はじめに
皆さんこんにちは、不適切積分と申します。諸事情により当初の予定より投稿が遅れてしまいましたが、今回が育成論6回目の投稿となります。
今回の育成論では
HP→H 攻撃→A 防御→B
特攻→C 特防→D 素早さ→S
その他3値などの非公式の略称を使用させて頂きます。
また、一部常体を使わせて頂く場合がありますので予めご了承ください。
アイアントアイアントとは?
アイアントは第5世代(BW)から新たに登場したてつアリポケモン。そのまんまやんけ
恐らく今作のポケモン剣盾で、最も出世した過去作のポケモンの一体と言えるでしょう。その理由はなんと言ってもダイマックスとの相性の良さにあります。
アイアントの特性"はりきり"は、攻撃力が1.5倍になる代わりに命中が0.8倍になるという効果があります。つまり全ての物理技が命中不安になる代わりに超火力で放てるようになるという訳ですね。
攻撃力が1.5倍になるという事は、全ての物理技をタイプ一致以上の火力で打てるようになるという事です。つまりA109という種族値上では微妙な火力ですがこれに必ず1.5倍以上の補正が乗るため、受け切ることはほぼ不可能とも言えるほどの高火力を叩き出せます。どっかの兎エースバーンや蛙ゲッコウガと似てるな…
この効果はとても魅力的な特性なのですが、やはり命中不安になるという点が足を引っ張り、更には過去作ではメガシンカなどで大幅な火力インフレが起きた事により、あまり日の目を浴びるような存在ではありませんでした。
しかし今作ではメガシンカ廃止に加えて、新たな仕様であるダイマックスでは全ての技が必中になるため、ダイマックス中ははりきりの攻撃力1.5倍という良い恩恵だけを受けられるようになります。これがアイアントにとって大きな追い風となり、技範囲も広く、特性で底上げされた火力、更にはダイマックス時は技の威力自体も上昇する上、アイアントのS109というのはかなり速い部類に入るSを持っており、高い素早さから必中の高火力技を押し付けられるようになったため、天性の全抜き性能を手にしました。このため剣盾環境初期ではアイアントより遅いポケモンだけで挑むと、あっさり3タテされてしまうという事が度々発生していました。
これによりアイアントは一時、シングル使用率TOP30の仲間入りをするなど一気に厨ポケとしての頭角を現したのです。
アイアントに吹き荒れる逆風
一旦は厨ポケの仲間入りを果たしたアイアントでしたが、しばらくすると環境にも逆風が吹き始めます。
アイアントよりも早く4倍弱点を突いてくるインチキ兎エースバーンの王座君臨や、同じく特性"はりきり"を持ちアイアントには使えないダイジェットを使えてSを上げられるパッチラゴンの存在、ドラパルトトゲキッスをはじめ多くのポケモンがサブウェポンや役割破壊として炎技を標準搭載するなど、気づけば炎4倍弱点である事や、ダイマエースとして特に耐久が高いわけでは無いのにダイジェットを覚えられない、などの欠点が徐々に浮き彫りになり始めます。
そのため現在では対策は簡単だが、それを怠ると一瞬で崩壊させられる中堅ポケモンといった前作までの境遇よりはマシなものの、厨ポケという立ち位置からは少し離れた存在になっています。
以上をまとめると
- アイアントの強み
・特性"はりきり"による命中不安をダイマックスによってかき消せ、攻撃力1.5倍という良い恩恵だけを受けられる
・S109という剣盾では高い素早さ
・比較的広い技範囲
- アイアントの弱み
・炎4倍弱点という隙の大きさ
・ダイジェットを覚えられず、ダイマックス中にSを上げる手段が無い
といったものアイアントのメリットどデメリットとして挙げられます。今回はこれらの弱点を少しでも補いつつ、アイアントの強みであるダイマックス時の圧倒的な制圧力を最大限に活かしていくための考察を行っていきます。
今回の型のコンセプト
まずは先程上げた弱みを何とか克服していきたいところですが、1つ目の弱みである炎4倍弱点というのは虫・鋼というタイプを生まれながらに授かってしまった以上、タイプ相性を捻じ曲げる事は出来ませんからこれは甘んじて受け入れるしかありません。
エースバーンドラパルトトゲキッスといった上から炎技を打たれる可能性が高い厨ポケの多くが出禁になる一方、素のSがアイアントよりも速いオンバーンや、スカーフ運用が多いパッチラゴンサザンドラヒートロトムヒヒダルマ(ガラル)シャンデラなどのポケモンや、ダイジェットが使えるリザードン、蝶舞で上を取れるウルガモスなどが現環境にも蔓延しており、依然として上から炎技を打たれてしまうというシーンは決して少なくありません。エースバーンらが消えたことから再び現在では使用率が上がっているアイアントですが、これだけ上から4倍弱点を突かれる相手が未だに多いと、しばらく時間が経てばまた使用率も下がってしまいそうです。
しかし、ここで注目したいのは上から炎技を打たれると弱いという点です。アイアントは基本的に炎技持ちにも打点が持てるうえ、化け物じみた火力もあるので、上から攻撃を打たれなければ多くのポケモンを先に倒し切ることができます。
またアイアントは技範囲も比較的広いことから、物理受けのポケモンでアイアント対策を取るというのは、弱点を突かれない特性持久力バンバドロ並の耐久力を持っていなければほぼ不可能です。
一方でパッチラゴンサザンドラヒヒダルマ(ガラル)ヒートロトムなどにスカーフを持たせて、上から炎技を打つことでアイアントの攻撃を受ける前に倒すという対策は比較的取りやすく、特にH58 D48と特殊耐久がペラペラであるため、役割破壊程度の火力の火炎放射などでも簡単に倒せます。またダイジェットでSを上げられる心配も無いのでこちらの方が対策としては簡単です。
そこで今回はその甘えたアイアント対策を打ち破る手段として、こうそくいどうという技に注目しました。
こうそくいどうはSを2段階上げる、即ち自身の素早さを2倍にするという積み技であり、元からS109と速いアイアントが使えば並大抵のポケモンでは抜くことが出来なくなります。一度積む必要があるためその分隙が生まれてしまいますが、これによって2つ目のダイジェットが使えないという弱みを擬似的に補いつつ、上から炎技を打たれて倒されてしまうという弱点も同時に克服できます。
更には素早さが上がることでアイアントの本来の強みである、多くのポケモンの上からはりきり補正の乗った超火力の技でゴリ押しできるという長所を、より活かしやすくなるという点も魅力です。
こうそくいどうを採用する関係上、技範囲を一つ削ってしまう事になり、採用する攻撃技によっては勝てないポケモンが出てきてしまう事がありますが、それでもS種族値で上回っている相手や、不意のスカーフ持ちから先制で倒されなくなるため、実質的に役割範囲の増大ができるという点から十分に採用の価値があると考えます。
よって今回の型では従来の型よりも素早さを上げて、スカーフ持ちやS種族値で負けている相手も上から制圧し、全抜き性能を高めるというのを大きなコンセプトとしています。
他のはりきりエースとの差別化
はりきり+こうそくいどうの両立ができるポケモンは他にワシボンとデリバードが居ますが、ワシボンは進化前であるため火力・物理耐久・素早さで共にアイアントを下回り(特殊耐久はなんとワシボンの方が高い)、デリバードは一応最終進化ですが進化前のワシボンよりも合計種族値が低く、素早さ以外は全てワシボンにすら及ばないため、もはやお話になりません。流石に可哀想…
そもそもこの2体はいずれも飛行タイプ複合であり、タイプ一致はりきりダイジェットが使えるので、こうそくいどうに頼らなくても別に困りませんね。
つまりこの時点ではりきり+こうそくいどうが両立でき、それを活かせるのは実質アイアントの専売特許と言って差し支えありません。
またはりきりと言えば皆さんはパッチラゴンが思い浮かぶと思いますが、パッチラゴンはダイジェットを使えるものの、積み技が乏しく非DM時に素早さを上げる手段が無いため、今回のようにDMせずともSを上げる手段があるという点で差別化できます。
またパッチラゴン(S75)よりもアイアント(S109)の方が大幅に速く、火力も僅かながらアイアント(A109)の方がパッチラゴン(A100)よりも高いため、Sを上げた際の制圧力はアイアントの方が高いと言えるでしょう。
- 追記(コメントより)
こちらも同じく、特性はりきりのアップリューとの差別化について言及して欲しいとのことで追記します。私も当初は書く予定でしたが入れ忘れてしまいました。大変申し訳ありませんでした。
アップリューはアイアントと同じくSを上げる積み技としてりゅうのまいを覚えられますが、Sランク上昇が1段階である事や、S種族値がパッチラゴンにも及ばない70であり龍舞1積み程度では多くのスカーフ持ちに上を取られてしまう点、更には草・竜という氷4倍弱点をはじめ、弱点の多い複合タイプでありアイアントよりも隙が大きいことから、今回の上から攻撃を受ける前に制圧するというコンセプトには適さないと考えます。
運用方法
- こうそくいどうを積んで先制で高火力技を押し付ける
アイアントの最大の強みである、特性はりきりによる高火力ダイマックス技をこうそくいどうを積んで上から叩き込める範囲を増やしつつ、不意のスカーフ持ちからの炎技を打たれる前にゴリ押しで倒しきる事が出来るようになります。
弱点を突ける相手なら、ダイマックスしても一撃で倒せる場合もあり、その火力は凄まじいものがあります。
- こうそくいどうを積むタイミングについて
アイアントの耐久についてですが、Bが高いため物理耐久は今回のようにHに振れば平均より少し上くらいの耐久値は得られますが、特殊耐久は全く信用できません。
例を出すと今回のH124振りアイアントの場合、C特化ヒトカゲのひのこで確定1発(112.7〜131.5%)を取られてしまうほど特殊耐久は貧弱です。
そのため弱点を突かれない物理アタッカー相手なら、こうそくいどうを積む余裕がある場合もありますが、特殊アタッカー相手には悠長に積んでいる暇はありません。なので確実にアイアントがこうそくいどうを積めるように、起点作りのポケモンのサポートが必須になってきます。これが今回のアイアントを使う上での一つの懸念点であると言えます。
前季までは起点作りの神であるカバルドンが居たため、そこまで積みの起点作りというのには困らない人が多かったと思いますが、今回の使用率TOP10禁止の例に漏れずカバルドンも2ヶ月の出禁をくらってしまいました。
なので代わりの起点作り要因として相性の良い味方としても後半でも紹介しますが、あくび+ステロが使えるマッギョや、あくび+両壁+いたずらごころの両立が可能なニャオニクス♂などで、アイアントが安全に積める場作りをする必要があります。
相手のダイマックスについて
元の耐久があるポケモンのHB特化でも無い限り、ほとんどのポケモンを一撃で倒せるほどの火力を捻出できるアイアント。しかし、相手にダイマックスを切られた場合に耐えられてしまうケースがあります。相手のダイマックスにも致命傷を負わせられると考えれば良いのかも知れませんが、コンセプト上ダイマエースとして全抜きする事を目標とするため、この点はやはり気掛かりです。
今回はなるべくそういった事故を防ぐために、炎技持ちに刺さりやすいような技構成にしましたが、耐久がペラペラな以上どうしても相手のダイマックスとの撃ち合いになった際、若干厳しい相手が出てきてしまいます。
例えば今回の場合だと虫技を切ったために、ダイマックスサザンドラとの撃ち合いになった際に負けてしまいます。かといってじだんだを切って、代わりにサザンドラ意識でであいがしらを入れると今度はダイマックスパッチラゴンに勝てなくなったり、ギルガルド(シールド)への有効打が無くなります。
このように技構成上、ダイマックスとの撃ち合いで勝てないポケモンが相手PTに居る場合は、無理に全抜きを狙おうとせずに他のポケモンに任せたり、選出段階で苦手なポケモンに対して厚くしてアイアントの通りを良くしたり、2体以上居る場合は無理に選出するのは避けるなどの立ち回りが必要になってきます。
持ち物
いのちのたま
ダイマエースとして運用するため今回の型でも最有力候補。全ての技の威力が1.3倍になり元から火力お化けのアイアントが持てば、並大抵のポケモンで受けきることはまず出来ない。珠ダメが少々痛いが、それでも上から高火力を押し付けて攻撃を受ける前に倒せれば、あまり気にならない。
たつじんのおび
珠ダメを嫌う場合はこちら。倍率も珠には劣るが1.2倍とそれなりにある。しかし弱点技でないと補正が乗らない点がネックになるため、個人的には非推奨。
きあいのタスキ
確実にこうそくいどうを積みたい場合。ただ火力面での不安が残るうえ、起点作りは他のポケモンに任せてアイアントの積める場を作るのが一般的な運用方法になるため、優先度は低め。
こうかくレンズ
技の命中率が1.1倍になる持ち物。非DM時は常に命中不安が付き纏うため、それを少しでも解消したい人向け。今回のアイアントはダイマックス前提であるため襷同様、優先度は低い。
今回は火力の底上げと、上から高火力を押し付けるというコンセプト上いのちのたまを確定枠としています。
また、その他のちからのハチマキなどの火力upアイテムや、炎技を一度だけ2倍弱点で抑え込めるオッカの実などは得られる恩恵が少なかったり、コンセプトから外れてしまうため候補外とします。
個体値
Cは使わないのでC抜けの5Vで問題ありません。
性格・努力値と調整
性格 いじっぱり(攻撃↑ 特攻↓)
努力値 H124 A244 S140
(実数値 H149 A176 B132 C- D68 S147)
- 調整意図
H124(149)→珠ダメを考慮して10n−1
A244(176)→ほぼぶっぱ(努力値効率の良い11n)
S140(147)→S+2で最速スカーフオンバーンファイアロー抜き、素で最速80族(シャンデラマンムーサーナイトエルレイドなど)抜き
アイアントの最大の魅力である超火力は最大限に活かしたいので(ほぼ)A特化です。Sに関しては現環境で最速の炎技持ちと思われる、スカーフ持ちのオンバーンやファイアロー辺りを抜ければ良いので、これ以上Sに振ってもあまり旨味がありません。最速スカーフファイアローが実在するかどうかは分かりませんが、ダイジェットでS+1状態の事も考えられますし、他にどうしても振りたい箇所は特に無いので、せっかく抜けるんだったら万が一のために抜いておいた方が安心だと考えました。
技構成と与ダメ
与ダメは全て特性込みA特化珠持ちで計算。命中率ははりきりの0.8倍補正込みの命中率で記載。またダメ計のDMはダイマックス技として放った場合で計算したもの。
- 確定枠
こうそくいどう
今回のコンセプト上確定。ダイジェットが使えないアイアントにとっては唯一のS上昇の手段である。S+2になることで元から速いアイアントが使えば並大抵のポケモンでは抜くことができないため、上から殴り続けて相手PTを崩壊させる。
また、あまり使う場面は多くないがダイマックス時にダイウォールとして使えるため、フルアタ構成が一般的である通常のアイアントには出来ない柔軟な立ち回りも可能になる。
アイアンヘッド 威力80(DM130) 命中80
アイアントのメインウェポンとして確定。はりきり×タイプ一致で威力が2.25倍となり、ダイスチル時の威力は脅威の292。更にここに珠の1.3倍補正が乗る。追加効果でBが1段階上がるが、B種族値112と意外と高いのでアイアントとのシナジーがある。
フェアリーが環境から減ったことから特別鋼技の通りが良いわけではないが、単純に通常の2.25倍の火力を捻出できタイプ受けも許さないので入れ得である。
H252アシレーヌ
88.2〜104.8% DM143.8〜169.5%
HB特化アシレーヌ
60.4〜71.6% DM97.5〜115.5%
H4 一撃ウーラオス(いちげき)
73.8〜86.9% DM119.8〜143%
H252 ハードロックドサイドン
71.1〜84.2% DM113.9〜135.1%
H4サザンドラ
85〜100.5% DM137.7〜161.6%
H252マリルリ
75.3〜89.3% DM122.2〜143.9%
HB特化 壁オーロンゲ
59.9〜71.2% DM98.5〜115.8%
H4ヒヒダルマ(ガラル)
229.8〜271.2% DM378.1〜439.2%
H4オンバーン
96.8〜114.9% DM157.1〜185%
H4ホルード
100〜118.6% DM162.1〜191.3%
H4ポリゴンZ
107.4〜126.7% DM172.6〜204.3%
HB特化 化学変化ガスマタドガス(ガラル)
63.3〜77.3% DM104〜123.8%
HB特化ニンフィア
119.8〜143% DM194.5〜229.2%
H252 壁キュウコン(アローラ)
183.3〜216.6% DM294.4〜348.3%
HB特化カビゴン
45.3〜53.9% DM73.4〜86.5%
いわなだれ 威力75(DM130) 命中72
リザードンヒートロトムオンバーンウルガモスウインディラプラスなどへの打点。炎技持ちに刺さる場面が多いため、炎技を打たれる前に倒すというコンセプト上確定枠とした。ダイロックにする事で砂嵐が撒けるので襷貫通も可能。ストーンエッジは非DM時の命中率がゼロになるので候補外
H4リザードン
259.7〜307.1% DM445.4〜526.6%
H252ヒートロトム
97.4〜115.9% DM168.7〜200.6%
H4オンバーン
121.1〜143.4% DM209.9〜247.2%
H4ウルガモス
284.4〜336% DM490.6〜578.2%
HB特化ウインディ(威嚇のA↓1込みで計算)
44.6〜54.3% DM79.1〜93.9%
H252ラプラス
88.2〜97.4%
DM142.6〜167.9%(壁込みで確2)
H252ガラガラ(アローラ)
90.4〜107.1% DM155.6〜183.8%
- 選択枠
この枠で採用する技によって強く出れるポケモンが変わってくるため、それぞれの仮想敵に合わせて選択することをおすすめする。
じだんだ 威力75(DM130) 命中80
環境1位のパッチラゴンやギルガルド(シールド)ドヒドイデルカリオなどへの打点。同じはりきり使いで環境トップに君臨するパッチラゴンや、ドヒドイデを分からせたかったので今回は確定欄で採用した。
また非DM時にも有用な技として使え、前のターンに技が外れたりタイプ相性や特性で無効化された場合には威力が2倍になるため、常に命中不安が付き纏うアイアントとの相性が良い。まあその威力2倍のじだんだもよく外れるのだが…
H4パッチラゴン
106.6〜127.1% DM184.9〜217.4%
H252ギルガルド(シールド)
73〜87.4% DM126.3〜149.7%
HB特化ドヒドイデ
56〜66.2% DM96.4〜114%
H4ルカリオ
147.9〜174.6% DM254.7〜300.6%
かみなりのキバ 威力65(DM120) 命中76
連撃ウーラオス(いちげき)アーマーガアエアームドへの打点。特にアーマーガアエアームドで止められたくない人は真っ先に採用したい技である。
あくび対策にもなるため本来なら確定枠でも良いくらいなのだが、この技が刺さるポケモンはいずれも炎技持ちが少なく、DM状態のアイアントが一撃で葬られることはほぼ無いため、環境1位で炎技標準搭載のDMパッチラゴンをステロ(もしくは珠ダメ)+ダイアースで高乱数で倒せる上、使用率を徐々に上げてきているギルガルド(シールド)への有効打にもなるじだんだと天秤に掛けた結果、今回は泣く泣く採用を見送った。
H4 連撃ウーラオス(いちげき)
79.5〜94.3% DM147.7〜174.4%
HB特化アーマーガア
48.2〜57% DM88.7〜105.3%
HB特化エアームド
47〜55.8% DM86〜102.9%
であいがしら 威力90(DM130) 命中80
DMサザンドラを倒したい人向け。またタイプ一致であり、DM時にナットレイへの最大打点にもなる技。場に出たターンしか打てないが優先度+2の強力な先制技であるため、死に出しからのラス1対面でもワンチャン作れる点も優秀。
ただ虫技の通りは依然として最悪で、サザンドラも非DM時ならダイスチルでワンパンできるため今回は採用を見送った。
H4サザンドラ
191.6〜225.7% DM275.4〜323.9%
HB特化ナットレイ
48〜58% DM69.6〜82.3%
H4パッチラゴン
96.3〜113.2% DM138.5〜162.6%
ばかぢから 威力120(DM95) 命中80
技範囲というよりも追加効果のA上昇が優秀であり、よりアイアントの制圧力を高めたい人向け。また非DM時のナットレイやカビゴン、一撃ウーラオス(いちげき)への最大打点でもある。
しかしDM時の瞬間火力が低いのが難点であり、特別格闘技の通りが良い訳では無いため、ダイナックルを積める場面は割と限られる。また非DM時のAとBダウンが痛く、アイアントのメインウェポンと技範囲が被りがちなため、確定枠での採用は見送った。
HB特化ナットレイ
86.1〜102.2% DM67.4〜80.6%
H4 一撃ウーラオス(いちげき)
147.7〜174.4% DM116.4〜137.5%
HB特化カビゴン
90.6〜107.1% DM71.9〜85.7%
かみくだく 威力80(DM130) 命中80
対ゴーストへの打点。サニーゴ(ガラル)に親を56された人は採用しても良いように思えるが、残念なことにダイアークにしてもHB特化輝石サニーゴ(ガラル)は1発耐えてくるため、ドラパルトなどが消えた現環境で無理に採用する価値はあまり無い。
(ちなみにステロダメ込みだと中乱数1発になるため、ステロと合わせれば全く採用の価値が無いわけではない)
HB特化 輝石サニーゴ(ガラル)
51.4〜60.4% DM80.8〜96.4%
被ダメージ計算
仮想敵の特化及び補正無しは全て努力値252振りを想定して計算。
- 物理耐久
特化はりきりパッチラゴン
珠ほのおのキバ 163.7〜195.3%
珠ダイバーン(ほのおのキバ媒体)
300〜355.7%
珠でんげきくちばし(先制) 157.7〜186.5%
珠ダイドラグーン(げきりん媒体)
65.1〜76.5%
特化ウーラオス(いちげき)(水・悪・闘技は全てタイプ一致で計算)
あんこくきょうだ(急所) 69.1〜82.5%
鉢巻あんこくきょうだ(急所) 104.6〜123.4%
すいりゅうれんだ(急所 3発) 66.3〜80.4%
鉢巻すいりゅうれんだ(急所 3発)
102.6〜120.6%
ダイアークorダイストリーム(あんこくきょうだorすいりゅうれんだ媒体) 74.4〜88.5%
特化ナットレイ
ボディプレス 30.8〜36.9%
特化ドサイドン
ほのおのパンチ 120.8〜144.9%
ダイバーン(ほのおのパンチ媒体)
212〜249.6%
ダイロック(ロックブラスト媒体)
79.1〜93.2%
特化ギルガルド(シールド)
シャドークロー 42.9〜51%
ダイホロウ(シャドークロー媒体)
73.1〜86.5%
かげうち 24.8〜30.2%
特化力持ちマリルリ
アクアブレイク 55〜65.1%
アクアジェット 26.1〜30.8%
ダイストリーム(アクアブレイク媒体)
84.5〜99.3%
特化カビゴン
ほのおのパンチ 104.6〜123.4%
ダイバーン(ほのおのパンチ媒体)
179.8〜212%
ダイバーン(ほのおのパンチ媒体 アイアントのB+1)
120.8〜142.2%
特化力持ちホルード
じしん 68.4〜80.5%
ほのおのパンチ 136.9〜163.7%
ダイアース(じしん媒体) 88.5〜104.6%
ダイバーン(ほのおのパンチ媒体) 236.2〜279.1%
ダイバーン(ほのおのパンチ媒体 アイアントのB+1)
158.3〜187.9%
- 特殊耐久
特化アシレーヌ
うたかたのアリア 97.3〜115.4%
激流うたかたのアリア 146.9〜173.1%
ダイストリーム(うたかたのアリア媒体)
141.6〜167.1% D+1時 94.6〜111.4%
激流ダイストリーム(うたかたのアリア媒体)
210〜241.3% D+1時 140.9〜165.7%
特化リザードン
かえんほうしゃ 357〜421.4%
エアスラッシュ 73.1〜87.2%
ダイジェット(エアスラッシュ媒体)
127.5〜151%
特化サザンドラ
眼鏡りゅうせいぐん 104.6〜123.4%
かえんほうしゃ 257.7〜306%
特化ギルガルド(シールド)
シャドーボール 94.6〜111.4%
ダイホロウ(シャドーボール媒体)
153〜179.8%
特化ヒートロトムウォッシュロトムカットロトム
オーバーヒート(一致) 499.3〜587.9%
ハイドロポンプ(一致) 105.3〜124.8%
眼鏡ハイドロポンプ(一致) 157.7〜185.9%
10まんボルト(一致) 86.5〜102.4%
眼鏡10まんボルト(一致) 129.5〜153%
ダイサンダー(10まんボルト媒体)
124.8〜146.9%
特化オンバーン
かえんほうしゃ 217.4〜257.7%
眼鏡りゅうせいぐん 87.9〜104%
眼鏡エアスラッシュ 102.6〜120.8%
珠ダイジェット(エアスラッシュ媒体)
154.3〜181.2%
特化ラプラス
うたかたのアリア 75.1〜89.2%
キョダイセンリツ(ぜったいれいど媒体)
54.3〜64.4%
ダイストリーム(うたかたのアリア媒体)
108.7〜128.8%
ダイストリーム(うたかたのアリア媒体 C+2)
216.1〜255.7%
特化フェアリースキンニンフィア
ハイパーボイス 44.2〜52.3%
マジカルフレイム 198.6〜236.2%
ダイバーン(マジカルフレイム媒体)
343.6〜405.3%
若干Hにも努力値を割いたために物理耐久は比較的高めで、ダイスチルのBアップもあるため中途半端な火力の4倍弱点程度なら余裕で耐えてくれます。ただその一方、特殊耐久が貧弱すぎます。非DM時なら半減の技すら場合によっては1発耐えるのが難しい程です。
この点からもアイアントが一発耐える事は無理に期待せず、元から速い素早さを更に上げて、上から高火力技で先に押し切るという使い方が合ってると言えます。
相性の良い味方
- マッギョ原種マッギョ
カバルドンが消えた現環境では貴重なステロ+あくびの両立が可能なポケモン。あくびループに入れる事ができれば、ほぼ確実にアイアントの積みの起点を作れる。
またステロを撒く事により襷潰しはもちろん、今回のアイアントのダイアースで耐久無振りDMパッチラゴンを高乱数でワンパンできたり、ダイロックでH252振りDMヒートロトムを高乱数でワンパンできるようになるなど、かなり重要な役割を担ってくれる。
ちなみにRFマッギョ(ガラル)ではない理由は、原種マッギョの方はアイアントの苦手な炎技を等倍で受けられるため、一環を作らないという点からこちらの方が適任だと考える。
- ニャオニクス♂ニャオニクス♂
唯一あくび+いたずらごころ+両壁の両立が可能なポケモン。先行であくびを入れられるのはかなり強い。
また両壁を貼ることで、相手のDMとの撃ち合いになった際にも強く出れるため、積みエースの起点作り要因としてこちらも優秀なスペックを持っている。
- セキタンザンセキタンザン
アイアントの弱点は炎のみで4倍弱点である事から、PTに入れておくだけで相手の炎技を牽制したり、飛んでくる炎技を受けて蒸気機関を発動させられる。
アイアントの存在自体が相手の炎技持ちを呼ぶため、万が一アイアントが通りにくかった場合のサブアタッカーとして使うのが良さそう。ただダイマックス権の競合が生まれてしまう点や、アイアントと比べた際に、火力の低さが顕著に出てしまうのが少し残念なところ。
このポケモンの対策
こうそくいどうさえ積ませなければただの中速の変な蟻なので、起点作りのポケモンに対して挑発などで妨害されると非常に厳しいです。
また弱点を突かれる心配が無く、特性じきゅうりょくのバンバドロなら眠るを絡めて受け切ったり、サニーゴ(ガラル)でも詰ませられるという点は通常のアイアントと変わりません。
あとがき
今回はアイアントという、実は私自身初めてとなる物理アタッカーの考察をしてみました。
炎4倍弱点という点で隙が大きかったりと、扱いが意外と難しいポケモンだと感じましたが、ほとんどの非DM時の相手は一撃で倒せるので、やはりその火力は圧巻です。
最後までご覧頂きありがとうございました!
ご不明な点などがありましたら、コメントにてお願いします。