こんにちは、近日後悔と申します。今回は雨エース仕様の珠カブトプスの育成論を紹介したいと思います。
知っている方もそれなりにいるかと思いますが私は以前鉢巻カブトプスの育成論を投稿しました。(こちらになります→育成論ORAS・XY/1203)
その育成論中で持ち物候補として命の珠を一応挙げていましたが、当時の私の認識では拘り鉢巻>命の珠であり、珠を採用するのはパーティ内に他に鉢巻き持ちがいる場合や、読みが苦手でどうしても技の撃ち分けがしたい場合、宗教上の理由により死んでも鉢巻は使いたくない等の場合、くらいに思っておりました。しかし何となく珠を持たせてカブトプスを使ってみたところ、これが存外活躍し調整を重ねるごとに元のカブトプスとは別物になってきたため改めて別の育成論として投稿しようと思い立ちました。そのため前述の鉢巻カブトプスの育成論と内容が一部被っております。もちろん一部省略もできるのでしょうが私は育成論はそれ単体で最低限完結しているべきだと考えているため一部同じ内容の記述をさせて頂きます。
既知の内容が多いという方はそこはざっと読み飛ばして頂いて構いませんし、もし本育成論が不要との声が多ければ削除した後鉢巻型と統合しようと思います。
また疑問、指摘等があればコメントでお願いいたします。
前置き
・お互いに理想個体を想定しています。
・HABCDS等の略称や技名の漢字化があります。
カブトプスとは
初代からいた化石ポケモンの一角。
同期のプテラは今世代ではしれっとメガシンカを獲得し、オムスターはトノスターなどというコンビ名でデビューして雨パの主流となっているのに対して、カブトプスはイマイチパッとしない感じですね。
こんなカブトプスですが今回は雨エースとして使ってみようと思います。
他との比較
まず、雨パでエースになりうるポケモンは他にもいますので代表的なポケモンだけ軽く比較しておきます。なお、ここでいうエースとはすいすい持ちに限り、暴風を連射するトルネロス等は別物と考えて掲載しません。
- メガラグラージ
唯一のすいすい持ちメガシンカポケモン。メガシンカならではの高種族値を持ち、弱点も少なく、悪戯心電磁波テロに屈しないというなかなかのポテンシャルを持ちます。
ただし、メガシンカしたターンはすいすいが効かないという仕様により初動が鈍いという欠点もあります。
- オムスター
おそらく非メガなら6世代で最もポピュラーな雨エース。高火力先制技であるファイアローのブレイブバードを半減するため止まりにくく、雨下ハイドロポンプで脅威的な火力を叩き出します。
反面Sは控えめで雨下でもスカーフ持ち霊獣ランドロスやガブリアス、加速バシャーモに抜かれてしまうという欠点もあります。
- キングドラ
5世代で猛威をふるった通称トノグドラの一角。高火力な水技と竜技持つため受け辛く、素早さもなかなかのものですがファイアローに上から殴り倒されてしまうため昔より数は減りました。
また、雨が永続でなくなったためたべのこし+身代わり+金縛りを絡めた変則型も不可能になってしまいました。
- ルンパッパ
雨パの多かった5世代では雨パに強いという強みを持つ雨エースでしたが火力は控えめで、しかも6世代では上記のキングドラ以上にファイアローの影に怯えてほとんど見なくなってしまいました。
こいつらと比較した時のカブトプスの特色を列挙すると
・オムスターと同様にファイアローで止まらない
・高水準なSにより加速したバシャーモやスカーフを持ったガブリアス等すらも雨下なら抜くことができ、雨が止んだ後も多少の仕事ができる
・格闘技を持つため雨キラーとして名高いナットレイで止まらない
・物理アタッカーであるため同じく雨キラーとして名高いラッキー及びハピナスで止まらないが威嚇や鬼火やキングシールドで止まりやすい
・メインウエポンはアクアテール止まりであり、従って火力はやや控えめ
等が挙げられます。
持ち物
- 命の珠
控えめな火力を補うアイテムです。鉢巻よりやや火力は落ちる代わりに技を縛られないため読み要素が少ないという利点があります。今回は珠カブトプスの考察なのでこれで確定です。
性格・努力値
いじっぱり A252B4S252
調整の余地もなさそうなのでASぶっぱです。これだけのSがあれば雨下で最速スカーフガブリアスや準速竜舞1積メガボーマンダを抜くことができ、準速2加速バシャーモと同速になります(つまりS薄めのバシャーモなら2加速後でも抜ける可能性があるということです)。この高水準のSがカブトプスの強みの一つですね。なお、雨なしだと最速67族抜き、準速79族抜きになります。雨を妨害しつつ死に出してきた最速バンギラスや準速メガバンギラスを上から馬鹿力で一蹴できるのは他の雨エースにない強みといえるでしょう。
残りの4をHではなくBに振るとLv50での最大HP実数値が135となり、ステルスロックのダメージが最小になる8n-1となりますのでこの振り方になります。
特性
雨エース仕様なのですいすい一択です。
技
確定技
- 滝登り/アクアテール
雨下で連打するメインウエポン。滝登りは威力が10落ちるものの命中安定でかつ圧倒的速さで上から2割の怯みも狙える点が素晴らしいですね。
一方アクアテールは命中不安定ですがカブトプスの最大火力です。確定数が大きく変わる相手は見つからなかったので確定欄は滝登りにしてあります。
- ストーンエッジ/岩雪崩
雨下で強化されないとはいえ貴重な一致技。水技に後出ししてきた水半減の相手に撃つという使い方が多いです。確定欄は雨下滝登りと合わせてH252水ロトムを確殺できたりサンダーやギャラドスを1手早く倒せるストーンエッジにしてあります。
- 馬鹿力
ナットレイで止まらなくなる格闘技。他の雨エースとの差別化のためにも確定とします。ナットレイへの火力の違いからけたぐりは今回は候補外としておきます。教え技。
選択技
- アクアジェット
雨下ならなかなかの火力が出る先制技。一応先制技の有無は他の雨エースとの差別化にもなります。鉢巻と違い技の撃ち分けのできる珠でこそより活きる技ですので確定欄はこれにしてあります。
- 叩き落す
輝石ポリ2辺りに刺さる技。交代先にも有効だったりします。教え技。
- どくどく
受けに来た高耐久に刺してから引けば味方の時間稼ぎで倒せたり後々突破できるようになります。
- 吹雪
ガブリアスピンポイント。珠の火力増強が特殊にも効くおかげでH4ガブリアスを高乱一で持っていきますがしょっちゅうたまに外します。これを採用する場合は性格をやんちゃにして余り努力値もCに振ることを推奨します。
- 剣の舞
耐久ポケモンの後出しを読んで使います。ポリゴン2なら後出し読み剣舞からの馬鹿力で高乱一です。クレセリアは一回積んだだけでは一撃で倒せませんがそもそもクレセリアにも有効打はないためゴツメダメや珠ダメを回避しつつ立ち回れるため結果的に優位に立てます。
また、雨なしでもそこそこの素早さがあるため相手の手持ち次第では長期戦でも活きることもあります。
ダメージ計算
なお、ダメージ計算はトレーナー天国様のものをお借りしました。
- 与ダメ
水技は雨下想定
滝登り/アクアテール
H252メガゲンガー
→98.2%〜114.9%乱一(87.5%) / 109.5%〜129.3% 確一
H4ガブリアス
→77.1%〜91.8% 確二 / 86.9%〜102.1% 低乱一(18.8%)
B特化クレセリア
→38.3%〜46.2% 確三 / 43.6%〜51.5% 低乱二(6.3%)
B特化輝石ラッキー
→49%〜57.9% 高乱二(96.1%) / 54.6%〜64.4% 確二
B特化輝石ポリゴン2
→36.4%〜43.2% 確三 / 40.6%〜48.9% 確三
H252水ロトム
→40.7%〜47.7% 確三 / 45.2%〜54.7% 中乱二(51.2%)
H252ナットレイ
→30.3%〜35.3% 乱三(18.8%) / 33.1%〜38.6% 高乱三(99.8%)
珠と雨のおかげで悪くない火力が出ますね。等倍中耐久の相手なら一撃でオチますがやはりやや火力不足で、特にガブリアスを一撃で倒せないのはやや厳しいです。
一撃で倒せない相手は味方で上手くフォローしたいですね。
因みに言うまでもないので載せていませんが弱点を突けば余裕の確一です。
岩雪崩/ストーンエッジ
H252水ロトム
→50.3%〜60.5% 確二 / 68.1%〜80.2% 確二
物理特化サンダー
→68.5%〜83.2% 確二 / 90.8%〜108.1% 中乱一(50%)
威嚇込み物理特化ギャラドス
→46.5%〜55.4% 中乱二(62.9%) / 62.8%〜74.7% 確二
威嚇ナシ物理特化ギャラドス
→69.3%〜82.1% 確二 / 92.5%〜109.4% 中乱一(56.3%)
威嚇込みH4メガボーマンダ
→51.4%〜63.7% 確二 / 70.1%〜83.6% 確二
威嚇ナシH4メガボーマンダ
→78.9%〜95.9% 確二 / 104.6%〜124.5% 確一
確定数が大きく変わる相手は太字にしてあります。
流石に雨補正のない技ですし火力不足が目立ちますが水技に後出ししてきた相手を狩るには十分な火力があります。
H252水ロトム程度なら滝登り→エッジで確殺できるため後出しは許しませんし、ギャラドス相手でもA無振雨下アクアテールや地震を一撃なら余裕を持って耐えますので(後述のダメージ計算参照)死に出しで出てきても岩技2発で倒せそうですね。
馬鹿力
H252ナットレイ
→79%〜93.3% 確二
H4メガガルーラ
→98.8%〜117.6% 高乱一(93.8%)
物理特化輝石ポリゴン2
→48.9%〜58.3% 確三
仮想敵であるナットレイを一撃で倒せないのは残念ですが滝登り+馬鹿力で突破できるためナットレイの後出しを許さず、死に出された場合でも後続の処理圏内に持っていけます。ついでにH4メガガルーラも高乱一です。一方ポリゴン2はまず無理ですので味方に任せるか後述の叩き落すで補佐しましょう。
アクアジェット
無振りメガバシャーモ
→107%〜127.7% 確一
B4ファイアロー
→116.9%〜139.2% 確一
雨下で弱点を突けば普通に一撃で倒せる程度には火力があります。
叩き落す
物理特化輝石ポリゴン2
→19.7%〜23.4% 乱五
H252盾ギルガルド
→60.4%〜73% 確二
専ら持ち物落としが目的なので火力はまずまずです。削れたギルガルド程度なら突破できそうといったところでしょうか。なお、ポリゴン2は叩き落す+馬鹿力で中乱数で落とせますが後出し読みが成功することが前提なので厳しいでしょう。
- 被ダメ
大体上から殴り倒していくつもりなので先制技を中心に載せていきます。
補正ありA252ファイアローの鉢巻ブレイブバード
→43.7%〜51.1% 低乱二(9%)
補正ありA252カイリューの鉢巻神速
→26.6%〜31.8% 確四
補正ありA252メガガルーラのふいうち(親子愛込み)
→51.8%〜61.4% 確二
補正ありA252メガクチートのふいうち
→61.4%〜72.5% 確二
補正ありA252キノガッサのテクニシャンマッハパンチ
→80%〜94.8% 確二
補正なしC252メガルカリオの真空波
→97.7%〜115.5% 高乱一(81.3%)
A無振りギャラドスの雨下アクアテール
→65.1%〜77.7% 確二
C無振りクレセリアのサイコキネシス
→40%〜47.4% 確三
補正ありC252刃ギルガルドのシャドーボール
→82.2%〜97.7% 確二
実際はこちらが殴るたび珠の自傷ダメも喰らうためもう少し脆くなりますが、岩の耐性と何気に高いB種族値のおかげで先制技には大概強いです。一撃だけならキノガッサのマッハパンチも耐えたりします。でもギルガルドの被ダメを見れば分かりますが特殊は割と脆く、メガルカリオの真空波はとてもとても耐えられません。無振りクレセリアのサイコキネシス程度なら相手できるようですね。因みに珠ダメ×2+ゴツメダメ×2+無振りクレセリアのサイコキネシスをきっかり耐えますので後出ししてきたクレセリアがサイコキネシスを撃ってくればこちらは3回滝登りを撃つことができるため相討ちになり、相手が月の光で時間稼ぎしてくれば雨のため回復量が足りずに押し切れます(天候パの減少のせいか雨下の月の光の仕様を忘れて粘ってくるクレセリアもたまにいました)。もちろん幸運にも怯みを引けば余裕で突破できます。
相性の良い味方
- ニョロトノ等の雨起動要員
雨パ仕様なので当たり前と言えば当たり前ですね。ニョロトノか雨乞いと悪戯心持ちのポケモンに脱出ボタンを持たせるのが一般的なのでしょうが剣舞を採用する場合は湿った岩を持たせるのもアリでしょう。
- メガライボルト、ボルトロス、トルネロス等
このカブトプスは物理のすいすい雨エースであるため他の雨エースと比べてナットレイやハピナスやラッキーに止められにくく、従って雷や暴風をメインウエポンとしたエースと併用しやすいという特徴があるため、こういった非水エースも採用しやすいと思います。ただしメガライボルトを採用した場合は地面が、トルネロスを採用した場合電気が一貫してしまうので取り巻きでケアするか雨起動をヤミラミやニャオニクス辺りにすると良いでしょう。
最後に
以上で育成論は終わりです。
イマイチ冴えないカブトプスですが使ってみたいと思って頂ければ幸いです。
参考にバトルビデオを置いておきます。
普通の雨エースと同様に有利な相手を3タテした試合
2YTW-WWWW-WWXJ-Z3FL
基本的に私は論中では悪い状況を主に想定する癖があるためダメージ計算等では火力不足が目立ちますが実戦では相手パーティによっては余裕で3タテ出来る程度には火力があることが分かるかと思います。
砂パとの試合
PW2W-WWWW-WWXJ-Z3HH
バンギを抜けるSや先制技を持つ等の非雨下でのカブトプスのポテンシャルがよく現れた試合です。珠を持ったことにより技の撃ち分けができることが活きた試合でもあり、同時に火力不足によりバンギが一撃で落なかった等、珠の欠点もよく表れた試合でもあります。
珠カブトプスの強み弱みがよく分かる試合といえるでしょう。
後何気に彼我の選出が非常に対照的であり燃える試合でもあったため是非一度ご覧下さい。
評価の際にはコメントを頂けると今後の参考になります。