はじめまして。
むちころ犬と申します。
未だ育成論がなかったので、著者が今期ランクマッチで愛用しているこだわりハチマキウーラオス(いちげき)ウーラオス(一撃)を考察していきたいと思います。
採用理由と役割
実質威力120、いかく無視、相手の防御ランク上昇無視、リフレクター無視、デメリットなし、命中100という伝説クラスでも類を見ない専用技「あんこくきょうだ」を軸に据えるハチマキ物理アタッカー。
半減出来る悪、闘、妖に高耐久ポケモンが少ないため、火力を増強する事で後投げされるそれらのタイプのポケモンを強引に確定2発圏内に持ち込める一貫性の高さが何よりの武器です。
ほとんどの場面で「あんこくきょうだ」が安定行動となるので、プレイングミスによる負け筋を引きにくく、対戦になれていない初心者の方にもおすすめのポケモンです。
その火力指数、物理耐久指数、素早さ、一貫性の高さ、主力技同士の補完の良さ、4倍弱点持ち等、タイプこそ違いますが、フェアリーのいない第5世代以前のげきりんマシーンハチマキ意地ガブリアスと非常に似た性質を持ちます。
ウーラオス(いちげき)ウーラオス(連撃)との違いと差別化
タイプが違うのに差別化というと変ですが、使用上どちらか1体しか使えないので、もう一つの姿である連撃の型と比較した場合の特徴と、一撃の優位点をまとめます。
- 弱点が少なく、耐性も少ない
- 「すいりゅうれんだ」が連続攻撃なのに対して「あんこくきょうだ」が単発攻撃、また威力が5高い
- 一撃は高威力不安定な「ふいうち」、連撃は低威力安定の「アクアジェット」を覚える
面白い対比となっていますね。
一般的に、多弱点でも多耐性である連撃の型の方が、サイクル戦が主軸となるシングルでは優位だと言われています。
また、「襷を貫通する」「ミミッキュに有利」といった点から、これらがよく使われる現環境において「すいりゅうれんだ」の方が便利であるかもしれません。威力差5というのも誤差の範囲です。
ただそれらと比較した時、一撃の型に優位点がない訳ではありません。
「こだわりハチマキ」との親和性
一番最初に述べたように、「あく」タイプの技を半減できる高耐久のポケモンはブラッキーバルジーナピクシー程度(いずれもサブウェポンで対策可)とあまりいません。「こだわりハチマキ」を持った意地っ張りウーラオス(いちげき)ウーラオスの「あんこくきょうだ」は、無補正無振りのトゲキッストゲキッスを確定2発、HP振りでも中乱数2発に出来る火力があるため、耐性だけに甘えた後出しを許しません。それに加えて無効タイプもありません。
「すいりゅうれんだ」は特性「貯水」や「呼び水」による無効、高耐久が非常に多い水タイプに半減される事等から、拘る事を前提とすると、名前どおり「一撃の型」の方が適正があると言えます。
先発適正
特別ウーラオス(いちげき)ウーラオス(一撃)が優秀という訳ではありませんが、連撃と弱点を比較した場合、共通弱点である飛、妖を除いて、一撃は闘のみ、連撃は電、草、超と3タイプになります。
サイクル適正は連撃の方が優秀ですが、先発運用をするなら、弱点の少ない一撃の方が対面不利を取りにくいと言えます。
今回はこの2点に着目し、「先発運用のハチマキアタッカー」として、ウーラオス(いちげき)ウーラオス(連撃)との差別化とします。
持ち物
こだわりハチマキ
コンセプト上確定です。
これにより、等倍であれば耐久に努力値を割いていないアタッカーは「あんこくきょうだ」でほぼ確定1発。(目安として、種族値換算でH100 B95あたりまで )特化カバルドンでさえちょうど確定2発となり、後出しを許しません。
性格
いじっぱり
準速で最速S84相当になります。今作ではこれでも十分な速さです。
準速〜最速の間でメジャーなポケモンはミミッキュヒヒダルマウインディポリゴンZルカリオドリュウズフォルムチェンジロトムゴリランダー等になります。
最速を切った理由としては
ミミッキュ…結局対面で勝てない
ヒヒダルマポリゴンZ…スカーフ所持率が高く、先制が不安定
ウインディロトム…現状最速ではない個体が多く、ロトムに関しては逆にH252振りだと、陽気「あんこくきょうだ」で確定が取れない(意地っ張りで確1)
ゴリランダー…2種類のS逆転手段を持ち、それ故に最速を切っている個体も多い。そもそも陽気では無補正無振りに確定が取れず、結局2発ダメージを受ける事も(意地っ張りで確1)
等の理由です。結果的に余計かつてのハチマキガブリアスのような型となりました
ですが数を減らしているといえドリュウズルカリオ等を重く見るなら、陽気も十二分にアリです。
その場合ゴリランダーロトムカバルドンギャラドス等の乱数がかなり不安定になります。
努力値
AS252振り
余りは16nの定数ダメージ切り下げのためBかDに。
最速84族相当というと中途半端ですが
- 最低でもギャラドスギャラドスを抜けるS81以上を確保したい
- S80族抜き+αが一つの調整ラインとなっている
- 一応準足ミミッキュを抜ける
等の理由から、余計な耐久調整は行わず振りきっています。
技構成
確定技
あんこくきょうだ
確定急所技。実質威力120の「あく」タイプの技です。
相手のB上昇無視、自分のA低下無視、リフレクター貫通、無効なし、命中率100%と外す理由のないメインウェポン。
半減タイプの能力傾向的に、仮に受け出しを許したとしても確定2発になる場面が多く、ハチマキ型ではリスクのある交換読みをするくらいならこの技を押しつけた方がいいです。
例え鬼火を当てても、壁を張っても、ダイマックスからダイドラグーンを撃っても、ワンタッチでドラパルトが消し飛びます
「ダイアーク」とのシナジーが皆無なので、ダイマックスを切る可能性があるならキョダイ個体で。
以下準確定技です。
インファイト
威力120、使用後BDダウンという優秀な技。本来なら確定レベルの格闘技ですが、特化輝石ポリゴン2ですら中乱数2発で撃破してしまえる「あんこくきょうだ」の影響であくタイプ以外に打つ機会があまりなく、下記のドレインパンチとの選択とさせて頂きます。
ドレインパンチ
ブラッキーやバンギラス等、「あく」タイプを倒すだけなら、ハチマキを巻いていればこれで事足りる事も多いです。回復によってHPがほぼ全快する可能性も十分あります。
ただ、バルジーナバルジーナや死に出しされたポリゴン2ポリゴン2など、インファイトがないと押しきられる場面も出てきます。
以下選択技となります。
かみなりパンチ
苦手とするトゲキッストゲキッスやマリルリマリルリ、アシレーヌアシレーヌ対する対策技。
ただし、後術のダメージ計算を見れば分かりますが、これらは大方「あんこくきょうだ」で確定2発となるので、交換読みを積極的に狙う旨味はありません。
よって、基本的にこの技は『受け出してきたトゲキッス(HP半分以下)等がダイマックスを切ってくる事が予想出来る場合、こちらもダイマックスで対抗する』もしくは『初手でこれらと遭遇し、どうしても突破しないといけない』という状況でのみの使用となります。
アイアンヘッド
トゲキッストゲキッスやピクシーピクシーなどの妖タイプに対して有効な技です。ダイスチルの追加効果も優秀ですが、若干この型とは相性が悪いのが残念です。
対トゲキッスとして見ると、メジャーなマリルリにも有効なかみなりパンチ(ダイサンダー)の方がいいかもしれませんが、ダイマックスをしないなら乱数的には此方に若干部があります。使い方はかみなりパンチと同じです。
とんぼがえり
有利対面時は「あんこくきょうだ」を撃った方が、相手の「居座り」「引き」共に安定する事が多いため、主に不利対面からの脱出を目的とします。
ただ耐性が少ないため、一度引っ込めると次のくり出しのタイミングを取るのが難しくなるので、ご利用は計画的に。
つばめがえし
ダイジェットとしての使用がメインとなりますが、ハチマキの効果がなくなるため相性は悪いです。
ただ「あんこくきょうだ」が飛び抜けて優秀なお陰で技スペースには余裕があるため、いざという時役に立つ可能性があります。
ふいうち
高威力の先制技ですが、拘る都合上この技で縛るのはリスクを伴います。ですが先制技としては破格の威力(無振りのインテレオン程度なら96%〜113%程のダメージ)ですので、持っておくと巻き返しやラス1対面等で輝くかもしれません。
立ち回り例
基本的に先発でくり出し、「あんこくきょうだ」で負荷を掛けていきます。
高いHBの種族値のお陰で、一致で弱点をつけない物理相手には、例え素早さで負けていても強気に攻める事が可能です。
技範囲の広さ故にダイマックスを切れば不利対面でも強引に崩せる力がありますが、持ち物補正がなくなる事に加え、環境上位のエースバーンウーラオス(いちげき)(連撃)ミミッキュ等を死に出しされるとその後の展開が非常に厳しいので、相手の控えが分からない内は無理をせず、後続にはそれらに対して強いポケモンを準備しておきましょう。
与ダメージ計算
いじっぱり@こだわりハチマキで計算
―あんこくきょうだ
基本的に、「等倍=無振りは死ぬ」と思って構いません。急所込みのダメージとなります(小数点以下は四捨五入)
無振りゴリランダーゴリランダー…106%〜125%
H252ゴリランダーゴリランダー…90%〜106%
H252FCロトムロトム… 102%〜121%
H252ギャラドスギャラドス…101〜120%
H252ハッサムハッサム… 97%〜114%
無振りラプラスラプラス… 99.5%〜117%
中耐久帯はH振りでも大方高乱数以上です
キョダイラプラスラプラスでさえ、Hが無振りなら壁を無視してほぼ2発です。
特化ドヒドイデドヒドイデ…59%〜69%(ヘドロ込み確2)
特化カバルドンカバルドン…51%〜60%
特化ナットレイナットレイ…56%〜67%
特化アーマーガアアーマーガア…58〜69%
特化輝石ポリゴン2ポリゴン2…46%〜55%
無振りトゲキッストゲキッス…55%〜65%
H252マリルリマリルリ… 49%〜58%
無振りサザンドラサザンドラ56%〜66%
H252ニンフィアニンフィア… 60%〜70%
無振りドラパルトドラパルト…263%〜310%
高耐久、半減相手でさえ圧巻の威力です。如何に「あく」タイプの高威力技が受けにくいかが分かります。
―インファイト
特化ポリゴン2ポリゴン2…91%〜107%
特化バルジーナバルジーナ…54%〜65%
特化ブラッキーブラッキー…113%〜134%
H252サザンドラサザンドラ…187%〜220%
H252バンギラスバンギラス…確1
ドレインパンチの場合、これの約6割分程のダメージとなります。
―かみなりパンチ
無振りトゲキッストゲキッス…93%〜110%
H252マリルリマリルリ… 82%〜98%
H252アシレーヌアシレーヌ… 96〜114%
無振りウーラオス(いちげき)ウーラオス(連撃)…81%〜96%
―アイアンヘッド
無振りトゲキッストゲキッス…98%〜116%
特化ピクシーピクシー…66%〜78%
H252オーロンゲオーロンゲ…105%〜124%
H252エルフーンエルフーン… 103%〜122%
―つばめがえし
基本的にダイジェット以外で撃つことがないため、ダメージはダイジェットで記載します。ただし、ダメージを稼ぐ目的での使用でないため、威力は参考程度に。
無振りウーラオス(いちげき)ウーラオス…79%〜94%
無振りエースバーンエースバーン…56%〜66%
無振りドラパルトドラパルト…53%〜63%
無振りゴリランダーゴリランダー…87%〜103%
被ダメージ計算
目安として、物理は等倍であれば「特化ゴリランダーのグラスフィールド込みウッドハンマー」までは確定耐えできます。
=特化A125族@命の珠、一致120技まで耐え
不一致弱点であれば、これもまた「特化ゴリランダーのばかぢから」まで確定耐えとなります。
=特化A125族、不一致120まで耐え
特殊は薄く、特化FCロトムロトムのオーバーヒートで中乱数になってしまいます。
比較的先発で対面しやすいポケモンを記載します(小数点以下は四捨五入)
特化ゴリランダーゴリランダー
GFウッドハンマー…81%〜96%
ばかぢから…84%〜99%
GFグラススライダー…48%〜57%
A252ドラパルトドラパルト
ドラゴンアロー… 48%〜56%
とんぼがえり…22%〜26%
ダイジェット(そらをとぶ)…80%〜95%
A252ギャラドスギャラドス
たきのぼり…38%〜45%
とびはねる…82%〜97%
A252エースバーンエースバーン
とびひざげり… 118%〜139%
とびはねる…78〜91%
A252ウーラオス(いちげき)ウーラオス(連撃)
インファイト… 118%〜140%
特化ヒヒダルマヒヒダルマ(ガラル)
ごりむちゅう
つららおとし…73%〜86%
とんぼがえり…40%〜47%
ばかぢから…118%〜139%
特化ハチマキハッサムハッサム
バレットパンチ…49%〜58%
とんぼがえり…73%〜87%
特化FCロトムロトム
オーバーヒート…90%〜106%
ハイドロポンプ…77〜90%
10万ボルト…62%〜74%
無振りカバルドンカバルドン
じしん…36%〜42%
ボディプレス(B特化)…54〜64%
特化ラプラスラプラス
ダイアイス(ぜったいれいど)…79%〜93%
ハイドロポンプ…69%〜79%
C252サザンドラサザンドラ
りゅうせいぐん…93%〜110%
ラスターカノン…38%〜45%
無振りポリゴン2ポリゴン2
ダウンロードC↑
トライアタック…61〜72%
ほうでん…41%〜48%
C252命の珠ドラパルトドラパルト
りゅうせいぐん… 103%〜122%
相性の良い味方考察
ドヒドイデドヒドイデ
ウーラオス(いちげき)が苦手とする妖、闘に対して耐性を持ち、高い耐久力から先発で不利対面を負ってしまった場合の心強い引き先になります。
ドヒドイデに限らず、「行動保証のない先発」であるウーラオス(いちげき)はカバルドンカバルドンやアーマーガアアーマーガア等の物理受け全般と相性がいいです。
ハピナスハピナス
物理受けの次は特殊受け。
格闘が一貫するのは気掛かりですが、環境に存在する特殊アタッカーはほぼこのポケモンで止まります。「てんのめぐみ」トライアタックの追加効果が上手く決まれば、くり出し性能が高くないウーラオス(いちげき)のサポートになる場面もあります。
ギルガルド(シールド)ギルガルド
ウーラオス(いちげき)ウーラオスの弱点を全てカバーしてくれます。サザンガルド程ではありませんが相性は良好です。ただこの並びだと、現環境トップの採用率を誇るエースバーンエースバーンに非常に弱くなります。
リザードンリザードン
ウーラオス(いちげき)ウーラオスの弱点の内妖、闘を半減しながら、ダイマックス時に優秀な特殊アタッカーとして機能してくれます。
物理偏重の環境的に
『ウーラオス(いちげき)ウーラオス』『物理受け』『特殊アタッカー』
もしくは
『ウーラオス(いちげき)ウーラオス』『物理受け』『特殊受け』
特に後者のような並びが比較的安定します。
弱点 扱う上での注意点 活躍させるポイント
ここまで強みについて説明してきましたが、ウーラオス(いちげき)ウーラオス(一撃)が抱える根本的な弱点として使用率トップ層のポケモンに対する相性の悪さがあげられます。エースバーンウーラオス(いちげき)(連撃)ミミッキュトゲキッス等ですね。パッチラゴンも厳しめです。これらのポケモンの何れか1匹は高確率で相手パーティに入っているかと思いますし、全員1度暴れ始めるとハチマキ型ウーラオス(いちげき)ウーラオスでは一度の行動も許して貰えない事がほとんどです。
簡単な話が攻めてる間はすごく強いけど、攻められると弱いです。
構築論になりますが、ウーラオス(いちげき)ウーラオス(一撃)を先発採用するに当たって、控えにはこれらを後出しから倒せるor無力化出来るポケモン(ドヒドイデカバルドンギャラドスウインディラッキーハピナス等)を必ず準備しておいて下さい。
「活躍する時はするけど、何も出来ず負ける事もよくあるなぁ」
という事があれば、選出の時点で上記のポケモン達に逆に一貫を取られている事が多いかと思います。
『中足のSしか持たず、行動保証もない』という点をしっかりと心掛けて下さい。
上記のポケモン達をしっかりとケア出来ていれば、『「あんこくきょうだ」を撃ってるだけで勝った』という試合が多くなってくるかと思います。
おわりに
ここまで読んで頂きありがとうございました。
連撃に比べて余り話題に上がらない一撃の型ですが、この破壊力は一度使うとやみつきになります。
かつてのガブリアスを体感するつもりで、一度このウーラオス(いちげき)ウーラオスを使って頂けたらと思っています。