリアス 育成論ORAS・XY/552
【さかさバトル】毒いばみがニャオニクスwithメタモン 育成論ORAS・XY/598
【対バシャ系サイクル】控え目珠ヤドラン 育成論ORAS・XY/803