はじめに
育成論としては4回目になります。
今回は「ネバネバネット」を重要視した起点作成型となります。
似たような型をデンチュラ (育成論ソードシールド/2811)を以前に投稿しましたが、どちらにも良さがあるので自分のパーティに合った方を選んでくだされば嬉しいです。
一応として調整はシリーズ9を見ていますが、シリーズ10でも問題なく使えます。
むしろ、次の環境の方が刺さるところがあるので、そちらにも言及します。
注意
- この育成論に出てくるポケモン全て理想個体とします。
- ステータスの略称として以下を用います。
H=HP A=攻撃 B=防御 C=特攻 D=特防 S=素早さ
- 努力値など、非公式用語を使用します。
- ダメージ計算はポケマス様を使わせていただきます。
役割と目的
S操作することでエースバーンフェローチェヒヒダルマアーゴヨンなどの大幅弱体化、また次の環境ではザシアン(王)バドレックス(こくば)カイオーガレシラムなどに対しての弱体化を図ります。
- ネバネバネットの恩恵の具体例
フェローチェ抜き
→ 最速84族以上 :ゴリランダージュラルドンドリュウズ
→ 準速96族以上 :ウーラオス(いちげき)オノノクスサザンドラ
ガブリアス抜き
→ 最速51族以上 :パッチルドンラプラス
→ 準速63族以上 :バンギラステッカグヤモスノウ
→ 微調整85族付近:カプ・レヒレウォッシュロトム
『ペロリーム』ってどんなポケモン?
犬とケーキをモチーフにした可愛らしいフェアリータイプ。
数値は特化しているわけでもないですし、合計値が高いわけでもありません。
ただし、技が非常に豊富で特殊攻撃技だけでもかなり広い範囲のタイプカバーを行うことができます。そして、補助技の方もかなり充実していて、どちらかといえばダブル向きな性能をしています。
加えて特性は両方とも優秀、型の豊富さが強みになります。
かるわざアタッカー、積み要塞型、積みアタッカー、起点作り型、起点拒否型。
どう動いてくるのかが非常に分かりにくいです。
(昔は「はらだいこ」&《オボンのみ》&【かるわざ】のコンボもありました。)
他のポケモンとの差別化点
《ネバネバネット》《いとをはく》を習得し、その恩恵を受けることのできる速さを持つのはデンチュラアブリボンペロッパフペロリームになります。
まずアブリボンペロッパフだと耐久が低すぎて、数を増やしているウーラオス(いちげき)(連撃)に対して不安定だという結論に至りました。
このことを意識してデンチュラの育成論を以前に作りましたが、
・「あくび」を持っている地面タイプがキツイ。
・ナットレイに対して起点にされてしまう。
という点がネックであると感じました。
そのため、炎技&自主退場技を覚えるペロリームに着目しました。
特性
スイートベール
先発出しが多いということもありますが、仕事終えてクッション用に残したり様子見として二体目に控えさせる場面などもあるため、「あくび」に対して強く出れるのは評価点です。また、時々対面する「さいみんじゅつ」始動の奇襲パーティに対しても刺さります。
ダブルの場合は味方も眠らないので優秀です。
かるわざ
ポケHOME採用率100%の特性で《きあいのタスキ》との相性が良いです。
ただし、今回は「いとをはく」を採用していることもあって、必要性は薄めです。必要な場面としてはドラパルトになりますが、A252命の珠ダイホロウだとしても乱数になる点には注意してください。
次シーズンの場合は「みがわり」を採用するザシアン(王)ムゲンダイナバドレックス(こくば)も出てくるので、こちらの特性の採用価値が格段に上がります。むしろ、こちらの特性の方を強く推奨します。
また、自主退場技を採用しているので「あくび」の心配はないです。
性格・努力値と調整
性格《おくびょう》
努力値:H4 C252 S252
- Sに関しては196さえあれば、S2段階低下(もしくは【かるわざ】発動)で最速スカーフアーゴヨンを抜くことができます。ただし、A特化ウーラオス(いちげき)の「すいりゅうれんだ」でさえ耐えるほどに硬いので、耐久に振った場合は非アタッカーの技の回数が変わるぐらいです。そのため、最速パルシェンを抜けるようにS252を振っています。
- H4ドラパルトを「ミストバースト」でピッタリ確定1発。
- 《きあいのタスキ》があるのでDの厳選は妥協していいです。
特性【かるわざ】を採用の場合
Hの努力値は0にするのがいいです。
性格【むじゃき】にすることによって、C252バドレックス(こくば)の「アストラルビット」で確定1発になるので、相手が「みがわり」採用型で空かされたとしても上から行動できるようになります。
また、Bの努力値は振らないことになりますが、連続技には注意です。
A特化ウーラオス(いちげき)の「すいりゅうれんだ」を耐えるギリギリのラインが、
→ Hの個体値が12 となります。
ただし、HP計算して個体値を調べながら厳選……というのも大変ですし、
「H=かなりいい」が無難だと思ってください。
もしも次のシーズンでC252レジエレキの「サンダープリズン」が怖いなら、
・ 性格【むじゃき】 D努力値36
・ H個体値「かなりいい」 D個体値「すばらしい」
がギリギリ最低限の耐久ラインになります。
ただ、ここまで詰める必要もない気がします。
持ち物
きあいのタスキ
耐久がそこそこあると言えど、所詮はそこそこ程度。
基本的に等倍程度では落ちないものの、そんじょそこらの抜群なら落ちてしまう、調整の難しい微妙な耐久です。また特性【かるわざ】を採用する場合は相性がよく、実際にポケHOME採用率を見ても100%となっています。
技構成
ネバネバネット
地上にいる相手のSを一段階下げる技です。
役割の説明欄でも記載しましたが、高速アタッカーの弱体化を図ります。特に次回からのルールにおいては今以上に優秀となる技で、僕の場合はデンチュラを使っていたのでよくわかります。
(というか、吐くのは糸じゃなくてホイップクリームなんじゃ……。)
いとをはく
Sを二段階下げることができます。
素早さ補強に特性【かるわざ】がありますが、耐久が中途半端にあるため発動できない場面も想定する必要があります。こちらが先制技によって倒されたとしても、後続への恩恵があるのも評価点です。
また、ある程度以上に順位が上がると、相手が「がむしゃら」を警戒した動きをして、あえて一撃で落とさないことが多かったので、尚更に特性が発動しないことが多いです。
ダブルバトルにおいては相手全体が対象です。
ミストバースト
ドラパルトが特性【クリアボディ】の場合は素早さ操作は効かないので、最低限として「りゅうのまい」の起点にされるのを避けるための技です。次回の禁止伝説では数が減ることが予想されますが、それでも対策必須レベルの激強ドラゴンなので必要です。
また、いかに素が低いと言えどもC振り威力100をタイプ一致なので、交代などされて逃げられても4割〜6割ぐらいは削ることができます。
ダブルバトルで使うならマジカルシャインの方が良いです。
- 鋼タイプに対する技の選択肢
かえんほうしゃ
誘いやすい鋼タイプに対して。
特にナットレイジバコイルに対して圧を掛けれるのがありがたく、次の環境ではザシアン(王)に対して刺さります。
本体の火力はお世辞でも高いとは言えない程で、無振りナットレイを相手ですら乱数50%で、耐久に努力値を振るようなポケモンなので確定2発となり、そこには注意が必要です。
あくび
こちらからの打点がなく、それでいて積まれたくない相手に対して。
例えばクレセリアカバルドンナットレイジバコイルなどがメジャーどころか。「かえんほうしゃ」よりも優れている点はヒードランに対しても交代を強要できること。
注意点としてはカプ・レヒレ×鋼タイプの並びに対して。
- 特性【かるわざ】を採用している場合の選択肢
がむしゃら
特性【かるわざ】を採用した場合は優先度が高くなる選択肢。
裏のポケモンが【くろのいななき】【じしんかじょう】【ビーストブースト】の特性であるなら尚更。ただし、この場合はS操作ができていない対面が基本なのことに注意してください。
立ち回り例
特性もあって「あくび」で止まることもないですし、相手のパーティが全体的に速いと感じたら先発でかまいません。対面する相手が速ければ「いとをはく」から入り、遅かったり一撃で落としてくれたりしそうなら「ネバネバネット」を撒いてしまいましょう。
与ダメージ計算
かえんほうしゃ
H252ナットレイ → 136 ~ 164(75.1 ~ 90.6%)確定2発
H4カミツルギ → 364 ~ 432(269.6 ~ 320%)確定1発
(DM相手でも確定1発)
H252ジバコイル → 86 ~ 102(48.5 ~ 57.6%)乱数2発(90.6%)
H252テッカグヤ → 78 ~ 92(38.2 ~ 45%)確定3発
H252エアームド → 104 ~ 124(60.4 ~ 72%)確定2発
H4カプ・ブルル → 82 ~ 98(56.1 ~ 67.1%)確定2発
H4ザシアン(王) → 70 ~ 84(41.6 ~ 50%)乱数2発(0.4%)
ミストバースト
H4ドラパルト → 164 ~ 194(100 ~ 118.2%)確定1発
H4ガブリアス → 150 ~ 176(74.6 ~ 87.5%)確定2発
H252カプ・レヒレ → (MF込み)78 ~ 93(44 ~ 52.5%)乱数2発(18%)
H4ウーラオス(いちげき)(連撃) → 194 ~ 230(110.2 ~ 130.6%)確定1発
(一撃の方ならダイマックス込みでも確定1発)
H4カイオーガ → 49 ~ 58(27.8 ~ 32.9%)確定4発
H4イベルタル → 134 ~ 158(66.3 ~ 78.2%)確定2発
H4バドレックス(こくば) → 66 ~ 78(37.5 ~ 44.3%)確定3発
被ダメージ計算
- 《きあいのタスキ》で耐えますが、先制技や連続技のこともあるので記載します。
ウーラオス(連撃)ウーラオス(れんげき)
A252 すいりゅうれんだ → 111 ~ 135(70.2 ~ 85.4%)確定2発
特化 すいりゅうれんだ → 126 ~ 147(79.7 ~ 93%)確定2発
ゴリランダーゴリランダー
特化 グラスライダー → 94 ~ 112(59.4 ~ 70.8%)GF回復込み中乱数2発
特化 鉢巻 グラスライダー → 141 ~ 166(89.2 ~ 105%)乱数1発
(31.3%)
ミミッキュミミッキュ
A252 じゃれつく → 69 ~ 82(43.6 ~ 51.8%)乱数2発(10.9%)
A252 かげうち → 31 ~ 37(19.6 ~ 23.4%)乱数5発(99.8%)
A252 珠 じゃれつく → 90 ~ 107(56.9 ~ 67.7%)確定2発
A252 珠 かげうち → 40 ~ 48(25.3 ~ 30.3%)確定4発
フェローチェフェローチェ
A252 トリプルアクセル → 全段ヒットでも確定2発
A252 珠 トリプルアクセル → 全段ヒットでも確定2発
バンギラスバンギラス
A252 がんせきふうじ → 60 ~ 72(37.9 ~ 45.5%)砂ダメ込み確定3発
A252 ストーンエッジ → 100 ~ 118(63.2 ~ 74.6%)砂ダメ込み確定2発
(急所の場合は砂ダメ込み確定1発)
苦手なポケモン
元が速いわけではないので「ちょうはつ」には注意が必要です。
そのための「ミストバースト」ではありますが、やりたい動きが制限されることには変わりません。《メンタルハーブ》を持たせる選択肢もないわけではないけど、その場合は耐久調整をしなければならず、今回の型でするものでもありません。
また、似た理由でエーフィブリムオンにも注意が必要になります。
先発なら有利対面に交代して、後投げが怖いなら「いとをはく」から入りましょう。
相性の良い味方・構築例
基本的にSを操作するのでS85〜S120のアタッカーとの相性がいい
鋼タイプを呼びやすいため炎/地のいずれかの技範囲を持つアタッカー。
また、一部のポケモンは《こだわりスカーフ》を偽装することも可能なので、相手の受け出しに対して圧をかけることが出来ます。
相性補完に対する相性補完。
シリーズ10の場合はカイオーガのこともあるので、S90以上もしくは先制技を持っているのが欲しい所です。デンジュモクの場合はS操作構築であることを踏まえた上で《こだわりスカーフ》を持たせてもいいです。
相手が全体的に遅くてペロリームを出さない場合、壊し性能や妨害性能を重視。
また、このメンバーなら先ほど提示したアタッカーとも相性補完ができています。
一部のポケモンはS操作パターンの時でも登板できます。
最後に
最初の時でも少し話をしましたが、決してデンチュラの上位互換になるわけではありません。それは攻撃技の効く範囲が全く違ったり、虫技固有の『確定追加効果の優秀さ』だったりによるものです。
(具体例)
デンチュラ → ドヒドイデカプ・レヒレゴリランダーに強い
ペロリーム → ナットレイドラパルトウーラオス(いちげき)に強い
結局のところは一長一短。
一体で戦わないのがポケモンです。
もしかしたらあなたの構築にとって最高のスパイスになるかも。
(ホイップポケモンだからスパイスではないか……。)