対面構築と潤滑油(クッション)
※初心者向けの項です。対面構築への理解がある方は飛ばしてください。
- 対面構築とは
1.サザンドラvsウォッシュロトム
サザンドラ:りゅうせいぐん
ウォッシュロトム:瀕死→トゲキッスを出す
→サザンドラがトゲキッスに倒され、ギルガルド(シールド)を出す
2.ギルガルド(シールド)vsトゲキッス
ギルガルド(シールド):アイアンヘッド
トゲキッス:瀕死→ドラパルトを出す
→ギルガルド(シールド)がドラパルトに倒され、ヒヒダルマ(ガラル)(スカーフ)を出す。
3.ヒヒダルマ(ガラル)がドラパルトを倒して勝ち
このように、3:3→3:2→2:2→2:1→1:1→1:0と、常に数的有利をとり続ける(1on1で負けない)事で先に相手のポケモンを0にするコンセプトの構築を対面構築と呼びます。
- 対面構築の弱点
先程の例では出し勝ちでしたが、初手で出し負けるパターンを考えてみます。
1.サザンドラvsトゲキッス
サザンドラ:ひんし→ギルガルド(シールド)を出す
→ギルガルド(シールド)でトゲキッスを倒し、ドラパルトが出てくる
2.ギルガルド(シールド)vsドラパルト
ギルガルド(シールド):瀕死→ヒヒダルマ(ガラル)(スカーフ)を出す
→ドラパルトを倒し、ウォッシュロトムが出てくる
3.ヒヒダルマ(ガラル)が瀕死になり、負け。
このように、先程とは逆に此方が先に数的有利をとられ、負けてしまいます。この他にも、相手が先発有利なポケモンに交代してきた場合などに数的有利を取られやすいです。
- 潤滑油(クッション)の役割
ここで、ギルガルド(シールド)ではなくヒートロトムで考えてみます。
1.サザンドラvsトゲキッス
サザンドラ:ヒートロトムに交代
トゲキッス:マジカルシャイン
2.ヒートロトムvsトゲキッス:
トゲキッス→ドラパルト交代
ヒートロトム→ボルトチェンジでヒヒダルマ(ガラル)に交代
3.ヒヒダルマ(ガラル)(スカーフ)vsドラパルト
ヒヒダルマ(ガラル):氷柱落とし
ドラパルト:ひんし
このように、受け出しから対面を操作することで強力な出し勝ちの状況を作り出し、先に数的有利をとる対面構築のコンセプトを成立させることができます。
この役割を満たすパーティの潤滑油になるポケモンが本論のヒートロトムです。
採用理由
- 1.状態異常耐性
火傷、麻痺無効により身代わりの絡むハメ戦術に隙を見せない。
- 2.後攻ボルチェン
後攻ボルトチェンジによる後続の無償降臨、守るのないカビゴンへのあくびループやミミッキュの身代わり呪いに対して強く出られる。
- 3.尻尾トリック
呼びやすいポケモンに刺さり、積み展開の阻止にも有効。
尻尾トリックの強み
- 1.呼ぶポケモンへの刺さり
ヒートロトムはドラパルトサザンドラバンギラスパッチラゴンガマゲロゲといった積みポケモンやダイマエースを誘いやすく、トリックでSを補助することで処理しやすくなる。
電気技読みや襷を盾に繰り出されるドリュウズにも尻尾トリックから入ることでお茶を濁せる。
- 2.役割対象への安定性
ヒートロトムの大きな役割対象であるトゲキッスアーマーガアは弱点保険等を持っている可能性があり、誘い殺しをされるリスクがあるが、尻尾トリックによりこれを軽減できる。
- 3.技の打ち分け
メインウェポンのオーバーヒートと10万ボルトは半減される相手が大きく異なり、こだわり系のアイテムを持っている時の読み外しから崩されやすい。技を打ち分けられることによりそのリスクを軽減できる。
- 4.オーバーヒートのリスク軽減
炎技を打ちたいが、その後起点にされると困るといった場面にも尻尾トリックにより起点になるリスクを軽減できる。
- 5.後攻ボルチェン
個体数の多いカビゴンニンフィアやミミッキュの欠伸、身代わりループにハマらず、裏のポケモンを無償降臨させることでサイクル戦に有利になる。
例:ヒートロトムvsカビゴン
ヒートロトムボルチェン:カビゴン欠伸
→欠伸を受けてからヒートロトムがボルチェンで交代
→パッチラゴンやヒヒダルマ(ガラル)を無償降臨
型考察
- 基本形
【性格】 図太い
【努力値】 H252 C116 B140
【技】 オーバーヒート/10万ボルト/ボルトチェンジ/トリック
【持ち物】 後攻の尻尾
- 性格・努力値考察
ダイマが切れたトゲキッス(スカーフ)にトリックで尻尾を返されるリスクがある為、H4トゲキッスをダイマ+非ダイマで確定を取れるC116以上は確定。鉢巻ヒヒダルマ(ガラル)への対面処理、カビゴンからのダメージ意識や、ドリュウズパッチラゴンへのストッパーになる可能性を意識してHBに残りを振り切る。
役割範囲を狭めてもトゲキッスへ安定させたい場合はよりDに努力値を割いた方が良い。
穏やかH252 D108まで振ると特化キッスのダイジェット急所を最高乱数以外耐え。
必要な仮想敵はパーティによって異なる為、細かい努力値調整例は割愛する。
- 技考察
オーバーヒート
炎/130/90/5【特殊】★★★★★
電気技の通らない地面・草への最高打点。アーマーガアナットレイドリュウズエルフーンフシギバナに対して打つ技が無くなるため確定。
H252アーマーガア: 96.5〜114.1%(75%)
10万ボルト
電/90/100/15 【特殊】★★★★★
連打できる攻撃技かつトゲキッス、アーマーガアへの遂行技。役割対象へのダメージから放電ではなく10万ボルト推奨。
H252アーマーガア: 65.3〜79.0%
H4トゲキッス:67.0〜79.5%
H252ドヒドイデ:57.3〜68.7%
ボルトチェンジ
電/70/100/15 【特殊】★★★★★
対面操作とループ回避に必要。
H252カビゴン:20.5〜24.7%
H252ニンフィア:23.7〜28.2%
トリック★★★★★
起点回避、積み展開防止に必須。
基本的にこの技構成で確定だが、Cに振り切った場合は10万ボルトと入れ替えで放電が候補に入る。
立ち回り
先発でも後発でも活躍が見込める。特定のポケモン(ドラパルトカビゴン)を処理することで後続の一貫が取れる様ならば、有利対面トリックでのS補助をし、捨て気味に扱う。
相手の裏のトゲキッスのストッパーとしたい場合はトリックを温存しつつサイクル戦に持ち込む。
相性の良い味方
単純に補完の優れるナットレイギャラドスやボルチェンから崩しが行えるドラパルトトゲキッスパッチラゴンヒヒダルマ(ガラル)等が相性が良い。
本論のヒートロトムにはタイマン性能・抜き性能がなく、回復ソースもない為、構築全体的にパワーがあり、有利対面を作ることが大きなアドバンテージになる対面構築に採用するのが良い(場合によっては積みサイクルも可)
ダメージ計算
- 被ダメ
トゲキッス(球)のダイジェット:41.4〜49.0%
特化カビゴンののしかかり:34.3〜40.7%
特化ドラパルトの1舞ダイドラグーン:82.8〜98.0%
陽気パッチラゴン(球)のダイドラグーン:87.8〜104.4%
ヒヒダルマ(ガラル)(鉢巻)の馬鹿力:84.7〜100.0%