はじめまして。ピカチュウ好きのシロと申します。去年にお世話になった方は今年もよろしくお願いします。
今回はサイクル指向の『ウガツホムラ』を考察しました。よろしくお願いします。
- 非公式の略称を使用します。ご了承ください
はじめに
『ウガツホムラ』とはスカーレット限定のパラドックスポケモンで、無駄のない種族値と晴れ天候との相性の良さから注目されてきたポケモンです。
『ウガツホムラ』の長所はそれだけではありません。のタイプは攻守ともに優秀であると言えます。レギュF環境においてこの両タイプを半減できるポケモンは、マリルリアシレーヌメレシーヒードランバウッツェルの5匹しかおらず、非常に広い等倍範囲を誇ります。耐性面も『オーガポン(かまど)』のメインウェポンを両方ともに1/4にしてしまえるものとなっており、環境で役割を持つことも難しくありません。
それではなぜ、このポケモンの採用率は高くないのでしょうか。
- H105-B121の物理を受ける種族値をしている癖に『オーガポン(かまど)』以外の高採用率ポケモンのメインウェポンを半減することができない
- A115という比較的高水準の攻撃をしていながら、高火力のタイプ一致技に癖があって使いにくい
- の等倍範囲は確かに広いが、相手の弱点を突くことは殆どできない
- 『カイリュー』と役割が被る
そもそもウガツホムラを持っていない
スケイルショットで素直に殴る型にしてしまうと、型の多様性も踏まえて『カイリュー』との差別化が難しいと考察しました。タイプ上有利である『オーガポン(かまど)』の対面でも岩石封じで弱点を突かれてしまう都合上、起点化するの難しいものでした。
今回紹介しますチョッキ『ウガツホムラ』は環境にいるほぼ全ての特殊AT(例外は『ラティオス』)に対して役割を持つことができます。サイクルの中で数値受けから削り、裏のスイーパーの一貫を作ることを目指します。
攻撃面が若干微妙であるという問題についても、スイーパーの一貫を作るという目的においては左程問題になりえません。このチョッキ型であれば特殊相手にテラスタルなしで役割をもつことができ、『カイリュー』との差別化が可能です。
前提条件
本論では以下の、環境を代表する次の2サイクル構築にウガツホムラの採用すると仮定して考察を進めます。
もちもの
とつげきチョッキです。サイクル参加させるうえで必要な耐久を底上げします。また、役割対象の『ハバタクカミ』や『サーフゴー』に安定して打ち勝つために採用しました。コンセプトなので確定です。
性格・努力値と調整
※とつげきチョッキ込み
- 調整案1
いじっぱり 211(244)-173(180)-141-×-124(84)-111
H244(211): 奇数の最大値
A180+(180): 負荷を大きく掛けることを意識
D84(124): 『ハバタクカミ』の眼鏡特化ムーンフォースを確定で2耐え
※目安として『ウーラオス(れんげき)』の特化水流連打を低乱数2発に抑える程度の物理耐久(乱数2発 : 5.59%)
サイクルで圧を掛けるという目的においては不足のない特殊耐久と比較的高い火力を両立した調整です。物理方面は不安が残りますが、サイクル上で物理に役割を持つことは少ないので問題になりません。
- 調整案2
しんちょう 211(244)-141(44)-147(44)-×-148(172)-112(4)
H244(211): 奇数の最大値
A44(141): 最低限の火力を担保する
B44(147): 『ウーラオス(れんげき)』の特化水流連打を超高乱数2耐え
D172+(148): DLで攻撃が上がり、尚且つ調整案1よりも余裕のある耐久
S4(112): 低速ポケモンの上をとる
対面選出にも対応した調整です。物理面特殊面ともに優れた耐久から、殆どの対面において2耐え、そして広い技範囲で相打ちをとることができます。ただ火力不足が顕著で、サイクル選出におけるパワー不足は否めません。また、耐久調整のついでにDL対策もしているため、『ポリゴン2』にも怯えず選出することができます。
本育成論では調整案1について述べます。
技構成
- 確定技
- フレアドライブ
- 反動のある高火力技です。このポケモンの優れた耐久を削ってしまうという難点こそありますが、優秀な攻撃技なのは確かでしょう。なお、『だいふんげき』は交代封じがコンセプトと相反するために候補から外れました。
- ドラゴンクロー
- 幅広い等倍範囲を保つ癖のない物理技です。命中不安ですが、より高威力な技である『ドラゴンダイブ』の選択肢もあります。
- 非確定技
- じしん
- サブウェポンとして優秀です。主に毒テラスした『ウーラオス(れんげき)』や『パオジアン』に相打ちをとる目的で使用します。フレアドライブと役割が被ってしまうという点には注意が必要です。ちなみに、この技を採用すればすべてのポケモンに技が等倍以上で通るようになります。
- ドラゴンテール
- あると便利な技です。強引に相手を流しながら負荷を掛けます。
- ヒートスタンプ
- 重量が118kg以下のポケモンに最大威力です。それでもフレアドライブと威力が同じであり、追加効果もありません。このポケモンの最大打点は『やけっぱち』(威力150)ですが、効果的に使うことは難しいと考えられます。
- じならし、ワイドブレイカー
- あると便利な技です。相手の交代に合わせてもよいですし、裏を支援する目的でも使えます。
- テラバースト
- 技枠が若干余り気味なので、明確な役割対象がなくとも採用を検討できます。テラスタイプも構築によって調整できるため、明確に重いポケモンがいるのなら優先的に搭載しましょう。
テラスタル
- 『ウーラオス(れんげき)』、眼鏡『テツノツツミ』ピンポイントです。『ガチグマ(アカツキ)』相手にも多少強く出られますが、基本的には立ち回りでカバーできるために不要です。地面弱点のカバーに有用といえます。テラバーストと併せるとより強力です。
立ち回り
基本的にはサイクル構築で使用します。2匹の並びで回すサイクル構築に@1採用するのが主な用途となります。が弱点ではないため、ドラゴン『カイリュー』『ラティオス』との両選出も妨げません。
「特殊に受け出し」→「削りを入れる」→「裏でスイープする」
上記が基本的な流れになります。サイクルを補完しながら裏の圏内に入れることがこのポケモンの役割であるため、スイーパーを削りすぎないように役割を分散しましょう。スイーパーが倒されるくらいならウガツホムラを捨てたほうがマシな結果になりやすいです。
地面技に対しては裏に引きます。特に『カイリュー』に引くときはアンコールで縛って流すことができます。
与ダメージ計算
- フレアドライブ
無振『ハバタクカミ』 → 156 ~ 184 (120.0 ~ 141.6%) 確定1発
無振『オーガポン(かまど)』 → 112 ~ 133 (72.3 ~ 85.9%) 確定2発
無振『サーフゴー』 → 204 ~ 242 (126.0 ~ 149.4%) 確定1発
無振『ガチグマ(アカツキ)』 → 84 ~ 100 (44.7 ~ 53.2%) 乱数2発 : 28.12%
無振『ジャローダ』 → 204 ~ 242 (136.0 ~ 161.4%) 確定1発
- ドラゴンクロー
無振『ラティオス』 → 156 ~ 186 (100.7 ~ 120.0%) 確定1発
無振『ラティアス』 → 144 ~ 170 (93.0 ~ 109.7%) 乱数1発 : 56.25%
無振『イーユイ』 → 78 ~ 93 (60.0 ~ 71.6%) 確定2発
※地震であればギリギリ確一です。
無振『スイクン』 → 58 ~ 70 (33.2 ~ 40.0%) 乱数3発 : 99.97%
無振『キラフロル』 → 72 ~ 85 (45.6 ~ 53.8%) 乱数2発 : 40.62%
※地震であれば余裕で確一です。
- テラバースト(弱点)
無振『アシレーヌ』 → 168 ~ 198 (108.4 ~ 127.8%) 確定1発
被ダメージ計算
※採用率上位のポケモンを計算
特化『サーフゴー』のシャドーボール → 46 ~ 55 (21.9 ~ 26.0%) 乱数4発 : 4.71%
特化『ハバタクカミ』のムーンフォース → 60 ~ 72 (28.5 ~ 34.2%) 乱数3発 : 1.34%
無振、C+1『ポリゴン2』の冷凍ビーム → 34 ~ 41 (16.2 ~ 19.5%) 乱数6発 : 99.91%
特化『ラティオス』のりゅうせいぐん → 158 ~ 188 (74.9 ~ 89.1%) 確定2発
特化『ガチグマ(アカツキ)』のブラッドムーン → 87 ~ 103 (41.3 ~ 48.9%) 確定3発
特化『アシレーヌ』のムーンフォース → 57 ~ 67 (27.0 ~ 31.8%) 確定4発
苦手なポケモン
ポリゴン2 | カイリューサーフゴーを使っていると突破手段がなく、詰みがちです。他の耐久ポケモンにはサーフゴーが強く出られるので重くはなりません。 |
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ブリジュラス | 明確な突破手段がなく、3匹がかりで削りきるしかありません。 |
ランドロス(霊獣) | とんぼ返りでサイクル不利を取られ続けているとジリ貧です。勝利のためにはどこかで危険な読みを通す必要があります。 |
以上です。良ければ使ってみてください。