注意
- 本育成論はドリュウズ単体を考察するものではなく、特定の採用理由を満たすポケモンを複数体取り上げた比較考察論です。この形式の育成論については、大天使様の対面構築における先発要員の育成論(育成論ソードシールド/1056)で前例や注意点に関する詳しい説明がありますので、気になる方はそちらを参照してください。
- 容量の都合上、本育成論は2つに分かれています。このPart1では、襷ステロ撒きに関する一般的な解説とポケモンの選考過程、および10種の個別考察を扱っています。Part2(育成論ソードシールド/1420)では、残りの16種の個別考察を扱っています。
- 長文の考察になります。適宜目次から読みたい項目/個別考察に飛ぶことを推奨します。個別考察については最後にまとめを載せており、そこを読むだけでも概要を掴むことはできます。
- 形式の都合上、個別考察については通常の育成論よりも内容が薄くなっています。補完として、参考にしたポケモン徹底攻略の過去の育成論のリンクを貼りました。無許可ですので問題があれば削除を検討します。
- 個別考察では最初に構成例を提示していますが、あくまで議論の前提を明確にするために仮置きしたものであり、各自の構築に合わせて配分/技構成/持ち物をカスタマイズする余地が大いにあります。特に技については、煩雑になることを防ぐため多くの採用価値がある技を省略しています。構成例については論の根幹に関わる間違い以外は修正しない方針ですが、コメントで提案・議論していただくのは歓迎です。
- 筆者が育成・使用したことのないポケモンを一部含みます。
- ダメージ計算はダメージ計算SS(for iPhone)を使用しています。
- 以下常体で記述します。
先発襷ステロの役割
- ステロの有用性
1. 後続の火力を底上げする/耐久調整を崩す
定数ダメを入れることで、後発エースの突破力の向上させる。ステロダメは等倍だとHPの1/8だが、これは乱数帯1つ分よりやや小さい程度に相当する。すなわち、こちらの攻撃を確定で耐える相手が高乱数1発で落ちるようになる程度の削りを入れられる。
2. 襷や頑丈を潰す
相手の行動保証を消すことで、耐えてからの反撃やダイマターン稼ぎなどを防ぐ。襷カウンターを警戒する必要もなくなる。
3. 特定のポケモンの対策
ステロダメはタイプ相性を考慮するため、岩弱点のポケモンは特に大きく削ることができる。リザードン/ウルガモス等の4倍弱点勢(厚底ブーツに注意)はもちろん、エースバーン/トゲキッスといったタイプ一致ダイジェットエース、ヒートロトム/ガオガエンといったサイクルパーツに1/4のダメージが入るため、後続での処理が楽になる。
4. 交代戦を抑制する
ポケモンを交代するたびに定数ダメが入るため、相手はサイクルを回しにくくなる。ダイマターンを耐性受けでやり過ごすといったプレイングの抑止にも繋がる。
- なぜ『先発』『襷』ステロなのか
上記のような性能から、ステロダメを入れたいポケモンが出てくる前に、すなわちできるだけ早いタイミングでステロを撒くのが望ましい。そのため、先発するポケモンにステロを撒かせる。
気合いの襷を持たせることで、上からの連続技といった例外を除いて確実にステロを撒くことができる。行動保証があるため不利対面を取ったとしても何かしらの仕事はしやすく、先発適性が向上するというメリットもある。
先発ステロ撒きとして行動保証を得るためには耐久に特化するという方針もある。有名な例としてはカバルドンが挙げられ、高い耐久からステロ+欠伸での起点作成に長けている。一方で、高火力抜群技(眼鏡ハイドロポンプ等)は耐えられない、Sが低く上から挑発されやすい、積み技+ラムの実orダイフェアリーなどで起点にされる、といった明確な欠点もあり、どちらが優れているかを一概に論じることはできない。なお、襷を持たせず耐久振りによってステロ撒きとしての性能を確保するポケモンは本育成論では扱わないため、個別の育成論を参照されたい(今回取り上げた中にも襷なしの耐久振りで機能しそうなポケモンは複数いる)。
先発襷ステロに求められる要素
襷を持てばどのポケモンでもステロを撒くことはできる。しかし、ステロを撒くだけで倒されてしまっては割に合わない。+αで何かしらの仕事ができるような性能があると、より先発襷ステロ撒きに向いていると言える。具体的には、以下のような要素をできるだけ多く満たすことが望ましい。
1. 行動保証
上から一撃で倒されてはステロ撒きができないため、相手の攻撃を少なくとも一回は耐えることが必要になる。襷を持たせることで全てのポケモンが満たすことができる。例外として、特性が頑丈のポケモンは襷を持たなくてもこの条件を満たす点で優秀。連続技だと一撃で倒される恐れがあるため、メジャーな連続技に耐性があるかどうかも地味ながら大切である。
2. 挑発のもらいにくさ
挑発をもらうとステロを撒くことができない。相手に挑発を打たれにくい(≒アタッカー型が主流)か、あるいは相手の挑発よりも先に行動できる(=素早さが高い)かの少なくともどちらかを満たすと良い。特性が鈍感であればそもそも挑発を受け付けないし、悪タイプは悪戯心による補助技(挑発を含む)を無効化できるため比較的高い耐性を持つと言える。
3. S操作
ex) 岩石封じ、凍える風、電磁波、蛇睨み、怖い顔etc.
襷を盾にしてS関係を逆転することで行動回数を増やすことができる。これにより、ステロ撒き+αの仕事をすることができる。S関係の逆転には自身もある程度のSが必要な点に留意。後続の初速を補う「4. 起点作成」の役割や、ダイジェットや積み技(竜の舞等)によるS上昇を相殺する「6. 起点回避」の役割も果たす。
4. 起点作成
ex) 鬼火、欠伸、両壁、置き土産、挑発etc.
後続のエースが行動しやすいように盤面を整えること。状態異常を撒く、壁を貼る、デバフをかける(ランク補正を下げる)、相手が後続エースを妨害する手段(電磁波など)を止める、といったものが例としてあげられる。「3. S操作」も後続を動きやすくするという意味で起点作成の一つになる。間接的ではあるが、自身の性能で相手を流して後続エースの有利なポケモンを場に引き出すことも当てはまるため、ステロ撒きとエースの縦の並びの相性も重要になる。
5. 相手の展開阻止
ex) 挑発、アンコールetc.
先発を想定すると、相手も壁貼りやステロ(+欠伸)などの起点作りをするポケモンを投げてくることも多い。そのため、それらの動きを妨害することができると先発としての適性があがる。
6. 起点回避
ex) 挑発、吠える、置き土産、大爆発etc.
ステロを撒く間に積み技やダイマックス技で能力を上げながら突破されると、後続への負担が大きい。積み技の使用を防ぐ、あるいは能力上昇をリセット/相殺する手段を持つことで、起点になることを避けられる。「3. S操作」も相手のS上昇に対する起点回避手段である。
7. 削り
ex) 攻撃技、欠伸、吠えるetc.
相手のポケモンを少しでも多く削り、後続の攻撃の圏内に入れる。例えば、後続のダイジェット/ダイナックルで倒せるところまで削れれば、味方はだいぶ動きやすい。基本的には攻撃技で相手のHPを減らすことを指すので、火力や技の範囲などが優れていることが望ましい。他には、相手のポケモンを流してステロダメを蓄積させることも一種の削りと言える。
具体的な運用法
これまで述べてきた通り、基本的には先発で運用する。相手の先発によって動き方が変わるため、いくつかの代表的な定石を紹介する。ただし、どのポケモンで運用するかによって若干異なり、相手の型にも左右されるため、完全にパターン化することはできない。実際に運用しながら最適な動き方を確かめてほしい。
1.自分より早い相手
ex) アイアント、スカーフ持ちが疑われるポケモン全般etc.
S操作技でS逆転→ステロ、の流れで2ターン行動できる。
2. 自分より遅い相手
ex) ラプラス、ジュラルドン、ドサイドンetc.
襷を盾に2ターン確実に行動できるため、ステロから入ることが多い。その後は攻撃技で削るか、後続のために起点作りをする。
3. 先制技持ち
ex) ミミッキュ、ゴリランダー、マリルリetc.
初手の攻撃+先制技を耐えられない場合はS操作をしても2ターン行動できない。ステロだけ撒いて後続に任せるか、一旦裏に引くかの選択。
4. ダイジェット持ち/S上昇積み技持ち
ex) トゲキッス、ギャラドス、ウルガモスetc.
S操作技を打って相手のS上昇を相殺することが最優先。2手目は、S上昇を許さないか、ステロを撒くかで状況次第。初手でS上昇してこなかった場合は2手目にステロが撒ける。
5. 起点作りや耐久型
ex) カバルドン、オーロンゲ、ナットレイetc.
挑発があるなら挑発から入るのが安定。大抵の場合こちらが早いので、読み違えてアタッカー型だった場合も最低限ステロは撒ける。
注意が必要な相手としてはドラパルトが挙げられる。Sが非常に高い上クリアボディによりS操作が効かない可能性があり、ドラゴンアローという連続技もある。初手に来るのはアタッカーのみならず鬼火祟り目型や壁貼り型である場合もあるため、相手のパーティから型を予想しつつ最善の行動を選択したい。
また、ステロ撒きに多い岩/地面は連撃ウーラオスの水流連打が抜群で入るため、襷を貫通して一撃で倒される(=スカーフ持ち相手には一度も行動できない)。鉢巻だと等倍でも乱数1発程度の火力があるので、初手ウーラオスをケアできる構築作りが必要。
素のSが高いダイジェット持ち(エースバーン/インテレオンetc.)等も少し厄介。S操作から入っても2手目で先攻を取られる可能性があるため、何らかの能力上昇を許して突破される可能性がある。襷を盾に相手のダイマターンを2ターン消費させるため、こちらのダイマックスを駆使するなどしてうまく切り返したい。
また、ステロを撒いたあと特にすることがない場合は、一旦裏に引くことも選択肢に入る。特に襷が残っている場合はストッパーとして機能することもある。ステロを撒いたポケモンを残しておく価値と後続を後出しするリスクを天秤に掛けて判断する必要がある。
どのような構築に採用するか
単体で相手を倒す性能は低いため、後続には突破力のあるポケモンをおく必要がある。具体的には、積み技やダイマックスにより抜き性能を持てるポケモンを控えさせておくことが望ましい。以下に例をいくつか挙げる。
- ダイジェットエース
ex) エースバーン/トゲキッス/ギャラドスetc.
削りを入れた相手をダイジェットの起点にしつつ後続と対面できる。S上昇により手軽に抜き性能を確保できる点が強い。積み技も採用しやすいポケモンが多い。
- ドリュウズ
タイプ一致のダイアースやダイスチルで耐久力をあげられるため、弱点保険と相性が良く殴り合いにも強い。型破りであればミミッキュを苦にしない点や地震の一貫性、砂掻きであればダイロックでSを補強し抜いて行ける等、特性によって異なる強みを引き出せるのもポイント。剣の舞を積めればさらに止まらなくなる。
- 強力な積み技持ち
ex) パルシェン(殻を破る)/ウルガモス(蝶の舞)/バンギラス(竜の舞)etc.
一度積めればダイマックスを切らずともある程度の抜き性能を得られるため、ダイマックスエースの前(あるいは後)に暴れることができる。積み技を低リスクで使えるように盤面を整える必要がある点は、慣れるまで少し難しいかもしれない。
採用基準・選考
“襷ステロ撒き”というテーマであるため、ステルスロックを覚えることを前提とする。ポケモン徹底攻略のポケモン図鑑ソードシールドで検索すると、該当するポケモンは90種いることが確認できる(ランクマッチで使用可能なポケモンのみ/進化前含む)。
ここからの足切りについてだが、襷を持たせることでほとんどのポケモンとの対面で2回以上の行動が保障されていること、を条件とした。具体的な基準は、無効化されないS-1攻撃技(岩石封じor凍える風)を習得し、かつS-1の最速エースバーンを抜くことができるポケモンである。ステロを覚えるポケモンは大体岩石封じも覚えるため、前者の条件は実質的にあまり意味がない。後者の条件についてエースバーンを基準としたのは、それより早いポケモンが環境にドラパルト(とスカーフ持ち)しかおらず、ドラパルトに関してはクリアボディも考えるとS-1攻撃技を打っても確実に2回行動できるわけではないため。この条件を換算すると、S種族値63族以上のポケモンが該当することになる(最速63族のS実数値126>S-1の最速エースバーンのS実数値125)。
上記の条件を満たし、合格したのは以下の26種。
原種ダグトリオダグトリオ/真昼ルガルガンルガルガン(まひる)/黄昏ルガルガンルガルガン(たそがれ)/テラキオンテラキオン/コバルオンコバルオン/ミルタンクミルタンク/ワルビアルワルビアル/ドリュウズドリュウズ/ジャラランガジャラランガ/ジュラルドンジュラルドン/カイロスカイロス/真夜中ルガルガンルガルガン(まよなか)/マンムーマンムー/ネンドールネンドール/ガマゲロゲガマゲロゲ/カジリガメカジリガメ/サダイジャサダイジャ/エアームドエアームド/キリキザンキリキザン/ルナトーンルナトーン/ソルロックソルロック/イシヘンジンイシヘンジン/イワークイワーク/ガメノデスガメノデス/原種サンドパンサンドパン/アローラサンドパンサンドパン(アローラ)
なお、基本的に持ち物は襷で固定(=輝石を持てない)なため最終進化系のみに絞っている。例外として、イワークは進化後のハガネールより大幅に高いSを持ち、その他のステロ撒きに求められる要素を複数満たすため合格。また、コバルオンは岩石封じも凍える風も覚えないが、素のSが高いことと電磁波(or怖い顔)によるS操作が可能なことを鑑みて合格。
以下のポケモンは、特殊なS操作手段によって行動回数を確保する(エースバーンとのS関係を逆転する)という条件を満たすため一考の余地があるものの、運用する上でやや安定性に欠けること(と論がさらに長くなってしまうこと)から、ここでは言及するに止めておく。
◆S種族値35族以上かつ麻痺技(電磁波or蛇睨み)持ち
バンギラスピクシーハピナスクリムガンプクリンノコッチ
◆S種族値35族以上かつ怖い顔持ち
バンギラスクリムガンドサイドンバンバドロ
◆S種族値25族以上かつ頑丈+カムラの実+S-1攻撃技持ち
イシズマイイワパレスハガネールウソッキーギガイアス
◆その他のS操作手段持ち
ドータクン(スピードスワップ)サニゴーン(砕ける鎧)セキタンザン(蒸気機関)
なお、環境に(少数)存在している(いた)襷カバルドン/襷ナットレイといったポケモンは、条件を満たさないため考察の対象外とする(ステロ撒きとしての有用性を否定するものではない)。
襷持ちを前提とすることもあって候補が非常に多く、不要に長すぎるとの声もあるかもしれない。ただ、ランクマッチではあまり見かけずともそれぞれに個性的な性能があるため、構築にステロ撒きを求める読者にぜひ知ってもらいたいという思いのもと26種全てを考察する。個別考察は目次から飛べるようにしておいたので、興味のあるポケモンだけ読んでいただいても構わない。
最後に、本論で考察するポケモンを素早さ順に並べたものに、意識したいSラインを加えたリストを載せておく。なお、考察はSの高いポケモンから順番に行なっている。
【120族】原種ダグトリオダグトリオ
-----最速エースバーン-----
【112族】真昼ルガルガンルガルガン(まひる)
【110族】黄昏ルガルガンルガルガン(たそがれ)
【108族】テラキオンテラキオン/コバルオンコバルオン
【100族】ミルタンクミルタンク
-----最速ミミッキュ-----
【92族】ワルビアルワルビアル
【88族】ドリュウズドリュウズ
【85族】ジャラランガジャラランガ/ジュラルドンジュラルドン/カイロスカイロス
-----準速ガラルヒヒダルマ-----
【82族】真夜中ルガルガンルガルガン(まよなか)
-----最速ギャラドス-----
【80族】マンムーマンムー
-----S-1最速ドラパルト-----
【75族】ネンドールネンドール
【74族】ガマゲロゲガマゲロゲ/カジリガメカジリガメ
【71族】サダイジャサダイジャ
【70族】エアームドエアームド/キリキザンキリキザン/ルナトーンルナトーン/ソルロックソルロック/イシヘンジンイシヘンジン/イワークイワーク
-----準速ギャラドス-----
【68族】ガメノデスガメノデス
-----最速アーマーガア-----
【65族】原種サンドパンサンドパン/アローラサンドパンサンドパン(アローラ)
-----S-1最速エースバーン-----
以下、個別の育成論に入る。
高速ステロ置き土産:原種ダグトリオダグトリオ
- 構成例
配分:陽気 H20 B236 S252 (113-120-100-×-90-189)
特性:蟻地獄
技構成:ステルスロック/岩石封じ/置き土産/地割れor起死回生or地震
持ち物:気合いの襷
・最速エースバーンを抜くために最速。ドラパルト相手に最悪ステロだけは撒けるようにA172ドラゴンアロー高乱数耐え。
・コンセプトのステルスロック、S操作手段の岩石封じ、採用理由に直結する起点作成の置き土産、までは確定。残りの1枠は、置き土産の効果が薄い耐久型との対面で打てる地割れの優先度が高く、次点で削りを入れるための起死回生や地震が候補にあがる。
- 強み
・現環境最速のステロ持ち。挑発される前にステロを撒くことができ、+αの行動もしやすい。
・エースバーンより速いので、対面岩石封じを連打すればS上昇を残して突破することを許さない。
・本論で取り上げるポケモンの中で唯一置き土産を習得し、起点作り+自主退場から迅速に後続エースに繋ぐことができる。
・蟻地獄によって、これらの起点作成を相手の交代を許さずに実行できる(ゴーストタイプ・飛行タイプ・浮遊といった例外あり)。不利なポケモンに交代されるリスクがない。
・電気無効枠である(ボルチェン/電磁波耐性)。
- 弱み
・ステロ以外の行動が相手の能力低下に依存するため、クリアボディ/ミラーアーマー/天邪鬼/負けん気/勝気など相手にはほとんど仕事ができない。
・火力が貧弱で削り性能が低い。
・挑発を覚えないため、壁貼りなどの相手の初手の展開を止める手段がない。火力が低いこともあり、積み技の起点になりやすい(置き土産で多少ケアが効く)。
・耐久が非常に低く、相手の攻撃を2発耐えることはまずない。連続技は等倍でも落ちる可能性が高い。連撃ウーラオスの水流連打やパルシェンの氷柱針などは言わずもがな。蟻地獄を脱出可能な蜻蛉返り/クイックターン+先制技にも縛られやすい。
・最メジャー級のドラパルトが非常に苦手。準速でもダグトリオより速く、性格や持ち物補正が載ったドラゴンアローだと襷貫通で倒されるため行動できない。行動できても、クリアボディの場合はS操作や置き土産が効かない。鬼火身代わり型には起点にされる。他のポケモンでケアすることは必須。
- ダメージ計算
【被ダメージ】
A172ドラパルトのドラゴンアロー 43.3%~51.3%×2 高乱数耐え
A112マリルリの力持ちアクアジェット 90.2%~107.9% 中乱数1発
A132カバルドンの地震 67.2%~79.6% 確定2発
C126ポリゴン2のトライアタック 56.6%~67.2% 確定2発
【与ダメージ】
・岩石封じ
153-99リザードン 73.2%~88.8% 確定2発
・起死回生(威力200)
207-130バンギラス 135.2%~160.3% 確定1発
・地震
185-81ドリュウズ 90.8%~108.1% 中乱数1発
- 特に競合する他の襷ステロ枠
特になし(採用理由であるステロ+置き土産ができるポケモンが比較対象にいないため)
- 参考育成論
育成論ソードシールド/369(セテア様):ステロは確定欄ではないが、剣盾環境で襷持ちサポートとして運用する際の注意点などに詳しい。
育成論BW/2967(竜巻様):第5世代の育成論。当時とやりたいことは変わっていない。
- まとめ
高いSからのステロ+置き土産による起点作り性能が最大の魅力。反面、それ以外にできることが少なく、襷がうまく機能しない場面では腐りがちな点が課題。
最速のステロ挑発使い:真昼ルガルガンルガルガン(まひる)
- 構成例
配分:陽気 A148 B116 S244 (150-154-100-×-85-179)
特性:不屈の心(or砂掻き)
技構成:ステルスロック/岩石封じor怖い顔/挑発/我武者羅or吠える
持ち物:気合いの襷
・ルガルガン(たそがれ)より高いSを活かしたいので最速110族ルガルガン(たそがれ)抜き。ドラパルト相手に最悪ステロだけは撒けるようにA172珠ドラゴンアロー高乱数耐え。余りA。
・不屈の心が基本だが、砂を活かせるパーティなら砂掻きも候補。
・コンセプトのステルスロック、S操作手段の岩石封じまたは怖い顔、展開阻止の挑発、までは確定。残りの1枠は、襷と相性のいい我武者羅、積みを流しつつステロダメを蓄積させる吠える、などから選択。
- 強み
・ステロと挑発を両立できるポケモンの中で最速。挑発される前にステロを撒くことができ、+αの行動もしやすい。
・挑発で相手の起点作成を妨害できる。積み技持ちの起点にもならない。
・不屈の心により、スカーフ+怯み技(ドリュウズetc.)や猫騙しによる襷潰し(マニューラetc.)に対しても行動回数を確保できる。
・飛行耐性によりダイジェットをやや打たれづらい。
・ルガルガン(たそがれ)テラキオンと似ているが、初手サポート要員も多い110族(ルガルガン(たそがれ)を含む)やタイプ相性で有利な準速ファイアローの上を取れる点で優れる。初手ステロ撒きミラーでも、ルガルガン(たそがれ)テラキオンの上から挑発が打てる。また、テラキオンの覚えない我武者羅/吠える/アクセルロックといった技を習得する。
- 弱み
・ルガルガン(たそがれ)テラキオンと比べたとき、わずかな素早さの差(しかも、その間のポケモンは環境に多いとは言えない)と引き換えに削り性能/ストッパー性能が著しく低い。
・特にルガルガン(たそがれ)は硬い爪によりアクセルロックやその他サブウェポンをより高火力で打てるため、それらの技を採用しようとすると劣化気味になる。ルガルガン(まひる)の覚える技を全て習得するため、技での差別化も難しい。
・A182連撃ウーラオスの水流連打が襷貫通で確定1発。また、弱点先制技(グラススライダー/アクアジェット/マッハパンチ/バレットパンチ)に縛られやすい。
- ダメージ計算
【被ダメージ】
A172ドラパルトの珠ドラゴンアロー 42.6%~50.0%×2 高乱数耐え
A161パルシェンの氷柱針 16.0%~18.6%×5 乱数6発
A112マリルリの力持ちアクアジェット 68.0%~81.3% 確定2発
【与ダメージ】
・岩石封じ
153-99リザードン 141.1%~167.3% 確定1発
- 特に競合する他の襷ステロ枠
- 参考育成論
育成論サンムーン/410(モソソクルッペ様):第7世代の育成論。ルガルガン(まひる)の先発適性がわかりやすく解説されている。
- まとめ
高速でステロ挑発を使えることから扱いやすいが、攻撃面でルガルガン(たそがれ)テラキオンに劣るため差別化は明確にしておきたい。
高速挑発とアクセルロックのストッパー性能:黄昏ルガルガンルガルガン(たそがれ)
- 構成例
配分:陽気 A140 B116 S252 (150-155-100-×-85-178)
特性:硬い爪
技構成:ステルスロック/岩石封じor怖い顔/挑発/アクセルロックorカウンターor瓦割りorサイコファング
持ち物:気合いの襷
・最速アローラキュウコンを抜くために最速。物理耐久はルガルガン(まひる)と同じくA172ドラパルトの珠ドラゴンアロー高乱数耐え。余りA。
・コンセプトのステルスロック、S操作手段の岩石封じまたは怖い顔、展開阻止の挑発、までは確定。残りの1枠は、ストッパー性能を持てるアクセルロックの優先度が高く、次点でルガルガン(まひる)の覚えないカウンターや壁貼りに対するメタの瓦割り/サイコファングが候補にあがる。
- 強み
・高いSを持つため挑発される前にステロを撒くことができ、+αの行動もしやすい。
・挑発で相手の起点作成を妨害できる。積み技持ちの起点にもならない。
・飛行耐性によりダイジェットをやや打たれづらい。
【ここまでルガルガン(まひる)と同じ】
・加えて、硬い爪補正の載った高威力なアクセルロックを扱えるため、ステロと併せて岩弱点に対するストッパー性能が高い。
・テラキオンとも似ているが、アイアント(アイへで怯まされない)/アローラキュウコン(挑発が有効)/テラキオンコバルオン(ステロを阻止可能)の上を取れる素早さ、飛行が半減/フェアリーが等倍の耐性、アクセルロック/我武者羅/吠えるなどの技を習得する点で差別化できる。
- 弱み
・テラキオンに火力面で敵わず、特に格闘技の威力に差が大きい。(ダイマックス)アタッカー適性も劣るため、相手視点では型を読み違えたときのリスクが相対的に低い。
・A182連撃ウーラオスの水流連打が襷貫通で確定1発。また、弱点先制技(弱点グラススライダー/アクアジェット/マッハパンチ/バレットパンチ)に縛られやすい。
- ダメージ計算
【被ダメージ】
A172ドラパルトの珠ドラゴンアロー 42.6%~50.0%×2 高乱数耐え
A161パルシェンの氷柱針 16.0%~18.6%×5 乱数6発
A112マリルリの力持ちアクアジェット 68.0%~81.3% 確定2発
【与ダメージ】
・岩石封じ
153-99リザードン 141.1%~167.3% 確定1発
・アクセルロック
153-99リザードン 120.2~143.7% 確定1発
161-115トゲキッス 49.6%~59.6% 高乱数2発
- 特に競合する他の襷ステロ枠
- 参考育成論
育成論ソードシールド/1337(KiTi様):先発ステロ撒きに加えて、襷カウンターにより初手の物理アタッカーを処理する動きを考察している。
- まとめ
高速挑発に加え、アクセルロックによるストッパー性能が個性的。硬い爪補正の火力と粒揃いの小技を持ち、ルガルガン(まひる)とテラキオンの合いの子のような性能。
削り性能に優れた高速挑発持ち:テラキオンテラキオン
- 構成例
配分:陽気 A252 D4 S252 (166-181-110-×-111-176)
特性:正義の心
技構成:ステルスロック/岩石封じor怖い顔/挑発/インファイト
持ち物:気合いの襷
・削り性能重視でASぶっぱ。端数はDL対策でDか、A189ドラパルトの鉢巻ドラゴンアローを耐える確率が若干上がるHに振る(B4振りでも乱数に変化がないため)。
・コンセプトのステルスロック、S操作手段の岩石封じまたは怖い顔、展開阻止の挑発、削りを入れるためのインファイト、でほぼ確定。
- 強み
・高いSを持つため挑発される前にステロを撒くことができ、+αの行動もしやすい。
・挑発で相手の起点作成を妨害できる。積み技持ちの起点にもならない。
・A種族値129とタイプ一致の格闘×岩の等倍範囲が広さから、削り性能が高い。
・元来のアタッカー性能の高さから流せるポケモンが多く、その隙に無償でステロを撒きやすい。
- 弱み
・A142ミミッキュの戯れつく+影討ちを耐えないため、初手ミミッキュ対面では1回しか行動できない可能性があり、択が発生する。
・A182連撃ウーラオスの水流連打が襷貫通で確定1発。また、弱点先制技(グラススライダー/アクアジェット/マッハパンチ/バレットパンチ)に縛られやすい。
- ダメージ計算
【被ダメージ】
A189ドラパルトの鉢巻ドラゴンアロー 43.9%~52.4%×2 高乱数耐え
A142ミミッキュの戯れつく+影討ち 79.5%~93.9%+18.0%~21.6% 高乱数で落ちる
A112マリルリの力持ちアクアジェット 55.4%~66.2% 確定2発
【与ダメージ】
・岩石封じ
153-99リザードン 164.7~196.0% 確定1発
・インファイト
325-62輝石ラッキー 81.2%~96.0% 確定2発
191-156輝石ポリゴン2 54.4%~65.9% 確定2発
- 特に競合する他の襷ステロ枠
- 参考育成論
育成論ソードシールド/1313(ref様):下の育成論をベースに剣盾環境に合わせた考察を加えている。
育成論ORAS・XY/945(E@3DS様):第6世代の育成論。襷ステロ枠としてのテラキオンの強みが明瞭にまとめられている。
- まとめ
目立った欠点もなく、高いSと挑発による展開阻害性能、範囲の広い一致技による削り性能を兼ね備えた汎用性の高いステロ撒き。
挑発電磁波を備えた鋼最速のステロ撒き:コバルオンコバルオン
- 構成例
配分:陽気 H4 A252 S252 (167-142-149-×-92-176)
特性:正義の心
技構成:ステルスロック/電磁波or怖い顔/挑発/インファイトorアイアンヘッド
持ち物:気合いの襷
・ASぶっぱ。
・コンセプトのステルスロック、S操作手段の電磁波または怖い顔、展開阻止の挑発、削りを入れるためのインファイトまたはアイアンヘッド、でほぼ確定。
・自主退場のできる徹底抗戦を入れたCSベースでの採用もあり。
- 強み
・高いSを持つため挑発される前にステロを撒くことができ、+αの行動もしやすい。
・挑発で相手の起点作成を妨害できる。積み技持ちの起点にもならない。
・先発サポート役として多いオーロンゲやエルフーンに対して一致鋼技による高い打点を持つ。
・高速ステロ撒きとしては唯一麻痺撒きができる。先手で撒ければ痺れの期待もあるため相性がいい。
・高い物理耐久+鋼の耐性により、連続技や先制技に縛られにくい。
・他のステロ撒きが苦手なゴリランダーに弱くない。
・徹底抗戦による自主退場が可能。
- 弱み
・基本ワンウェポン構成かつ火力が低いため、削り性能があまり高くない。特に格闘枠としては火力が足りていない。
・電磁波が通らない相手(地面、電気)にはS操作ができない。ラム持ちや身代わりもケアする必要がある。
・マッハパンチに縛られやすい。
- ダメージ計算
【被ダメージ】
A182連撃ウーラオスの鉢巻水流連打(確定急所) 23.4%~28.1%×3 乱数4発
A211ローブシンの根性マッハパンチ 58.6%~69.4% 確定2発
【与ダメージ】
・インファイト
175-121一撃ウーラオス 90.2%~107.4% 中乱数1発
191-156輝石ポリゴン2 43.9%~53.4% 低乱数2発
・アイアンヘッド
202-113オーロンゲ 57.4%~68.3% 確定2発
- 特に競合する他の襷ステロ枠
挑発持ち:ルガルガン(まひる)ルガルガン(たそがれ)テラキオンワルビアルジャラランガルガルガン(まよなか)エアームドキリキザンイワークガメノデス
麻痺撒き:ジュラルドンサダイジャキリキザン
格闘タイプ:テラキオンジャラランガ
鋼タイプ:ドリュウズジュラルドンエアームドキリキザンサンドパン(アローラ)
対ゴリランダー:ミルタンクジャラランガジュラルドンカイロスエアームドサンドパン(アローラ)
- 参考育成論
育成論ソードシールド/1346(ゆーや様):徹底抗戦とボルトチェンジを活用した特殊型での採用例。
- まとめ
高いSから挑発や電磁波を使うことができる。鋼タイプゆえに連続技や先制技への耐性もあり、火力の低さに目を瞑れば初手性能は高い。
霊無効と3種の優秀な特性:ミルタンクミルタンク
- 構成例
配分:陽気 H172 B84 S252 (192-100-136-×-90-167)
特性:草食(or厚い脂肪or肝っ玉)
技構成:ステルスロック/岩石封じor電磁波/頭突きor地球投げor甘えるorミルク飲みから2つ
持ち物:オボンの実or気合いの襷(orヨプの実etc.)
・リザードンなどと同速なので最速。削り性能より耐久力を優先すべきと考え、残りはA194ゴリランダーの馬鹿力をオボンとグラスフィールドの回復込みで高乱数2連耐えしつつ、特殊耐久もなるべく高くなるように振った。Hはグラスフィールド/オボンの回復効率意識で16n調整。
・確定欄は草食だが、厚い脂肪・肝っ玉もそれぞれ有用な特性である(詳細は以下)。
・コンセプトのステルスロック、S操作手段の岩石封じまたは電磁波、までは確定。残りの2枠は、まひるみを狙える頭突き、ほぼ必ず身代わりを割れる地球投げ、物理アタッカーに刺さる甘える、HP管理できるミルク飲み、などから選択。
・襷ステロというコンセプトから外れているが、ミルタンクは襷がなくても動きやすいポケモンなのでオボンを持たせて耐久調整をしたものを構成例として貼った(もちろん襷による絶対的な行動保証は強力なためなしではない)。もっと耐久に寄せた配分でもおそらく強い。
- 強み
・高いSを持つため挑発される前にステロを撒くことができる。
・襷を持たせるのがもったいないくらいの安定した耐久値・弱点の少なさを持つ。
・ゴースト無効枠。特にミミッキュ/ギルガルドの影討ちで縛られない。
・マイナーさと見た目のイメージからステロ撒きだと想定されづらい。
・特性がいずれも優秀。
・草食:他のステロ撒きが苦手な草タイプに強い。特にゴリランダーの先制グラススライダーを無効化できる点が良い。キノコの胞子/眠り粉無効による催眠耐性という副産物も。
・厚い脂肪:高火力なポケモンが多い氷タイプ(ガラルヒヒダルマ/パルシェンetc.)や炎タイプ(リザードン/ウルガモスetc.)との対面で行動回数を稼ぎやすい。
・肝っ玉:ゴースト無効の耐性と合わせてミミッキュ/ドラパルト/ギルガルド等に強く出る構成が可能。
- 弱み
・火力が貧弱でタイプ一致技で弱点をつけないため、削り性能が非常に低い。
・挑発を覚えないため、壁貼りなどの相手の初手の展開を止める手段がない。火力が低いこともあり、積み技の起点になりやすい。身代わりを誘いやすいが割る手段に乏しい。
・マイナーで何をしてくるかわからないため、とりあえず挑発や拘りトリックをされて機能停止することがある。
・マイナーゆえに選出抑制になりづらい(ミミッキュ/ゴリランダー等に有利なのにも関わらず、それらの選出を抑制するまでには至らない)。
・タイプ的に天候ダメージで襷が潰れやすい。
・マッハパンチに縛られやすい。
- ダメージ計算
【被ダメージ】
A194ゴリランダーの馬鹿力 67.7%~80.2%+45.8%~54.1% オボンとGFの回復込みで高乱数2連耐え
A194ゴリランダーのキョダイコランダ 67.1%~79.6% 確定2発
A142ミミッキュの珠戯れつく 36.4%~43.2% オボン込みで高乱数3耐え
A182連撃ウーラオスの鉢巻水流連打(確定急所) 23.4%~28.1%×3 乱数4発
A211ローブシンの根性マッハパンチ 54.1%~65.6% 確定2発
【与ダメージ】
・岩石封じ
153-99リザードン 60.1%~73.2% 確定2発
・頭突き
207-110ゴリランダー 17.8%~21.7% 乱数5発
- 特に競合する他の襷ステロ枠
対ミミッキュ:ドリュウズエアームド
対ゴリランダー:コバルオンジャラランガジュラルドンカイロスエアームドサンドパン(アローラ)
氷炎耐性持ち:カジリガメガメノデス
催眠耐性:ジャラランガルガルガン(まよなか)
- 参考育成論
育成論サンムーン/1703(足立悠樹様):第7世代の育成論。耐久ベースの配分+厚い脂肪+オボンで3回以上行動することを目指している。
育成論サンムーン/1900(錯誤様):第7世代の育成論。肝っ玉+火炎玉投げつけるで対ゴースト性能を確保するという興味深い考察が展開されている。
育成論ORAS・XY/2206(紙粘土様):第6世代の育成論。仮想敵は異なるものの耐久ベースかつ草食を採用した例として参考にできる。
- まとめ
素早さの割に耐久があるため役割遂行能力は高く、珍しい特性もあり個性的な性能を持つ。とにかく火力がないため、どのように起点を回避するかが最大の課題。
威嚇と最高級の展開阻止性能:ワルビアルワルビアル
- 構成例
配分:陽気 H4 A252 S252 (171-169-100-×-90-158)
特性:威嚇
技構成:ステルスロック/岩石封じor怖い顔/挑発/地震orDDラリアット
持ち物:気合いの襷
・ASぶっぱ。
・コンセプトのステルスロック、S操作手段の岩石封じまたは怖い顔、展開阻止の挑発、削りを入れるための地震またはDDラリアット、でほぼ確定。
- 強み
・威嚇により相手の物理アタッカーを弱体化させることができ、自身のみならず後続の耐久補強になる。また、特性発動順による相手とのS関係の判別や、ドラパルトがクリアボディかどうかの確認もできる。威嚇を撒くクッションとして残しておくという選択肢も取りやすい。
・現環境ではそこそこ高いSから挑発される前にステロを撒くことができる。悪戯心からの補助技(挑発含む)も無効にしつつ、逆にこちらから挑発を入れることができる。
・挑発で相手の起点作成を妨害できる。積み技持ちの起点にもならない。
・A種族値117から抜群範囲の広い地面技あるいは一貫しやすい悪技を打てるため、削り性能がそこそこ高い。
・電気無効枠(ボルチェン/電磁波耐性)かつ、構築単位で一貫しやすい悪・ゴーストを半減する。
- 弱み
・素でウーラオスやミミッキュより遅く、岩石封じを1回当ててもSの高いスカーフ持ちが抜けない。
・威嚇込みでもA161パルシェンの氷柱針で中乱数で落ちる。A182連撃ウーラオスの水流連打(確定急所のため威嚇無視)は襷貫通で確定1発。また、弱点先制技(グラススライダー/アクアジェット/マッハパンチ/氷の礫)に縛られやすい。
- ダメージ計算
【被ダメージ】
※威嚇込み
A189ドラパルトのドラゴンアロー 21.0%~25.1%×2 低乱数4発
A142ミミッキュの珠戯れつく+珠影討ち 74.7%~88.8%+8.2~10.0% 確定耐え
A211ギルガルドのインファイト+影討ち 75.2%~89.4%+9.4%~11.1% 高乱数耐えA161パルシェンの氷柱針 18.7%~22.2%×5 中乱数5発
A140オーロンゲのソウルクラッシュ 46.7%~56.1% 乱数2発
A112マリルリの力持ちアクアジェット 39.7%~49.1% 確定3発
C97エルフーンのムーンフォース 67.8%~81.8% 確定2発
【与ダメージ】
・岩石封じ
153-99リザードン 101.9%~122.8% 確定1発
・地震
185-81ドリュウズ 127.5%~150.2% 確定1発
202-113オーロンゲ 41.5%~49.5% 確定3発
・DDラリアット
163-96ドラパルト 103.0%~122.6% 確定1発
- 特に競合する他の襷ステロ枠
挑発持ち:ルガルガン(まひる)ルガルガン(たそがれ)テラキオンコバルオンジャラランガルガルガン(まよなか)エアームドキリキザンイワークガメノデス
悪タイプ:キリキザン
中速地面タイプ:ドリュウズマンムーネンドールガマゲロゲサダイジャイワークサンドパン
- 参考育成論
育成論ソードシールド/1457(わに様):相手の初手カバルドンや後投げされるポリゴン2を意識した実用的な耐久調整が非常に参考になる。
育成論サンムーン/1299(ゴキブリ男様):第7世代の育成論。回復実を持たせステロ撒きミラーを意識した耐久調整が施してある。
- まとめ
高速域に届かないSがやや惜しいものの、威嚇による対物理、悪戯心無効と挑発による展開阻止、独自の耐性による一貫切りなど、随所にスペックの高さが伺える。
高性能な襷アタッカーを兼ねる:ドリュウズドリュウズ
- 構成例
配分:陽気 A252 D4 S252 (185-187-80-×-86-154)
特性:型破り(or砂掻き)
技構成:ステルスロック/岩石封じ/地震/アイアンヘッド
持ち物:気合いの襷
・削り性能重視のASぶっぱ。
・ステロを撒く上でメリットが多いため型破り推奨だが、砂を活かせるパーティなら砂掻きも候補。
・コンセプトのステルスロック、S操作手段の岩石封じ、アタッカー性能を確保するための地震とアイアンヘッド、でほぼ確定。
- 強み
・ステロ撒きをこなしつつ、岩石封じのS操作+通りの良い型破り地震/アイアンヘッドにより汎用性の高い襷アタッカーとしても運用できる点が非常に強力。ダイマ適性も高く柔軟な動きができる。
・元来のアタッカー性能の高さから流せるポケモンが多く、その隙に無償でステロを撒きやすい。挑発も誘いづらい。
・ドリュウズの型破りの強さは改めて述べるまでもないと思うが、ステロ撒きとして考えると、ステロがマジックミラーを貫通する点、岩石封じでクリアボディ/ミラーアーマー/天邪鬼持ちのSを下げられる点、特性発動順により相手とのS関係を判別できる点、が特筆すべき。特にスカーフ持ち以外のドラパルトに対して岩石封じから入るのが安定択になる点が強い。
・カバルドン/バンギラスとともに採用することで砂掻きエースに偽装し、選出誘導ができる。
・裏の積みエースのストッパーとなりうるミミッキュに対して強く、選出画面から圧力を掛けられる。
・地面タイプながらウォッシュロトムに強い。
・先発サポート役として多いオーロンゲやエルフーンに対して一致鋼技による高い打点を持つ。
・飛行耐性によりダイジェットをやや打たれづらい。
・電気無効枠である(ボルチェン/電磁波耐性)。
- 弱み
・挑発を覚えないため、壁貼りなどの相手の初手の展開を止める手段がない。積み技も防ぐことができない。
・素でウーラオスやミミッキュより遅く、岩石封じを1回当ててもSの高いスカーフ持ちが抜けない。
・A182連撃ウーラオスの水流連打が襷貫通で確定1発。また、弱点先制技(アクアジェット/マッハパンチ)に縛られやすい。
- ダメージ計算
【被ダメージ】
A161パルシェンの氷柱針 16.2%~19.4%×5 乱数6発
A112マリルリの力持ちアクアジェット 69.1%~82.1% 確定2発
【与ダメージ】
・岩石封じ
153-99リザードン 112.4%~133.3% 確定1発
・地震
157-127ウォッシュロトム 107.0%~126.1% 確定1発
・アイアンヘッド
202-113オーロンゲ 75.2%~89.1% 確定2発
- 特に競合する他の襷ステロ枠
中速地面タイプ:ワルビアルマンムーネンドールガマゲロゲサダイジャイワークサンドパン
鋼タイプ:コバルオンジュラルドンエアームドキリキザンサンドパン(アローラ)
型破り:カイロス
対ミミッキュ:ミルタンクエアームド
- 参考育成論
育成論ORAS・XY/2081(イブ様):第6世代の育成論。ステロ撒きと汎用襷アタッカーを兼ねられるドリュウズの強みがまとめられている。
育成論BW/3588(ぺそ様):第5世代の育成論。砂起こし持ちとともに起用した砂掻きエースへの偽装が考察されている。
- まとめ
純粋にアタッカーとしての性能が高く、腐りにくい襷枠として柔軟な運用ができる。代表的なストッパーたるミミッキュに強い点も評価が高い。
積みエース偽装による選出誘導力:ジャラランガジャラランガ
- 構成例
配分:陽気 H20 A180 B52 D4 S252 (153-153-152-×-126-150)
特性:防塵(or防弾or防音)
技構成:ステルスロック/岩石封じor怖い顔/挑発/インファイトorスケイルノイズ
持ち物:気合いの襷
・最速ギャラドスを余裕を持って抜く最速。ドラパルト相手に最悪ステロだけは撒けるようにA172ドラゴンアロー高乱数耐え。余りA、端数D。
・襷とのシナジーから防塵推奨だが、防弾や防音にもそれぞれメリットがあり採用を検討できる。
・コンセプトのステルスロック、S操作手段の岩石封じまたは怖い顔、展開阻止の挑発、削りを入れるためのインファイトorスケイルノイズ、でほぼ確定。
- 強み
・ソウルビート/腹太鼓などを活かした積みエースとしての採用がメジャーであり、ステロ撒きだと想定されにくい。積みエース型は対処手段が限られるため、選出誘導しやすい。
・挑発で相手の起点作成を妨害できる。積み技持ちの起点にもならない。
・防塵により天候ダメージで襷が潰れない。バンギラスにはタイプ相性で有利で、カバルドンにも挑発で仕事ができるためシナジーがある。キノコの胞子/眠り粉無効による催眠耐性という副産物も。
・他のステロ撒きが苦手なゴリランダーや連撃ウーラオスにタイプ一致弱点を突かれない。
- 弱み
・素でウーラオスやミミッキュより遅く、岩石封じを1回当ててもSの高いスカーフ持ちが抜けない。
・積みアタッカーを警戒されやすいため、挑発を誘いやすい。
・飛行弱点のためダイジェットの起点にされやすい(最メジャーなタイプ一致ダイジェット使いのギャラドス/トゲキッスよりも速く、岩石封じ連打でS上昇が避けられるのは及第点)。
・先発サポート役として多いオーロンゲやエルフーンのフェアリー技が4倍弱点。
・A142ミミッキュの戯れつく+影討ちを耐えないため、初手ミミッキュ対面では1回しか行動できない可能性があり、択が発生する。
・A147パルシェンの氷柱針が高乱数5発。性格や持ち物の補正が載ったドラパルトのドラゴンアローも耐えない。また、弱点先制技(フェアリースキン電光石火/氷の礫/疾風の翼飛行技)に縛られやすい。
- ダメージ計算
【被ダメージ】
A172ドラパルトのドラゴンアロー 43.1%~50.9%×2 高乱数2耐え
A147パルシェンの氷柱針 19.6%~23.5%×5 高乱数5発
A140オーロンゲのソウルクラッシュ 104.5%~125.4% 確定1発
A200マンムーの氷の礫 40.5%~48.3% 確定3発
C97エルフーンのムーンフォース 109.8%~133.3% 確定1発
【与ダメージ】
・岩石封じ
153-99リザードン 91.5%~109.8% 中乱数1発
・インファイト
175-121一撃ウーラオス 97.1%~116.5% 高乱数1発
191-156輝石ポリゴン2 46.8%~56.2% 高乱数2発
- 特に競合する他の襷ステロ枠
挑発持ち:ルガルガン(まひる)ルガルガン(たそがれ)テラキオンコバルオンワルビアルルガルガン(まよなか)エアームドキリキザンイワークガメノデス
格闘タイプ:テラキオンコバルオン
対ゴリランダー:コバルオンミルタンクジュラルドンカイロスエアームドサンドパン(アローラ)
催眠耐性:ミルタンクルガルガン(まよなか)
- 参考育成論
育成論ソードシールド/615(大天使様):襷ステロ撒きの意義やその中でのジャラランガの立ち位置について簡潔にまとめられている。
育成論サンムーン/1644(わに様):第7世代の育成論。耐久調整を施すことで複数回行動できる対面を増やしている。
- まとめ
フェアリー4倍/飛行2倍の弱点は痛いものの、襷との相性が良くそこそこあるSから挑発が打てる。なにより積みエースに偽装した選出誘導が非常に強力。
出し負けしにくいステロ電磁波両壁持ち:ジュラルドンジュラルドン
- 構成例
配分:無邪気 A4 C252 S252 (145-116-135-172-63-150)
特性:ライトメタル
技構成:ステルスロック/岩石封じor電磁波or怖い顔/徹底抗戦or流星群orリフレクターor光の壁から2つ
持ち物:気合いの襷
・CSぶっぱ。両刀なので端数A振り、性格はD下降補正に。補助技主体の場合はHSベースも可。
・コンセプトのステルスロック、S操作手段の岩石封じまたは電磁波または怖い顔、までは確定。残りの2枠は、削りを入れるための徹底抗戦や流星群、後続サポートのリフレクターや光の壁などから選択。
- 強み
・型が豊富で先発性能が高いポケモンなので、初手で出してもステロ撒きだとバレにくい。アタッカー運用がメジャーなため、挑発を誘いづらい。
・ステロ+両壁貼りができるポケモンとしては現環境最速。
・C種族値120に高威力な一致技を備えることから削り性能が高い。
・クリアボディの可能性があるドラパルトに対してタイプ一致ドラゴン技で非常に高い打点を持つ。
・先発サポート役として多いオーロンゲやエルフーンに対して一致鋼技による高い打点を持つ。
・高めの物理耐久+鋼の耐性により、連続技や先制技に縛られにくい。
・飛行耐性によりダイジェットを打たれづらい。
・他のステロ撒きが苦手なゴリランダーに弱くない。
・徹底抗戦による自主退場が可能。
- 弱み
・挑発を覚えないため、壁貼りなどの相手の初手の展開を止める手段がない。積み技も防ぐことができない。
・素でウーラオスやミミッキュより遅く、岩石封じを1回当ててもSの高いスカーフ持ちが抜けない。
・麻痺を撒くうえでラム持ちや身代わりをケアする必要がある。
・高耐久な鋼タイプ(ギルガルド/ナットレイetc.)への打点に乏しい。
・マッハパンチに縛られやすい。
- ダメージ計算
【被ダメージ】
A189ドラパルトの鉢巻ドラゴンアロー 41.3%~49.6%×2 確定3発
A211ローブシンの根性マッハパンチ 74.4%~88.2% 確定2発
C126ポリゴン2の冷凍ビーム 46.8%~55.8% 高乱数2発
【与ダメージ】
・岩石封じ
153-99リザードン 70.5%~83.6% 確定2発
・徹底抗戦
161-135トゲキッス 126.7%~149.0% 確定1発
・流星群
195-95ドラパルト 136.4%~161.0% 確定1発
- 特に競合する他の襷ステロ枠
麻痺撒き:コバルオンサダイジャキリキザン
両壁持ち:マンムーネンドールルナトーンソルロック
鋼タイプ:コバルオンドリュウズエアームドキリキザンサンドパン(アローラ)
対ゴリランダー:コバルオンミルタンクジャラランガカイロスエアームドサンドパン(アローラ)
- 参考育成論
育成論ソードシールド/1264(ミナミのコアリクイ様):襷ステロジュラルドンの初手性能の高さについてわかりやすく解説している。
育成論ソードシールド/1023(だいすきクラブ様):耐久調整+シュカの実でドリュウズ対面でも2回行動できるようにしたステロ両壁持ちでの採用例。
- まとめ
優秀なタイプから先発適性が高く、鋼以外には高い打点を持つ。ステロ+両壁ができるポケモンとしては最速であり、徹底抗戦という自主退場手段もある。