前置き
ダメージ計算はトレーナー天国様のツールを使用
全てのポケモンは指定がない限り理想個体
HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さはそれぞれHABCDSの略称を使用
という事をご理解いただいている前提で書き進めますので、ご了承ください。
メガチルタリスというポケモンについて+本記事を書くに至ったいきさつ
334という忌み数を図鑑No.に持つポケモン、チルタリスがメガシンカした姿。それがメガチルタリスである。
本来のいまいち物足りない数値、タイプ、特性を一挙に克服することに成功した。
のだが、ガルーラ、ゲンガー、ボーマンダなどの使用率上位層と比べるとやはりその性能は見劣りし、強みがあるのは周知されているのだが、かの面子を差し置いてまで採用されることは多くない。
では何故採用されることが多くないのか。それは、メガシンカによる数値上昇の無駄の多さによるものであると私は考えている。
まず先ほど挙げた3匹のメジャーなメガシンカポケモンについて、数値の変化の仕方を見てみよう。
ガルーラの数値変化はA30B20C20D20S10の上昇で、物理型のメガガルーラで採用する場合、性能に影響を及ぼす値はCを除いた4箇所の合計、つまり80である。この80という値を、ここでは実質上昇値と呼称することにする。氷技としてれいとうビームを採用する場合は実質上昇値は100となる。
ゲンガーであればB20C40D20S20で実質上昇値は100。普通に扱えばメガシンカによる数値上昇を余すことなく活かす優秀なメガシンカ枠である。
ボーマンダはA10B50C10D10S20で、物理と特殊のいずれであっても実質上昇値は90となる。両刀可能な数値であるから実質上昇値が100となることも少なくはない。
では、チルタリスはどうかというと、A40B20C40。物理で使っても、特殊で使っても、実質上昇値は60となんともしょっぱい数値である。特殊型でヒードランを始め炎タイプに手出しするための技としてじしんを採用する場合であれば実質上昇値が100になりはするが、メインで使うわけではないので、やはり物悲しい。
当然例に挙げた3匹やチルタリスはそれぞれ役割そのものが違うので同列に比較することが出来るものではないが、それでもなんとなく差があるんだなあということを感じることは出来ただろう。
それならば、上昇値100を無駄なく活かす、AやCではなく耐久や素早さに下降補正をかける型で採用すれば、メジャー組との数値差を埋められるのではないか。おそらく多くの人が至ったであろう考えに私も至ったのだ。ところが、2015年9月7日時点で、このサイトにはそのような型のメガチルタリスの育成論は投稿されていなかったのである。そこで今回、僭越ながら両刀とか安易に評価されそうだしACベースのチルタリスについての記事を書かせていただくことにしたのである。
※長々と能書きを垂れましたが、決して物理型、特殊型のメガチルタリスの有用性を否定する意図はないということをご理解いただければ幸いです。
役割、性格、努力値配分、持ち物について
- 役割
AとCに多く振ることでメガチルタリスに達成させたい役割は、受け思考の相手に対して1匹で複数の相手を消耗させることである。例えば、いわゆる受けループと呼ばれるパーティを相手にする場合、このメガチルタリスであればメガヤドラン、ラッキー、グライオン、ナットレイという主要な4匹を1匹で相手取ることが可能である。
- 性格
このメガチルタリスに期待する上述の役割にSの数値はさほど重要ではないので、今回は冷静又は勇敢が候補に挙がる。ここで、後述するハイパーボイスによるメガヤドランに対するダメージの都合上、C実数値は最低でも166を確保したいため、この記事では冷静を確定とする。
勇敢で採用する場合は地震でH振りヒードランを確定1発に出来るA実数値165を目処に組み立てるといいだろう。
- 努力値配分
努力値:132-188-0-188-0-0
実数値:167-154-130-169-125-90
Hについては余り。
AとCについては、技構成の項目で触れることとする。なお、この数値は仮想敵に対して必要な最低限の数値を確保したのち、攻撃性能を高めるように配分されているものであるので、切り詰めれば、実数値で言うとA150、C166まではカットすることが可能である。この場合余る努力値は56、数値にして7となる。
H-BラインはA116グライオンの地震が中乱数での3発程度で、A197メガボーマンダのすてみタックルを確定耐え。また、鉢巻カイリューの神速を最高乱数を2連続で引かなければ2回耐えることが可能。
H-DラインはC110スイクンの3段階上昇熱湯+火傷ダメージに対して羽休めで回復が間に合うくらいで、不一致抜群は回復が追いつかない程度ではあるがだいたい1回は耐えることが出来る。目安としては、C203から一致90技の効果抜群で確定1発となり、ある程度耐えると信頼を置けるのはC176からの一致90技効果抜群で上2つの乱数以外耐え辺りからだろうか。
S個体値については高いに越したことはないが、上で述べたように役割を果たす上での重要度は他の数値と比べて低いので、多少妥協するのであればここになる。ただし、パーティ内に凍える風や岩石封じを持つポケモンがいる場合、1段階下降した最速70族を抜くことが出来るかどうかという瀬戸際の数値なので、やはり個体値30以上が望ましい。
- 持ち物
メガシンカしないといけないのでチルタリスナイトで確定。
技構成について
- 確定技
ハイパーボイス
H201-D113の受けループでよく見られるメガヤドランに対して
ダメージ: 99〜117
割合: 49.2%〜58.2%
回数: 乱数2発 (96.5%)
であり、下3つの乱数を2回連続で引かなければ2ターンで処理することが可能である。身代わりを貫通するためグライオンに対して後出しから攻撃を通せる点も強力な、スキン特性御用達の技。
だいもんじ
H181-D160程度のナットレイに対して下1~3つ切って1発となる。
それよりもDに厚くふられたナットレイに対しては1ターンでの処理は難しいが、その数値まで耐久に割いているナットレイであれば、向こうも1ターンでこのメガチルタリスを処理することは急所が絡まなければ不可能である(S90のメガチルタリスに対してS22ナットレイによるジャイロボールの威力103で計算。A160ナットレイからでも上2つの乱数以外は耐える)。
からげんき
H331-B62の輝石ラッキーに対して、状態異常時で
ダメージ: 169〜201
割合: 51%〜60.7%
回数: 確定2発
決して安心できる数値ではないが、特殊技を見て出てきたラッキーに対して手痛い一撃を浴びせることが可能。また眠る瞑想型のスイクンに対しても熱湯による火傷を上手く引ければ有利に展開できる。状態異常技が蔓延る現環境では優先されるべき技であるだろう。
- 候補技
はねやすめ
1匹で複数の相手をさせる上で、回復技があればその役割は達成されやすくなる。推奨はこちら、
じしん
フェアリー+ほのおで等倍を取れない相手に刺さりやすい技。確定欄のA154でH193-B126のヒードランを約70%程度の確率でワンキルすることが可能。
パーティ内での立ち位置
このメガチルタリスは構築の軸に据えて使用するものではなく、1匹目のメガシンカ枠ないしエース格のポケモンでは処理しきれない相手をケアするために採用されるものである。また、あくまでも役割対象は受け思考のパーティであり、攻撃的な(いわゆる前のめりな)パーティを相手にするのは苦手であるため、選出機会にはあまり恵まれないだろう。これは他のエースと仕事の棲み分けが出来ている≒メガチルタリス独自の役割を持つことが出来ていると言っていいだろう。なお似たような役割を果たせるポケモンにはメガボーマンダがいるが、フェアリーと飛行の攻防における範囲の差でどちらがパーティに適しているかを判断するとよいだろう。
あとがき
拙い文章ですがお読みいただきありがとうございました。
考察中の間違いや改善点、読みにくいからこうしてほしいなどの要望がありましたら、コメントでご指摘していただければ幸いです。