又、この育成論では指数を使用しております。計算方法、並びに目安等はこちら(bw/700)でご確認下さい。
早速説明に入りたいのですが、ヤケモンを投稿するにあたって一つ論破しておかなければならない物がありますね。
仮令それが釣りであると分かっていても…
- シティ()
私はこのシティについてはあまりよく分かりませんが、コンセプトとして
・AorCとSに全振り
・急所狙い
・持ち物は半減実かラム
というものがあるようです。
私はこのレスで存在を知りました。
『ヤーティとは一言でいえば…まひ状態なのだ
ポケモンではSが最も重要とされる
ゆえに、でんじは撒きというのが流行っている
ようするに、相手をまひ状態にすることで、相手のSを下げて絶対的な有利に立てるからだ
Sが高いことで絶対的有利に立てる
もう気づいたと思う
ヤーティはまひを受けなくても、すでに遅いのである
ヤケモンはS100族でもS55族の最速に負けるレベルである
つまり常時まひ状態なのである
これはポケモンバトルにおいて致命的なハンデと言えよう
そしてもう一つ、ヤーティの重大な欠点は大技を重視するあまり命中率が悪い技を採用する点である
まひ状態では足が遅くなるだけでなく4回に1回行動不能になる
ヤーティは大技を外すことが多々ある、命中率的に5回に1回は外す
さらに、ヤーティは交代を多様する、交代する度に相手に無償ターンを与えるのである
こうなると、もう相手の一方的な展開になるのである
ヤケモンは相手が居座った場合、最低でも2回攻撃を受けなければならない
2回攻撃を受けて初めて、こちらから攻撃が可能なのだ
では、2回攻撃を受けて、1撃で相手を倒すことができるのだろうか?
答えは否
確かに1撃で倒せる場合もあるが、それは相手がマイナーポケモンの場合である
ある程度の種族値を保持したポケモンが相手の場合、赤いところまで持っていけるが一撃では落ちない
つまり、3回目の攻撃を受けるのである、そこでヤケモンは終了
役割論理的に一体失うとサイクル崩壊という状態に陥り、負け確なのである 』
随分と聞こえが悪いですね。
先程も言ったように、これが釣りである事は十分承知です。
しかし、これを真に受けている人が多過ぎる印象を受けました。自演にしてはレスが多いような気がします。
「ヤーティーとシティが当たったらシティが勝つ」
「ネタのヤーティー」
等の短絡的な意見も見受けられました。
ここで、このレスの主張を整理・吟味し、その本質的な部分から枝葉末節に至るまで、全てに反駁しましょう。
☆主張の整理
1.ヤケモンは素早さが相手よりも低い、故にこの時点で既にディスアドバンテージである
2.ヤケモンは(前項に被りますが)素早さが相手よりも低い、更に技を外す事があるので、常に「麻痺」の状態であると表せる
3.ヤーティーは交換を多様し、それが相手に無償のターンを与える原因になる
4.相手が居座ってきた場合、相手の攻撃を二回受けてからしか自分は攻撃出来ない。更に、一回の攻撃で相手は倒れないので結果的に自分は役割を遂行出来なかった事になる
☆本質的な部分への反駁
1.素早さが低いだけでディスアドバンテージとなるなら、ランクルスやカビゴン、ナットレイ等は弱い扱いになりますね。勿論、そんな事はありません。役割対象に正しく繰り出せば、とても強力なポケモンですよね。
素早さのみがポケモンを計る唯一の尺度ではない事をここで再確認して下さい。
2.麻痺状態が敗因と直接関係してくるのは、そのポケモンが素早くなければ役割を遂行出来ない場合のみです。つまり、「素早くなくなったから」負けた、という原因以外で麻痺が敗因になる事はありません。
確かに、コジョンドやウルガモス、スカーフ型のポケモン等、S振りポケが磁波に遭った場合、これは「計画倒れ」の状態ですから、これが原因で敗北に繋がる事は大いにあり得ます。Sに振るあまり耐久に振っていない訳ですから、本来役割対象にしたかったポケにまで狩られてしまうでしょう。
しかし、ヤーティーは別次元の話です。ここで、このレス自体が前提としている事をもう一度確認してみましょう。そう、
『ヤーティはまひを受けなくても、すでに遅いのである』
との事でしたね。
つまり、「遅くなった」のではなく、「既に遅い」のです。これを見て「麻痺状態である」と形容する事自体可笑しいですよね。
(ここでは、論点をすり替えただけで反駁になっていませんが、これは4の反駁に繋がる足掛かりのようなものだと考えて下さい。)
そして「麻痺状態」という喩えの根拠のもう一つに
『大技を重視するあまり命中率が悪い技を採用する点である 』
という事が述べられていますね。
これは、ヤーティー=命中不安定という固定観念から来ているのでしょうか。
まさかとは思いますが、ヤケモンの4つの技全てが命中不安定の技で構成されているとはお思いではないでしょう。そういう事です。この主張の前提自体が可笑しいのです。
そうでなくても、このような事が言えます。
皆さん、マンダサザンに火炎放射を覚えさせていますか?エッジの代わりに岩雪崩を用いていますか?
そう、この主張は何もヤーティーのみに通用するものではありません。どのようなptにも命中が不安定な技はある筈です。
何故なら、その技を入れないと確定数が変わってしまい、「技は命中したが、相手は倒せなかった」というそれこそ洒落にならないような結果が出てしまうからです。
このような止むを得ないのものを指して「麻痺状態」だのと言われても困ります。これはヤーティーだけの課題ではないです。
しかし、極々一部ではこの主張が正しいと判断出来る場合も確かにあります。
例として、ヤトムWを使って説明致します。
・ヤトムW
控え目HC@プレート水
ドロポン/めざ氷or炎/鬼火or寝言/雷
説明の前提として、先程の文字と火炎放射、エッジと岩雪崩のような関係ではなく、10万を採用せずに雷を採用するのがヤケモンだからこその選択であることを提示しておきましょう。
この雷は、基本的にはこれが二倍以上で入る敵に打ちます。
尚、ドロポンは1/2以下で受けられるが、雷は等倍以上で喰らうというタイプは単タイプで考えると水のみです。例外として挙げられそうな竜タイプのキングドラ、草タイプのルンパッパも矢張り、水タイプが入っています。それもその筈、水と電が1/2で効くタイプはそれぞれ
水…水・草・竜
電…電・草・竜
と水タイプ側から見れば水タイプ以外が一致している訳ですから、「ドロポンが使えないから雷を打つ」というパターンは相手が水の時のみに限られます。更に、電が抜群を取れるのは
電…水・飛
ですので、結果、雷を打つのは「水+マイナータイプである飛」という事になります。
ここで、「この2タイプの為だけに10万ではなく雷を採用するのか」という疑問は確かに湧きます。しかも、結論はNOです(おい
補完として入れる技に命中不安定な技を入れるのは確かに善良とは言えません。敢えて言うなら
「10万よりも雷の方が交換先に与える負担が大きい」
という事がありますが、今度は逆に
「雷は外す可能性があるので、負担を掛けられない場合もある」
と言える訳ですから、どっちもどっちな訳です。
となれば、交換先の負担で考えるのではなく、遂行のし易さで考える事になりますので、その場合は10万を採用した方が良いという結果が導き出せます。
さて最後に、この議論の総括の導入として一つ、
「こんなレアなケースが他にいくつあるでしょうか」
という疑問を投げかけてみます。ここでいう「レアなケース」とは、
「ヤケモンだからこそ選択した命中不安定な技より、命中が安定した技の方が総合的に考えて優秀だった」
というケースの事です。
・・・、きっとそうはないでしょうね。あってもあとは吹雪位ではないのでしょうか。つまり、命中不安定によるリスクを負っているのはヤーティーだけではないという事です。
これは色々なポケモン・ptを使っていないと直ぐには考えつかないような事でしょう。しかし、これもよく考えれば的外れな主張と判断出来ます。
これら1と2についての反駁により、「ヤーティー=麻痺」の構図は成り立たない事はお分かり頂けたかと思います。
3.これは理論上の話ですね。自分が不利な状況を想定して話しているものでしょう。これは、相手の初手が読めれば解消される問題です。
そうでなくても、これもまた、ヤーティーだけの課題ではない筈です。シティ的な立場に立って考えましょう。
例えば、自分がフーディン、相手がハピナスだとしたら、当然引く筈ですよね。つまり、
・どのようなptであっても交換を強制される事はある
という事、そして何よりも
・素早さの優劣のみが役割、被役割の関係を表している訳ではない
という事が言えます。
因みに、ヤーティーはコンセプト上では交換を多用するようなptに見えますが、実際はそうでもありません。前回のヤビゴンでも述べましたが、ヤケモンは偽役割の範囲が非常に広いですから、打ち合いにかなり強いです。よって、交換するまでもなく目の前の敵を倒すだけでいいなんていう事がざらにあります。
4.これを気にする必要は全くありません。
例を2つ挙げます。今回紹介するヤンクルスと、前回紹介したヤビゴンについて考えてみましょう。
・ヤンクルス
控え目HC@珠
サイキネ/気合い玉/影玉or雷orめざパ の内二つ
仮想敵を意地っ張りHAローブシンとします。
被ダメ
アームハンマー…28.5〜33.6%
マッハパンチ…11.5〜13.8%
与ダメ
サイキネ…142.9〜168.3% (1確)
・ヤビゴン (bw/910)
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仮想敵を臆病珠サンダースとします。
被ダメ
10万×2回…59.3〜69.9%
与ダメ
地震…355.3〜418.4% (1確)
このように、相手に倒されるよりも早くに相手を倒す事が出来ます。だからこその役割論理ですしね。攻めと受けを両方カバーしたヤケモンが得意としている芸当です。
なのに、それを「苦手としている」と主張している事自体が誤りです。
そう、ヤケモンは素早さが低くても役割をきちんと遂行する事が出来ます。又、役割対象に一発を以て下す事が出来るのもヤケモンの大きな特徴です。勿論、全てに当てはまる訳ではありませんが、この話が圧倒的火力を誇るヤーティーの前では杞憂に過ぎない事は確かです。
よって、矢張りここでも「麻痺状態」などという話は全く通用しない事が分かります。
反駁を総括すると、
・ヤーティーは素早くなくとも勝負に勝つ事が十分に可能である
・機能停止を連想させる「麻痺」というイメージはヤーティーには不適(このキャッチフレーズに惑わされた方は多いのではないでしょうか)
・主張がヤーティー以外のptにも言えるようなものが混ざっており、ヤーティーのみに対する主張と捉えられないものがある
という事です。
枝葉末節についての反駁は最下部でご確認下さい。
さて、対するシティについて、私からは次のような反駁をさせて頂きましょう。
1.耐久無振りであるから、後出しの範囲が極端に限定される→初手ゲーではないか
2.通常、等倍以下で相手にダメージを与える時、どんな高火力ポケでもまず1確には出来ない。S種族値が高い耐久無振りポケを使用した場合、ダメージレースに勝てるのか
3.シケモンのみで想定され得る仮想敵全てに役割を持てるのか、そもそも、シケモンは役割を持ち得るのか
全力で釣られてみましたwww
でも、だからこそ再確認出来たポケモンにおける重要な部分はいくつもあったのではないのでしょうか。
さて、これで漸く育成論の説明に入れるものだと私は考えております。
説明に入りましょう。
- 何故ランクルスをヤケモンとして用いるのか
補助技を使わずともランクルスはフルアタとして起用できる十分な要素を持っています。
二度言うようで申し訳ないですが、本当に読まれません!相手の読み違いで勝ってしまう事もしばしばあります。
しかし、ランクルスの影玉・雷は所持が予想されているのが普通である、とのコメントも寄せられており、一概に読まれないと言い切れる訳では無いようです。
- 耐久調整について
ヤケモン=厨振りポケ
という訳でもないですので、その辺りはご自由になさって結構です。
ランクルスの耐久調整については他の育成論をご覧になって下さい。既に、具体的な案が出されています。ここで私が口出しするような場ではないでしょう。
- 技
・サイコキネシス…指数は34047です。
等倍以下の場合、相手を一発で落とすのは難しいでしょう。しかし、彼には優秀なサブウエポンがあります。
・気合い玉…指数は二倍前提で60528です。
一貫性の高さが評価されます。
単純にタイプで見れば5タイプの弱点を突けますが、鋼が辛うじてメジャーなだけで、他はマイナータイプです。しかし、あって損はない技である事に間違いは無いでしょう。強いて言うなら、輝石ポリ2突破の為にはこれが必要です。
・雷…指数は二倍前提で60528です。
あの控え目HCニョロトノですら、低乱ではありますが一発圏内に持って行きます。水タイプの唯一と言える弱点(他はマイナーの草のみ)でもあり、持っていると心強いでしょう。
・シャドーボール…指数は二倍前提で40352です。
超同士の打ち合いを有利にする一手です。相手もこの技の所持は読み切れないでしょう。奇襲性が非常に高く、かなり重宝します。
ここからは候補技です。
・めざめるパワー…指数はCV且つ四倍前提で70616です。
炎か氷かはptとの相談です。原則的には炎です。
これを四倍で喰らったら、最早耐えようがないでしょう。但し、慎重HD納豆はめざ炎でも1確に出来ません。
・エナジーボール…指数は四倍前提で80704です。
ラグ・トリトドン・ロトムW(・ヌオー・オムスター)辺りをピンポで狙います。採用するなら雷を抜く事になるでしょう。
・サイコショック…指数は30264です。
特殊受けを悉く突破します。2確にしかならない点に注意です。
- 道具
・いのちのたま…ヤーティーの一部として採用する場合、こいつに眼鏡が持たせられない場合があります。そういう場合に有効です。他のヤケモンとは違い、珠の反動で耐久力指数を落とす事もありません。逆に言えば、他のヤケモンに渡せばデメリットも同時に被る訳ですから、それが嫌いなら彼に渡しておくのが無難でしょう。
・こだわりメガネ…ヤーティーの他の構成員に眼鏡が必要なかったり、普通のptに組み込む場合はこちらの方が良いでしょう。コメントでのご指摘、ありがとうございました。
このヤンクルスは繰り出したらそのまま打ち合いになる事が殆どです。相手を流さないのも彼の特徴です。更に、耐久力指数的に1:1交換がやっとの場合が多いですから、拘っていてもあまり問題になる事はありません。
よって、理想はこちらです。
- 運用
基本的には格闘受けとなりますが、一番メジャーであるズルズキンに後出し出来ない事が悔やまれます。他にもヘラクロスやテラキオンに安定して繰り出す事は出来ません。しかし、拘っている事が十分に把握出来ているのなら読みで繋げる事は出来ます。
それ以外の格闘、超全般には安定して繰り出す事が出来ます。更に、こちらの行動は非常に読まれにくいため、テンプレを読んで積んで来た敵に対して一発大きな負担をかける事も可能です。初手としても優れており、ありとあらゆる場面での活躍が見込まれます。
そしてもう一つありましたね。コメントでのご指摘ありがとうございます。
特性:MGがあるため、やどみが型の納豆や、それこそ
奇襲性がある上、ある程度の安定性も持ち合わせているため、使いどころさえ間違えなければかなり有利に勝負を進める事が出来るヤケモンです。
- 耐久力指数
高い特攻の割にかなりの耐久も持ち合わせていると判断できるでしょう。
- 組ませると相性の良いポケモン
「こいつと組ませる」
と言う事に重点を置いた場合、こいつは格闘弱点のポケモンの補完を担当する事になります。
しかし、そのポケモンがそれ以上のものを誘っていないかという事には細心の注意が必要です。上記で言えば、ヤンギラスがいい例です。
バンギは弱点がかなり多いです。ヤンクルスとの共通の弱点は虫ですね。これを他ポケで対策する事になります。
このような事にはくれぐれもお気をつけ下さい。
- 最後に
「論より証拠」
もまた然り。皆さんも、ヤーティーを駆使してその強さを実感してみませんか?
考察は以上です。コメントへの対応は遅くなります。すいません。
さて、ここからはレスの枝葉末節に対する反駁です。
反駁というよりは、突っ込みのようなものと捉えて下さい。ここでは、このレスの内容を真に受けてしまった方の為に、全てに全力で釣られに行って、(必死乙
その都度その突っ込みをしていきます。
簡単に言えば、ここからは当たり前の事しか言いません、という事です。当然、読み飛ばして下さって構いません。
>ポケモンではSが最も重要とされる
Sが最重要とされるだなんて話は初めて聞きましたね。それにしても不思議ですねぇ、テッカニンを全くと言っていい程見ないのですがwww
>Sが高いことで絶対的有利に立てる
スターミーでカビゴンに勝てるのでしょうか?見てみたいですよ、その光景を。
>ヤーティはまひを受けなくても、すでに遅いのである
これ、実はそうでも無いのです。ヤーマンダを例に取りましょう。
ヤーマンダは性格を冷静にします。素早さは低いような印象を受けるでしょう。しかし、ヤーマンダの素早さは108であり、役割対象であるS6振りグロス(実数値91)を簡単に追い越します。
ヤーティーは必ず後手に回るという訳ではありません。確かに、大概は後手に回りはしますがね…
>ヤケモンはS100族でもS55族の最速に負けるレベルである
なら55族で最速仕様にするポケモンを教えて頂きたいですね。
全てのポケモンがSに振っている訳ではないという事が分かっていれば、こんな話は出来ない筈です。呉々もこのような初心者レスに釣られないようにして下さい。
>2回攻撃を受けて、1撃で相手を倒すことができるのだろうか?
答えは否
出来ますよ、先程確認しましたように。そもそも、「一撃で倒さなければならない」という発想自体がナンセンスです。「三回耐えて二回で落とす」等の可能性を考えに入れていないだけです。
>役割論理的に一体失うとサイクル崩壊という状態に陥り、負け確なのである
どうやら私はミラクルを起こしているようですね、ヤーティーを使っていても一体やられてから押し返して勝っているのですから。
そう、これも繰り返しになって申し訳ないのですが、ヤーティーは打ち合いにかなり強い上、パターン化された戦略が存在せず、あらゆる状況に柔軟に対応し易いptです。故に勝ち筋を見出し易いという特徴を持っています。