はじめに
今回は、あくび残飯カビゴンの育成論の考察を述べていこうと思います。
また、ここでは各ステータスを以下のように略して記載させていただきます。
HP→「H」
こうげき→「A」
ぼうぎょ→「B」
とくこう→「C」
とくぼう→「D」
すばやさ→「S」
型の概要(役割)
- HとDの種族値の高さ及び、Bへの努力値振りによる高い耐久力+あくびの性能を活かしたクッション型
- 残飯で行動回数を増やし、サイクル戦における負担を軽減
- 特性込みの耐性による、対応範囲の拡大
クッションについて
クッションとは、主に対面構築や、攻めサイクル構築などの、攻めよりの構築において攻め駒として運用するポケモンを安定して着地できる状況を作る役割のことです。
具体的に言えば、本論のカビゴンの場合「あくび」を使って相手の場にいるエースポケモンを流すもしくは眠らせて機能停止にすることで、その盤面を作ることが可能です。
性格
「しんちょう」(D↑C↓)で確定です。
「わんぱく」(B↑C↓)にして足りない物理耐久を極限まで上げるという思考もありますが、無補正252振りでもある程度の物理耐久はまかなえるのと、「しんちょう」で種族値が高いステータスに性格補正をかけることにより努力値振りの効率がよくなります。
特性
「あついしぼう」(炎技、氷技半減)で確定です。
「めんえき」(毒状態にならない)にすることで毒に耐性がつきますが、剣盾から「どくどく」を採用できるポケモンがかなり少なく、ドヒドイデヌオーぐらいにしか強く出れるポケモンの幅が広がりません。
それに対して「あついしぼう」にすることで、環境に多いリザードン、ラプラスやシャンデラに対して強く出れたり、サザンドラやトゲキッスなどの「だいもんじ」に対して後出しすることも可能になり、強く出れる幅が広がります。
「くいしんぼう」(最大HPの半分で回復きのみ発動)に関しては持ち物が「たべのこし」のため、選択肢にそもそも入りません。
持ち物
「たべのこし」で確定です。
「あくび」で相手のパーティーをかきみだしながら、HP管理を行うことができます。
きのみを持たせるとなると、早くてもHPが半分以下にならないと回復ができないのと、「リサイクル」を採用することできのみ回収するとなった場合、技スペースが圧迫されてしまうという問題点があがります。また、キョダイマックス型にして回収するとしてもサポート型のポケモンに容易にダイマックスを切らせる前提で育成するわけにもいかないため、この型のカビゴンにきのみを持たせるという選択は無しとさせていただきます。
個体値
Cに関しては特殊技を一切使用しないため不問とし、それ以外のステータスに関しては5Vで確定です。
努力値
- H172(実数値257)...「たべのこし」の回復効率を上げるため16n+1調整でかつその中での最大実数値です。
- B252(実数値117)...種族値だけではまだ足りていない物理耐久を最大限にあげます。
- S20(実数値53)...カビゴンミラー対面意識で、同速対決を避けるためS12振りカビゴン抜きまで調整。ランクマ上位になってくるとSにちょっと振ったカビゴンと対面することが多くなってきますが、あまり意識しないという人はこの分を耐久に回してもいいでしょう。
- D60(実数値151)...余った64という努力値のなかで特殊耐久を最大限まであげます。64振っても実数値は151のままなので、余った4についてはAに振ります。
- A4(実数値131)...あまり
技構成
- からげんき
ノーマルタイプ 威力 70 命中 100 状態異常で威力2倍
確定枠です。「のしかかり」という技もありますが、最悪やけど状態になった場合でも機能させるために「からげんき」を採用します。
- あくび
変化技 相手の眠気を誘って次のターン相手を眠らせる
コンセプト上必須なため確定です。
ここまでが確定枠で、残り2つの技スペースについては選択枠です。また、攻撃技がノーマルタイプだけだとミミッキュやドラパルトに対して「あくび」を打つことしかできないため、他のタイプの技を入れることは確定です。
- ヘビーボンバー
はがねタイプ 威力 相手より重いほど大きい 命中100
ミミッキュやトゲキッスに対して抗うことができます。
- ヒートスタンプ
ほのおタイプ 威力 相手より重いほど大きい 命中100
この技を持っていると、特にナットレイやカットロトムなどに対して強く出ることができます。
残り2つのわざを上の技にしてしまうと、ダイマックスした相手のHPを削ることができないため、どちらかにしたほうがいいと思います。
- まもる
変化技 相手のあらゆる技から身を守る ダイマックス技は4分の1の威力で貫通される
相手のダイマックスターン枯らしや、様子見しながら「たべのこし」によるHP管理が可能になります。
- DDラリアット
あくタイプ 威力85 命中100 相手の能力変化に関係なくダメージを与える
ドラパルトやシャンデラに対する打点になります。
- アームハンマー
かくとうタイプ 威力100 命中90 攻撃後S↓1
カビゴンミラーや、ホルードやラプラスに対して強く出れます。特にラプラスに対してはほぼ受けるだけだったのがこの技を覚えさせることで攻撃して圧をかけることができるようになります。
- じわれ
じめんタイプ 一撃必殺技 命中30
ドヒドイデやヌオー、アッキの実ピクシーなどを無理矢里倒せます。
しかし、もし技構成がからげんき あくび ヘビーボンバー じわれ となった場合、ゴーストタイプのポケモンがダイマックスしたときに、なにもできないため、この技構成にするのはダメとは言いませんが、ドラパルトやギルガルド(シールド)やミミッキュには要注意した方がいいでしょう。
- カウンター
かくとうタイプ 物理攻撃のダメージを2倍にして相手に跳ね返す 命中100
特にパッチラゴンなどの「ダイサンダー」によってあくびを無効化してくる物理ポケモンに対して強く出れます。パッチラゴンのはりきりいじっぱり「ダイサンダー」も「でんげきくちばし」も、ギリギリ耐えてくれるため「カウンター」で返り討ちにすることでパッチラゴンが暴走することを阻止することができます。
被ダメ計算
ひかえめ(C↑A↓)C252トゲキッスマジカルシャイン→乱数4発(24.2%)
ダイフェアリー→確定3発(36.2〜42.4%)
ひかえめC252こだわりメガネサザンドラりゅうせいぐん→確定2発(55.3〜65.4%)
ダイドラグーン→確定3発(39.7〜47.1%)
ダイアーク(D↓込み)→乱数2発(52.6%)
ひかえめC252こだわりメガネウォッシュロトムハイドロポンプ→確定3発(41.2〜49.0%)
ダイストリーム(雨込み)→乱数2発(29.9%)
ひかえめC252フェアリースキンニンフィアハイパーボイス→乱数3発(0.3%)
ダイフェアリー確定3発(33.9〜40.1%)
ようき(S↑C↓)A252ドラパルトドラゴンアロー(2回攻撃)→乱数3発(97.9%)
ダイドラグーン→乱数2発(0.4%)
いじっぱり(A↑C↓)A252いのちのたまミミッキュじゃれつく→確定3発(33.9〜40.9)
ダイフェアリー→確定2発(50.2〜59.1%)
ようきA252いのちのたまギャラドスたきのぼり→確定3発(35.0〜41.6%)
ダイストリーム→確定2発(56.0〜66.9%)
いじっぱり ごりむちゅう こだわりスカーフヒヒダルマ(ガラル)ばかぢから→乱数1発(68.8%)
いじっぱりA252ルカリオインファイト→確定2発(80.2〜95.7%)
ダイナックル→確定2発(63.8〜75.5%)
いじっぱりA252ネギガナイトインファイト→乱数1発(56.3%)
ダイナックル→確定2発(73.2〜87.2%)
ようきA252 はりきり いのちのたまアイアントばかぢから→乱数1発(68.8%)
ダイナックル→確定2発(74.7〜89.1%)
アイアンヘッド→乱数2発(77.7%)
ダイスチル→確定2発(76.3〜89.9%)
わんぱく(B↑C↓)B252アーマーガアてっぺき1積みボディプレス→確定2発(69.3〜81.7%)
わんぱくB252ナットレイてっぺき1積みボディプレス→確定2発(80.2〜94.9%)
与ダメ計算
- からげんき
H4ギャラドス→乱数3発(59.1%)
状態異常のとき→確定2発(61.4〜72.5%)
H4ストリンダー(ハイ)→確定3発(38.4〜45.7%)
状態異常のとき→確定2発(76.2〜90.1%)
H4ヒヒダルマ(ガラル)→確定3発(38.1〜45.3%)
状態異常のとき→確定2発(76.2〜90.1%)
H252ウォッシュロトム→確定4発(26.8〜31.2%)
状態異常のとき→確定2発→(52.2〜61.8%)
- ヘビーボンバー
H4ミミッキュばけのかわダメ込み→確定1発
H4トゲキッス→確定2発(64.6〜77.0%)
H252ブリムオン→確定2発(63.4〜75.6%)
H4ヒヒダルマ(ガラル)→確定2発(58.6〜69.6%)
H252ニンフィア→確定2発(69.3〜82.2%)
H252グレイシア→確定2発(53.5〜64.0%)
HB252ピクシー→乱数2発(84.8%)
- ヒートスタンプ
わんぱくHB252ナットレイ→確定2発(55.2〜66.3%)
H4ギルガルド(ブレード)→確定1発
H252ギルガルド(ブレード)→確定1発
H4ギルガルド(シールド)→確定2発(55.9〜66.2%)
H252ギルガルド(シールド)→乱数2発(35.5%)
H252カットロトム→確定2発(59.9〜71.3%)
H4アイアント→確定1発
- DDラリアット
H4ドラパルト→確定2発(54.9〜64.6%)
H4シャンデラ→確定2発(57.4〜67.6%)
H4ギルガルド(ブレード)→乱数1発(31.3%)
H252ギルガルド(ブレード)→確定2発(71.9〜85.0%)
H4ギルガルド(シールド)→確定3発(39.7〜47.1%)
H252ギルガルド(シールド)→乱数3発(93.4%)
す
組み合わせると良いポケモン
この型のカビゴンは「あくび」を打っておけば、相手のパーティーをかきみだすことができますが、それだとただ「あくび」を打っているだけで、ダメージが蓄積されないため相手は交代して「あくび」のPPを枯らす動きをしてくる可能性がでてきます。そこで、ステルスロックを覚えるポケモンと組むことを私はおすすめします。
例を挙げますと、1匹目はナットレイです。最初にナットレイで「ステルスロック」を撒いて余裕があれば「やどりぎのたね」を植え付けてダメージをより多く蓄積させたり、炎技を打ってきそうな相手にたいしてはカビゴンをあと投げして、「あくび」ループに入れるということができます。ただ、これだと格闘技の一貫がとられてしまうのがネックです。
2匹目は、サニーゴ(ガラル)です。「しんかのきせき」(進化前のポケモンに持たせるとBD1.5倍)込みでかなりの耐久力をもっていて、「ちからをすいとる」という技ででHP管理をすることができます。また、「おにび」を撒くことにより物理アタッカーを機能停止にすることもできます。ナットレイとは違い、ゴーストタイプなため、格闘技を透かすこともできます。しかし、サニーゴ(ガラル)は基本的に「おにび」を搭載するポケモンで、「おにび」を入れてしまうと、カビゴンの「あくび」が入らなくなるため少し相性が悪いところもあります。
この2体に関してはサイクルをより上手く回していくために組み合わせると良いポケモンです。
次に関しては、カビゴンで起点を作ってから相手の全抜きを狙うために組み合わせるとよい積みアタッカーの例を実際に自分が使っているポケモンも含めてあげていこうと思います。
1匹目は、ミミッキュです。「つるぎのまい」でAを2段階上げて「ダイフェアリー」や「ダイホロウ」などで攻めていきます。やはり、最強特性「ばけのかわ」もあり安心して積めるのと、「ダイフェアリー」を打つことで「おにび」の体制もつくためいいと思います。ちなみに自分に関しては、「ドレインパンチ」を採用していました。「ダイナックル」を打つことで火力があげられるのと、なにより、フェアリー、ゴースト、かくとうという3タイプを全て半減以下で受けれるポケモンが、環境に1匹もいないというのが大きな点でした。
2匹目は、ドリュウズです。このポケモンも「つるぎのまい」によって自身の火力をあげて相手に圧をかけていけます。特性「かたやぶり」により、積みアタッカーの宿敵ヌオーやピクシーなどの特性「てんねん」のポケモンも無視しして攻撃ができたり、ミミッキュの「ばけのかわ」を無視して攻撃できたりするためかなり優秀だと思います。
また、もう一つの特性「すなかき」の個体でも全抜き性能が高く、「ダイロック」ですなあらし状態にしてSを2倍にすることで、本来では素早さで負けているドラパルトやサザンドラに対して上から高火力を押し付けることができます。
3匹目は、ギャラドスやトゲキッスなどの、「ダイジェット」を採用できるポケモンです。「ダイジェット」というのはひこうタイプのダイマックス技で追加効果でSが1段階上昇します。火力をあげて攻めていくというだけでもかなり強いのですが、素早さをあげておかないと特にドラパルトや、「こだわりスカーフ」を持ったサザンドラなどから無理矢理上から被せられて押しきられる可能性がでてきます。ギャラドスに関しては「りゅうのまい」によってSも上げることができるためかなりありだと思います。
4匹目は、サザンドラです。これまでトゲキッスは上げましたが、それ以外に関しては物理ポケモンを上げてきました。物理ポケモンに関しては一生「おにび」という天敵がつきまといます。例を上げるとサニーゴ(ガラル)に関してはAが2段階上昇していても、弱点をつかない限りダイマックス技でもギリギリ耐えてくることが多いです。そうなると「ちからをすいとる」でAを下げつつHPを全回復して、物理ポケモンを積ます動きをとってきます。サザンドラに関しては特殊型の場合「おにび」による機能停止を恐れる必要がなく、「わるだくみ」でCを2段階上げてから「あくのはどう」をうつことにより、HBベースのサニーゴ(ガラル)なら確定1発で倒すことができます。もちろん、「しんかのきせき」を持っている前提での話です。
5匹目は、アーマーガアです。これは実際に自分が使っていたポケモンの1つで、型としては火力と物理耐久をあげる「ビルドアップ」(AB一段階上昇)と「あくび」や「おにび」を阻止する「ちょうはつ」と、HP管理をするための「はねやすめ」を覚えさせて、攻撃に関しては「ブレイブバード」のワンウェポンで使ってました。カバルドンや相手のカビゴンなどの「あくび」を阻止してから「ビルドアップ」を積めたのがかなり大きかったです。
警戒するべきポケモン
1匹目はウォッシュロトム一族です。このポケモンたちは、カビゴンを一撃で落とせる技はないのですが、トリックという技により、こだわりアイテムを押し付けてきて機能停止に追い込んで来るときがあります。「あくび」を打てれば十分というわけではなく、削りを優先するべき状況もでてくるため、警戒するべきでしょう。
2匹目はエースバーンです。これは自分の経験での話になりますが、最近みがわりビルドアップ型の個体が環境に増えてきており、「ラムのみ」(全ての状態異常回復)持ちの場合も少なくないです。カビゴンの「あくび」読みで「みがわり」をおかれて、そこから「ビルドアップ」をつまれてしまうと最悪3タテされる場合もあるので要注意です。
3匹目はウォーグルです。このポケモンも、ビルドアップ型がかなり急増しており、そのうちの約8割といっていいほど「ラムのみ」を持っています。あくびカビゴンを起点に「ビルドアップ」を積んできて、「インファイト」やら「ダイナックル」やらで倒してくるというのが多いためこれも要注意です。
4匹目はアーマーガアです。前まではてっぺきボディプレス型がメジャーでしたが、今では「ラムのみ」や「じゃくてんほけん」(弱点をつかれるとAC二段階上昇)もちの、ちょうはつを覚えている個体が多いです。「ちょうはつ」で「あくび」を阻止して「ビルドアップ」の起点にされる可能性が高いので要注意です。
5匹目は、パッチラゴンです。こっち側にまず圧をかけていける技が少なく、「あくび」を打ったとしても、「ダイサンダー」により無効化されます。さらに特性「はりきり」によるものすごい火力で押しきられる可能性がかなり高いです。
立回り
相手のパーティにもよりますが、サニーゴ(ガラル)やナットレイなどで「ステルスロック」を撒いてから、ステロあくびループで相手のサイクルを疲弊させ、起点をつくってから裏のエースを通すという流れが1つ目です。
もう一つの立回りとしては、クッションとして扱う立回りです。例えば自分の1匹目が相手のダイマックスしたポケモンに倒されてしまった場合死に出しでカビゴンを投げて「あくび」を打って、無理矢理交代させるか眠らせるかなどして場の切り返しを行うことができます。
序盤でかくとうタイプのポケモンと対面した場合、カビゴンのHPはかなり試合で重要となるので、ドラパルトやミミッキュで技を透かして場を整えた方がいいと思います。
ヒヒダルマ(ガラル)に関しては基本的に特性「ごりむちゅう」の型が多く、カビゴンに「まもる」を搭載している場合に関しては「まもる」で様子見をして、技を固定してからそのあとの行動は考えた方が安定でしょう。
アイアントにたいしては、「ヒートスタンプ」をもっていれば、強く出れるように見えますが、その前に上から「ばかぢから」を打たれて乱数で落とされたり、そのタイミングでダイマックスを切られたら1ターン無駄にして攻撃を食らうことになります。その場合は、ドラパルトで上から「だいもんじ」などで倒しにくといいと思います。
最後に
ここまであくび型カビゴンというものを説明してきました。高い耐久力を最大限に活かした型となっております。ランクマに何回も潜っている方からすれば、あくびカビゴンというのはもうすでにご存知かと思います。初心者の方にも分かりやすいように自分なりに細かく説明してきました。ダメージ計算で、仮想敵として追加してほしいポケモンや、努力値について疑問に思った点や、ダメ出しなど、もしよろしければコメントの方で言っていただけると嬉しいです。
また、余談ではありますが実は他にもトリトドン(育成論ソードシールド/872)とドラパルト(育成論ソードシールド/781)の育成論も投稿しております。もしよろしければこの2匹の育成論もご覧になっていただけると嬉しいです。あともうひとつ、自分のTwitterのアカウント(https://mobile.twitter.com/plpsyrab)もフォローしていただけると嬉しいです。
ここまで見ていただき本当にありがとうございました。