はじめに
初投稿です。餅です。悪タイプのポケモンが好きです。
なんか面白い戦法ないかなーって考えててこの戦法にたどり着きました。
第2世代で登場したブラッキーブラッキーですが、今作SVでテラスタルという新要素が追加されたことにより、これまでとはまったく違う戦い方ができるようになりました。
何をするかというとゴーストテラスタルで「のろい」を使うというものです。
積み技としての「のろい」と、自分のHPを削って相手に最大HPの1/4の定数ダメージを与える「のろい」を切り替えることで相手をじわじわ追い詰めます。
この呪いの前では身代わりは意味を成しません。普段は耐久力が高くて厄介な相手でも問答無用で1/4ずつHPを削っていきます。回復手段も持っているため、何度でも呪いをかけることができます。
テラスタルの前後で「のろい」の効果が変わってややこしいので、この育成論では攻撃防御↑素早さ↓の効果を「鈍い」、敵に定数ダメージを与える効果を「呪い」と表記します。
採用理由と差別化
「鈍い」を使えるポケモン(キョジオーンとかドオーとかその他もろもろ)であれば皆同じようなことができそうですが、ブラッキーならではの利点がいくつかあります。
- 「鈍い」を使えるポケモンの中で、物理・特殊の両受け性能がトップクラスに高いこと
- 回復手段として「ねがいごと」を使えること。今作では多くの回復技のPPが5(最大8)に減少してしまいました。しかし、「ねがいごと」のPPは10(最大16)もあります。粘り性能が段違いです。さらに「ねがいごと」は1ターン後に回復効果が発動するため、「ねがいごと」→「呪い」の順で使えば、「呪い」で消費したHPを即座に回復できます。
かわいい
以上の点を採用・差別化の理由とします。
テラスタル
ゴースト
これじゃないと呪えないから確定です。
特性
せいしんりょく(夢特性)
怯み効果を受けなくなるので行動回数が増えます。夢特性なのでとくせいパッチの使用が必要です。
持ち物
たべのこし/おんみつマント/ぼうじんゴーグル
- たべのこし
もはや説明不要の耐久型御用達のアイテムです。回復量はすくないですが、積み重なると馬鹿になりません。今回はこれを前提として説明します。
- おんみつマント
技の追加効果を受けなくなります。耐久型はとにかく被弾回数が多いので、何かの拍子に麻痺ったり毒ったり火傷ったりするのを防げます。「でんじは」、「おにび」等の状態異常にする技は防げません。
- ぼうじんゴーグル
「キノコのほうし」対策です。キノガッサを許すな
性格・努力値と調整
おだやか H:244 B:252 D:12
耐久調整ツールで計算しました。HPが201(奇数)になります。
とにかく物理特殊問わずやたらめったらに攻撃を受けまくるので、ひとまず耐久力の比率は物理:特殊 = 5:5で算出しています。
(コメント13番を受けて追記)
HPが201(奇数)だと「ねがいごと」の回復量が1減ってしまうみたいなので、そこが気になる方はHぶっぱでH:252 B:252 D:4でもいいかもしれません
あくまで一例です。
パーティの兼ね合いによって物理特殊どちらの受け性能を重視するか変わってくると思うので、必要であればパーティに合わせて調整してください。
技構成
確定技
のろい/めいそう/ねがいごと
- のろい
今回のコンセプト上必須の技です。最初は積み技「鈍い」として使用して物理耐久を上げていきます。準備が整ったらテラスタルして「呪い」に切り替えて敵を呪殺します。一度呪殺モードに入ると積み技として使うことができないので、テラスタルのタイミングは少し考えたほうが良いかも。使用する際は最大HPの半分を消費しますが、「はらだいこ」とは違ってHPが半分以下の状態で使うとそのまま呪いをかけて死にます。気を付けましょう。やらかした経験ありです。恥ずかしかったです。
あとサーフゴーは呪えません。
- めいそう
「鈍い」で物理耐久を上げるなら特殊耐久は「めいそう」で上げていきましょう。
「鈍い」とは違ってテラスタル後も使用できるので、積むのはある程度後回しにしても大丈夫だったりします。さすがに相手が特殊アタッカーなら優先して積んだ方がいいです。
- ねがいごと
回復技です。1ターン後に発動するのでHPが危なくなりそうなら早めに使いましょう。「呪い」を使う前のターンにあらかじめ使っておくことで、「呪い」で消費したHPを帳消しにすることができます。非常にありがたい技です。PPは最大の16まで増やしておきましょう。
選択技
アシストパワー/イカサマ/くろいまなざし/つきのひかり/あくのはどう
- アシストパワー
エスパータイプ威力20の特殊技です。ステータスが1段階上がるごとに威力が20上がります。例えば「鈍い」1回「めいそう」1回であれば、攻撃・防御・特攻・特防が1段階ずつ上がっているので威力は20 * 4 + 20 = 100になります。今回のブラッキーは特攻個体値が31であったとしても実数値は80しかないので、相手にダメージを与えるなら「めいそう」を優先的に積んだ方が良いと思います。6回積めばとんでもない威力が出ます。威力260特攻320です。もはや呪殺する必要が無いレベルです。
悪タイプには効かないので頑張って呪い殺しましょう。
威力が出るようになるまで時間がかかるので相手の剣舞等の積み技に弱いです。そのまま強行突破される可能性があります。
- イカサマ
悪タイプ威力95の物理技です。相手の攻撃力を参照します。上述した「アシストパワー」は相手の積み技に弱いですが、この技であれば相手の剣舞に対抗することができます。また、「ちょうはつ」を使われたときや諸事情で作戦が破綻してしまった時でもある程度相手に負担をかけられることが多く、腐りにくい技でもあります。
相手の攻撃力依存なので安定はしません。相手が耐久型ならほとんどダメージが出せないので注意が必要です。
- くろいまなざし
相手が交代できなくなります。ゴーストタイプには効きません。積み技や有効打が無さそうな相手を捕まえて積めるだけ積んでから確実に呪殺することができます。ハマれば超凶悪です。
この技を採用した場合、攻撃技がなくなります。「ちょうはつ」を使われると完全に機能停止して「わるあがき」しかできなくなるので気を付けましょう。元々「ちょうはつ」には弱いですが、さらに弱くなる代わりに有効打を持たない相手にはとことん強くなる、そんな技です。
あとサーフゴーサーフゴーで詰みます。
- つきのひかり
最大HPの半分を回復できます。天気が良いと回復量が増えます。悪いと減ります。
「ねがいごと」は1ターン後に回復する技ですが、「つきのひかり」は使ったその瞬間に回復できます。タイミングによっては「ねがいごと」と合わせて完全回復することもできます。ブラッキーの耐久力は確かに高いのですが、「鈍い」や「めいそう」を積み始めるときに高火力技を受けてしまうと割と危なかったりします。そういう状況で即座に使える回復手段として持っておくと安定感が増すと思います。
「ちょうはつ」で詰みます。そしてサーフゴーサーフゴーで詰みます。
- あくのはどう
悪タイプ威力80の特殊技です。
癖がなく非常に使いやすいタイプ一致技です。タイプ相性的に無効にされることもないのである程度「めいそう」を積んでおけば頼れる技となります。対サーフゴーならこの技一択です。
「鈍い」で素早さが下がってしまうので怯み効果はないものとして考えましょう。
また、「アシストパワー」と同様に積んでいる間に相手にも積まれるリスクがあります。
立ち回り例
・対面でも受け出しでもいいです。とにかく受けられそうな相手に出します。
・「ねがいごと」を交えながら「鈍い」「めいそう」を積んでいき、圧倒的耐久力を実現します。相手が交代しそうなら、交代先に合わせて「鈍い」「めいそう」を使えるとなお良し(物理アタッカーに交代しそうなら「鈍い」を選択するとか)。こっちが攻撃してこないと思って調子に乗ってる相手には適度に攻撃技ぶち込んでおくと勝手に悩んでくれたりします。
・準備が整ったら「ねがいごと」→テラスタル「呪い」の順に使います。
・後は流れで「めいそう」積むなり攻撃するなりしましょう。交代して呪いを解除されたらもう一度呪ってやりましょう。「呪い」の定数ダメージは呪いをかけたターンから発動するので、呪いをかけているだけで相手は消耗していきます。
与ダメージ計算
iOSアプリ「ダメージ計算SV for ポケモン スカーレットバイオレット」で計算。
とにかく積みまくるのでどこを基準にするか迷いますが載せておきます。
- アシストパワー(めいそう6積み)
ヌメルゴンヌメルゴン H:252 D:252
78.6〜92.8%(確定2発)
特防お化けのヌメルゴンが完全に特殊受けに振り切っていてもこれだけのダメージが出せます。強い。耐久ポケモンが出せていい火力ではない。
実際は「めいそう」の積み回数がもう少し少なかったり、「鈍い」の分の威力上昇を含んだりしますが、とりあえず積んだあとにぶっ放しておけばいいでしょう。半減や悪タイプが相手なら「呪い」でいきましょう。
- イカサマ
ミミッキュミミッキュ H:4 A:252 攻撃性格補正なし(剣舞1積み)
116.7〜137.4%(乱数1発)
ばけのかわをはがした後なら一撃で行けます。実際に相手にするなら剣舞のターンにテラスタルせずに化けの皮をはがして、次の「ドレインパンチ」や「じゃれつく」をゴーストテラスタルで軽減しながらぶっこむ感じになります。
セグレイブセグレイブ H:無振り A:252 攻撃性格補正有り(竜舞1積み)
81.0〜96.3%(確定2発)
H:252 A:252 攻撃性格補正なし(竜舞2積み)
85.1〜100.4%(低乱数1発)
H無振りでも確定2発です。1撃で倒すことはできません。調子に乗って2舞してくるようならH:252で攻撃性格補正なしでも乱数1発になります。「イカサマ」を隠して「鈍い」を積んで2舞を待つのも良いかも。1舞程度なら攻撃を受けきれるので「イカサマ」2連発でも良し。
ボーマンダボーマンダH:4 A:252 攻撃性格補正なし(竜舞1積み)
88.3〜104.0%(乱数1発)
性格補正ありなら96.4〜114.0%
H:4 A:252 攻撃性格補正なし(竜舞無)
60.0〜70.5%
ガブリアスガブリアス A:252 攻撃性格補正なし(剣舞1積み)
92.3〜109.8%(乱数1発)
A:252 攻撃性格補正なし(剣舞なし)
46.4〜55.7%(乱数2発)
キノガッサキノガッサ A:252 攻撃性格補正有り(剣舞1積み)
79.2〜93.3%(確定2発)
ぼうじんゴーグルを持ってれば対処できます。持ってなかったら潔く逃げましょう。剣舞後の「マッハパンチ」が怖いならテラスタルで透かしましょう。
ハッサムハッサム H:252 A:252 攻撃性格補正有り(剣舞1積み)
100.5〜119.2%91.5〜108.4%(確定1発)
・ドドゲザンドドゲザン H:252 A:252 攻撃性格補正有り(剣舞1積み)
37.6〜44.9(確定3発)
さすがにこの耐久力相手に半減だとキツイです。呪殺しようにもゴーストテラスタル後に剣舞ドゲザンされると厳しいです。剣舞がないことを祈って呪殺するか退きましょう。
サーフゴーサーフゴー H:244 攻撃下降補正
35.2〜43.5%(確定3発)
よく見るサーフゴーですがH:244振り相手なら確定3発です。「じこさいせい」の回復が間に合ってしまうので対サーフゴーには向きません。ちなみに私は悪統一パを使ってるのでサーフゴーが選出されることはあまりありません。
キョジオーンキョジオーン H:252
20.7〜25.1%
キョジオーンのような高耐久ポケモンを相手にするのも結構きついです。余裕で回復が間に合います。
積んでくる相手の対策としての「イカサマ」ですが、ドドゲザンのように半減かつ耐久の高い相手や回復手段のある高耐久ポケモンを相手にするのは向きません。積んでる相手なら確定1〜2発になることが多いです。ブラッキーの耐久なら弱点を突かれなければ1度ぐらいは耐えることができるので(被ダメージ計算参照)頑張って返り討ちにしてやりましょう。
当然ですが、特攻を積んでくる相手にはあまりダメージは入りません。
- あくのはどう
とりあえず「めいそう」2積みとして計算しました。
サーフゴーサーフゴー H:244
68.3〜80.8%(確定2発)
「イカサマ」では厳しい相手ですが「あくのはどう」ならこんなもんです。かなり余裕で突破できます。
キョジオーンキョジオーン H:252
32.3〜38.1%(乱数3発)
「呪い」の定数ダメージと合わせれば「じこさいせい」の回復量を上回ります。「てっぺき」を積み始めたら「ボディプレス」の合図なのでテラスタルして透かしましょう。
ドラパルトドラパルト D:4
93.2〜110.4%(乱数1発)
セグレイブセグレイブ H:無振り
36.3〜43.1%(確定3発)
ドドゲザンドドゲザン H:252
16.4〜19.8%
相変わらず有効打になりません。しかし、剣舞を使ってこないのであれば「鈍い」積みからの「呪い」と「あくのはどう」で十分撃破可能です。「鈍い」を積んどかないとテラスタル後の「ドゲザン」が超痛い。
被ダメージ計算
「鈍い」や「めいそう」を積んでいないものとして計算します。
セグレイブセグレイブ A:252 性格補正有り つららばり
18.9〜59.7%
(竜舞1積み)
29.8〜89.5%
全弾命中するとかなり痛いですが、1回舞われても耐えます。
ミミッキュミミッキュA:252 性格補正なし じゃれつく
44.7〜53.7%
剣舞積まれると受けきれません。「イカサマ」でなんとかしましょう。剣舞の後は確実に「ドレインパンチ」か「じゃれつく」がくるのでテラスタルで軽減しましょう。
こだわりハチマキマスカーニャマスカーニャ A:252 性格補正なし トリックフラワー
29.8〜35.8%
受けられなくはないですが、確定急所で「鈍い」の積みを無視してくるのでちょっとつらい。
(こだわりハチマキなし)
19.9〜23.8%
最大乱数でも23.8%なので「呪い」と「ねがいごと」は問題なくできると思います。特性「しんりょく」が発動すると上記こだわりハチマキと同程度の火力になるので注意。
サーフゴーサーフゴーC:252 性格補正有り ゴールドラッシュ
41.7〜49.2%
食べ残しの回復と「ゴールドラッシュ」によるC低下を考慮すると最低でも3連発までなら耐えられます。
こだわりメガネサザンドラサザンドラ C252 性格補正有り りゅうせいぐん
58.2〜68.6%
最低でも2連発は耐えます。「ねがいごと」の回復発動ラグを考えると受け出しは厳しい。
(こだわりメガネなし)
38.8〜46.2%
上述のサーフゴーよりも受けやすいです。
「鈍い」「めいそう」でさらに被ダメージを減らすことができるので、最終的には余裕を持って耐えることができるようになります。
積みまくって「ねがいごと」で回復してたら相手が降参してくることもあります。
やったぜ。
苦手なポケモン
採用する技によって苦手なポケモンは少し変わってきます。どの技を選んでもどうしようもないのもいますが・・・
- 一撃必殺持ち
これはブラッキーに限らず高耐久ポケモンの宿命ですね。どれだけ耐久力を上げても一撃必殺を受けてしまうとサヨナラです。あたらないことを祈るしかないです。
- 「ちょうはつ」持ち
作戦の大部分が補助技頼りなので「ちょうはつ」で一気に弱体化します。「イカサマ」を採用していれば相手に程よいダメージを入れることぐらいはできます。あがけ。
- 強制交代持ち
「ほえる」「ドラゴンテール」等の強制交代技を使われると作戦崩壊です。ブラッキーをラスト1匹にするぐらいしか対策はありません。
- キノガッサキノガッサ
こいつを倒そうと思ったら「ぼうじんゴーグル」と「イカサマ」が必須になります。
そこまでする?
- ドドゲザンドドゲザン
タイプといいステータスといい、とことん相性が悪いです。剣舞を持っていない型であれば「鈍い」で被ダメを減らしつつ、「めいそう」積んだ「あくのはどう」と「呪い」で倒せます。
相性の良い味方
- 壁はり要員
被ダメージ計算のように超火力相手だと流石に少ししんどいことがあります。あらかじめ壁をはってくれればかなり余裕をもって呪殺準備を整えられます。
- 特性「てんねん」
万が一剣舞等を積んだ相手に倒されてしまったりしたときの保険です。
- 苦手なポケモンを倒してくれるやつ
他のポケモンがドドゲザンとかを倒してくれたら各段にやりやすくなります。
詰ませ性能が高い戦法なので一気に勝利に近づきます。
注意点
想像はつくと思いますがこの戦い方は時間がかかります。時間切れになると判定勝負に持ち込まれるので、残り時間が少なくなってきたらそこも考慮しましょう。あと、自分の持ち時間がなくなると負けてしまうのでできるだけ素早い選択をしましょう。
逆に相手が悩んだ挙句、持ち時間がなくなって勝利することもあります。実際ありました。
最後に
「しっぺがえし」を没収されたことは痛いですが、テラスタルによって新たな可能性が見えたので育成論を書いてみました。
苦手なポケモンもそこそこいますが、作戦が崩壊したとしても肉壁としての役割は果たせるかと思います。
対戦はサン・ムーンぶりに復帰したので、「こいつわかってねーな」的な部分も多々あるかと思いますがお手柔らかにお願いします。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!