前書き
「わに」と申します。よろしくお願いします。
以下の内容に必ず目を通してください。
- 指定のない限りすべてのポケモンは理想個体を想定します
- HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをH、A、B、C、D、Sの略称で表記します
- その他範囲の略称を用います
- ダメージ率はダメージ計算式をもとに計算しています
- ご質問、ご指摘はコメントにて受け付けます
- 育成論に関係のないコメント、無益だと判断したコメントは予告なく削除します
それでは考察に移ります。
論概要
こだわりスカーフによって初速および抜き性能を補強したワルビアルです。
序盤の奇襲と威嚇によるサイクル補助、終盤の抜き要員としての仕事が期待できます。
こだわりスカーフワルビアル自体は特に目新しい型ではありませんが、今作ではダイマックス(以下DM)の仕様で疑似的に技固定を解除できるため、前作までと比較して戦術性や使い勝手が向上しています。(叩き落す返して)
すでにスカーフ型の育成論は投稿されていますが、推奨する特性や技構成に違いがあるためフォークとして投稿させていただきます。
ここが強いよワルビアル
基本性能のお話です。
- 特性:威嚇
場に出た際、相手のAランクを一段階下げることができる強力な特性です。
とりあえず場に出せば物理アタッカーに対して仕事ができ、味方のサイクル負担を軽減することができます。
もう一つの特性である自信過剰も抜き性能を補強できるので強力。
- 電/超/霊の一貫切り
弱点が6つと多いものの、電/超/霊/岩/悪/毒に対する独特の耐性を持ちます。
いずれも一貫しやすいタイプであり、特にボルトチェンジによるサイクル展開を阻害できる点、強力なDM技であるダイホロウを半減で受け、追加効果も威嚇込みで相殺できる点は非常に優秀。
- バランスの良い種族値
エースバーンより高い素の耐久とA117/S92というアタッカー気質の種族値を持ちます。特にギャラドストゲキッスドリュウズ等を抜けている点は高評価。
悪く言うと器用貧乏なのですが、十分戦えるポテンシャルを持ちます。
- 差別化/採用理由
特性と耐性で現環境(鎧の孤島解禁時点)における全てのポケモンと差別化ができます。
電無効かつ霊耐性を有するポケモンは他にホルードがいますが、ワルビアルは威嚇と耐久によってサイクルに組み込みやすく、初速の素早さや超耐性でも明確に差別化できます。
サイクルに組み込みやすい電(超)無効枠であり、特に物理霊に強いことがワルビアル最大の強みとなります。
仮想敵はドラパルトガラガラ(アローラ)パッチラゴンジバコイルストリンダー(ハイ)バンギラスドリュウズイエッサン♂イエッサン♀ランクルスなど。これらが重い構築の補完枠およびアタッカーとしての採用が主となってくるでしょう。
特に環境に多いドラパルトやドリュウズへの対策枠と、パーティに一体は欲しい電無効枠を一枠に圧縮できる点は優秀ですね。
また、詳しくは後述しますが、ドヒドイデ入りの受け回し構築における補完枠、スイーパーとしての役割に非常に適しています。
何故スカーフ?
ワルビアルの最大の弱点はS92という初速の中途半端さ。
最低限の素早さではあるのですが、すぐ上にヒヒダルマ(ガラル)タチフサグマイエッサン♂ミミッキュウーラオス(れんげき)オノノクスサザンドラ等強力なポケモンが犇めき、役割を持ちたいドラパルトやゲンガー等の高速霊ポケモンには上から鬼火を打たれる等、マイナス面も多々。
またS95族以上の高速アタッカーの中には上を取ることで、有利不利が逆転するポケモンや処理しやすくなるポケモン(エースバーンマニューラ等)も数多くいます。
そこでこだわりスカーフの出番というわけです。
この持ち物によって奇襲性と抜き性能が向上すると同時に、上から縛られ何もできずに退散せざるを得ない局面を減らせるので、グッと選出しやすくなります。
今作からDMすることで疑似的に技固定を解除できるので使い勝手も良好です。
型解説
ここから今回の型を詳しく解説していきます。
- 持ち物
こだわりスカーフ
- 特性
威嚇(自信過剰)
- 性格
陽気
- 個体値
C抜け5V想定
- 努力値
A252/D84/S172
(A252B4S252)
- 実数値
H170/A169/B100/C-/D101/S147
(H170/A169/B101/C-/D90/S158)
- 持ち物について
前述の通りこだわりスカーフで確定です。
- 特性について
基本的には威嚇で確定。
自信過剰も優秀な特性ですが、トゲキッスピクシーカバルドンナットレイゴリランダーエルフーンギャラドスウォッシュロトムアーマーガア等、ワルビアルが簡単に止まってしまうポケモンが環境に非常に多いため、技を固定するスカーフ型では交代を強要されやすく、A上昇が無駄になりやすい点、また今後ウーラオス(れんげき)ポリゴン2エアームドマリルリ等の強力なポケモンがさらに解禁される点を考慮すると、汎用性が高く、よりサイクル戦に適している威嚇に分があると思われます。
- 性格・調整意図
S+1ギャラドスやトゲキッス等を最低限抜き去るために性格は陽気推奨です。
殴り合える範囲や抜き性能を極力高めるためにA振り切り。
Dに少し努力値を回すことでポリゴン2ポリゴンZのダウンロード対策ができるとともに、通常時に臆病ドラパルトの命の珠流星群を超高乱数耐え、DM時にC特化トゲキッスのダイフェアリーを確定耐えするようになります。
余りを全てSに注ぎ込むとちょうど最速ギャラドス抜きになり、綺麗に努力値を使い切ることができます。
今後増えるであろうポリゴン2を意識した調整になりますが、ASぶっぱでも十分戦えます。その際は、Bに端数4を振ると、陽気ドリュウズの地震(威嚇込み)の乱数が2つズレるのでちょっとお得です。
ASぶっぱの場合は最速スカーフウォッシュロトムヒートロトムドリュウズルカリオポリゴンZ等の上から行動できるというメリットも生まれるので構築や環境に合わせてカスタマイズしてください。
【耐久指標】
以下の被ダメージ計算は全て威嚇込み、非DM時のものです。
物理耐久指数:17000(威嚇込み:25500相当)
A189ドラパルトの鉢巻ドラゴンアロー:31.7〜37.6%(1発あたり)
A192ヒヒダルマ(ガラル)の蜻蛉返り:70.5〜83.5%
A142ミミッキュの命の珠じゃれつく:74.7〜88.2%
A142ミミッキュの命の珠影討ち:8.3〜10.0%
A187ドリュウズの地震:42.3〜50.0%
特殊耐久指数:17170
C189トゲキッスのダイフェアリー:162.9〜191.7%(DM時確定耐え)
C152ドラパルトの命の珠流星群:85.2〜100.5%
C172ヒートロトムのオーバーヒート:73.5〜87.0%
C211ギルガルド(シールド)のラスターカノン:55.8〜65.8%
C150ラプラスの泡沫のアリア:90.0〜105.8%
物理方面は威嚇込みでかなりの範囲と撃ち合え、特殊方面も最低限の耐久があることがお分かりいただけるかと思います。
ここに記載していないものは恐れ入りますが各自計算をお願いします。
技構成
与ダメージ計算は全て非DM時の相手を記載しています。
- 確定技
DDラリアット
新規習得技。一貫性、威力、命中ともに安定し、霊への遂行技となります。
ちなみに噛み砕くだと無振りドラパルトに対して乱数が絡みます。(叩き落とす返して)
他の悪技と違い、技を固定した際にビルドアップや鉄壁の起点になりづらい点が評価できます。(こんな細い腕でどうやってラリアットするんでしょう?)
- 準確定技
地震(or 10万馬力)
主にエースバーンへの奇襲と接地している電気タイプへの遂行技になります。
ただし、非常に読まれやすく、無効タイプや無効特性が存在するため安易に打ちたくない技です。
ゴリランダーのグラスフィールドを意識する場合は10万馬力で。
この技を抜く構成も考えられるため準確定とします。
- 選択技
インファイト
新規習得した高威力の格闘技。
霊を呼ばないため無効にされにくい点が優秀。
馬鹿力と比較して、連打しても威力が下がらない点で使い勝手が勝ります。
また、ダイナックルとして使用することでAを補強することもでき、DM解除後の抜き性能の確保や崩しの起点となる技です。
雷の牙
環境に対する一つの解答に成り得る(と個人的に思っている)技。
読まれにくい上に呼ぶポケモンに対して広範囲に刺さります。
ダイサンダーとして使用することでギャラドストゲキッスマリルリの起点を回避、ダイナックルと併用しつつ追加効果込みでアーマーガアエアームドを崩す、催眠対策など、動きにかなり幅が生まれます。
ステルスロック
有利対面や流し際に取り合えず撒いておくだけで強い技。
また、ダイウォールとして使用できる点が非常に優秀です。
挑発
初手や偶発対面でカバルドンやナットレイ等に出くわしてしまった際に相手の展開を阻害できる技。一応、相手の動きを止めている隙にDMしてダイナックルの起点にする荒業も可能。
ステルスロック同様ダイウォールの元にもなります。
この他、岩技(ストーンエッジ、岩石封じ)やアイアンテール、炎の牙等も候補に成り得ますが、範囲がピンポイント気味なのでここでの言及は控えます。ご了承ください。
【火力指標】
- DDラリアット
H163B95ドラパルト:104.2〜125.1%
H131B100ミミッキュ:62.5〜74.0%
H157B127ウォッシュロトム:40.7〜48.4%
※ダイアーク時は1.52倍の火力になります。
- 地震
H185B81ドリュウズ:127.5〜150.2%
H157B224ドヒドイデ:56.0〜66.2%
H165B110パッチラゴン:106.0〜125.4 %
※ダイアース時は1.3倍の火力になります。
- インファイト
H207B130バンギラス:114.9〜135.2%
H181B201ナットレイ:43.0〜50.8%
H167B110サザンドラ:84.4〜99.4%
※ダイナックル時は0.79倍の火力になります。
- 雷の牙
H171B99ギャラドス(威嚇込み):69.0〜79.5%
H161B115トゲキッス:45.9〜54.6%
H207B100マリルリ:41.0〜48.3%
※ダイサンダー時は1.84倍の火力になります。
ここに記載していないものは恐れ入りますが各自計算をお願いします。
選出と立ち回り
主に先発に据え、高いSから状況に応じて技を選択していきます。
物理ポケモンと対面できれば威嚇込みで殴り合い、相性不利であれば素直に味方に引いてサイクルを回すという動きが基本になります。
一旦引いた後はサイクルの中で威嚇を織り交ぜて相手の弱体化を狙います。そこそこの耐久と無効タイプがあり、アタッカーの割にサイクルに参加させやすいので積極的に組み込んでいきましょう。
終盤まで生存できれば、サイクルで疲弊した相手を上から一掃する動きを狙います。
HPが僅かでも残っていれば威嚇を撒いたり、高いSから攻撃に転じることができるので容易に捨てないことが大切です。
こだわりスカーフでの奇襲により一体突破した後、後続の起点にされてしまいそうな場合はDMを切る判断も重要です。こだわりスカーフがバレた後は積み技や交代読みの技を相手に使われることが多いので、その隙に強力なDM技をぶち込んでやりましょう。(地震でエースバーンを上から突破し、裏から出てきたギャラドスにダイサンダーを打ち込む等)
相性の良い味方
- ドヒドイデドヒドイデ
ワルビアルとのタイプ相性補完が非常に良く、優秀な引き先となります。
交代を繰り返しながら威嚇と再生力で強引に受けを成立させる動きが強力です。
毒や熱湯の火傷で相手を疲弊させワルビアルで一掃しましょう。
HDベースの毒毒身代わり型がオススメ。
- カットロトムカットロトム
ワルビアルが呼び込むアーマーガアエアームドナットレイカバルドンギャラドスミロカロス等の物理受け全般に強く、ボルトチェンジによるサイクル展開ができます。
有利対面から一気に負荷をかけられ、トリックで受けを機能停止に出来る眼鏡型がオススメ。
- 草食マリルリマリルリ
互いの相性補完に優れ、渦潮+滅びの歌の構成でワルビアルが苦手な受けポケモンを処理できます。ナットレイやポリゴン2を誘って狩り尽くしましょう。
- ポリゴン2ポリゴン2
HBに寄せることで苦手なギャラドスへの対策になります。特殊方面もそれなりに硬いのでクッションとしての汎用性が非常に高く、頼りになるポケモンです。
- 天然ピクシーピクシー
ワルビアルが積みの起点になりやすいので、積みを無効にできるこのポケモンも相性良しです。
トゲキッスを受けられるHDベースの守る願い事型がオススメ。
などなど。
ほんの一例ですので色々試していただければ幸いです
あとがたり
今回はワルビアルの育成論となりましたがいかがだったでしょうか。
私が最も愛するポケモンなので、剣盾シングル環境で使える型を試運転しながらいろいろ模索しましたが、スカーフ型が一番使いやすいという現時点での結論に至りました。(あくまで個人の考えです)
気合の襷型、スケイルショット+自信過剰+ラムの実型なども使用感は良かったので、いずれご紹介できればと思います。
連れ歩きでヨチヨチ歩いてくるワルビアル最高にかわいいので、皆さんもぜひ育成してみてください!
本論が何かのお役に立つことを願っております。
最後までご覧いただきありがとうございました!