ワイドフォースを再度取得したことにより大幅強化されたにも関わらず、微塵も話題に挙がらないスカーフイエッサン♂について解説していきます。
第7世代で暴れまくったカプ・テテフの後釜的な感じですね。
前置き
- 略語、略称を使用する場合があります。
- ダメージ計算はポケソルさんのものを使用しています。
- お互いに理想個体(必要個所の個体値は全て31)前提で話を進めます。
イエッサン♂について簡潔に
ハバタクカミの短所はそのままに、長所を二回り弱くした感じの種族値。
前作である剣盾で初登場しDLCにてワイドフォースを習得して、7世代のカプ・テテフの再来か?と思われたが、ダイマックスシステムとの噛み合いが悪く、前作での使用率は良くないものでした。
今作においては前作の不都合な要素がなくなり、かつテラスタルで火力の底上げも可能となり相対的に強化されたといえます。
スカーフイエッサン♂の強み
- 1.サイコフィールド下のワイドフォースが超強い
ワイドフォースがサイコフィールド下で威力1.5倍かつフィールド補正1.3倍が加わる為、想像以上の火力が出ます。(火力指数40248)
具体的には、眼鏡ハバタクカミのムーンフォース(火力指数39900)とほぼ同等の火力を叩き出します。
さらにテラスタル一致補正も加わると火力指数で53000程になり、無振りサーフゴーくらいであれば後出し不可能なレベルで、スカーフ持ちとは到底思えない火力となります。
- 2.サイコフィールドによる先制技無効
イエッサン♂自体スカーフを持たせるポケモンの中でも早い部類に入る為、先制技を受けないことも相まって上を取られる相手がかなり限られてくる上、上を取ってくる相手というのも予測しやすいので、選出段階でのプランも立てやすく、ストレスなく立ち回ることができます。
HPが1でも残っていれば何かしら仕事ができるのも評価点。
- 3.スカーフトリック&サイコショックで受け構築に強め
スカーフトリックで受け相手の行動を制限したり、瞑想を積んでくる相手にもサイコショックで起点にされにくいのも強みと言えるでしょう。アタッカーとしての刺さりが悪くてもスカーフを押し付けて後続の起点を作成することも可能です。
また受け構築相手はが一貫しやすい傾向にあり、かつチオンジェンブラッキー等のタイプはテラスタルで相手側からの一貫を作ってくれるパターンも多いです。
弱み
- 1.エスパー技以外の攻撃が貧弱
火力を出す手段をフィールドに依存している為、フィールドの影響を受けない技に関しては貧弱そのものである事です。ワイドフォースの威力が高い事もあり、それ以外の技との威力差がものすごいです。極力ワイドフォース以外の技を打たないよう立ち回っていきたいですね。
- 2.技範囲が狭い
上記内容と関係してくる部分となりますが、技以外が弱い→技以外極力打ちたくない→技範囲が狭くなるといったことに結びつきます。
は無効タイプが存在し、かつ無効化するタイプのポケモンが環境に多く存在するのも痛手です。
- 3.物理耐久が低すぎる
特殊耐久は最低限有していますが、物理方面は吹けば飛ぶレベルの虚弱体質なので、無振りオーガポン(かまど)のツタこんぼうですら7割くらいの乱数で飛んでしまいます。削れていない高耐久の物理アタッカーとの打ち合いは避けるべきでしょう。
性格、努力値降り
控えめ D4 C252 S252
Sライン:最速80族カイリュー等+2(スカーフ補正なしで)
余りCSぶっぱ
火力素早さ共にギリギリのラインなのでぶっぱしています。
控えめでも最低限のSは確保できていますが、準速スカーフ100族を抜くために臆病にするのも選択肢。
筆者が使用した感じ控えめでもSに困る場面はあまりなかったので論中では控えめとしています。
テラスタル
でワイドフォースのリーチを広げるのが汎用的で一番強いと考えています。
テラバースト採用でもあるかと思いますが、ピンポイント気味でスカーフで運用するには扱いづらい印象です。
特性
サイコメイカーで。
5ターンの間先制技無効&エスパー技威力1.3倍と本育成論における最重要特性です。
持ち物
コンセプト通りこだわりスカーフで確定です。
技構成
【ワイドフォース/トリック/選択技/選択技】
- ワイドフォース
確定技。基本的にはこの技を連打することになります。
サイコフィールド下で使用するこの技の威力は156となっており、デメリットなしでタイプ一致はかいこうせんを連打できるようなものと考えると威力の高さも納得ですね。
- トリック
確定技。スカーフの押し付けで行動を制限し後続の起点作成や受けの機能停止等、アタッカー+αの役割を果たせるのが優秀。
ただスカーフを手放すと縛り範囲が一気に狭くなってしまうので、安直にトリックを打つのはおススメしません。相手の選出を確認してスカーフを手放しても大丈夫かよく考えた上で使用しましょう。
- マジカルシャイン
選択技。タイプに対する打点。
本当に威力が足りないのであまりこの技で拘りたくないですが、タイプに打点があるのとないのとでは立ち回りに大きく差が出る為、選択技の中では優先度高め。
- サイコショック
選択技。ハバタクカミラッキーハピナスのようなBとDの値に極端な差がある相手や瞑想持ち相手に対する打点。
フィールド補正を受けられるので、ワイドフォース程ではないにせよ威力はそこそこ期待できます。優先度高め。
- テラバースト
選択技。への打点が乏しいので、辺りがタイプの候補となります。地味ですがテラスなしでもタイプ一致打点として使えるのも特徴。
欲しい場面がないと言うのは嘘になりますが、超火力のワイドフォースで相手に負担を掛けたり縛り範囲を増やしたほうが個人的には強いと思っているので優先度は低め。
- サイコノイズ
選択技。使用後2ターン相手の回復行動を封じ、かつ音技の為身代わり貫通。
身代わりを貫通できる点は優秀ですが、欲しいと感じた場面は少なく優先度は低め。
ダメージ計算
【与ダメ】
ダメージ計算は本育成論での数値にて算出しています。
サイコフィールド補正込みです。
エスパー技のみ(テラスタルなし/テラスタル込み)の順で載せています。
- ワイドフォース
無振りマルスケ込みカイリュー 38.0%〜45.2%/51.3%〜60.3%
H252オーガポン(かまど) 69.6%〜82.4%/93.1%〜110.2%(56.25%)
H252ガチグマ(アカツキ) 81.0%〜95.5%/108.2%〜127.3%
H252ハバタクカミ 61.2%〜72.3%/81.5%〜96.3%
H252等倍水ウーラオス(れんげき) 91.4%〜107.8%(50%)/121.8%〜144.0%
無振りサーフゴー 42.0%〜50.0%(0.39%)/56.2%〜66.7%
H244輝石ポリゴン2 46.1%〜55.0%(58.98%)/61.8%〜73.3%
D特化輝石ポリゴン2 33.5%〜39.8%/45.1%〜53.5%(25%)
H252ウガツホムラ 63.7%〜75.0%/85.0%〜100.0%(6.25%)
- マジカルシャイン
無振りパオジアン 80.0%〜94.2%
無振りトドロクツキ 97.8%〜115.6%(87.5%)
H252トドロクツキ 83.5%〜98.6%
無振りイーユイ 29.3%〜34.7%
- サイコショック
無振りハバタクカミ 103.9%〜122.4%/以下略
B252ハバタクカミ 72.4%〜86.2%/97.0%〜115.4%(87.5%)
HB252ハバタクカミ 58.1%〜69.2%/77.8%〜92.6%
B252ハピナス 49.1%〜58.2%/65.5%〜77.6%
B252輝石ラッキー 36.4%〜43.4%/48.7%〜57.9%(94.14%)
防御特化アシレーヌ 40.2%〜47.1%/53.5%〜63.2%
- テラバースト
ダメージ計算はこちらがテラスをし、かつ抜群を突く事を前提としています。
H252メタグロス 77.1%〜91.0%
H252鋼テラスラティアス 55.7%〜67.4% ※炎テラバースト
H252サーフゴー 72.2%〜86.6%
H252チョッキヒードラン 85.3%〜103.6%(6.25%) ※地面テラバースト
- サイコノイズ
H252グライオン 56.1%〜66.0%/74.8%〜88.0%
H252ジャローダ 46.5%〜54.7%(57.03%)/61.9%〜73.0%
【被ダメ】
ダメージ計算は本育成論での数値にて算出しています。
無振りオーガポン(かまど) ツタこんぼう 94.1%〜111.2%(68.75%)
A252鋼テラスカイリュー アイアンヘッド 83.0〜98.6%
A252ガブリアス じしん 100.8%〜120.0%
C252テツノツツミ ハイドロポンプ 69.7%〜83.0%
C252ハバタクカミ ムーンフォース 64.5%〜76.3%
C特化サーフゴー ゴールドラッシュ 87.5%〜104.5%(31.25%)
立ち回り例
基本的には初手出しか死に出ししてワイドフォースで負担を掛けていきます。
構築単位でワイドフォースの通りが良い相手には積極的にテラスタルを切って崩しに行きましょう。
ワイドフォースの威力がすごいので崩しにスイープにと幅広く活躍できますが、の通りが悪い相手と対面した場合は潔く退いて裏のポケモンで圏内に入れるよう立ち回ります。
一度場に出し、再度展開する場合はサイコフィールドのターン管理を忘れず行うことを意識しておきましょう。
苦手なポケモン
の通りが悪い相手・・・特にラティアスメタグロスイーユイディンルー等
鋼テラス持ち・・・主にドラゴン全般 特性浮遊等
後はS上昇のエナジー持ちや自身より早いスカーフ持ちも相手にはしたくないです。
とはいえこれら苦手な相手はある程度予測が出来たり、対面時に型が分かるようなポケモンの為、対面時はできれば裏に退いて様子を見るのが賢明です。
相性の良いポケモン
不利対面時に安定して退けるクッション役や、足りないダメージを後押しするステロ巻き、無償降臨を狙える対面操作役等が使ってみて相性良かったです。かつに打点があるとなおGOOD。
具体的にはカバルドンランドロス(霊獣)ラグラージテツノカイナアシレーヌガオガエンコノヨザル等
終わりに
改めてワイドフォースを習得したにも拘わらず一切話題に挙がらないポケモンですが、採用率圏外とは思えない程のスペックは秘めているので、良ければ一度使ってみてください。先制技無効は本当に強いです。
以上で育成論を締めたいと思います、ありがとうございました。