はじめに
前回じゃくてんほけんパッチルドンパッチルドンの育成論を書かせて頂いたものです。そちらの育成論高評価を頂きましてありがとうございます。彼の強さと可愛さをお伝えできていたら幸いです。
今回は調子に乗って2度目の投稿となります。
- HABCDS、など非公式の略語、単語等を用います。
- 論中に登場するポケモンの個体値は特に指定がなければ理想個体とします。
フワライドフワライドとは
第4世代で初登場した風船をモチーフとした愛らしいポケモンです。四字熟語に「付和雷同」という似た言葉がありますね。意味は「自分にしっかりした考えがなく、むやみに他人の意見に同調すること」だそうです。一見頼りなさを感じますが、相手を尊重することができる性格とも取れますね。まるで僕のような優しさと慎ましさを感じますね
種族値はと言うと、見た目通り?Hが150と突出しており、攻撃は並以下、耐久はペラペラという尖った性能になっています。
耐久はパッと見るとかなり頼りなく感じますが、Hが突出しているおかげで厚めに努力値を振ることで、十分な耐久を確保することが可能です。
本論の性格、努力値振りで一例をあげると、a252珠ギャラドスのダイジェットを74.8〜88.5%で確定耐えするなど、最低限受けることが可能なラインまで確保できます。
さらに豊富な補助技を扱えるこの子は、あらゆる物理ポケモンを絶望させる「ちからをすいとる」を覚えることができます。
しかも現環境において、ちからをすいとるを扱えるポケモン(進化前含む)は12匹しかいませんが、その中で素早さ種族値が最速の80を誇り、特性「かるわざ」と合わせることでほとんどのポケモンに対し上からチート技を押し付けることが出来るようになります。
本論は、この最低限の耐久面と優秀な補助技を活かし、物理受け、かつ特殊に対しても補助技で後続へのサポートができるフワライドを考察します。
※注意書き
2020年5月現在では本サイトにフワライドの育成論が4件投稿されており、その中に1件、似たような物理受けの育成論があります。ですが、微妙に技やコンセプト、努力値振り等に違いがあるため今回の投稿に踏み切りました。
特にフォークという形での投稿は考えておりませんが、コメントで指摘があればフォーク投稿に変えさせて頂きます。参考までに、勝手ながら「ごまだんご様」投稿の物理受けフワライドの育成論のURLを下記に掲載させて頂きます。
育成論ソードシールド/139
コンセプト
前述した通り、物理耐久に厚く努力値を振った物理受けを目指します。
性格・努力値・特性・持ち物
- 性格・努力値
性格はおくびょう、努力値はh76-b252-c4-d68-s108となります。
(実数値はh235-ax-b96-c111-d83-s125)
調整意図は、
1.物理耐久をa252珠ミミッキュのゴーストダイブを確定耐え
2.素早さを最速61族抜き(かるわざ発動後、スカーフ最速98族抜き)
3.余りdに68、cに4振り
となります。
ここまで物理耐久に振ることで、一般的な珠ミミッキュにはかなり有利に立ち回れるようになり、副産物的にa特化バンギラスのかみくだくも確定で耐えられます。(ダメージ計算は後述)
素早さ面では最速61族抜きより、かるわざ発動後を意識して調整しています。98族にはサザンドラ、その下にはオノノクス、さらに少し下にはヒヒダルマがいますので、この辺りのメジャーなスカーフ持ちを軒並み抜くための調整となっています。(サザンドラは役割対象外ですが、後述する技にて後続へのサポートをするため)
本論では物理受けをメインの役割としていますが、特殊アタッカーにも多少足掻けるように残りの努力値を特防に振っています。
特殊は完全に考慮しないという方には、性格をずぶといにし、努力値をh56-b252-s200振ることで、最速61族抜きの素早さラインを満たしつつ物理耐久を向上できます。(こちらの振り方は先ほど紹介したごまだんご様の育成論と同じ振り方になります)
具体的には、a252珠ミミッキュのシャドークロー+b1段階上昇込みかげうちを確定耐えのラインまで確保できるようになるため、おにび外しの不安が多少改善されるようにはなります。
本論では、特防に余りを振ることでc252珠トゲキッスのダイジェットを確定耐えや、c252サザンドラのあくのはどうを確定耐えできるようになるため、こちらを採用させて頂きます。
- 特性
かるわざ一択です。
他にはゆうばく、夢特性のねつぼうそうがありますが、受けを想定する上で素早さ上昇ができるかるわざが最も便利なため、かるわざを採用します。
- 持ち物
アッキの実一択です。
足りない防御の数値を積み技なしで向上してくれる優秀なアイテムです。またかるわざ発動にも適しており、パーティ内で取り合う可能性が低いことも魅力的です。
技構成
- 確定技1
ちからをすいとる
相手のaを1段階下げつつ攻撃の実数値分HPを回復する、言わずと知れたチート技です。本作では主にサニーゴサニーゴ(ガラル)、ポットデスポットデス、キレイハナキレイハナなどがよく使う技でしょうか。
回復量はaダウンの判定を受けるため、同じ相手に繰り返し使うと回復量は減少していきます。
フワライドはHPが高いため、ダメージ量によってはちからをすいとるでも全回復出来ないことが多々あるので注意です。ですが、逆に言うと実際の回復量が分かるため、相手の性格や努力値振りをある程度読むことができます。
また、特性まけんき持ちには逆にaを2段階上昇(トータルで1段階上昇)されてしまうので頭に入れておきましょう。
- 確定技2
おにび
相手をやけど状態にする、物理受けには必須技です。とりあえず物理ポケモンと対面したら打ちたい技ですね。
日頃の行いを見直すことで運命力を身に付けましょう。
- 選択技
上にあるほど優先度が高めです。
たたりめ
状態異常の敵には威力が2倍になるゴーストタイプの特殊技。壁貼りドラパルトがよく使う戦法ですが、おにびとの相性が非常に良く、威力130のタイプ一致技となればc無振りでもある程度の火力は出せます。
受け一辺倒ではなく、相手に負荷をかけられるようにするために攻撃技を一つは入れたいところです。ノーマルに無効なのがたまにキズ。
でんじは
これはどちらかと言うと特殊アタッカーへ打つことで起点になることを避けつつ、後続のアタッカーで処理しやすくする技です。
おにびと同じくたたりめとの相性が非常に良く、痺れを引ければ特殊アタッカーも突破出来なくないです。
こごえるかぜ
相手のsを1段階下げるこおりタイプの特殊技です。威力はお察しの通りですが、でんじはと違い無効タイプがないので確実に後続へのサポートができます。
本論では、たたりめとの相性の良さからでんじはを確定としていますが、お好みで選択していいと思います。
みちづれ
物理、特殊に関係なく一体は持っていきたいという方に。かるわざ発動後であればほとんどのポケモンに上を取れるので、実用性はかなり高いです。入れるならでんじはとの選択になります。ただしダイマックス中の相手には無効化されるため注意。
おきみやげ
特殊相手の起点回避に。自主退場できるので、ダイマックス技を空打ちさせることで能力上昇を防げることもあります。
かなしばり
相手の技を縛ることで行動を縛り、流し性能が向上します。ですが、流すより対面で処理して行きたいので優先度は低めです。ちなみにみちづれと同じくダイマックス相手には無効です。
ダメージ計算
被ダメージでは、必要に応じて簡単な立ち回りや想定されるシーンも記載している場合があります。
- 与ダメージ
- たたりめ(状態異常時)
h4ドラパルトドラパルト 103.6〜124.3%(確定1発)
h4ミミッキュミミッキュ 100.7〜119.0%(確定1発)
h4ドリュウズドリュウズ 51.8〜61.6%(確定2発)
h4ギャラドスギャラドス 39.1〜47.3%(確定3発)
h4トゲキッストゲキッス 37.8〜45.3%(確定3発)
h252ナットレイナットレイ 33.1〜39.7%(超高乱数3発 99.9%)
→食べ残し込みだと確定4発
h4オノノクスオノノクス 59.8〜71.0%(確定2発)
- 被ダメージ
- a252補正なし珠ミミッキュミミッキュ
ゴーストダイブ 84.2〜99.5%(確定2発)
a1段階ダウン+b1段階上昇+やけど ゴーストダイブ
18.7〜23.4%
シャドークロー 64.2〜77.4%(確定2発)
かげうち 37.4〜46.3%(確定3発)
b1段階上昇時かげうち 26.3〜31.0%
b1段階上昇時+やけど かげうち 13.1〜15.2%
→初手おにびから入ることでシャドークロー、かげうちを確定耐え
珠ミミッキュの対面は剣舞から、もしくは普通に殴られる場合でもおにびから入ることで安定します。ゴーストダイブから入られた場合、おにびが透かされるので次ターンはちからをすいとるで応戦します。ダメージを最高乱数で「234」受けたと仮定すると、残HPは「1」。返しのちからをすいとるで「142」回復し、「143」まで回復する。ここまで回復すればミミッキュのaダウン、アッキの実によるb上昇、さらにかるわざ発動により先手でおにびを撒けるためかなり有利に立ち回れるようになります。
- a252補正なしドラパルトドラパルト
ゴーストダイブ 77.4〜91.9%(確定2発)
ドラゴンアロー 43.4〜51.9%(乱数2発)
ダイホロウ(130) 112.3〜132.7%(確定1発)
珠持ちや特殊型も多いため、かるわざ発動前には対面を避けたいです。
- a252補正なしドリュウズドリュウズ
アイアンヘッド 37.4〜44.6%(確定3発)
いわなだれ 47.6〜56.1%(高乱数2発 84.7%)
がんせきふうじ 38.2〜45.1%(確定3発)
ダイスチル(130) 61.2〜71.9%(確定2発)
ダイロック(130) 81.7〜96.1%(確定2発)
→砂ダメ込みだと低乱数1発(18.7%)
- a252補正なし珠ギャラドスギャラドス
ダイストリーム(130) 74.8〜88.5 %(確定2発)
a1段階ダウン+b1段階上昇 雨ダイストリーム
50.2〜59.5%
a1段階ダウン+b1段階上昇+やけど 雨ダイストリーム
25.1〜29.7%
初手ダイジェットから入られてもかるわざにより上を取れるため、2発目を受ける前におにび+aダウンまで狙えます。
さらに言うと、ダイストリームorダイジェットを耐えてかるわざにより上を取れることから以下の通り受け出しから処理が可能です。
1.何か vs ギャラドス の対面
フワライドに交代→フワライドがダイストリームで最高乱数で「208」ダメージ受ける。残HPは「27」になり、アッキの実、かるわざ発動。
2.先手でちからをすいとるにより、「177」回復し残HPは「204」。雨ダイストリームにより最高乱数「140」ダメージ受ける。残HPは「64」に。
3.先手でちからをすいとるにより、「118」回復し残HPは「182」。雨ダイストリームにより最高乱数「105」ダメージ受ける。残HPは「77」に。そしてダイマックスターンを枯らすことができます。
文面のため分かりにくく申し訳ありませんが、このようにじしんかじょうやりゅうのまいを積む前のギャラドスであれば、受け出しから処理することも十分可能です。
- a252補正ありバンギラスバンギラス
かみくだく 81.7〜97.0%(確定2発)
やけど かみくだく 40.8〜48.5%(確定3発)
ストーンエッジ 102.1〜120.8%(確定1発)
やけど ストーンエッジ 51.0〜60.4%(確定2発)
- a252補正なしオノノクスオノノクス
げきりん 60.0〜70.6%(確定2発)
アイアンテール 33.6〜39.5%(確定3発)
- a252補正なしヒヒダルマヒヒダルマ(ガラル)
つららおとし 122.5〜145.5%(確定1発)
やけど つららおとし 61.2〜72.7%(確定2発)
- a252補正ありパルシェン
つららばり 93.6〜114.8%(高乱数1発)
- c252補正なしメガネドラパルトドラパルト
シャドーボール 105.5〜125.1%(確定1発)
特殊ドラパルトの相手は出来ませんね。
- c252補正なし珠トゲキッストゲキッス
エアスラッシュ 48.5〜58.2%(高乱数2発 95.7%)
ダイジェット(130) 84.6〜99.5%(確定2発)
- c252補正なしサザンドラサザンドラ
あくのはどう 82.5〜97.8%(確定2発)
- c252補正ありアシレーヌアシレーヌ
ムーンフォース 54.0〜63.8%(確定2発)
ダイフェアリー 73.1〜86.8%(確定2発)
この辺りの特殊には麻痺を撒いて退場しましょう。
立ち回り
相手の物理技に対して受け出し、もしくは死に出しにより物理アタッカーを止めに行きます。有利不利を以下の通り並べています。(全ての型や持ち物を想定しているわけではありませんので、参考程度にしてもらえると幸いです)
1.基本的に有利対面となるポケモンは、
ミミッキュ、ドリュウズ、ギャラドス、エースバーン、オノノクス、ルカリオ、ナットレイ、バンギラスなど。
2.かるわざ発動後であれば有利対面となるポケモンは、
ヒヒダルマ(ガラル)、パッチラゴン、ウオノラゴン、アイアント、マンムーなど。
3.お互いに有効打がなく、有利不利どちらとも言えない対面は、
カビゴン(型次第では不利)、ホルード、ヨクバリスなどノーマル物理全般。おにびを撒いて後続で処理しましょう。
4.基本的に不利対面のため相手をしたくないポケモンは、
タチフサグマ、パルシェン、ギルガルド(シールド)(特殊も多いため)、ドラパルト(左に同じ)、ウォーグル、キリキザンなど特性まけんき持ちや、物理、特殊のどちらかが読めないポケモンなど。
上記1に該当するポケモンには有利対面となりますので、基本的に対面からしっかり処理しましょう。
2のポケモンも、かるわざ発動後であれば十分処理ができますので、状況を見て相手をするか決めてください。
3のポケモンはやけどにより受けることは出来ますが、こちらからの有効だがないため後続で処理をしましょう。
4のポケモンは基本的に不利対面になります。ドラパルト、ギルガルドは型が判明していれば相手が出来なくもないですが、分からないうちは避けた方が無難です。
その他特殊ポケモンとの対面に対しては、でんじはを入れて大人しく引くか切りましょう。ただし、アッキの実発動前であれば、裏で受けられるポケモンがいるなら残す選択肢も持ちましょう。
弱点をつかれない相手であればたたりめで対抗してもいいですが、痺れによる行動不能を引かないと対面からの処理は難しいです。
苦手な相手
- ロトム系統
ロトムだけではないですが、電気特殊は全般苦手となります。弱点をつかれる上に、でんじはも通らないため何もできません。
- まけんき持ち
前で少し触れていますが、まけんき持ちはちからをすいとるで逆に火力が上がってしまうため、処理が難しいです。さらに、環境に多いまけんき持ちはタチフサグマ、ウォーグルとどちらもノーマルタイプであるためこちらからの有効打もありません。
- タチフサグマタチフサグマ
特性がまけんきの場合もそうですが、こんじょうの場合もやけどによりaダウンが狙えないので厳しい相手です。さらにタイプ相性でも不利なので手に負えません。初手で選出されやすいポケモンなので、他のポケモンで早めに処理してしまいましょう。
相性のいい味方
- ハチマキヒヒダルマヒヒダルマ(ガラル)
フワライド展開で物理にやけどを、特殊にはでんじはを撒いた後に繰り出すことで、圧倒的な高火力を通しやすくなります。弊害となりやすいスカーフ持ちやドラパルトなどに麻痺をまければ、一貫性の高いつららおとしで場を制圧できます。
他にもハチマキウオノラゴンや、パッチルドン、ギャラドスなどダイマエースとも相性がいいです。
- ギガイアスギガイアス
特性すなおこしにより天候を砂嵐にすることで、フワライドが厳しい特殊受けができるようになります。
hdに厚く振るだけでもかなりの耐久を得られ、かつ元のa種族値が高く無振りでもある程度の火力を持てるため、相手に負荷をかけやすいです。持ち物はチョッキでdに特化させるか、回復実を持たせて鉄壁+ボディプレス型などが面白いです。
なお、似たようなことがバンギラスでもでき、かつ相性補完はそちらの方が優秀です。ギガイアス見た目かっこいいから使いたかったんだもん
ギガイアスの優れている点は、4倍弱点の有無とb種族値の高さです。
この2体の選出だと水特殊(ウォッシュロトム、アシレーヌ、ラプラス)に弱くなるので、裏にこの辺りに強く出られるポケモンを選出しましょう。
さいごに
物理受けフワライドはいかがでしたでしょうか。ポケモンというゲームにおいて素早さというのは絶対正義であるため、優秀な補助技を上から押し付けられるだけで十分な強みになると思います。
もうあと一ヶ月もすればエキスパンションパスが開放され、使用ポケモンが一気に増えますね。環境が大きく変わると思いますので、ぜひ今の環境で試してみてください。ご愛読ありがとうございました。
更新情報
1.ダメージ計算について、「性格補正の有無」について明記しました。(2020年5月28日)