はじめに
しっぽきりという新技は、後続の任意のポケモンにみがわりを残せる強い技としてSV発売前から注目を浴びていました。しかし、その新技を習得するモトトカゲモトトカゲはというと、火力・耐久の心許なさと後攻しっぽきりに適さない素早さのせいで対戦環境では日の目を見ない状況が続いています。コライドンとミライドンはTwitterで可愛い可愛いとチヤホヤされているのに
私自身特に実績などはありませんが、SVのマスターランクでモトトカゲ入りPTを50戦ほど回してみたところ、このポケモン特有の強みから、S1環境に適した運用と調整が分かってきたため育成論という形で共有させていただきます。
特攻にある程度努力値を割くことで油断ならない技火力を実現しつつ、さいせいりょく+上からしっぽきりによる低コストノーリスクの対面操作でサイクル戦を有利に運ぶモトトカゲの嫌らしい動きをぜひ体験してください。
※以下HABCDSなどの略語を使います。ダメージ計算について、A252と書いた場合は性格補正なし、A特化と書いた場合は性格補正1.1倍かつ252振りのポケモンを指します。
採用理由と役割
高い素早さから先攻でしっぽきりを使うことで控えのポケモンへの負荷や補助技をカットしつつ対面操作を行い、あわよくばみがわりを残して有利に立ち回るサポート兼サブアタッカー役です。先発で投げやすいポケモンですが、耐性を活かした受け出しも可能です。採用率の高いサザンドラサザンドラやサーフゴーサーフゴーを中心としたサイクルPTと戦いやすい技構成・努力値調整を意識しました。
同じ技を持つミミズズミミズズとは以下の要素で差別化します。
- ちょうはつやキノコのほうしで機能停止し辛いS
- ちょうはつ採用による搦手耐性、起点作成
- さいせいりょくによるサイクル適正
- ドラゴン/ノーマルの耐性(特にゴースト無効)
これらの長所に注目してオボンを持たせた育成論は既に存在しますが、この育成論ではモトトカゲの絶妙な火力を活かすためのおくびょう型、C調整の考察で差別化を図ります。
持ち物
オボンの実
上からしっぽきりに成功した場合はオボンの回復量1/4とさいせいりょくの回復量1/3でモトトカゲのHP減少分1/2が全回復します。2巡目でも耐久調整が活きやすくなるほか、1巡目で先制攻撃されてもHPが半分残ってしっぽきり成功する可能性が高まります。さらに、1ターン目でモトトカゲのHPが少しでも残れば裏に1度下げることでHPが半分以上になり、死に出しや無効技への受け出しから再度しっぽきりできるようになります。技の打ち分け可能=りゅうせいぐん等の使用後しっぽきりやちょうはつで起点回避できることも大きなメリットと考えているため、この育成論では確定としています。
こだわりアイテム
この育成論ではちょうはつで相手のサポート(カバルドンカバルドン等)を機能停止させ後続にみがわりを残す動きを重視するため、ちょうはつと相性の悪いこだわりスカーフ等は採用しません。
たまにトリックでスカーフやメガネを渡されることもありますが、しっぽきりは問題なく使えるので致命的ではありません。C下降技を撃ってしまうと素引きするしかなくなることには注意。
特性
さいせいりょく
しっぽきり+さいせいりょくの噛み合いがこのポケモンの大きな採用理由ですので確定です。
性格・努力値と調整
おくびょう
行動が固定されず比較的使いやすい竜技と高火力サブウェポンを採用するための特殊型です。物理型は運用が異なると思うので別物として考察お願いします。
S種族値が飛び抜けて高いため、Sに補正をかけるとどの調整でも効率が一番良くなると思います。間違えていたらすみません。
- 努力値調整1
H:180
実数値168 (3nでさいせいりょくの回復効率最高、4nでオボンの回復効率最高、みがわりのHP効率最高)
※しっぽきりのHP消費計算は端数切り上げなのでHP実数値を偶数にすることで減少量を抑えられます。
ガブリアスA特化ガブリアスのじしん確定耐え
ハッサムA特化テクニシャン鋼テラスいのちのたまハッサムのバレットパンチ確定耐え
セグレイブA252セグレイブのこおりのつぶて被弾時オボン込みでHPが半分残ってしっぽ切り可能(最高乱数以外)
C:148
サザンドラ無振りサザンドラをりゅうせいぐんで確定1発
サーフゴーH4サーフゴーをオーバーヒートで確定2発(C下降込み)
S:180
実数値180
イッカネズミ最速イッカネズミ+1
ゲンガー最速ゲンガー+2
ついでに最速105族(パーモット等)やそこに合わせて調整しているマスカーニャも抜くことができます。
- 努力値調整2
H:244
実数値176(4n)
サーフゴーC252サーフゴーのゴールドラッシュ確定耐え
キノガッサA252テクニシャンキノガッサのマッハパンチ確定耐え
C:148
調整1と同じ
S:116
実数値171(ガブリアス最速ガブリアス+2)
- 努力値調整3
H:180
調整1と同じ
C:212
ガブリアス無振りガブリアスをりゅうせいぐんで確定1発
セグレイブH4セグレイブをりゅうせいぐんで高乱1発(81.3%)
ウォッシュロトム無振りウォッシュロトムをりゅうせいぐんでC下降込み中乱2発(約50%)
S:116
調整2と同じ
耐久面は上から食らいそうな攻撃に合わせて調整しました。それぞれの調整に利点があるため、PT単位で重いポケモンに合わせて選んでください。ひかえめC164まで振ると無振りセグレイブセグレイブまで確定取れますが、HかSを大幅に削ることになるためお勧めしません。
追記:イッカネズミの数は環境初期から低い水準にありますが、S1終盤になって110族のゲンガーゲンガーが増えており、調整1のSラインが活きていると感じています。また、ガブリアスガブリアスはタスキか耐久振りが多く、調整3のように火力を盛ってもほとんどの場合倒しきれません。元から確定欄に置いてはいますが、調整1の採用を強く推奨します。
技構成
- 確定
・しっぽきり
このポケモンの存在価値です。
・ちょうはつ
相手の先発の起点作りポケモンや積みに来たポケモンを逆に起点にする動きが強いため確定としています。これがないとカバルドンカバルドンにふきとばし押されてるだけでそこそこ困ってしまいます。ちょうはつが決まると次のターンのしっぽきりで後続にみがわりを残せる可能性が非常に高いです。今の環境でモトトカゲの上からちょうはつしてくるポケモンはオーロンゲオーロンゲくらいです。
- 選択(ほぼ確定)
・りゅうせいぐん
高火力の一致技。初手でモトトカゲを始末しに来たドラゴン達を返り討ちにするために採用します。火力補正なしのりゅうのはどうやドラゴンクローでは無振りドラパルトドラパルトすら倒せず、げきりんは行動固定のデメリットが大きいため、オボンモトトカゲの竜技はりゅうせいぐん1択だと考えています。
・オーバーヒート
竜技が通らない鋼に広く刺さります。よくある対面ではハッサムハッサムの後攻とんぼやジバコイルジバコイルの後攻ボルトチェンジが辛いので、上から焼ける炎技は欲しいところ。
- 選択(その他便利な技)
・とんぼがえり
使える場面はしっぽきりと被りますが、タスキや化けの皮削り、さいせいりょくによるHP回復ができるため両方採用する価値はあります。
・はたきおとす
モトトカゲの火力では耐久ポケモンに対して有効打がありませんが、この技なら確実なリターンが見込めます。ただし、早めにしっぽ切って逃げた方が得することも多そうです。
・テラバースト
フェアリーテラバーストよりりゅうせいぐんを打った方が火力の出る場面も多いですが、ノーマルと打ち分け出来るのは役立つかもしれません。サザンドラサザンドラに打ちたいだけならC無振りでも機能します。
テラスタル
フェアリー
弱点の竜を無効、格闘を半減にします。
初手で上から竜技を押し付けてくるドラパルトドラパルトやスカーフドラゴンの攻撃を透かし、返しのりゅうせいぐんでワンパンします。初手でテラスタルを切ると後から苦しくなることも多いですが、実際回してみたところしっぽきりの圧力やゴースト無効のおかげか変な読みを避けて素直に竜技を打たれる確率が高く、意外とアドバンテージを稼ぎやすい選択肢です。
キノガッサキノガッサのマッパパンチを受けてしっぽきり→後続が身代わりの裏から積む動きも可能になるため確定欄はこれにしています。
鋼
竜、フェアリー、氷を半減にします。
高速ドラゴンへの役割は変わらずサーフゴースカーフサーフゴーにも勝てる可能性がありますが、かくとうの一貫が気になるため候補に留めています。オーロンゲオーロンゲ対面でテラバーストを打てるのは利点ですが、竜技も炎技も切りたくないのが悩みどころ。
立ち回り例
基本は先発に出し、モトトカゲより遅いポケモンに対してはしっぽ切り(ステロや積み技が読めればちょうはつ)から有利なポケモンを出して負荷をかけます。裏に相性補完が取れたポケモンを置くとみがわりを残しやすく、火力の高いポケモンや対処困難な積みポケモンに繋げば相手のサイクルをいち早く破壊できます。相手の耐久ポケモンが出てきたり、半減以下で受けられる技を読んだ場合はモトトカゲを受け出してから再度しっぽを切ってサイクルを回していきます。
モトトカゲより早く行動して致命傷を与えてくる可能性のある要注意ポケモンに対しては、素交代やテラスタルを選択肢に入れつつ耐久調整を活かして殴り合ったり、選出の段階で対面を避けるなり工夫してください。(下記のダメージ計算を参照)
後攻とんぼやボルトチェンジでみがわりを破壊されると逆に相手に対面操作されてしまいますが、それらの技を使ってくるポケモンウォッシュロトムハッサムジバコイルに対してはタイプ相性で有利を取れるため、りゅうせいぐんやオーバーヒートで負荷をかけましょう。また、しっぽきりの交換先によってはみがわりを残せます。(下記のダメージ計算を参照)
与ダメージ計算(調整1)
- りゅうせいぐん
ドラパルト無振り:192 ~ 228 (117.7 ~ 139.8%) 確定1発
ボーマンダH4:182 ~ 216 (106.4 ~ 126.3%) 確定1発
サザンドラ無振り:168 ~ 198 (100.5 ~ 118.5%) 確定1発
ガブリアス無振り:174 ~ 206 (95 ~ 112.5%) 乱数1発 (68.8%)
セグレイブH4:170 ~ 204 (89 ~ 106.8%) 乱数1発 (37.5%) 逃げましょう
ウォッシュロトム無振り:低乱数2発
1発目:72 ~ 85 (57.6 ~ 68%)
2発目:36 ~ 43 (28.8 ~ 34.4%)
サザンドラ無振り鋼テラス:42 ~ 49 (25.1 ~ 29.3%) 確定4発
竜技を察知して鋼テラスを切ってくる偉いサザンドラに対しては、2周目のサイクルでオーバーヒートを当てて下さい。
- オーバーヒート
ハッサムH252:244 ~ 288 (137.8 ~ 162.7%) 確定1発
H252鋼テラス:122 ~ 144 (68.9 ~ 81.3%)
マスカーニャH4草タイプ:136 ~ 160 (90 ~ 105.9%) 乱数1発 (37.5%) しんりょく個体はどうせタスキだからこの乱数はあまり関係ないです
ジバコイルH252:中乱数2発
1発目:112 ~ 132 (63.2 ~ 74.5%)
2発目:56 ~ 68 (31.6 ~ 38.4%)
サーフゴーH4:確定2発
1発目:110 ~ 130 (67.4 ~ 79.7%)
2発目:56 ~ 66 (34.3 ~ 40.4%)
スカーフやH振りを考慮すると対面で勝てるわけではありませんが、相手の読み外しや受け出しを許さないくらいの火力はあります。
ドドゲザンH252:低乱数2発
1発目:116 ~ 138 (56 ~ 66.6%)
2発目:58 ~ 70 (28 ~ 33.8%)
アーマーガアH252:低乱数2発
116 ~ 138 (56.5 ~ 67.3%)
58 ~ 70 (28.2 ~ 34.1%)
ミミズズH252:
162 ~ 192 (91.5 ~ 108.4%) 乱数1発 (50%)
サザンドラ無振り鋼テラス:確定2発
1発目:112 ~ 132 (67 ~ 79%)
2発目:56 ~ 68 (33.5 ~ 40.7%)
被ダメージ計算(調整1)
- テラスタル前
マスカーニャA特化不一致じゃれつく:142 ~ 168 (84.5 ~ 100%) 乱数1発 (6.3%)
へんげんじざいじゃなければ1発は耐えます。
キノガッサA252テクニシャンマッハパンチ:146 ~ 174 (86.9 ~ 103.5%) 乱数1発 (25%)
相手はしっぽきりを考慮するとマッハパンチ以外打ちにくい対面なので、こちらはラム持ちやコノヨザルコノヨザル等に引くのもアリだと思います。
ガブリアスA特化じしん:133 ~ 157 (79.1 ~ 93.4%) 確定2発
同上がんせきふうじ:54 ~ 64 (32.1 ~ 38%) 乱数3発 (95.4%)
こちらがテラスタルしても相手がタスキで岩封から入られると負けますが、しっぽきりを考慮すると選択されづらい技だと思います。それ以外なら勝ち。
セグレイブA252こおりのつぶて:104 ~ 126 (61.9 ~ 75%) 確定2発
A特化こおりのつぶて:116 ~ 138 (69 ~ 82.1%) 確定2発
ようきならオボン込みでしっぽ切れます。そもそもモトトカゲを見て先発に出てくるセグレイブは全員積みに来ている節がありますが、いじっぱりつぶては要警戒。
ハッサムA特化テクニシャンいのちのたまバレットパンチ:105 ~ 125 (62.5 ~ 74.4%) 確定2発
しっぽきり可能
A特化鋼テラステクニシャンいのちのたまバレットパンチ:140 ~ 166 (83.3 ~ 98.8%) 確定2発
珠までなら耐えて返しのオーバーヒートでかなり削れます。
ドドゲザンA特化そうだいしょう(1.2倍)ふいうち:115 ~ 136 (68.4 ~ 80.9%) 確定2発
A特化悪テラスそうだいしょう(1.2倍)ふいうち:153 ~ 181 (91 ~ 107.7%) 乱数1発 (50%)
ふいうち読みでしっぽきりorオバヒの択を仕掛けるかどうかの判断基準として覚えておくと便利です。
マリルリA特化ちからもちアクアジェット:30 ~ 36 (17.8 ~ 21.4%) 乱数5発 (14.6%)
アクアジェット読みで繰り出せば2発目も耐えてしっぽきりできます。味方の鋼や炎ポケモンと協力して安全に処理したい時に。
カバルドン無振りじしん:88 ~ 105 (52.3 ~ 62.5%) 確定2発
実は結構痛いのですが、ちょうはつ読みでじしん打たれてもオボン込みでしっぽ切れます。A振りはケアできません。
アーマーガアB特化ボディプレス:124 ~ 146 (73.8 ~ 86.9%) 確定2発
ミミズズB特化ボディプレス:154 ~ 182 (91.6 ~ 108.3%) 乱数1発 (50%)
ちょうはつから入ると危険です。オーバーヒートかしっぽきりしてください。どうしてもちょうはつしたければフェアリーテラスを切ればOKです。
キョジオーンB特化ボディプレス:142 ~ 168 (84.5 ~ 100%) 乱数1発 (6.3%)
しっぽきりで特殊アタッカーに交代してください。こだわりトリックやわるだくみを搭載したサーフゴー等が居ると安心です。裏に物理アタッカーしか居なくて鉄壁で詰みかねない、ステロを撒かせたくないという場合はフェアリーテラスを切るか、ちょうはつの後素引きしてください。
サザンドラC252眼鏡あくのはどう:141 ~ 166 (83.9 ~ 98.8%) 確定2発
1回なら受け出せます。フェアリーテラス後は2耐え。
サーフゴーC252ゴールドラッシュ:147 ~ 174 (87.5 ~ 103.5%) 乱数1発 (25%)
相手はゴースト技を打ちにくい対面なので、ウルガモスウルガモスやサーフゴーサーフゴー、ソウブレイズソウブレイズなどに引くのが安定します。2巡目以降のサイクルでオーバーヒートを当てていきましょう。
ジバコイルC特化アナライズボルトチェンジ:60 ~ 72 (35.7 ~ 42.8%) 確定3発
同上ラスターカノン:138 ~ 163 (82.1 ~ 97%) 確定2発
C特化アナライズ眼鏡ボルトチェンジ:90 ~ 107 (53.5 ~ 63.6%) 確定2発
同上ラスターカノン:207 ~ 244 (123.2 ~ 145.2%) 確定1発
だいたいボルトチェンジから入ってくると思いますが、居座りを読まれてラスターカノンされると打ち負けます。
ウォッシュロトムC特化ボルトチェンジ:40 ~ 48 (23.8 ~ 28.5%) 乱数4発 (95.2%)
同上ハイドロポンプ:63 ~ 74 (37.5 ~ 44%) 確定3発
C特化眼鏡ボルトチェンジ:60 ~ 71 (35.7 ~ 42.2%) 確定3発
同上ハイドロポンプ:93 ~ 111 (55.3 ~ 66%) 確定2発
スカーフならオボン込みでドロポン3耐え、眼鏡でも2耐えするかどうかというところで、命中率を考えても勝敗は不安定です。相手がCS252ならおおよそ勝てます。(等倍vs半減で打ち負ける可能性があるのはどうかとも思う)
- モトトカゲモトトカゲのフェアリーテラスタル後
キノガッサA252テクニシャンマッハパンチ:36 ~ 43 (21.4 ~ 25.5%) 乱数4発 (1%)
この後しっぽきりでカイリューカイリューやウルガモスウルガモスに引くと世界が終わります。
コノヨザルA0ドレインパンチ:33 ~ 40 (19.6 ~ 23.8%) 乱数5発 (100%)
マスカーニャA特化へんげんじざいじゃれつく:106 ~ 126 (63 ~ 75%) 確定2発
けたぐり: 31 ~ 37 (18.4 ~ 22%) 乱数5発
はたきおとす:57 ~ 68 (33.9 ~ 40.4%) 確定3発
トリックフラワー:126 ~ 148 (75 ~ 88%) 確定2発
フェアリーテラス後はトリックフラワーを打たれなければしっぽきりできますが、これだけのためにテラスタルを切るのは微妙かなと思います。どうしても素引きできない場合の選択肢。
セグレイブA特化こおりのつぶて:58 ~ 69 (34.5 ~ 41%) 確定3発
サザンドラC特化ラスターカノン:138 ~ 164 (82.1 ~ 97.6%) 確定2発
C特化鋼テラスラスターカノン:206 ~ 246 (122.6 ~ 146.4%) 確定1発
鋼テラスされると耐えませんが初手で切られることは1回もありませんでした。対面する前にテラスタルを切ってしまった場合は要注意。
みがわりの被ダメージ計算(調整1)
しっぽきりで出る身代わりはモトトカゲモトトカゲのHP実数値168の1/4=42で、BとD、タイプ耐性は交換先を参照します(筆者が実際に検証したわけではないので悪しからず)。
しっぽきりからの交換先が受けるダメージを計算して、みがわりが割れるまでの確定数を算出します。
- サーフゴー無振りサーフゴー
キョジオーン無振りしおづけ:12 ~ 15 (28.5 ~ 35.7%) 乱数3発 (9.7%)
ハッサムA特化とんぼがえり:17 ~ 20 (40.4 ~ 47.6%) 確定3発
特に振らなくても耐性で十分耐えてくれます。
ミミッキュA特化じゃれつく:34 ~ 41 (80.9 ~ 97.6%)
A252いのちのたまじゃれつく:40 ~ 48 (95.2 ~ 114.2%) 乱数1発 (93.8%)
珠じゃないミミッキュのじゃれつくならみがわりが残ります。のろいも効きません。
- カイリュー無振りカイリュー(マルスケ込み)
キョジオーン無振りしおづけ:25 ~ 30 (59.5 ~ 71.4%) 確定2発
ハッサムA特化とんぼがえり:17 ~ 20 (40.4 ~ 47.6%) 確定3発
ウォッシュロトムC特化ボルトチェンジ:29 ~ 34 (69 ~ 80.9%) 確定2発
C252眼鏡:39 ~ 46 (92.8 ~ 109.5%) 乱数1発 (62.5%)
C特化眼鏡:42 ~ 51 (100 ~ 121.4%) 確定1発
眼鏡持ちに対してはモトトカゲのH244振りやカイリューのD振りが活きそうです。
- カイリューD196振りカイリュー(マルスケ込み)
ウォッシュロトムC特化眼鏡ボルチェン:35 ~ 42 (83.3 ~ 100%) 乱数1発 (6.3%)
ジバコイルC特化アナライズボルチェン:36 ~ 42 (85.7 ~ 100%) 乱数1発 (12.5%)
ややピンポですがここまで振るとしっぽきり→カイリュー出しが安定します。
- カイリューD140振りカイリュー(マルスケ込み)
ウォッシュロトムC特化眼鏡ボルチェン:37 ~ 44 (88 ~ 104.7%) 乱数1発 (37.5%)
モトトカゲを調整2(H244、みがわりのHP44)にする場合はこれでOK。
苦手なポケモン
・マスカーニャマスカーニャ
基本勝てない上にテラスタルを切らないとしっぽさえ切らせてもらえず、しかも先発で出てきやすいので、相手PTに姿が見えたらモトトカゲは選出しないか2匹目以降に置きましょう。
・セグレイブセグレイブ
いじっぱりや耐久振り、最近はスカーフ型も一定数存在し、初手の行動が多彩であることから対応が安定しません。うまく噛み合えば勝てますが、相手頼みが嫌なら避けたい対面です。
・オーロンゲちょうはつオーロンゲ
上からちょうはつされるだけで何もできることがなくなります。
相性の良い味方・構築例
基本的には強力な積みポケモンや範囲広めのアタッカーと相性が良いです。ステロに弱そうなPT構成にすることで、ちょうはつモトトカゲのカモを先発に呼びやすくなります。
・ハッサムハッサム
モトトカゲの苦手なポケモンたちに有利を取れるので、相手PTによっては代わりに先発を任せることが多いポケモンです。A特化鋼テラス鉢巻バレパンでマスカーニャも飛びます。後攻とんぼでモトトカゲを着地させる動きもシンプルに強いです。
・サーフゴーサーフゴー
モトトカゲから引く際には竜フェアリー氷半減かつ格闘無効で、逆にモトトカゲへの交換時は炎半減、ゴーストを無効にできます。こだわっているサーフゴーや耐久型コノヨザルにしっぽきりを絡めて不利な択を強いることができる組み合わせです。持ち物は眼鏡がおすすめ。
・カイリューカイリュー
相性補完はそこまで良くありませんが、生半可な等倍攻撃ならマルスケ補正込みでみがわりが耐えてしまいます。ロトムやキノガッサ、カバルドン等からのしっぽきりの引き先に選出して全抜きを狙いましょう。対面強いので無償降臨させるだけでも十分アドです。
・ウルガモスウルガモス
言わずと知れた特殊積みエース。みがわりの裏から安全に積めた場合なかなか止まりません。先発モトトカゲが相手のドラパルトやサザンドラを落とせれば一気に通りが良くなります。他のエースにも言えることですが、テラスタルを自身に切るかモトトカゲに切るかは相手の編成を見て吟味して下さい。
・ドオーてんねんHDドオー
音技持ちで対処に困るニンフィアやラウドボーンを完封できます。また、しっぽきりに対する後攻ボルトチェンジを無効にしてみがわりを残すことができます。元々はトリックに弱いポケモンですが、みがわりを盾にしている間はやりたい放題できます。1手余裕ができる分、HDなのにのろいを積んで要塞化する型も実現可能です。
・スコヴィランムラっけスコヴィラン
犯罪枠。しっぽきりから着地したターンにもムラっけが発動します。交代際の毒や塩漬けのリスクをカットしつつ耐久ポケモンを起点にできるお手軽凶悪コンボです。積みサイクルは天然ポケモンの対処に悩まされますが、こいつはなやみのタネを覚えるので理論上どのポケモンにも勝てるポテンシャルがあります。
育成論書きました
→育成論SV/646
その他
・ミミッキュミミッキュ
・コノヨザルコノヨザル
・ソウブレイズソウブレイズ 等
実際に運用しているわけではないので詳しくは語れませんが、机上論では相性良さそうです。
あとがき
ここまで読んでくださってありがとうございます。
モトトカゲモトトカゲは裏のポケモンのパワーが高いほど厄介さを増すサポーターでありながら、それを咎めにきた高速アタッカーを返り討ちにする1撃を隠し持ったポケモンです。実際しっぽきりが対戦相手の意識に及ぼす影響は凄まじいようで、初手で対面したサザンドラサザンドラの7割はモトトカゲよりも遅かったのにも関わらず、例外なく突っ張ってきてりゅうせいぐんの餌食になりました。交代際にみがわりを置かれるディスアドが気になり、引くに引けなくなってしまうのではないかと思います。いや、これモトトカゲが舐められてるだけなのでは?
この育成論ではモトトカゲのそういった長所を最低限活かしつつ、数値の高いポケモンには簡単に受けられてしまうという短所を和らげて隙を減らすため、打ち分け可能なちょうはつ採用型を考察しました。初投稿で至らぬ点もあると思いますが、固有の性能を持ったこの面白いポケモンについて皆さんと一緒に考察を深めていけたら嬉しいです。